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第60話 桜井さんの行方②
「それで僕に何の用かな?」
そう尋ねてくるマイケルくん。
しらじらしいここに私を呼んだのはマイケルくん自身なのに。
「…ごめんなさい」
「何をしてごめんなさいかを言わないと僕分からないな」
「…顔を叩いてしまってごめんなさい」
「やっと言ったね。本当、君のせいで僕の大事な顔に傷がついちゃったじゃないか。あーあー。この傷は一生残っちゃうなー」
そんな訳ないだろう。とも言えず黙ってマイケルくんの話を聞くしかなかった。
「どう責任を取ってもらおうかと考えたんだけど。やっぱり、一生の傷を残されたんだからね」
次にマイケルくんが何を言おうとしている事がだいたいわかった。
「僕と結婚してくれないと許せないなぁ」




