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第44話 会えない②
「はぁはぁはぁ…」
なんだか最近走ってばっかりだ。こんなに走るのなら夜のランニングの距離を長くしてもっと鍛えていればよかった。
…桜井さんを一人で帰らしてしまった、あの時。桜井さんと一緒に帰っていたら何かが変わっていたかもしれない。
桜井さんは俺といるのが嫌だったのか?
色々な思いが出てくる中、俺は家に戻り自転車を出した。
今から近くの駅に行って空港に行けば、まだ桜井さんがいるかもしれない。
それに俺は賭けた。
自転車に乗りペダルを思いっきり…
キッキー!っと車が目の前に止まった。
この車は…お姉ちゃん?!




