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第8話 舎弟①
ピンポーン。
扉を開ける。
扉の前には初めて見る、金髪のいかにもヤンキーが立っていた。
「アニキ、お迎えに参りましたー」
誰?
「わからないっすか?昨日助けてもらった一年の片桐です」
昨日…。
昨日は、桜井さんに映画の約束ができて気分良くいた。
それらしいことといえば、不良と喧嘩したくらい。いや本当は、ぶつかっただけ。
あの時、メガネをかけた人が不良に絡まれていた。
気分が良かった俺は、止めに入りに行ったら、足を滑らし、不良の急所に頭が当たった。
不良は倒れ、近くにいた不良の手下が気絶した不良を連れて去った。




