第13話 鍛冶屋にて
マタマモレナカッタ...orz
ここの店主は所謂ドワーフっぽい。
アルナさんやギルド長よりさらに身長が低く。
身体の幅と分厚さと体重をそれぞれ二倍から三倍にしたような体格をしている。
当然筋肉と骨格も違う。
中身が圧縮されて、ぎっしり詰まった藁人形の様だ。
店主が厳つい顔のまま作業を止め、俺達を一瞥すると在庫について説明する。
店で数の多い武具をあれこれ吟味していたことは分かってるようだ。
裏手の倉庫で在庫を一括して保管してある事を説明するだけして再び作業に没入する。
竃を睨み、水に指を入れ、頷いては鉄を打ち据える。
金属を打つ独特の音が店中に響き、赤熱した鉄が水に入れられ音を立てる。
大振りの玄翁を打ち付ける度、ステラの耳とヒゲがピクピクと動いた。
向ける視線は無いが顔は常にドワーフの店主の方を向いている。
鉄を鍛える彼の表情に一切の雑念は無く。
だというのに店の中の俺の行動を察知していた。
...何気に凄い人だな。
しかしあとは買うか仕事以外に話掛けるなという事か。
防犯はどうしているのだろう?
俺達は言われた通り裏手に回って在庫を確認しにいく。
煉瓦造りの倉庫の中には丁寧に並べられた武具の数々。
棚の枠が納めるモノに合わせてあり、小さな値札が前の方に貼られている。
鎧や盾に、さらには鉄で出来た弓の類もあった。
なかには鍋や地球で見た中華鍋のようなものまで、これまたかなり大きい。
およそ五、六人分の大盛り料理をいっぺんに炒める事が出来るだろう。
鋼鉄と保護用の油の匂いに囲まれ。目移りしながら目的のものを探してるうちに、ラヴィネがある棚を見て吠えた。
「わふっ!わん!」
ずらりと揃った盾の並びだ。
タワーシールドは店の分合わせて十個。
カイトシールドも十個あるようだ。
全員分とまではいかず、そうなるとラウンドシールドでいくしかないか。
バックラーみたいな小型の盾もあってこれらは両方とも二十個くらいあった。
どちらも木と皮と鉄の複合素材ながら、思いの外軽くて取り回しが効く。
だがそれはあくまで普通の人間?の基準だ。
ハイオーク達の膂力は相当なもので、石を握って壊せる程ある。粗末なものでも武器を持たせれば楽に熊も狩れるだろう。
というか、素手であっても普通に熊と同等以上に強いのだ。
大きさと重量からして散兵にはカイトシールドが最適だろう。
それか首領オークのように両手武器を持たせるのもありかもしれない。
片手でも扱える斧やメイスで金貨一枚程度だが、ゴツい両手武器ともなると金貨二枚から三枚にもなっている。
片手斧やメイスでも作りの良いものは金貨二枚から三枚になる。
フレイルやモーニングスターはどうだろうと探してみたが見つからない。
不人気だからか?結構強いと思うんだが...
剣の類もあるがこれがどれもこれも金貨一枚以上からで、小さなナイフでようやく大銀貨一枚。
鉄塊みたいなゴツい大鉈に戦斧を見た時は、これこそうちのオーク達にと一瞬ときめいたが...金貨四枚からと来たものだ。
しかし、ここに来て資金が苦しくなるとは。
うぬぬ...。
首領に良い大剣を渡したい。
これから戦うみんなに納得のいく装備を渡したい。
鎧に服に上着...本当なら狼や蛇達にも身を守る魔道具を...身につけるものが欲しい。
そういや鍋と包丁買わなきゃだめだったな
...どうにか出来ないか?
いや、落ち着け!
資金は限られてるんだ今必要無い物を買ってどうする。
考えが纏まらず、壁にもたれて座って頭を掻く。
ラヴィネが膝の上に乗って座り、尻尾を振りながら俺の顔に頭を押し付けた。
真っ白な毛並みが視界いっぱいに広がって暖かな毛並みが頰と鼻をくすぐる。
便乗するようにステラが逆側から鼻を押し付けた。
ひんやりと濡れた鼻が頰にあたり、追従するように動く髭がこそばゆい。
うん
ちょいと冷静になろう。
そういやあの胡散臭い露店で箱買ったんだっけ
──時間もまだあるし、開けてみるか。
俺は空間から箱を二つ取り出した。
大きさはどちらもステラ一匹にも満たない。
うーん...
これは銅貨一枚ですらも高いかもしれない。
...見た目はな。
まあ開ける事が出来るっていう情報を伏せて買ったんだからお互いさまか。
俺は二つの箱を並べて置くと、それぞれの箱の上に指を当てて呟いた。
「──【解除】」
がちゃりと音をたてて、二つの箱がゆっくりとぎこちなく開いていった。
(´ω`||)残業駄目絶対
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