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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第三章 村かと思えば街だった
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第7話 街へ行こう


もうそろそろ戻っても大丈夫だろうか。


あれから戻るタイミングを図りかねた俺は未だに採集を続けていた。


既にその籠は薬草ときのこでいっぱいだ。

他にも虫除けの草以外に、薬草の効能を一際強めたような草を偶然見つけることが出来た。


しかしそろそろ此処から先に行くべきだ。

もう二〜三時間ほどしたら昼になるだろう。


そう考えていたら遠くから鐘のような音が鳴り響くのが聞こえた。


街で時刻を報せる鐘の音のようだ。


...これ以上まってても埒があかない。


それにあの女の子の関係者が心配するか。


「戻ろうか?」

「ぴゃぁ」


ステラは採集の間、尻尾の先をパシパシ器用に俺に叩きつけていた。まるで早よ戻れ!と言っているかのようだ。


むしろヘタレ!かもしれない。


おかげでちょっと痛い。



「すみません、只今戻りました」


誤解を与えぬよう、念のために声を掛ける。


「わんわん!」

「あっ...」


声を掛けた途端。

ラヴィネがマントの目隠しの陰から、俺一直線に駆け出した。


「おっとっと、よーしよし」

「わぉぉん!きゅううぅ、きゅううん!」


まとわりついて尻尾を千切れんばかりに振る白いもふもふ狼をわしゃわしゃ撫で付ける。


続いて女の子も出てきた。

出会った状態のままで、スカートに濡れた跡も匂いもない。

洗ったあと焚き火でしっかり乾かしたようだ。


「あ、あの...ああ、ありがとうございました...」

「いえ、無事でなによりです」


俺は彼女に持っていた籠を渡した。


「こんなにたくさん...あ、こ、これ...三楽草に一立茸も...!」


彼女は籠に入ってた一部の草やきのこを手に目を輝かせていた。


そんな名前かあ。


三楽草は種と草と根全部に効能があるからなのか、期待されてる効能が三つあるからか。


一立茸は、その形から立の字が想像付かないが凄く元気になるって爺ちゃん言ってたな。

何処がとは微妙に言葉を濁してたが、良い値段で売れたしまあ...そういう事だろう。

彼女の喜び方から別の用途もありそうだけど、聞いたら答えてくれるだろうか。


...いやセクハラやん。


黙ってよう。

俺は空気が読める男...ステラはなんで首絞めるの?ギブギブ



「この近くに生えてました。一部の種がなってたのを全部取って埋めて、茸と草両方株も残したので。春が開ける頃には、また同じ場所でより多く採れるでしょう」

「ほ、ほほんとうですか!」


えらく喰いついて来たな。


「ええ、でも一人で此処に来たらだめですよ?」

「あ、はい...ごめんなさい」


釘を刺されたら一瞬でしょぼくれ。


「だから、今度来るときは一緒に来ましょう」

「え...!は、はい...そ、その時はふふっ、ふちゅちゅかものですが...ぉお願い、します...」


落ち込んだと思ったら、喜んだり赤くなったりもじもじしだしたりして表情豊かだ。

ステラが喉をゴロゴロと鳴らして俺の顔に頭をぶつけている。


猫はきまぐれだなあ...猫じゃないけど。


目隠しに使ってたマントを取って焚き火から火の付いた枝を取り、熊の死骸近くに枯葉と枝を集めてそのまま点火。

一気に燃え上がった炎に虫除け草をそのまま放り込んだ。

しばらくすると、なんとも言えぬ匂いの煙が立ち込め。その煙をマントを使って熊の死体を時折ひっくり返してはまとわりつかせた。


熊の遺体から小さな何かがポロポロと零れ落ちる。おそらくこれがノミダニだろう。うぇ、しらみっぽいのもいる。

付いてた虫はしばらくもぞもぞ動いていたが、やがてうごかなくなった。


...タリオンの記憶でも知ってたが、凄いよなこれ。


効果が凄まじくて、ラヴィネとステラの事が一瞬心配になったが。ステラは俺の肩で呑気に欠伸をしてて、ラヴィネは俺の隣に座って尻尾を振っている。

目が合えば「なあに?」と、耳を伏せて余計に尻尾をぶんぶん振りまわした。


なんともないか。


まあ二匹とも相当特殊な生き物だし、そういうこともあろう。

俺はマントを動かすのをやめてラヴィネとステラを撫で回した。


最後に焚き火を水で消し、鎮火した事を確認し。俺は使った鍋をしまおうとして、彼女に止められた。


「あ、そそその...」彼女の顔が物凄く赤い。

「?」


なんだろう?


「鍋...その、ああ、洗って...返しますから」

「あ、そ、そうですか」


鍋は彼女に回収されてしまった。

それ以上は何もいうまい。

俺は虫を駆除した熊の死体を担ぎ上げた。


「よっこいしょ」

「わぁ...」


昔からやってた事なのに、彼女からの視線が眩しくて照れ臭い。

血抜きは喉と頭からしっかりなされてるので、買い叩かれる事もないだろう。


「それじゃあ行きましょう」

「はい!」「わん!」「ぴゃぁ」


俺たちは少女の歩幅に合わせ、街に向かって歩き出した。


(´ω`)この小説を書き始めてもうそろそろ一ヶ月...

読んで頂きありがとうございナス!

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