傭兵《Mercenary》
これ、キャラ出しても説明なきゃ駄目やん!()
私は頭を悩ませていた。
「ですから!各国に対抗するためには、我々も戦力を強化するべきです!」
「しかし…!我々にそのような財力はないのです!」
「ならば、都市開発に使う金を回せば良いでしょうに!」
「それでは国民の不満が募るばかりです!国同士よりも先に暴動が起こってしまう!国が崩壊するぞ!」
今、国会で会議が行われていて、もうかれこれ2時間はずっとあの調子だ。どのようにしようとも、結局根本的な解決にはならないというのに。確かに今のニホンは小国だ。防壁にひびが入っている小さな城みたいなものだ。そんな国が戦力を強化しようとも勝てないものは勝てない。なんでそれに気づかないのだろう。すると、蚊帳の外にいるかのように座っていた私に議員の一人が話を振る。
「先程から黙っていますが、貴女にはなにかこの状況を打開する策はありますか?」
先程まで言い争っていた議員達が一斉に押し黙り、こちらに視線を向ける。ああ、面倒臭い事を……。
「……ええ。無いことには。」
「それは本当なのか!?」
「皆さんは笹海ユキノリという機械技師を知っていますか?」
「勿論です。世界的に有名ですから。知らない人はいないほどです。」
「なら彼についての説明は省かせていただきます。私は独自のルートを使い、笹海ユキノリについて調べあげました。……カズ、資料を。」
「了解。」
私の後ろにいたガタイのいい男が、まとめられた資料を素早く配っていく。資料に目を通した議員の一人が声を荒らげた。
「【AIVI/s】?まさか、/sシリーズか!?」
「はい。笹海ユキノリは密かにこれを設計していたらしいのです。」
「なんと!」
やっぱり食いついた。小国であるニホンとしては、喉から手が出るほど欲しいものだしね。
「しかし、笹海ユキノリは、AIVI/sが未完成のまま亡くなったらしいのです。」
「それでは意味が無いではないか!」
「ええ。ですからこれは提案したくはなかったのです。」
議員達の顔が瞬く間に暗くなっていく。そんなにがっかりされてもどうにも出来ない。
「結局、振り出しに戻っただけか……。」
「あまり意味の無い情報で申し訳ありませんでした。このままでは埒があかないのでまた後日ということにしませんか?」
「むむむ……。」
「仕方ないですね……。日を改めてからまた行いましょう。」
議員達は渋々といった感じで解散していく。
まったく、相手するのも楽じゃないわ。
「お疲れ様でした、キイナ様。」
「はーあ……。話が全然進まないわ、言いあってばっかりだわで、終始イライラしっぱなしだったわよ…。私達だって、こんなところで足止め食らってる場合じゃない。AIVI/sについてもう少し情報を集めないとね。」
椅子から立ち上がり、背もたれに掛けていたコートを羽織る。
「それが、私達【多目的傭兵インフェルミナ】の今回のミッションです。行きましょう!」
誰もいなくなった会議室では、暫くキイナの声が響き渡っていた。
前書きでも書いてた通り、キャラの詳細分かった方がいいと思うので次はキャラについて書きます。