出逢い《BOY meets MACHINEDOLL》
どうも、ツギハギ人形です。この作品が初めての小説です。至らない点は多いと思いますので、見てくださった方、アドバイスなどいただけると嬉しい限りです。
「うっ……!げほっ!」
3年間使われていなかった蔵の扉を開けると、溜まっていた埃が雪崩の如く押し寄せてきた。
「うへぇ、最悪だ…。」
頭や肩に積もった埃を手で払いながら溜息をつく。視界が晴れると、無造作に放り投げた様にガラクタがあちらこちらに散らばっていた。
「これを俺一人で?片付けろと?……勘弁してくれ。」
俺は笹海マコト。機械をいじるのが少々得意な普通の学生だ。天才機械技師と謳われた爺さんを持ち、両親も機械技師という、機械に何かと縁がある家系だ。その爺さんが生前住んでいた家を、学校が近いからという理由で譲り受けた。何もかもが自動化された地球で今時めずらしい……もとい絶滅したはずの古ぼけた一軒家である。だから蔵なんてあるんだけども。
「って言っても一人暮らしだしなぁ。しょうがない、頑張りますか!」
腕まくりをして作業を始める。途中で昼食を食べ、午後も蔵の掃除。正直もうやめたい。
「一個一個が重いんだよなぁ……っとと!」
荷物を持ち上げた際にバランスを崩し、後ろによろける。そこにはまだ片付けていなかった荷物が積み上がっていた。そのまま突っ込んで波のように荷物が落ちてくる。
「痛ててて!………ん?」
自分の身体を四方八方から囲んでいる荷物の隙間から妙な扉を見つける。かき分けるように抜け出し、扉に近付く。
「なんだこれ?」
和風な造りに似つかわしくない鉄の扉。扉の横には上向き矢印と下向き矢印のボタンがあった。エレベーターだろうか。心の中では、なんでエレベーターがあるのかという疑問より、使ってみたいという好奇心が勝った。というよりも、何故か行かなければいけない気がした。
「なんだか気になるな。片付けは中断して行ってみるか。」
下向きのボタンを押すと、鉄の扉はゆっくりと開いた。乗り込むとまたゆっくりと扉が閉まり、身体が少し浮くような感覚に襲われる。よく聞く軽快な機械音と共に扉が開く。
「眩しっ!」
急に強烈な光が入ってくる。あまりの眩しさに咄嗟に眼を瞑る。
光に慣れてきたので眼をゆっくりと開ける。目の前にあったのは、光で照らされた手術台の上に横たわる謎の少女。長髪で色は黒。背は俺よりも少し高めで強く掴んだら折れてしまいそうな華奢な身体。そして、出るところは出ている可憐な少女は眼を開ける気配はない。
「これは一体……。なんでこんなところに女の子が……。し、死んでるのか?」
戸惑う俺の目に映ったのは、奥にある作業台の上にある様々な工具と機械のパーツ……パーツ?
「まさか、、、機械じゃないだろうな……?アンドロイド?爺さんが作っていたのか?」
爺さんは作業場を誰にも見せようとはしなかったのを思い出した。もしかしてこれを見られたくなかった……?
「それにしても動かないな。まだ未完成?」
少女を舐めまわすように見る。未完成の部分を見つけようとしてるだけだからね?決していかがわしい目で見てないからね?
「ダメだわかんね。設計図ないのかな。」
そう思い、作業台の上を漁る。台の右上にメモとともに設計図を見つけた。
「なんだあるじゃん。このメモはなんて書いてあるんだ?」
メモは爺さんがこのアンドロイド?を起動させる最後のパーツについて書いたものだった。
【これを見てるのはマコトだろうか。いや、マコトだろうな。いいか。こいつの最後のパーツはな、お前が大事にしているあの白銀の歯車だ。それを背中の一番前にはめ込むんだ。そうすれば起動する。そしてそれは世界を変えるものとなるだろう。】
「白銀の歯車……?確か小学生の頃にネックレスみたいにしてたっけか。多分これのことだよな。」
服の下に隠していたネックレスの先端を取り出す。白銀の歯車が光に照らされ輝く。
「こいつを背中にはめ込めば……ってか。ま、物は試しだ。」
少女を手術台に腰掛ける形に直し、横に座る。背中の部分を開くと、明らかに一箇所だけ穴が空いているのが分かった。そこにはめ込めばいいのだろう。ネックレスから歯車を引きちぎる。
「ここにこうして……と。これでどうだ。」
カチリと軽快な音を立てピッタリはまった。背中を閉めると、歯車が回りだし、少女の身体が少しカタカタと動く。やがてそれが止むと、ゆっくりと目を開き、金色の瞳がこちらを見据えた。そして口を開く。
「おはようございます。私を目覚めさせてくれたこと、感謝致します。マスター。」
少女は微笑み立ち上がると、スカートの両裾を摘み、ふんわりとお辞儀をした。
趣味って、上手い下手関係ないと思いますが、下手だとなんかやる気なくします……なくさない?