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夢殺人  作者: 七宝
9/9

トゴシヒロミ

 私は、静子さんが嫌いだった。

いつもいつも頑張ろうね、頑張ってねって。

私はこんなに頑張ってるのに、もう頑張れないよ。重いのよ、その言葉が。優しくしてるつもりだったのかもしれないけど、私はそれを言う人が心底嫌いだった。


 それにしても、完璧にやったつもりだったのに、結局捕まっちゃうのね。正義は勝つってやつかしら。メールで遺書まで書いて首吊り自殺に見せかけたつもりだったのに。

 

 で、やっぱり人を殺すと悪夢を見るものなのね。ガッツリ悪夢見ちゃったわよ。トラウマ級のを。まあ、そのおかげで真奈も殺そうと決意出来たんだけどね。形見分けで貰った静子さんの指紋のついたハンカチを使って。


 でもさすがに幽霊沙汰では終わらせてくれなかったわね。その時のために賢治に罪を被ってもらうつもりだったのに、それも失敗して。


 私、なにやってんだろ。

 まだハタチなのに。


完結です!ありがとうございました!

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