解決
例の靴跡と同じサイズの靴はたくさんあった。その中でも靴の裏の形が似ているのはひとつだけだった。
「完全に一致しました。間違いなくこの靴です。」
「つまり賢治さんは夢の話を立ち聞きし、夜中に合鍵で忍び込んで真奈を殺した。そうよね?」
「お義姉さんは僕に恨みでもあるのか!そんなに犯人にしたいのか!」
「そりゃ娘殺されたんだから恨むわよ!嫁が自殺したからって私の娘に復讐なんてふざけてるわよ!」
「う、うわあああああん!」
賢治は泣き出してしまった。
「博美さん、それは違うよ。私の息子は人殺しなんてしない。それに、合鍵はあなた達がうちに引っ越してきた時に返してもらったよ。」
お義母さん⋯⋯。今更庇ってももうネタは上がってるんだよ!
「ほんとに、僕じゃないんだよおおお。」
まだ泣いている賢治。
「夢の話はお義姉さんが刑事さんに話してるのをさっき聞いたんだよおおおお。僕じゃないよおおおお。」
往生際の悪い奴め。
「まあまあ、喧嘩はやめてください。今に真犯人が分かりますから。」
真犯人?
「足跡からは性別、その人の大まかな身長も分かるんです。個人の特定もできます。」
「みなさん順番にこの靴を履いて足跡をつけてください。」
なんか、シンデレラみたいだなぁ。
結局、犯人は私だった。
義妹を殺したのも、私だった。