メールの内容
賢治は携帯電話を取り出して、メールを見せてくれた。
『明日はあなたの誕生日だから、ケーキ予約しなくちゃ♡』
え?
「すみません、一個前のやつ見せちゃいました。こっちです。」
『子供のいない世帯なんてこの世にごまんとあるはずなのに、なぜ私だけこんなに言われなきゃならないの?そもそも理論上もう不可能なのよ。私もう62よ?これからもずっと言われ続けるのなら、もう耐えられません。死を選びます。』
やっぱりこれが原因か。
「他に昨日メールをされた方は?」
私もメールをしたが、『今日もお仕事頑張ろうね♪』と送られてきただけなので言うほどのことでもないな。
「本当にごめん、妻がほんとに申し訳ないことをした。本来なら母を恨むはずなのに、真奈ちゃんを殺すなんて!多分あんたら夫婦が憎かったんだろう。」
「いやいやいやいや」
刑事が割って入った。
「違うでしょう?幽霊が犯人なんてある訳ないでしょう?」
「いや、でも現に⋯⋯」
「我々の捜査力を舐めないでください。絶対に真犯人を見つけますよ。幽霊が犯人なんてことになったら、真犯人は万々歳ですからね。まずさっきのメールです。一個前のメールとテンションが違い過ぎるでしょう。」
た、確かに⋯⋯。
「そして、指紋以外にも証拠になるものはあるはずです。例えば足跡とかね。」
さすが刑事さん!
「それでは、調べてみましょう!」
刑事さんが主人公みたいになってきた⋯