Part 2-5
ATC-Parbright ,UK Mar. 26th 2014
２０１４年３月２６日 イギリス パーブライト 陸軍訓練施設
シュミット・ベンダー製スコープのターレットを操作してゼロリセットの設定をし直すウィリアムの手際を黙って見ていた麗香は、眼の前の人が確かたる技術を持っていることには何の疑いも抱いていなかった。
ただ、人間性としてはどうなのかとなると、まだ答えを出せずにいた。
「よし、レイ──ライフルを抱き立ち上がって付いて来い。１４００ヤード(:約1280m)の散歩だ」
彼女は返事もせずに引き抜いた最初の弾倉を左手でつかみその手でフォアグリップを握りストックを右手で抱きかかえＡＸ５０を持ち上げると立ち上がった。さすがに両手のふさがった状態でマットをまとめろとは命じられなかった。麗香がマットから下りるとウィリアムはフィールドスコープを吊り紐で首に下げ自由になった両手でマットを筒状に丸め脇に抱きかかえ歩き始めた。
「どうして弾が残っている弾倉を換えさせたんですか？」
麗香は悔しいぐらい戦闘服の似合ってるウィリアムの背中に問いかけた。
「マガジンの中にはアモニッシュを押し上げるバネが入ってる。お前が握るそのマガジンには５発ロードできるが、最初の１発は、最も圧縮されたバネの力がかかったか、もっとも力のかからなかった最後の１発は計測できないレベルでカートリッジが歪むかまったく歪んでないかだ。中間の３発が平均に近いとするならその外にいる２発はカウントにいれない。まあ、それは気のせいだと無視するシューターも多いが、ロングレンジ──それもマイル以上の距離の狙撃では、可能な限り外因となる弾道に影響するリスクを避ける事だ。それにまだある。タクティカル・シューティングでは、最大限の火力をたえず維持する必要がある。競技の様に標的が限られているとはいえないからだ。マガジンに一発残した状況で敵が複数現れたら、攻撃を受けながらマガジンを交換する事になる。余裕がある限り交換できるタイミングがあればマガジンは新しくする事だ」
ウィリアムの戒律──その１。いいや、昨日からすでに両手で数え切れないほどの教えを擦り込まれていた。そうだ。彼が教えようとしているのがまるで布教の様だと麗香は感じた。
私を洗脳しようとしてる。ウィリアム教だわ。教祖は軍人上がりのワケあり。信徒は一人。いずれ潰れる教団。
「お前、フィールド歩きが好きなのか？」
いきなり何なのだと彼女は思った。
「山歩きを──おじい様に連れられては子供のころからしていたので、歩くのは苦になりません」
苦になるとすれば、この重たいライフルなのだと麗香は口を滑らせそうになり噤んだ。不平を言えば、弱みを晒すことになる。この人に同情を得ようなどとは決して思わない方がいいと勘が囁いていた。
「スナイパーの移動は機甲化兵の様な楽な行軍はまずない。例え敵地深くパラシュート降下したとしても人目を避けひたすら歩き続ける」
遠くから連射する幾つもの銃声が聞こえていた。麗香は彼といると本当に自分は兵士になり敵地を渡り歩いている様な気がして驚いた。私は兵士なんかになりたくはない。戰を傘に嬉々として人を殺しにいく様な狂気に染まりたくはなかった。そこのところをはっきりさせておくべきだ、と彼女は思い口を開いた。
「ウィリアム、あなたがどの様に思ってるか、私にはわかりませんが、私は兵士にもならないし、ライフルの使い方を覚えても、それで人を殺したくはありません」
黙々と歩き続ける彼はしっかりと聞いたはずだった。無視しているのかと麗香が思い始めた矢先にウィリアムが口を開いた。
「ああ──それはわかってる。他人に不当な死をもたらす輩を排除しなくてはならない時、私が行きますと、お前は手を上げるな。一線を越えるな」
意外だと麗香は思った。ウィリアムの兵士らしからぬ言葉に彼が秘めている何かに触れた様な気がした。
I will touch you.
(:彼の心に触れるには)
But how? ...How do I?
(:いったい、どうすればいいの?)
Finding out if you'er ticklish?
(:あなたは気むずかしい）
「レイ、面白い話をしてやろう」
麗香は彼がはぐらかした様な気がした。彼に面白い話などできるのだろうか？
「フィフティ・キャリバー(:.50 口径)は銃口を出た瞬間どれくらいの速度があると思う？」
ラプアが１０００ヤードを飛び音が返るまで確か４秒弱だった。彼はスチールプレートまで１／３だと言ってたはず。なら１．５秒前後飛ぶのにかかったのだろう。０．９１４㎞を飛ぶの間に秒速０．６０９㎞おおよそ秒速０．６１㎞出ていたはずだわ。音速はどれくらいだったろうか？ 確か時速１２００㎞ぐらいだったと学生の時に習った。なら音速は秒速３３３ｍ。ラプアは一秒間に平均６１０ｍで飛んでいたとしたら、銃口を出た瞬間はもっと速かったはずだわ。後は山勘だった。５０口径も似たようなものだと麗香は想像した。
「音速の２倍ですか？」
彼が含み笑いを漏らした様な気がした直後採点された。
「評価Ｂ＋(/プラス)だな。ほぼ秒速２８２０フィート(:約859m)──音速の２．５倍だ」
時速だと３０９４㎞になるはずだわ。音速を間違えたのだろうかと彼女が思っていた時、ウィリアムがとんでもない事を口にした。
「そのアモニッシュが眼で追えると言ったら信じるか？」
麗香は呆れかえった。彼は私を担ごうとしている。飛行機の様な大きなものなら──それが視線の先、遠くを飛んでいるのなら、見えるかもしれない。だけど、大きいとはいっても５０口径──１２．７ｍｍしかない弾丸がそんな高速で飛び離れていくのを眼で追えるはずがないと否定した。
「無理でしょう。あまりにも速すぎるし、あまりにも小さいですから」
「それが実際見えるんだ。スコープ越しでも、裸眼でも」
見えなければ、私の眼に欠陥があると彼は言い出しかねないと麗香は思った。
「冗談ですよね。私が詳しくないからと」
「正確に言うとバレットそのものが見えるんじゃない」
じゃあ、何が見えるというのと彼女は眉根をしかめた。
「切り裂かれてゆく空気の痕跡を眼で追うことができる」
痕跡？ 音速だから？ 音速を越えると空気がどんな振る舞いをするのだろうと麗香はあれこれ考え始めた。
「ブランクレンジの様なショートレンジではあまりにも一瞬だから痕跡も見えないが、ロングレンジシューターだけの特権だ。フィフティ・キャリバー(:.50 口径)ぐらいになると音速を超えた衝撃波が連なるリング状の輪となって見えるぞ。雨上がりの後とかはクッキリとな」
言われ麗香は瞳を寄せてしまった。“衝撃波”──ショックウエーブ。どこかで聞いた事のある言葉だった。あまりにも速い航空機が飛ぶと音が追いかける様に波を作る──だったかしら？ リング状に連なった圧縮された空気。
「銃口から標的まで──最初から最後まで繋がってるんですか？」
「いや、見えるのは中間から終末にかけてだ。条件が揃わないと見えないが。シューターから見えるのなら反対側からも同じ様に見えるという事だ。辿れる──それが意味する事はなんだ？」
反対からも見える？ 反対側から見る人？ 麗香は不意に彼の口振りを思い出した。ウィリアムはあまり標的という言葉を使わない。彼は殆どを『敵』と表現している──その事実。
敵に気取られる。
「土煙と同じく狙撃位置を見抜かれて──敵に知られてしまうわ！」
「いいぞ、評価Ａだ。湿度の高い時は狙撃してネストを素早く移動しろ。でないととんでもない反撃を喰らうぞ」
また知らない言葉だわ。“ネスト”。麗香は反射的に彼に尋ねた。
「ウィリアム、“ネスト”って知りません」
「スナイパーの“隠れ場所”だよ。それをＮＥＳＴという。古い言葉でな。帆船のマストの上にある見張り台もネスト──クロウズ・ネスト(/Crows-Nest)という」
彼の生きるための──生き残るための教えだと麗香は感じた。彼はライフルの事を粗放に教えているのではない。私に生き残る術まで授けようとしている。彼の言葉を疎にしてはならない。彼の戒律を守らないといけない。まるで彼のアガペーじゃないのと、言葉にならない思いが込み上げてきて、しばらく麗香は無言で彼の背中を見つめていた。
いきなり彼が立ち止まり振り返るとマットを引き伸ばした。１４００ヤード歩ききったのだと思うのと同時に彼が精確に歩いていると麗香が思い知ったのは再びプローンの体勢でスコープを覗いた時だった。悴む指でズームリングを調整し遥か遠くの盛り土に置かれた標的を眼にした瞬間。波打つ空気の先に上下左右に揺れまくる新聞紙半紙大の標的の高さ──６０センチ足らずのものが最小のラインマーク間にほんの僅かに足らない事実。
０．３８ミルぐらいに見えるその揺れる『敵』が１７００ヤード(:約1554m)先にいた。
LAX Los Angeles CA., U.S. AM 10:20 Aug. 13th 2015
２０１５年８月１３日 午前１０：２０ 合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス ロサンゼルス国際空港
ガラス越しにビノキュラー(:双眼鏡)で２５Ｒ滑走路の離陸出発点に待機する旅客機を見ていた空港保安局部長のアヴィ・クルーガーは、アイカップを顔を着けたまま管制課主任へ問いかけた。
「エンジンを回したままだな──呼び掛けは続けてますか？」
「ええ、ハイジャクだとパイロットが伝えてきた時点で、こちらからは音声通話をできるのですが、機長は操縦室に犯人の一人がいるのらしいので、モールス信号での応答が続いています」
「で、ハイジャッカーらの人数はわからんと」
念押ししながらクルーガー保安局部長は管制塔から操縦室が見えればと思ったが、２５倍のビノキュラーでは役不足だと感じた。
「操縦室を占拠している者が一名、他は操縦室に入ってません。ですが乗客を監視するのに数人はいるものと。航空保安官は搭乗していないんですか？」
「搭乗名簿には名前があったが、操縦室のドアは防弾仕様になってる。拳銃弾ぐらいではロックは壊せない。となると、犯人らはショルダー・アームスを用意しているとみた方がいいでしょう。保安官はかなりの訓練を積んではいるが、武装はハンドガンのみです。隙を突けるまで攻撃は仕掛けんでしょう。巻き込まれる乗客達の事もあります」
言いながらクルーガー保安局部長は二人のスカイマーシャルの顔を思い浮かべていた。上院議員が搭乗されるということで異例の二人が勤務についていたが、二人いてなお阻止できないとなるとハイジャッカーらは４人以上の確率が高かった。
「他の着陸機が見当たらないが、他の空港への誘導は終わりましたか？」
「いや、継続中です。うちに来る旅客機は半端なく多いのであと半時間はかかります」
それを聞いてクルーガー保安局部長は、ビノキュラーを下ろし管制主任へ振り向いた。そうして彼は、なら舞台は我々対策と犯人らの独壇場になったと思った。あと半時間以内にＦＢＩの者達が来るが、それまでは自分が重責を引き受けないといけないと覚悟はしていた。
「ではパイロットに問い合わせてほしい。空席になっているシート・ナンバー、それに犯人らの人数を確認できないかと。それと武装も。あとどの航空会社でも構わないから同型機を借用してハンガー(:整備格納庫)に待機させてほしい」
空席を調べることで立ち歩いているハイジャッカーらの偽名でも搭乗予約の名前が特定できる。
「何かを口実に機長を客室へ行かせる事は可能だが──同型機をハンガーにですか？ 犯人側に乗り替えさせるなら貸し出しを渋る航空会社が大半だと思いますが」
「いえ、特殊部隊の突入演習に使用しますから」
強行策に出るのかと管制主任は思ったが、できるならどこか軍の滑走路でやって欲しいと暗に願った。事態が収拾しても保全で空港の閉鎖状態がさらに伸びてしまう。薬莢一つ滑走路に落ちているだけで事故に繋がりかねない。
「主任！ ハイジャッカーのリーダーを名乗る男から責任者を出せと無線で連絡が！」
管制主任とクルーガー保安局部長が振り向くと管制官の一人が予備のヘッドセットをコンソールに接続し彼らに突き出した。管制主任が保安部長を“責任者はあなただ”と言わんがばかりに振り向いた。クルーガー保安部長はその管制官の元へ急ぎ移動するとヘッドセットを受け取り頭に掛けブームマイクを口元に寄せた。
「私が責任者のクルーガーだ」
『役職は？』
彼は犯人側から真っ先に尋ねられるとは思ってもみなかった。
「ロサンゼルス国際空港保安局部長だ。ＴＳＡ(:運輸保安庁)の役人だ」
『きさまでは役不足だ。ホワイトハウスの者へ繋げ。できるだけ上位高官の者を出せ。ただし国防長官はだめだ。こちらの連絡先番号は０２０４９９７ＸＸＸＸ──だ。要求を受け入れなければ十五分毎に乗客一人を殺し状況をネットにアップロードし大衆の耳目に晒す。私は第７５レンジャー部隊第２大隊所属のマーティン・ルフェイン中佐、認識番号は６３３ー２５ー０６２９──だ』
真意は何だろうか？ 犯人が自ら名乗り出る事で乗客の命を奪うという脅しがハッタリでなく、本気だと思わせ要求交渉を有利に運ぼうとしている可能性があった。だが本人かどうか国防総省に問合わせればすぐに判明するとクルーガーは即断した。
「わかった。連絡を入れるよう取り計らう。しばらく待て」
告げた直後、無線の音がホワイトノイズに切り替わり、自動でミュートされた。
ハイジャッカーらは軍人の特殊部隊兵士の可能性が出てきてクルーガー保安局部長はこれはもう自分の采配で何とかできるレベルではないと判断しながら、コンソールの受話器を上げると逐次報告を命じられていたＴＳＡ(:運輸保安庁)本部の危機管理首席監督官ダグラス・スタインの直通番号へコールした。スタイン首席はまるで待っていたというように呼び出し音一回ですぐに電話に出た。
『ＴＳＡ危機管理首席監督官のスタインだ』
「ＲＡＸ(:ロサンゼルス国際空港)のクルーガーです。ハイジャッカーから最初の要求がありました──」
保安局部長アヴィ・クルーガーは犯人の主犯格らしき人物について報告し始めた。
#2031 Boing 777-300ER West-Liner LAX Los Angeles CA., U.S. AM 10:16 Aug. 13th 2015
２０１５年８月１３日 午前１０：１６ 合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス ロサンゼルス国際空港 ウエスト航空 ボーイング７７７ー３００ＥＲ ２０３１便
「クリステンセン上院議員、席を立て。操縦室へ来てもらおう」
ハイジャッカーに有無もいわさず命じられ代わりに立ち上がったのは隣の席に座る秘書のルーシー・レインだった。
「議員を連れて行かせません！」
睨みすえるブルネットのその決意を砕くように頬にサブマシンガンの銃口が押しつけられた。その瞬間だった。女がとんでもない反応を見せた。顎を引き上目遣いで男の目を睨みつけたままブルネットの女は男が左手で握る短機関銃のフォアグリップをその上から右手でつかみ大きく右上へ逸らすと、立ち上がった座席の足元から通路へ半歩踏み込みそのハイジャッカーの腕に交差させる様に左腕を男の双眼へ鋭く突き出した。Ｖ字に伸ばした人差し指と中指が愕き見開かれた瞳孔を捉える寸前、男は熟達した反射動作で右肘を弾き出し、女の延ばしかかった腕へ叩きつけた。
左腕を外へ逸らされてなお女の攻撃は止まなかった。座席側にあった左膝をハイジャッカーの腹目掛け蹴り上げた。その突き出された膝を一瞬で身体を捻り腹の前で滑らせると男はサブマシンガンのグリップから右手を放し拳を女の顎めがけ捻り上げた。その拳を女は顔を横へ振り躱すと完全に通路側へ出てきて男の右足の踝の後ろに踵を引っ掛け上体にぶつかり押し倒そうとした。
バランスを崩し男が倒れれば一気に有利になり、倒される衝撃の一瞬銃を奪い取り形勢を逆転させるとルーシーはハイジャッカーの両目を睨みつけたまま捻った上体をぶつけ一気に押し倒そうとした。シークレットサービス上がりの私とクローズコンバット(:近接格闘)など無謀だと思い知らせてやる。彼女がそう思った瞬間、男がとんでもない事を目論んだ。
下がっていた短機関銃のストック後部を右手でつかみそのまま前へ出てきていた彼女の顎へ振り上げた。ルーシーは顎を振り上げ躱すしか方法が残されていなかった。男にぶつかりかかった勢いから他にどうしようもなかった。その振り上げた顎先にストックのバットプレートの角が命中し、男にぶつかりかかった勢いから、彼女は寸秒気が遠のいた。それを男が逃さなかった。つかんでいたストック後部から右手を放し女の首へ指をかけ一気に手前に引き倒した。バランスを崩し男の足元に両膝を落とし床に跪く形になってなおルーシーは反撃を試みた。咄嗟に男の履いた左足の靴ひもを片手でつかみ、もう片側の手を右足のアキレス腱の付け根にかけ引き倒そうとした。
後頭部に突きつけられた銃口に彼女の動きが止まった。引き金を引かれる！ ルーシーがそう考えたのと同時に横槍が入った。
「止めたまえ！ 彼女に手を出すな！」
そう怒鳴りクリステンセン上院議員が立ち上がった。彼が通路に出てくるのに合わせハイジャッカーの男は機首側へ後ずさった。ルーシーが顔を上げ男を睨み上げると男も銃口を向けたまま彼女を睨み下ろしていた。その眼を見上げながら彼女はこの男は冷徹に人を殺せると直感した。もしかしたら軍人なのではとルーシーが感じ取った矢先にハイジャッカーの男がクリステンセンに命じた。
「上院議員、操縦室に来てもらおう」
クリステンセンに両肩を抱き上げられルーシーは立ち上がった。離れてなおハイジャッカーの男は他の乗客や上院議員にではなく用心深く彼女にだけ銃口を定めていた。歩き出した上院議員に合わせギャレーの方へ後ずさっていく男を座席の背もたれの角に右手をかけ睨み続けるルーシーは第２ラウンドは負けないと決意した。
☆付録解説☆
☆１【ＴＳＡ】(/Transportation Security Administration)合衆国運輸保安庁。大規模テロ9/11の後直ぐに編制された航空機テロのみならず公共運輸機関の保護策定・実行を担うための組織です。大規模テロに危機感を抱いたアメリカ政府の決意は大きく、巨大なこの組織を短期間に立ち上げました。旅客機に乗り込む武装航空保安官は同庁の下部組織FAMS(:連邦航空保安局)の職員です。
☆２【クローズコンバット】(/Close Quarters Combat)近接格闘。これは徒手空拳の戦闘から、至近距離の銃撃戦までもを含みます。人が生死を掛ける多くの技術には格闘系スポーツを含め極限の美が存在するのだと思い魅せられるのですが、実戦では古くは軍のMartial-Artsや最近では近接銃器戦闘のCAR-Systemなど多くが存在します。それらは尽きるところ合理性を極めた生死を決する争いです。その素早さや巧さを文章で表現するのは難しく、単に“戦った”、“凄い争いだ”、“誰が勝ち誰が負けた”といった単純な表現では何も伝える事ができないと思います。ですがそれらを知っていただきできるだけこれからも工夫をして読者の方々に安全でリアルな仮想体験（臨場感）をしていただきその美に触れていただければと願って止みません。
☆次話へのプロローグ☆
極大射程の入口へ踏み出しその困難にたじろぐ麗香へウィリアムはさらに高みへと導きます。対策側へ身分を名乗り出たハイジャッカーに戸惑いを隠せない乗客達にも様々な顔がある次話をご期待くださいませ。
