表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

甘いケーキと甘くないキミ

作者: 小枝

「えーっと…(ガサゴソ)…あれ、ねーちゃーん!」

「何〜?」

「前買ったポッ○ーは〜?」

「食べた〜。」

「え〜…ま、いっかポテチで。」

「ダーメー!それあたしのだからね!」

「はぁ〜?いいじゃん別にぃ。」

「ダメっつってんでしょ〜?それ期間限定の

なんだから。」

「ケチくせぇな…(ボソッ)」

「なんか言った?」

「何も〜?……ん〜(買いに行くのめんどいしな…

あと金使いたくないし、

でもこれ以外菓子も無い、と)…!」

「ちょっと、今から食べるんだからそこどいて!」

「ねぇ、姉ちゃん。」

「何よ?」

「千円くんない?あと一つ頼み聞いて。」

「はぁ?ヤに決まってんでしょ、ほらポテチ。」

「ヤに決まってんでしょ、弟のお願い聞いてくんないんだもん。」

「あぁ?!あのねぇ、アンタの考えてる事なんて

どーせロクでもない…」

「三代目…」

「(ピクッ)!」

「友達がさぁ〜、なんかライブ関係の人と知り合い

でぇ〜、チケットとれるらしいんだよねぇ〜。」

「…。」

「頼んであげてもいいけど〜?断ったって今ボクの

抱えてるポテチがふりかけになるだけだしぃ?」

「…何しようってのよ…?」

「あ・り・が・と♡じゃあさ…」

____30分後____

ピンポーン

『はーい?』

「…!乾、です、昂いますか。」

『あ〜乾くん!久しぶり〜!ちょっと待ってね〜』

ガチャ

「いらっしゃ〜い、昂と約束してたんだよね?ごめんね〜アイツ今出掛けてるのよ、すぐ帰って来るから

入って!」

「じゃあ、お邪魔します。」

「飲み物入れるから座っててね〜」

「あ…すいません…。」

「いーのいーの!オレンジジュースでいい?」

「はい。」

「…はいっ、どうぞ〜。」

「すいません、ありがとうございます。」

「いーえ〜、いつも昂と仲良くしてくれてありがとね!」

「いえ…そんな。」

「ううん、アイツ友達は多いんだけどね?親友が

いないタイプなのよ〜、だから乾くんみたく

家に呼ぶくらいのコがいて安心っていうか…ね?」

「いや…こっちも友人が多い方じゃないんで、感謝、してるんです。」

「いいコだな〜(イケメンだし…)アイツもいつもは

素直じゃないんだけど、乾くんのこと大事に思ってんのよ〜。」

「え?」

「今だってね?家に甘いお菓子が無かったから

スナック菓子にすれば?って言ったら、乾くんは甘い物が好きだから、って買いに行ってんのよ。」

「…そう、なんですか?」

「うん…あ、これあたしが言ったって内緒ね?さっきも言ったけど、あいつホント素直じゃないから。」

「…はい。」

ガチャ

「ただいま〜。」

「あ、帰ってきた、昂〜!乾くん来てるよ〜!」

「えっ、うわごめんハル!ちょっと急用でさっ。

(サッ)」

「…!」

「ほーんと、時間よく見ないんだから。」

「うるせーなーもー、ハルっボクの部屋行こっ。」

「ん。ありがとうございました。」

「いいのよ〜、昂がなんかしたら遠慮なく言って!」

「どーゆー意味だよそれぇ!ほら早く行こ!」

____in昂の部屋____

バタン

「ごめんね〜ウチのバカ姉が、なんか変な事言われ

なかった?」

「いや、別に。」

「そ、まぁ座ってよ、今お菓子持ってくるから。」

「…あぁ。」

____

「お待たせ〜、はいっ!」

「…おぉ、なんか…すげえ豪華だな。」

「っしょ?」

「これ…何だっけ、有名な…ナントカって店の

やつ?」

「ナントカって( 笑 )うん、『Piège』のガトーショコラ!」

「あー、それだ、高いヤツ。」

「そーなんだけどね〜、なんか母さんの

知り合いがそこで働いてるらしくてタダで

くれたんだって、んですぐ食べんのもったいない

から、ってなかなか食べないもんだからさ、

もうボクらで美味しく頂いちゃお!」

「いいの?」

「いいよ、どーせ残り物だし?」

「……。」

-『乾くんは甘い物が好きだから、って買いに行ってんのよ。』-

「…買ったらどんくらいなんだろうな。」

「さぁ?まぁ気にしないでよ、食べよーぜ!」

「……ふっ。」

「ん?どしたの?」

「いや、何でも。」

「ん〜うま〜!やっぱ高いケーキって違うな!」

「やっぱ高いの?」

「!…そりゃ、そこら辺のケーキ屋よりかは高い

かな〜って、さ。」

「ふ〜ん…。」

「…食べないの?」

「ん。」

「え?!ハ、ハルってチョコ好きでしょ?」

「超好き。」

「は?」

「いや、なんか…もったいないなって。」

「え〜?ケーキって見るためのもんじゃないよ?

食べてこそのケーキでしょ?」

「まぁ、そうだけどな。…このケーキ、特別だから。」

「はぁ?だからただの残り物だって!食べないんならもらっちゃうよ〜?」

「…じゃあ、あ。」

「あ?」

「食べさせて、お前が。」

「なっ、な〜んでボクがそんっなめんどくさい事

しないといけないわけぇ?自分で食え自分で。」

「あ。」

「……はぁ、…ハイ。」

「掛け声。」

「知るかっ。」

「んぐっ、…うめぇ。」

「ホント?」

「お前も食べたろ。」

「しゃっ、社交辞令みたいなもんじゃん!人に食べ

さす時の!」

「ふっ、なんだそれ。」

「も〜!珍しく笑うな!」

____数時間後____

「じゃ、ケーキご馳走様。」

「もーあんなことさせんなよっ?」

「さぁな、んじゃ。」

「ん!また来てもいいからね!」

「相変わらず上から目線だな…ん。」

「はい?」

「さよならのキス。」

「それは新婚夫婦がするものであってボクらがする

ものじゃないよね?」

「でも恋人同士だろ。」

「えぇ…嫌なもんはい…」

グイッ

「んんっ!?」

「……っ、…甘ぇ。」

「…ケーキ食った後だからだろ…ばか。」

「照れてる?」

「とっとと帰れ!もう来んな!!」

「ははっ、はいはい。」

____

「……(ニヤッ)」

ガチャ

「ふぃ〜、寒…」

ゴツンッ

「?!ってーーな!!いきなり何すんだよゲス女!!」

「ゲスはそっちでしょ〜?!大事な友達にあんっな

罠仕掛けといて!」

「どこが罠だよ!ちょっと好感度上げに行っただけ

だろーが!!てか、報酬に釣られてホイホイ協力した姉ちゃんも姉ちゃんだろ!」

____最初に戻る____

「…つまりあんたに千円渡して、ケーキ買いに行った事を乾くんにそれとなく言えばいい訳ね?」

「そっ!そうするだけで三代目のライブ行けちゃうんだよ?悪い話じゃなくない?」

「そーね、悪いのはあんたの意地の方ね。」

「はぁ?なんでだよ?」

「はぁ〜、全く、我が弟ながら末恐ろしいというか…手遅れというか…。」

「だから何でだっての!」

「無自覚?!…あのねぇ、ちょっと好かれたいからってそんなくどい策略、普通友達に仕掛ける?」

「策略じゃない!…テクニック、って言って?(ニヤッ)」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ