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始まり
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ガタガタと小屋の壁が風に押されて呻きをあげる。
暖かかった季節は終わりを迎え、これからどんどん気温は下がるだろう。
隙間から入り込んだ風が、小屋の中央、ボロボロの布を被り、寒さに耐える少女にあたる。
少女は簡素な服を着て、これまた同じように簡素なズボンを履いていた。
しかしそんな服装ではあるが、少女の容姿はまるでお伽噺に出てくるお姫様のようだった。
肩まである銀髪は窓から入り込む月明かりに照らされて輝き、美しいとも、可愛らしいとも言える顔付きをしている。
そんな顔も、いまは苦しげに歪んでいた。
「・・・寒い」
そう呟くと、布を持って風も光も当たらぬ部屋の隅に移動し、再び目を閉じる。
「いつまでこのままなんだろう・・・」
そう言い残して、少女の意識は途絶えた――
――――――
新年に間に合わせる為にめちゃくちゃ短くなりました。
すみませんm(_ _)m