七曲目『夏雪祭二日目・メイド戦士ハルちゃん爆誕!』
《♪》
【夏雪祭】二日目
しばらく歩いていると、三―Aクラスが見えた。凄い人だかりだった。
見ると看板には『メイド執事@喫茶』と書いてあった。
なんとなく予想はついた。それに嫌な予感がするので、俺はUターンして帰ろうとすると、誰かが俺の襟首をヘッドフォンが掴む。
「ちょうどよかった♪ ハルキ。力を貸して」
雄太さんに捕まった。
「嫌です。俺に何させる気、グホッ!」
俺は暴れるが、いつの間にか鳩尾に拳を叩き込まれる。
「大丈夫。嫌なのは初めだけだよ。途中から快感に変わってくるから」
薄れゆく意識の中、悪魔の微笑が雄太さんから聞こえた。
《♪》
気が付くと俺はメイドになっていた。
「なんで! 俺がメイド服なんですか!」
「似合うから♪」
議論終了。
「源氏名は『ハルちゃん』で決まりね♪」
「いやぁぁぁぁぁっっっっっ!」
その日、新たな黒歴史を生んでしまった。
しばらく俺は三―Aでメイドとして働いた。黒歴史がまた増えてしまった。そう思いながら接客業にあたる。
しかし真に後悔したのは次の瞬間だった。
「おかえりなさいませ。お嬢様」
「ん、ただいま」
そこにリンゴ飴を齧っているシャリアがいた。
「そうか、目覚めちゃったか、ハルキ……いや、『ハルちゃん』しょうがない。だってすごくよく似合ってる」
俺は割れたガラスのように粉々に砕け散った。
《♪》
「しくしく」
俺は部屋の隅で泣いていた。
「少しやり過ぎた?」
「そうだね」
英子さんと雄太さんは反省しているようだった。
「えっと、悪かった。もうしないから期限直せな?」
「グスッ。本当ですか」
恨めし気にみる俺(メイド服と女装により美少女なハルキ)。この時ほど俺は自分の対応後悔したことはなかった。
この日、俺はメイド戦士ハルちゃんとして、学園にその名を刻んだ。
当然、次の日もメイド服を着ることになりました。
《♪》
今、この時より、メイド戦士ハルちゃんの戦いが始まった!
『訳・今後もハルちゃんが出る予定があります』