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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

セーブ&ロードのできる宿屋さん

セーブ&ロードのできる宿屋さん 各章あらすじ&キャラ紹介

作者: 稲荷竜

★一章 ロレッタの『花園』制覇

あらすじ:

『死なない宿屋』

 冒険者垂涎のそんな都市伝説をもつ宿屋があった。

 少女ロレッタはある目的のため、駄目元でその宿屋にたどり着く。

 そこで知った『死なない宿屋』の秘密とは。


「セーブポイントです」


 そこの宿屋は、異世界から来たという、『セーブポイント設置能力』をもったカンスト冒険者の経営する店だった。

 冒険者を引退して宿屋を経営、しかも冒険初心者に修行までつけているらしい。


 ロレッタは、叔父がダンジョン内で落とした『家督の証の指輪』を取り戻すため、強くならなければならなかった。

 そこで、宿屋主人アレクに修行をつけてもらうことになるのだが……


登場キャラクター:

◆ロレッタ・オルブライト

 人間族。貴族。

 赤髪、赤目の大人びた少女。大人びすぎていてだいたいの人に実年齢より上に見られることを、本人はそれなりに気にしている。

 彼女は母の語った『貴族としてのあり方』を好み、それに沿って生きている。そのお陰か気高く他者を思いやる性格だが、反面、生真面目で人の善性を信じすぎるところもある。


◆バイロン・オルブライト

 人間族。貴族の男性。

 ロレッタの叔父。






★二章 モリーンの『屋敷』侵入

あらすじ:

『狐』と呼ばれる凶悪な犯罪者がいるらしい。

 憲兵大隊長の家で育った孤児、モリーンは、育ての親の役に立とうと『狐』を探し街をさまよっていた。

 そこで見つけた『銀の狐亭』という怪しい宿屋。

 調べてみる価値ありと入ったその場所で、モリーンは怖ろしい人物と知り合うことになる。


「ようこそ『銀の狐亭』へ。俺は主人のアレクサンダーです。アレクでもアレックスでも、お好きなように呼んでください」


 この人物が『狐』なのではないかと疑いをもったモリーンは、彼のもちかける『修行』を受けてみることにした。

 なにがあっても耐えてみせる。きっと、強くなり、『狐』の尻尾もつかんで、育ての親・アンロージーの家に帰ってみせる。

 そう誓って、彼の課す修行に挑むのだが……


登場キャラクター:

◆モリーン

 魔族。孤児。

 髪と肌が純白、左右で瞳の色が違う、非常に美しい容貌の少女。魔法の才能もかなりのもの。

 ただし、生育環境のせいで、本人は自分を『どんくさく地味』と思いこんでいた。


◆アンロージー

 人間族。モリーンの育ての親。

 集団犯罪対策専門の憲兵第二大隊を率いる女性。身寄りのない、『人間以外の種族の』孤児を引き取る活動を熱心に行っている。






★三章 ホーの借金返済

あらすじ:

『銀の狐亭』。

 金銭に困っていたホーは、その宿屋が『料金後払い』だということを思い出し、宿泊を決める。

 冒険というのは金のかかるものだ。武装代、治療費、とにかく金額がかさむ。宿代をねぎってやろう。あわよくば踏み倒してやろう。そんな意思さえ持っていた。

 だからもちかけられた『修行』も、ケチをつけるために受けることにしたのだが、待っていたのは想像だにしない、拷問のようなものだった。


 修行の中で精神を壊していくホー。

 しかし、効果は想像以上だ。

 最初は借金返済できる程度の強さが目的だった彼女も、次第に『それ以外の目標』に目を向けるようになっていくのだが……


登場キャラクター:

◆ホー

 ドライアド。冒険者。

 白く長い髪を手足のように扱う特殊な種族。肌は褐色で、長寿種族だが、容姿はいつまでも子供のようなもののまま。

 口調や態度は乱暴だが、それはただの強がりであり、本来の彼女はまだ子供。

 修行の中で心が折れかけると素が出る。


◆クー

 ドライアド。ギルドマスター。

 ホーの祖母。老化により、髪は緑色になっている。

 乱暴な口調と、険しい目つき、いつでもパイプをふかしている。

 余計なことをしゃべらない性格で、それが孫との軋轢を生んでいるようだ。






★四章 トゥーラの近衛兵入隊

あらすじ:

「あたくしの直属になりたいのかしらあ? そうしたら、『銀の狐亭』っていう宿屋で修行をつけてもらってきなさあい?」


 女王直々の命令により、近衛兵を目指すトゥーラは『銀の狐亭』で修行をすることになった。

 たどりついた『銀の狐亭』は、近衛兵の最終試験場とは思えないような、ボロい宿屋だ。こんなところで? という疑いを持ちつつも、生来真面目なトゥーラは建物に入る。

 そこで出会った教官は、アレクサンダーという男性だった。


 幼いころから近衛兵を目指していた彼女は、どのようなつらい修行にも耐える覚悟があった。すべては自分を救ってくれた女王陛下を守るため。なにがあってもくじけない。

 しかし、『銀の狐亭』で行われる修行は、彼女の覚悟を試すようなものばかりで……



登場キャラクター:

◆トゥーラ・マカライネン

 人間族。貴族。

 黒髪黒目のまだ幼い少女。近衛兵候補になれるぐらいの家柄だが、偉そうなところはなく、様々な人に対し尊敬をもって接する。

 教官や先輩の言葉を疑うなどもっての他と思っている彼女だが、さすがにアレクの発言は聞き返したり突っ込んだりする。


◆ルクレチア

 人間族。女王。

 桃色髪に桃色の瞳の、若き女王陛下。

 のんびりとしゃべる人であり、部屋では露出の高い服装を好む。

 昔、アレクに助けられたことがあり、それ以来、側近たる近衛兵の訓練は彼に一任している。





★五章 ソフィの『おばけ大樹』探索

あらすじ:

 ゆえあって『エルフの森』と呼ばれるエルフの独立国家から上京してきたソフィは、偶然にも『銀の狐亭』を訪れた。

 なんら予備知識のない彼女だったが、『死なない宿屋をご利用で?』と聞かれ、『当たり前です』と言ってしまう。

 大きな胸のせいで馬鹿にされることの多かった彼女は、ものを知らないと思われるのを極度に怖れ、強がってしまう癖があったのだ。


 流れから始まった修行だった。つらい。苦しい。やめたい。でも、めきめきと強くなっていくのを感じて、彼女は、あきらめかけていた目標を目指すことに決めた。

 それは『おばけ大樹』と呼ばれる、エルフの森にあるダンジョンの探索だ。ただ入るだけでも途方もない強さが必要となるそこには、ソフィがどうしても手にしたい『ある物』が置き去りにされているのだった。



登場キャラクター:

◆ソフィ・ベル

 エルフ族。冒険者。

 金髪碧眼の非常に美しい少女。エルフでは珍しく胸が大きい。そのせいで、色々な人にからかわれたり、性的な視線を向けられたりするのを、本人はとても嫌がっていた。

 男性や他者を怖れるあまり、つい強がってしまう癖があるが、本来は気が弱い。


◆シメオン

 エルフ族。エルフの森の最長老。

 現存するエルフの中で『最も優れた美しき時代』を生きた唯一の人物。エルフの森の政治は『美しき時代』の再現を目指し、運営されている。





★六章 ヨミの回想録作成

あらすじ:

 忘れないうちに、昔の話を書き留めてしまおうと思います。

 最初に宣言しておくと、これは失敗の話です。

 大変な苦労と、つらい決断の末に、なにも守れなかったお話です。


 昔々あるところに。

『輝く灰色の狐団』という、クランがありました。



登場キャラクター:

◆ヨミ

 獣人族。『輝く灰色の狐団』創設者の娘。

 金髪に金色の瞳の狐獣人。無口で無表情、無愛想なところのある子供。趣味は料理で、クランでは料理番をしている。


◆『はいいろ』

 魔族。『輝く灰色の狐団』クランマスター。創設者。

 純白の肌と髪、片目を眼帯で隠した壮年の男性。

 実年齢よりもかなり若々しい見た目をしている。容姿に反して胴間声。

 ノリの軽い男性で、女遊びが激しいともっぱらの評判。実際、子供ができているのに『妻』と呼べる女性が最低二人いる。


◆『狐』

 獣人族。『輝く灰色の狐団』副マスター。創設者。

 金色の体毛の狐獣人。『はいいろ』の妻の一人で、ヨミの母親候補その一。

 無口で無表情。意外と気が小さいところがある。

 彼女が人生で一番発した言葉は『足音』。


◆『輝き』

 獣人族? 『輝く灰色の狐団』創設者。

 銀色の体毛の、狐獣人のような存在。尻尾が九本ある。

 謎の多い女性で、容姿は子供のようでありながら、口調は古くさい。

 ヨミの母親候補その二。アレクサンダーの母親でもある。


◆アレクサンダー

 人間族。

 謎の少年。『はいいろ』を襲撃したことがきっかけで『輝く灰色の狐団』に入れられる。

『セーブポイント設置能力』という特殊技能を持っており、殺されても死なない。

 そのせいか襲撃した『はいいろ』に逆に目をつけられてしまい、彼の技を継ぐことになった。

 それだけならまだしも、『狐』と『輝き』の技能まで詰め込まれることになる。






★七章 コリーの聖剣修理

あらすじ:

『聖剣』を求め、コリーは『銀の狐亭』という宿屋をおとずれた。そこには、たしかに、彼女の求める折れた聖剣があったのだが、問題も、あった。折れた聖剣をもとの長さにするための素材が足りないのだ。

 聖剣の素材である『いとたかき鋼』が眠っているのは、入って三歩で死に至るような超高難易度のダンジョン。修理は無理かとコリーは思ったのだが……


「あなたは冒険者だ。そして、『いと貴き鋼』が眠っているのは、ダンジョンだ。ならば、あなたが強くなって『いと貴き鋼』を採掘すればいい。違いますか?」


 聖剣の持ち主、アレクは言い、修行をつけてくれるという。アレクに若干危ないところを感じつつも、コリーは修行を受けることにした。

 すべては『聖剣』を修理し、頑固者の祖父に自分の腕を認めさせるために……



登場キャラクター:

◆コリー

 ドワーフ族。刀剣鍛冶。冒険者。

 犬のような兎のような垂れた耳と、『エルフや人間を縦につぶしたような』体つきが特徴の種族。鉱物の粘りや強度をニオイで判別できる。

 職人としては天才的な腕を持つが、発想が新しかったので、古い職人である祖父とは折り合いが悪く、家を飛び出すこととなった。

 基本的には真面目で常識的。刀剣の話以外だと、基本的にテンションが低い。






★八章 オッタの『奴隷』購入

あらすじ:

 金銭目的でダンジョンを探索していたオッタは、狙っていた宝をある男性に先取りされてしまった。それが縁で知り合った男性、アレクに、オッタは『金が必要な事情』を話すことになる。


「オッタは、奴隷出身。仲間を、助けたい。そのために、金がいる」


 剣闘という違法な興行で、常に命の危険にさらされている仲間を助けたい。この想いを汲んだアレクは、オッタの代わりにとりあえず奴隷を買ってくれるという。

 早くも目標は達成された。オッタは彼のもとで修行をしつつ、立て替えてもらうことになる奴隷の代金を返すことになったが、とりあえず剣闘という世界から仲間を救うことはできる。

 そう思っていたオッタを待ち受けていたのは、想像だにしない、残酷な真実だった。



登場キャラクター:

◆オッタ

 獣人族。元奴隷。冒険者。

 青毛、青い瞳の猫獣人。冒険者をしているが、専門は探索で、戦いはあまり得意ではない。

 生育環境のせいかあまり物を知らず、そのせいで自分は頭が悪いと思っている。

 素直な性格で、ホーに曰く『見てて危なっかしくて放っておけねー』存在。


◆エン

 人間族。奴隷。

 薄紅色の瞳と髪の少女。

 剣闘奴隷としてかなりの高みにおり、大剣を自在に操る。

 肉体のみならず精神も非常に頑強。オッタなど年下の奴隷たちから慕われていた。


◆ブラン

 獣人族。奴隷。『銀の狐亭』従業員。

 白い体毛の猫獣人。アレクには娘のように扱われている。双子の妹、あるいは姉がいる。

 父親のことを非常に好いており、その愛情はオッタに曰く『あいつヤバイ』。

 いつか母親を倒し、父親と添い遂げるのが夢。





★九章 アレクサンダーのいない日常

あらすじ:

「それではしばらく戻りませんので、あとのことはお願いしますね」


 そんな言葉を残して、アレクサンダーは宿を出た。なんでも捜し人が見つかったようで、現地へ確認に向かったのだ。

 風呂沸かしのため修業を続行していたロレッタは久々の安息を感じる。しかし、平和な時間は始まる前に終わった。

 アレクの妻でもあるヨミが、体調を崩したのだ。

 最初、誰もが『嘘だ』と思ったが、本当に起きてしまったことなのだからしょうがない。アレクもいないし、ブランはなぜかノワに監禁されてしまったし、料理も出ない。誰かが食事を用意しなければ。医者も呼ばなければ。しかしあのアレクの妻がかかるような病気にただの医者が太刀打ちできるだろうか? 

 あまりの事態に、ロレッタが困惑し、モリーンが料理をし、ホーが変な約束をさせられ、コリーが朝食を食べに来て、オッタが走り、連れてこられたトゥーラはすっかり疲れ果てていて、ソフィの目が死んでいて、人々は社会人の闇の深さを知る。

 混乱が混乱を呼ぶ、最高に間の悪い一日。この一日が終わった時、ロレッタは思うことになるだろう。『そうだ、うちに帰ろう』と……



登場キャラクター:

◆ノワ

 獣人族。奴隷。『銀の狐亭』従業員。

 黒い体毛の猫獣人。アレクには娘のように扱われている。双子の妹、あるいは姉がいる。

 年齢よりも色々と幼いところがあり、敬語がうまく使えないなどの欠点がある。

 一生懸命になるとがんばりすぎるところなどもふくめ、そのまともな人格に癒やされる宿泊客は多い。



★十章 

あらすじ:

『輝き』は五百年前の英雄譚を語り出す。

 登場するのは今なお口伝や書物にその名を轟かす、きら星のごとき英雄たちだ。偉大なる伝承とともに語られる、人という種族をモンスターから解放した偉大なる人類史の立役者たち。だが、『輝き』は、その伝承を誤りだと言った。そうして語られる真実の中で、英雄は決して英雄ではなく、偉大なる者はまったく偉大ではなく、そして、その結末は決して幸福なものではなかった。

 五百年前から現代に続く伝承の真実、そして『輝き』の正体が明かされていく。


登場キャラクター:

◆アレクサンダー

 人間。男性。現代で言う『建国の英雄』『偉大なるアレクサンダー』

 楽しいことが好きで、わくわくするようなことを求めて旅暮らしをしている。

 あまりものを考えない性格で『まあなんとかなるって』が口癖。


◆カグヤ

 狐獣人。女性。現代で言う『獣人族の予言者』、移動国家の初代女王とも。

 とある事情で幽閉されていたが、アレクサンダーにより解放され、その縁でともに旅をすることに。

 長く閉じこめられていたので知識や経験が不足気味。


◆イーリィ

 人間。女性。現代で言う『初代女王』。

 英雄アレクサンダーにいわく『口うるさい系おさななじみ』。


◆サロモン

 エルフ。男性。現代では『寡黙なエルフの戦士』と伝わっている。

 英雄アレクサンダーに曰く『中二病バトルマニアエルフ』。


◆ダヴィッド

 ドワーフ。女性。現代では鍛冶神と同一視される刀剣鍛冶。

 英雄アレクサンダーたちに曰く『女なのにダヴィッド兄貴』


◆『真白なる夜』

 魔族。男性。現代では新天地を求め南の絶壁に旅立ったとされている。

 仲間内では『他意はないのに、笑顔がとにかくうさんくさく、発言がなぜか白々しい』と評判。


◆ウー・フー

 ドライアド。女性。現代ではなにかと賢者扱いされることが多い。

 英雄アレクサンダーには『耳年増老幼女』と言われていた。


★十一章 

あらすじ:

『不死の英雄殺し』のため、アレクの修行を受けることにした『月光』。アレクは『月光』の息子だ。だからそこまでおかしな真似はしない――とかいうこともなく、アレクの修行はいつも通り行なわれていく。さらにかつてとあるクランでアドバイザーのようなことをしていた『月光』は、アレクの修行をより効率的に、より非人道的にするような改善案をうっかり出してしまう。

『月光』が五百年にわたり抱き続けた願いは叶うのか。それとも、その前に彼女の心が壊れてしまうのか? そして、彼女は『英雄殺し』のための修行の中、自分自身と向き合うことになる……


登場キャラクター:

◆『月光』

 宿屋店主アレクの母。また、五百年前の英雄アレクサンダーを殺すため活動を続けていた女性。

 特異な出自と特殊な『憑依』という能力を持っているが、その他の才覚は人並み以下。

『努力すればどうにかなる』と言われアレクの修行により『英雄アレクサンダー殺し』を目指すことになる。


★十二章 

あらすじ:

『守護神アレクサンダー』を崇める宗教があった。

 テオドラという女性は元孤児であり、守護神アレクサンダーを崇める宗教家に育てられ、その教えに傾倒していった。すべてを守る存在アレクサンダー。しかもこれはごく一部の者しか知らないことだが、最近までこの建国の英雄にして人の守護神にして聖人のアレクサンダーは生存していたのだ。ある男に殺されるまでは。

 テオドラは神を殺した者を粛清するべく行動を開始する。しかし神殺しの者がただ者であるはずもなく、翻弄され、蹂躙され、あまつさえその神殺しの男――アレクを殺すため、当のアレクのもとで修行をすることになってしまう。

 テオドラは無事に『神殺し粛清』を成し遂げることができるのか?



登場キャラクター:

◆テオドラ

『守護神アレクサンダー』を崇め、未だに生きる神を守護する部隊の一部を率いる女性。

 人一倍信仰心が強く、神を殺した者を粛清するためには手段を選ばない。



★十三章 ヘンリエッタとの思い出

あらすじ:

 大掃除を手伝わされていたホーが発見したのは、ヨミの書いた回想録だった。しかも、そこに書かれているのは失踪したホーの母親にかんする記述だ。興味を持ったホーは許可をもらい、その回想録を見ていくことになる。その中では、物心つく前に行方不明になった母のことが書かれていたのだが、その母親というのがとんでもない人で……



登場キャラクター:

◆クー

 ホーの祖母。冒険者ギルドマスター。

 ギルドマスターのかたわら子供だらけのクランの保護などを行っている。


◆ヘンリエッタ

 ホーの母親。魔族の女性。

 つかみどころのない人。クー直属で様々な仕事をこなす、快活な女性。



★十四章 ネイの都市伝説取材

あらすじ:

『冒険者ネイの異界通信』――そのような記事を書き、(勝手に)冒険者ギルドに貼りだし、その行為によって『世の中にはみんなが嘘だと思うような真実がある』ということを世に広く知らしめるのがネイの仕事(収益はない)だ。そのネイの耳にある噂が止まる。なんでも『死なない宿屋』なるものがあるらしい。早速調査に乗り出したネイは、そこで『死なない』秘密たる修行を体験することになる。記事にできないような修行の中で、ネイは自分が記者をやり都市伝説を追い求める本当の理由を語ることになるのだが――


登場キャラクター:

◆ネイ

 狐獣人。『冒険者ネイの異界通信』という記事を書き、世の真実を広く世間に知らしめる活動をしている記者(記者収入はない)。

 冒険者だった両親を幼いころに亡くしている。



★十五章 メリンダとリンジィの償い

あらすじ:

 借金を返さなくてはならないメリンダは、最近知り合ったロレッタという人から『強くなることのできる場所』を紹介してもらう。そこは『銀の狐亭』という宿屋で、店主はちょっとおかしな人だった。でもメリンダはがんばって修行を乗り越えようとする。しかし修行のことを知った姉のリンジィが『自分が代わりにやる』と言い出したりして、姉妹は修行に巻きこまれていく……


登場キャラクター:

◆メリンダ

 魔族。気弱でおどおどしており、自分に自信がなく、いつも姉にかばってもらっていた。


◆リンジィ

 人間。メリンダの姉。過去に冒険者をしていたころ片足を不自由にしている。メリンダには過保護に接しており、妹が辛いことをするぐらいなら代わりに自分が、ということで『銀の狐亭』をおとずれた。



★十六章 ブランの『始まり』の物語

あらすじ:

 これは双子のルーツの物語。さる事情で奴隷として売りに出された双子の赤ん坊がいた。のちに『ブラン』『ノワ』と名付けられるその双子は、アレクサンダーという男に買われることになる。男のもとで娘として暮らす日々は平穏で、しかしブランは疑問を抱いてしまう。『自分はなぜ買われたのか』――この答えを求め、彼女は自分の出生を探ることにする。双子の姉妹を無理矢理引きずって。


登場キャラクター:

◆ブラン

 猫獣人。当時九歳。

 頭がよく、世の中のすべてのことには理由や正解があると思っている。

 謎を解き明かすことが大好き。


◆ノワ

 猫獣人。当時九歳。

 普通の子供。姉妹のブランにいつも引きずり回される。

 彼女的には『しょうがないなあ』と思いつつブランに付き合ってあげているつもりでいる。

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