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精霊と亡国の姫君  作者: 皐月乃 彩月
1章 はじまりのはじまり
7/39

5話 精霊さんはモフモフです!

久しぶりの更新です。

長らく放置してしまい、申し訳ないですm(__)m

気がつけば、もう2月が終わる……

月に2回は更新したいですね( ̄▽ ̄;)


「よーし、今日は実技だ! お前ら外に出て、契約精霊出して待機してろー」


入学式から、1ヶ月半程が過ぎた頃。

基礎である座学を終え、授業に実技が取り入れられるようになった。


「瑠璃ちゃん、鈴、翔、一緒に行きましょう!」


白雪は何時もの3人を誘って、外に移動する。


「白雪は元気ですね…………実技が苦手なのに」


瑠璃が、スキップで移動する白雪を見て呟いた。


確かに実技は苦手ですが、皆でお喋りしながら受けられるので楽しいんです!

……まあ、うるさくし過ぎて、たまに瑠璃ちゃんに怒られますが。


「……俺達も苦手だけどね」


「はっ! すみませんっ! そういう意味ではないんですよ!?」


翔が苦笑い気味に言うと、瑠璃はハッとしてフォーローをした。


そうなんです。

私達の精霊は氷属性だから、水属性として誤魔化すとなると、下級のものくらいしか使えないのです。

契約している精霊さんにも力を抑えて貰って、省エネモードで普段授業を受けています。

なので実技の成績は、ボロボロなのです。


「気にしなくて良いですよ。実技が苦手なのは事実ですから。その分、座学で点数はとっていますし」


鈴が、オタオタしてしまっている瑠璃に苦笑いを溢すとそう言った。


「……うぅ、すみません。でも座学トップ3をいつも占めていて、翔君や鈴さんは凄いと思います。尊敬しています」


瑠璃が、顔を少し赤く染めながら2人を褒めた。


……むぅ、2人ばかり、なんだかズルいですね。


「私は!? 私も凄いですか?」


瑠璃が2人を褒めたのが羨ましく思ったのか、白雪も褒めて頭を撫でて貰おうと頭を向けて迫る。


「白雪は……点数はとれていますが、おバカさんなので……」


ちょっと……と、白雪の差し出された旋毛はスルーされ、瑠璃達はそそくさと外へと移動した。

1人、その場に残されてしまった白雪。


「ひ、ヒドイです。鈴や翔は褒めてたのにっ! 私は一番なのにっ!」


白雪は瑠璃の塩対応に文句を言いながら、先に行ってしまった3人に走って追いかける。


「ふふふっ! そうですね、白雪は出来るおバカですもんね」


瑠璃はそう言って、よしよしと白雪の頭を撫でた。

その目には、少々の憐れみがチラホラと見える。


「うぅー、あまり嬉しくないです」


白雪は頭を撫でられる気持ちよさに目を細めながらも、おバカ扱いは不満と言うことを訴えるために頬を膨らませた。


「瑠璃、白雪……もう移動時間終わる。急がないと」


白雪が甘えて瑠璃に撫で撫でされていたが、翔によって終了が告げられた。


名残惜しいですが、仕方ありません。

次の授業の先生は、怒ると怖いですからね!


「遅れると怒られちゃいますね! 急ぎましょう!!」


「……貴方のせいで時間がかかってたんですけどね」


後ろで何やら言っているようですが、私には聞こえません。

早く行かないと、遅れてしまいます。








◆◆◆◆◆◆◆◆








「……白雪の精霊様は、何時見ても可愛いですね」


白雪が授業の為に精霊さんを表に出すと、既に準備を終えた瑠璃が近寄ってきた。

すぐ側には、瑠璃の契約精霊である水の大精霊がいる。


瑠璃ちゃんと同じ位の身長の美しいツルツルの青色の鱗をもった人魚さんだ。

そしてその力は王族の血を引くだけに、とても強大です。

近くにいると、肌がピリピリします。


「はい! 私のリルリルはとっても可愛いのです!」


白雪は腕に抱き上げていた契約精霊を、頭の上に掲げていった。


「はぁっ、本当に可愛いわんこ♡」


瑠璃が鼻息荒く、手をわきわきさせながらリルリルに手を伸ばした時だった。


瑠璃ちゃん、何だか変態さんみたいですよ?


「わんっ!」


瑠璃のそんな邪な心を読んだのか、リルリルが威嚇するように瑠璃に吠えた。


これは……怒っていますね。


「瑠璃ちゃんっ! 何時も言ってるじゃないですかっ! リルリルはワンちゃんじゃないです、狼さんです!!」


白雪は瑠璃に、ビシッと指摘した。

腕の中にいるリルリルも、首を縦に振って追従した。


リルリルはワンちゃんじゃなくて、誇り高き狼さんなんです。

なのに何時もワンちゃん扱いされるから、瑠璃ちゃんはリルリルに嫌われています。

省エネ状態の今、リルリルは小型犬くらいの子狼です。

毛並みは銀色で眼はアイスブルー、これでも氷属性を持った大精霊なんです。

その力は強大です。

なのでワンちゃん扱いされる事を、リルリルは何より嫌っています。

誇り高き狼さんなのです。


「そう、どっちでもいいわ! 今日こそ、モフモフをっ!」


瑠璃はそう言うと、リルリルに飛び付こうとしました。


「わぉんっ!」


「きゃっーー!?」


リルリルが懲りない瑠璃に、水を思いっきりかけた。

瑠璃は、水でビショビショに濡れてしまった。


「こらっリルリルっ!! ダメじゃないですか! 瑠璃ちゃん大丈夫ですか?」


白雪はリルリルを叱って、瑠璃にハンカチを渡す。


「えぇ、大丈夫よ。水蓮」


「はい、瑠璃」


瑠璃が契約精霊である水蓮に呼びかけると、魔法が発動しビチョ濡れになってしまっていた服が乾いた。

水蓮が魔法を、行使したのだろう。


「おぉっ! 流石ですね!」


白雪は興奮気味に、手をパチパチと叩いた。


これは洗濯物を乾かすのに、便利そうです。

梅雨の時期に入るので、今度頼みましょう。


「おいそこっ! 何時まで遊んでんだ、もう始めるぞっ!」


そうこうしているうちに、先生がいらしたみたいです。

私達はふざけるのをやめにして、先生の周りに集まります。

授業は真面目に受けるのです。


リルリルと瑠璃ちゃんの心の距離はまだまだありますが、いつかは打ち解けてモフモフさせて貰えたらいいですね。

リルリルの毛並みは、最高なのです♡


白雪は羨ましそうに見る瑠璃をしり目に、リルリルにモフモフしながら授業を受けた。

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