1話 そして少女は思い出す
新しい章です。
折り返しですね。
宜しくお願いしますm(_ _)m
それは瑠璃の断罪イベントが起きる1ヶ月程前の事であった⎯⎯⎯
とある田舎町の貧しい教会、親のいない子達が暮らす中で、その少女は目を覚ました。
「私……死んだ、の?」
少女は瑠璃や七星 ひかると、ある意味同じであった。
元は同じ世界で生き、そして死んでこの世界に転生した。
「精霊……滅んだ、氷の国…………ここは、あのゲームの世界なの?」
そして3人とも、この世界によく似たゲームをプレイした記憶があった。
「私の名前は、詩音……今は、一体何時なの?」
少女、詩音は薄汚れた窓ガラスに、かろうじで写る自分の姿を見詰める。
髪は薄汚れた灰色で、栄養状態が悪くてパサついている。
頬もこけて貧相な少女の姿が、そこにはあった。
環境のせいかゲームと大分違うが、それでもこの名前、この姿には見覚えがあった。
「レイレイ、レイレイ……居るの?」
詩音はゲームの記憶を頼りに、その名を呼んだ。
この世界が本当にあの世界なら、詩音の声にきっと応える筈だ。
「居るなら、応えてっ!……私に姿を見せてレイレイっ!!」
詩音は自分の周囲をキョロキョロと何かを探すように、視線をさ迷わせる。
すがるような、必死な声で。
「っ!!? あぁっ! やっぱり此処はっ、私はっ!」
詩音には、瑠璃や七星 ひかるとは違う点が1つだけあった。
それは死んだ時期であり、それ故に詩音には2人にはないある記憶があった。
「私は、亡国の姫。悪い魔女から王子を救う、救国のお姫様⎯⎯⎯⎯」
詩音は1人、恍惚と呟いた。
薄暗い廊下で、窓ガラス一面に霜がはっていた⎯⎯




