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精霊と亡国の姫君  作者: 皐月乃 彩月
2章 波乱の学園生活
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4話 箱庭の中で

スマホの見すぎで首が痛いです……(。´Д⊂)



結局、昼になっても瑠璃は、保健室へ行ったまま戻って来ることはなかった。

白雪はそのまま授業を受ける気にもなれず、授業をサボって外の空気を吸いに校舎の外へと歩いていた。


瑠璃ちゃんは、ちゃんと休めていんでしょうか?

……放課後になったら、様子をみにいきましょう。


儘ならない状況に、白雪は溜め息をついた。


何故、こうなってしまったんでしょうか?

平穏に暮らせていたのに、何が原因でそれが崩れてしまったんでしょう?

明確な原因があれば、改善していけます。

悪い事をしたなら、謝ればいいのです。

でも………


それは突然だった。

何の前触れもなく、崩れ落ちていったのだ。

今まで不和は多少あれど、この平穏を脅かすようなものではなかった。


変わったのはきっと……


――“七星 ひかる”が現れてから。


……なら彼女をどうにかすれば瑠璃ちゃんは、救われるのでしょうか?


「あれ?……ここは…………温室……」


ふと、顔をあげるとそこには懐かしき花の咲き誇る、美しき温室がそびえ立っていた。


「……双季君は、いるのでしょうか?」


白雪は無性に、彼に会いたいと思った。


何故でしょう?

今は授業中、ここにいる筈なんてないのに……


「ここは相変わらず、綺麗ですね……」


双季から以前受け取った鍵を使って、温室内に入った。

入った瞬間、懐かしい故郷の香りがして、乱れていた気持ちが少し落ち着いた。


懐かしい故郷の華。

白雪達が失ってしまった故郷で、当たり前に咲いていた華。


「物思いに耽ってどうした? お前らしくもない」


白雪がそのままじっと見詰めていると、唐突に聞き覚えのある声が背後から声がかけられた。


「ゎ、わ! 双季君!? ビックリしました!! いきなり声をかけないでください!」


白雪は驚いて2、3歩後ろに下がると、驚かせた双季に抗議した。


「はは、悪い悪い。そう怒るなよ、白雪」


「次は気を付けてくださいね!」


全然反省してない双季の様子に、またやるだろうと白雪は想定した。


これは、全く反省してませんね…………双季君は意外といたずらっ子のようなところがあり、私をよく冗談でからかうことも多いんですよね。


「……ところで、どうしてここに? 今は授業中ですよ」


白雪は疑問に思ったことを口にした。


授業中だから、絶対に居ないと思っていたのに……

双季君もサボりでしょうか?


「それはこっちの台詞だろう。何時もの仲のいい親友とやらはどうしたんだ?」


「……今は、保健室で休んでます……最近、元気なくて」


「そうか……所詮は噂だ。じきに収まる……」


双季も瑠璃の噂を、聞いたことがあったのだろう。

何せ学校中で、話されているのだ。

知らないものなど、この学園にはいないだろう。

隠された表情からも、心配や同情といった感情が感じられた。


「……そうだ、と、良いのですが……」


噂が広まりだしてから、もう3ヶ月近くもたつのに一向に静まる気配をみせない。


「……それで、双季君はどうしてここにいるんですか?」


白雪はこれ以上、暗い思考に入らないために双季に答えを促した。


「あぁ……何と言うか、男侍らせたイカれ女から逃げる為、かな?」


双季は白雪の質問に、辟易とした顔でそう答えた。

その顔には思い出すのも忌々しいと、書かれていた。


はい?

男侍らせたイカれた女?


……何だか、何処かで聞いた覚えが。


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