表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DAGGER 戦場の最前点  作者: BLACKGAMER
DAGGER 有色の戦人
120/129

15章 気まぐれな悪意-1

【ティスト視点】



車輪の音と雑談を楽しみながら歩く、グレイスまでの道。

当初こそ辛いと思っていた満載の食糧の重さにも、もう身体が慣れてしまった。

それに、一つだけ、以前と違うことがある。

最初のうちは、障害物があるたびに荷車の向きを変えていた。

でも、今はセレノアを筆頭に、レイナやサリと協力して、魔法で邪魔なものをどけてくれている。

しかも、でこぼことなっている場所は、平坦に均してくれている。

ゆっくりと、しかし、着実に、道が生まれ始めている。

きっと、そのうち、人間の街道よりも歩きやすい道へと成長するだろう。




「…なにあれ?」

こちらの進行方向を潰すように立ち塞がっている、黒い影。

セレノアの言葉で、全員がその存在に気づいた。

それは、セレノアでなくても疑問に思ってしまうような、不思議な格好をしていた。

全身黒ずくめなのは、本人の趣味だろうから、口を挟むべきではないだろう。

だが、まるで案山子かかしのような奇妙な背格好は、異様としか形容できない。

胴体に比べて、足の部分が、異常なまでに細い。

あれでは、身体を支えるどころか、満足に歩くこともできないだろう。

「あれも、敵ですか?」

「おそらく…な」

小声で問いかけてきたアイシスへ、同じく小声で返す。

あの薄気味の悪い雰囲気を見ると、直感的に敵だと判断してしまいたくなる。

なるべく、頭から決めつけるべきではないだろうが、敵だと思って、警戒しておいたほうが無難だろう。

それに、一目見ただけでも、友好的じゃないのは明らかだ。

もし、こちらに何かを用があるなら、話しかけてくるなり、せめて、フードを取っているだろう。

「本当に、治安が良すぎて困るわね」

こうも毎回襲撃されていては、セレノアの皮肉に反論もできない。

おそらく、イスク卿が手を回しているのだろうが、毎度毎度、本当にご苦労なことだ。

「ま、退屈しないから、いいけどね」

凶暴な笑みを浮かべて、セレノアがつぶやく。

やれやれ、緊張感のないことだ。

「………」

拳を握りしめたセレノアを前にしても、黒衣の影は、微動だにしない。

要求を言うでもなく、脅し文句さえもないとは、珍しいな。

無言の盗賊とは、今までになかった類の連中だ。

それに、いやに落ち着いている。

戦闘の前ともなれば、多少なりとも興奮するのが普通だろうに…。

「姉さん、あれは…」

「いえ、でも、まさか…」

「?」

二人が小声で言葉を交わしあっている。

その間に、奴が下ろしていた腕をあげ、手のひらを前へと突き出してきた。

いったい、何のつもりだ?

「………」

その手を隠してしまうほどの大きな炎が、一瞬で練り上げられる。

なんて収束の速さ…そう思っているときには、既に炎が放たれていた。



「チッ」

横へと飛びのいて、即座にダガーを引き抜く。

横目で見れば、アイシスも正反対の場所で俺と同じ姿勢でいたし、レイナとサリも臨戦体制を取っていた。

…セレノアは?

「何すんのよっ!」

怒声とともに、すさまじい桃炎が、一直線に相手へと伸びる。

素性も確かめずに即反撃とは、容赦ないな。

「………」

伸ばしっぱなしだった腕を返し、手のひらを上へと向ける。

たったそれだけの行動で、うなりをあげて向かっていたセレノアの炎は、無残に吹き散らされた。

「!?」

「………」

上げていた腕をおろし、また、無言で直立不動へと戻る。

さっきまでと違い、そのちいさな身体からは、身を竦ませるほどの圧力が吹き出していた。

とんでもない相手だと理解するのに、刃を交えるまでもない。

ただ、立っているだけでも、その力量を知るには十分な殺意を放っていた。

「くっ…」

ダガーを握る手に力を込めて、圧されてしまいそうな迫力へと抗う。

だが、それでも背筋を這いまわる悪寒は、消えてくれそうにない。

全身が、奴の近くにいることを拒んでいた。

こんなにも強烈に身体が反応するなんて、滅多にない。

それこそ、魔族の王族にでも比肩するくらいの力がない限り…。

『単独で、全盛期の私とレジを同時に相手できるほどの使い手でした』

「まさか…」

クレア師匠の言葉が脳裏をよぎり、嫌な予感が急速に膨れ上がる。

そうあってほしくないと思えば思うほど、その可能性が大きくなるような気がする。

「………」

考えている俺の横を走り抜け、二人が流麗な足運びで奴へと迫る。

間合いへと入る直前に、レイナが拳を、サリが脚を振りかぶった。

「!」

攻撃が直撃する寸前に、二人の体が大きく揺れる。

力なく後ろへと飛ぶと、二人は、着地とともに膝をつき、そのまま地に伏した。

「な…」

あの二人を、たったの一撃で!?

体術か? 武器か? 魔法か? その程度の攻撃手段さえ、判別がつかなかった。

奴が、水平にしていた手のひらを、倒れた二人の頭へと向ける。

まずいっ!!

「チッ」

ダガーをしまい、ありったけの風の魔法を両手に収束させて、前へと飛び込む。

奴との間に割って入り、魔法を発動するのと、さっきと同じ紅い炎が迫るのは、ほぼ同時だった。

「はぁぁあああぁっ!!」

声を張り上げて、魔法の力を振り絞る。

風の防壁を食い破らんと、身の丈を超えるほどの火球が押し込まれてきた。

「お兄ちゃんっ!!」

アイシスの水の魔法が炎へと直撃し、音を立てて蒸発する。

威力はたしかに軽減されているが、押し戻すには、まるで足りない。

せめて、もう少しまともに収束さえできれば…。

「ふざけるな」

セレノアの低い声音が響き、目の前が桃色に染まる。

せめぎ合う二つの魔法を、桃炎が軽々と飲み込んだ。

そのままの勢いで、炎が奴に取り付くのを確かめ、その場に腰を落とす。

乱暴に二人の身体を両脇に抱えて、全力で後ろへと飛び退いた。

「ふぅ…」

あれだけの魔法を使われては、岩陰に隠したとしても、たいした役に立たないだろうな。

そう判断し、最初よりも更に距離を取って、二人を地面へと降ろした。

「おいっ!!」

「ん…」

二人の口から、小さな吐息が漏れる。

良かった、最悪の事態にはなっていないようだ。

「アイシス、二人を頼む」

「はい!」

容態を確かめるのをアイシスに任せ、セレノアの隣に並ぶ。

あれだけの手練れに正面から飛び込むなんて無謀な話だが、軽率とは呼べないな。

セレノアを守るためなら、あの不意打ちは、至極妥当な判断だろう。

「………」

油断なく刃をかまえ、必死に考えを巡らせる。

戦うべきか?

しかし、もし、こいつが例の敵なら、レオンや師匠たちでも手を焼いていたという話だ。

俺とアイシス、それにセレノアが協力したところで、勝てるとは思えない。

では、逃げるべきか?

だが、手負いが二人もいるし、満足には走れない。

それに、相手の速さも分からない。

追いつかれて背後から狙われたら、ひとたまりもないだろう。

「セレノア・グレイスだな?」

老人のようにしわがれた声が、俺の思考を中断する。

服の下だからなのか、くぐもって聞こえるせいで、余計に薄気味悪い。

「だったら、なんだってのよ?」

「やはりな」

素顔は隠れているというのに、口調や雰囲気から、たしかに笑ったのが分かる。

「一緒に来てもらおう」

「馬鹿じゃないの? そんなのに従うと思ってるわけ?」

「莫迦は、お前じゃ。

 だったらなんだと問うたから、決定事項を答えてやったにすぎん。

 お前がどうしようと、その事実は変わらん」

力尽くで連れ去るから、抵抗は無意味というわけだ。

強いが故の傲慢…か、気に入らないな。

「…っ、くうっ…」

「ダメです、まだ起きあがっちゃ…」

「冗談じゃないわ」

「寝ている暇はないの」

足をふらつかせて立ち上がり、腹部を抑えてレイナとサリがうめく。

かなり深刻なようだ、あの様子だと、内臓まで損傷してるだろうな。

「邪魔よ」

「どきなさい」

足を引きずりながら、それでも、アイシスを押し退けて、二人は前へと歩み出る。

その鬼気迫る表情に圧されて、声をかけることもできずに、道をあけた。

しかし、あんな状態で、いったい何を…?

「城へ、行きなさい」

「そして、レオン様に、このことを…」

俺たちに背を向けたまま、荒い呼吸の合間に、途切れ途切れに言葉を混ぜる。

これだけの力の差を前に足止めなんて、自殺行為だ。

「まだ向かってくるか。その気概だけは、変わらぬな。

 その呪いの枷に、今度も、とびきりの重りを加えてやろう。

 あのときと同じように、己が無力を悔いながら、無様に生き永らえるがいい」

奴が、レイナとサリに向けて、何事かつぶやく。

その言葉の意味は分からなかったが、背後からでも、二人の全身が強張るのが分かった。

「早くっ!!」

「急ぎなさいっ!!」

二人が飛び掛かり、さっきと同じように打ち倒される。

それでも、歯を食いしばり、ほとんど気力だけで起き上がって、またも立ち向かっていった。

「どうする? …って、聞くまでもないか」

セレノアの瞳の奥には、抑えることのできない憤怒が見て取れた。

説得は、無駄だろうな。

「おとなしく逃げの一手…なんて、選ぶつもりはないんだろう?」

「分かってるじゃない」

手のひらを返して構えを取り、その先に桃色の炎が灯り、臨戦態勢を取る。

レイナとサリにとって大事なのは、セレノアが生き延びること。

そして、セレノアは、二人を見捨てたくない。

…だったら、話は簡単だ。

「アイシス」

「はい」

「グレイスまで走れ」

「分かりました」

そう請け負ったときには、もう足音が遠ざかっていた。

返事をするのに、わずかな間もあけることはない…か。

さすがは、俺の妹だな。

後は、いかにしてこの事態を凌ぐか…だな。

「な、どうして…!?」

「逃げなさい、二人とも、今すぐに!」

「それは、無理な相談だな」

傷ついたものを置き去りにして、敵から背を向けて逃げる。

しかも、怪我人である二人は、決死の覚悟で足止めをすると言ってくれている。

セレノアが逃げない理由としては、充分すぎるだろうし、俺だって似たようなものだ。

そんな後味の悪い真似は、したくない。

「二人は、少し休んでいて。後は、アタシとティストでやるわ」

「ダメよ、ダメなのよ、こいつだけは…」

「逃げてっ!! お願いだから、今すぐに…」

レイナとサリの言葉に、セレノアがゆっくりと首を横に振る。

そして、動けない二人を置いて、前へと出た。

さっきよりもはっきりと、奴が笑っているのが分かる。

俺たちの決断が、愉快でたまらないのだろう。

「死ぬなよ?」

「誰に言ってるのよ? 自分と相手の心配でもしてなさい」

感情の高ぶりを示すように、セレノアの炎が荒れ狂う。

飛び散る火の粉を纏い、背筋が寒くなるほどの冷たい笑みを浮かべた。



「行くわよ」

「ああ」

セレノアが駆け出し、俺もそれに続く。

しかし、どうするつもりだ?

あれだけ迎撃されたんだ、セレノアとて、不用意には飛び込めないだろう。

「炎よ」

足を止めることなく小刻みに旋回しながら、距離を維持して魔法を放つ。

足の速さだけじゃなく、放出する魔法の速度にまで緩急をつけている。

問題は、この程度の気休めが相手に通用するかどうか…だな。

「風よっ!」

セレノアにならい、俺も同じように牽制として風の魔法を放つ。

音を立てて奴へと迫った風の刃は、半ばまでもいかないうちに、かき消された。

「チッ」

セレノアの炎も、俺と同じようにいなされている。

二人で正反対の場所から同時攻撃だっていうのに、まるで効果なしか。

以前に俺が追い散らした盗賊たちは、こんな気分だったのかもな。

「ふん」

くだらない考えを頭の中から追い払い、思考を切り替える。

漫然と打ち続けたところで、この状況は打開できない。

「炎よっ!!」

さっきよりも遥かに巨大な火炎がセレノアの頭上に生まれ、奴へとめがけて空を翔ける。

一撃の威力を引き上げて、突破する…か。

だったら、俺は、手数で勝負するか。

「ッ!!」

右手にダガーを握りしめ、左手で小さな魔法を連射する。

止められることには変わりないが、かき消されるまでの飛距離は、確実に伸びた。

やはり、魔法を無効化できるなんて都合のいいことはない、奴が自力で止めているんだ。

「………」

全神経を相手の挙動に注いで、奴の防御方法を読み、あわせて敵の攻撃にも備える。

あまり、考えたくはないが…。

もし、こちらの反応速度よりも向こうの一撃が早ければ、対処法なんて、ほとんどない。

狙い撃ちにされないように足を止めず、後は、外してくれるのを祈るばかりだ。

「いかにも、雑魚が好みそうな、臆病な戦法じゃな」

小童こわっぱ、どこの誰とも知らんが、お前だけなら逃がしてやるぞ?」

「意外とお節介なんだな」

ダガーの一太刀に乗せて、不要な気遣いを突き返す。

相手へと到達する前に、自分の体が見えない壁にぶつかり、吹き飛ばされた。

「ティスト!」

「大丈夫だ!」

受け身を取り、追撃を警戒して、すぐさま足を使って間合いを外す。

十分に距離を開けてから、足を止めることなく腹をなでて、傷の具合を確かめた。

「なるほどな」

拳が届く距離じゃなかったし、投擲武器の類でもない。

真正面から見て、自分の身体で受けてみて、ようやく、その正体が掴めた。

「やはり、魔法…か」

不可視の風を操り、空気の塊をぶつける。

それを、突如として空間に生み出すことで、相手に気取られぬように当てているわけだ。

「気づいたところで、どうせ、何もできんじゃろう?」

「そいつは、見てのお楽しみだな」

相手に飲まれないためにも、あくまでも強気に返す。

それに、手の施しようがないってほどに、圧倒的なわけでもない。

「はぁぁぁっ!!」

先ほどと同じように、二手に分かれて攻めたてる。

固まっていないほうが、まだしも、攻撃には当たりにくいだろう。

「ふん、くだらんな」

吐き捨てるようにつぶやいた男は、まるで、動こうとしない。

首を回して視野の中に捉えようとするだけで、上体は、正面を向いたままだ。

考えてみれば、そこに存在してから、一歩たりとも動いていない。

格下と見下しての余裕なのか、それとも、奴の異様に細い足が、そうさせているのか。

「賭けてみるか」

違えば、また何かを見つければいい。

突破の糸口に見えるなら、試してみるべきだ。

「………」

走る軌道を変更して、セレノアへと近づく。

俺の意図に気づいたのか、セレノアも俺のほうへと寄ってくれた。

「セレノア」

「何よ?」

絶え間なく走り続けている中でも、この小さな声を聞き逃さない…か。

本当に、頼りになるな。

「接近戦に持ち込む、合わせてくれ」

「分かったわ、任せなさい」

その一言だけで、セレノアが離れていく。

右とか左とか、そんな細かなことは、示し合わせる必要もないらしい。

なら、任せるか。

「ッ!」

一息に空気を吸い込み、全速力で左へと回り込む。

俺の動きを鏡に映したように、ぴったりと同じ速さで、セレノアが右から回り込んだ。

こうも見事に息を合わせられるとは、言うだけのことはある。

俺の刃とセレノアの拳で、真横から挟撃を仕掛ける。

「…ふん、学ばぬな」

今度は狙いすませたように、こちらの鼻っ面へと魔法が飛び込んできた。

「ぐっ…」

顔面を殴られたときと同じような衝撃が広がり、ほんの一瞬、身体の自由が利かなくなる。

だが、その程度の威力なら、十分に耐えられる。

「おぉぉっ!!」

おかまいなしに、もう一度飛び掛かる。

幸いにも、さっきの一撃のせいで、足がもつれるようなことはなかった。

「やれやれ、まだ分からんのか。莫迦は、これだから性質が悪い」

「風よ」

自分の一歩前へと風の魔法を展開し、その中を突き進む。

かなりの部分を相殺できたのか、さっきよりも、ずいぶんと威力が軽減されていた。

「おぉぉぉっ!!」

間合いを離させずに相手へとまとわりつき、数に任せて手を出す。

あの威力なら、不意打ちじゃなければ、数発ぐらい耐えられる。

こちらが倒れる前に、斬り伏せるしかない。

猪口才ちょこざいな」

焦れた口調とともに、手が持ち上がる。

何かを仕掛けてくる気配を感じてから、奴の背後へと回り込んだ。

それでも、首を回すだけで、全身を使って振り返ろうとしない。

「くらえっ!!」

振りかぶった俺のダガーを、突如として盛り上がった地面が阻む。

土壁は、奴の正面をあけて取り囲むように広がり、まるで、小さな洞窟のような形になった。

「そんなに動きたくないなら、アタシが蒸し焼きにしてあげるわ」

セレノアの鮮やかな炎に取り付かれて、みるみるうちに土が変色していく。

真っ向からの威力勝負ならば、負け知らず…か、さすがだな。

「じゃあ、俺は、焼き加減を確かめないと…なぁっ!!」

燃えさかる炎の中に、風で最低限の隙間を生み出す。

わずかに覗いた岩肌へと向けて、全体重を使って、蹴りを放った。

「ふっ!!」

高熱の宿った土に触れたせいで、靴の底からは、嫌な臭いが立ち込めている。

それを無視してつま先をひっかけ、無理矢理に足場として、上へと飛び上がった。

「ッ!!」

落下の勢いを両手に込めて、先ほど蹴りこんだ場所へと、ダガーの切っ先から着地した。

破砕音が響いて、傷一つなかった滑らかな壁に大きな亀裂が走る。

確かな手応え。剣先は、壁を超えたはずだ。

「はぁぁあぁぁあっ!!」

切っ先に収束させた風の魔法を、土壁の内側で爆発させる。

小さな洞窟のような場所で、力を振るう場所を求めるように、風の刃が荒れ狂った。

「………」

背筋が凍るような感覚に、反射的にダガーを引き抜いて、飛びのく。

数瞬の間に、囲っていた土壁が轟音を立てて弾けとんだ。

「チッ」

飛んでくる石つぶてを風の魔法で叩き落し、砂煙の奥に目を凝らす。

さっきと変わらない場所に、一人の老人が素顔を晒して立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ