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DAGGER 戦場の最前点  作者: BLACKGAMER
DAGGER 有色の戦人
110/129

11章 気まぐれな嘆願-1


【ティスト視点】


ファーナが、精霊族との約束を取り付けてくれたのは、あれから十日後のことだった。

大木に背を預け、ただひたすらに息を潜めて、相手が来るのを待つ。

ファーナが精霊族と約束を取り付けてくれた時間から、そろそろ一時間になるところだった。

いつ何が起きるか分からない国境のクレネアの森では、ただ待つだけでも、大変な労力がいる。

「お兄ちゃん、待ち合わせの場所って、ここで合ってますよね?」

身体を俺へと寄せたアイシスが、小声で問いかけてくる。

それに応えるように、俺もアイシスのほうへと歩み寄った。

「ああ、間違いない」

ファーナに指定された場所と、歩いてきた道順を照らし合わせて、頭の中で再確認する。

待ち時間に飽きるほど試したのと、結果は変わらなかった。

「………」

隣で周囲をうかがっているアイシスの顔には、はっきりとした疲れの色が見えた。

「大丈夫か?」

「少し、疲れました」

控えめにでも、正直に本心を伝えてくれるだけ、成長したな。

そのほうが、こちらとしても次の行動を考えやすい。

「だったら、出直すか」

無理や我慢は、何かの拍子に大敵になることが多い。

意地を張って足元をすくわれるぐらいなら、日を改めて仕切りなおしたほうが安全だ。

「いえ…」

まだ大丈夫です、と、その目は告げていた。

それが分かるからこそ、話の方向を先にそらしておく。

「正直に言って、俺も疲れた。それに、ここじゃ、暇も潰せないからな」

敏感に気配を察知しなければいけないから、当然ながら、会話は極力控えるしかない。

しかし、そうまでして備えていても、森の中は、野生動物の鳴き声が聞こえてくるぐらいで、平和そのものだ。

いるかどうかも分からない敵、というのは、厄介なこと、この上ない。

「セレノアを連れてこなかったのは、正解だったかもしれないな」

この手の忍耐を強いられる行動は、おそらく、苦手分野だろう。

時間に遅れた精霊族に文句をつけながら、森の奥へと進もうと提案するセレノアが、容易に想像できる。

「でも、黙って来たのは、ちょっと酷いと思います」

「たしかに…な」

今回の行先と用件は、レオンにしか伝えていない。

だから、誰にも見つからないように、寝静まっている間に無断で出てきた。

「あんまり、いいやり方じゃなかったのは、反省してるよ。

 だけど、もし、伝えていたら、セレノアは、絶対についていくと言い張っただろう」

「セレノアさん、優しいですもんね」

「ああ。あのセレノアが、俺たちだけに任せて何もしないなんて、ありえないからな。

 そのうえ、異種族との国境なんて危険な場所なら、なおさらだ」

本人は素直に認めようとしないが、セレノアが周りに心を配れることも、責任感が強いことも、分かっている。

だからこそ、今回の一件が少しでも危険な可能性があるなら、巻き込みたくなかった。

それは、俺たちだけじゃなく、レオンたち魔族としても、同じだろう。

「きっと怒ってますよ」

「だろうな」

なんでアタシが蚊帳の外なのよ? と目を釣り上げて怒り狂うセレノアの姿が、目に浮かぶ。

それでも、その怒りは心配から出たものなのだから、受け入れるしかない。

「しょうがない、怒られに帰るとするか」

「はい。でも、帰る前に、辺りを探してみませんか?」

「いや、やめておいた方が無難だろうな。

 正面から接触したら、まともに会話なんて出来ないだろう」

以前にレオンと向かい合ってた精霊族を思い出す限り、まず不可能だ。

並々ならぬ警戒心を抱いている種族に、見知らぬ来訪者が質問したところで、答えてくれるわけがない。

「それに、今の信頼関係を壊すことだけはしたくない」

今回のことで問題を起こせば、次は、ロアイスが連絡をすることさえ困難になるだろう。

異種族とのつながりなんて希薄だろうし、復縁も難しいはずだ。

伝言くらい残すべきか? いや、勝手な行動は慎んでおくべきだろうな。


「あーっ!!」


考え事の最中に、前方から突然大声が上がり、思わず身構えてしまう。

振り返れば、小さな女の子が驚き顔のままでこちらを指差し、固まっていた。

その愛嬌のある顔には、見覚えがある。

セレノアと初めて会った日に出会った、精霊族の女の子だ。

「久しぶりだな。たしか、マナ…だったかな?」

「もぉっ! 断言してくれれば、もっと格好いいのに。

 でも、覚えててくれててありがと、おにいさん」

人懐っこい笑みを浮かべて、軽い足取りでマナが近づいてくる。

木の根を飛び越えてひょいひょいと小さく飛ぶ姿は、まさに小動物そのものだ。

「あ、この前はどーも」

「あ、えっと…はい」

気軽に声をかけてくるマナに、アイシスがあわてて頭を下げる。

どうやら、別段親しくない相手にも、気にせずに話しかけられる性格らしいな。

誰に対しても物怖じしないというのは、うらやましい限りだ。

「で、なんで、こんなとこにいるの?」

「それが…な」

予想外の事態に、言葉を濁してしまう。

もし、マナが精霊族からの使者だったら、第一声が指定された言葉のはずだし、それに合言葉を返すことになっていた。

だが、そうでないようだし、ここで無関係の相手に話を広めてしまうのはまずいだろう。

「あ、もしかして、待ち合わせ? だったら、ごめんね。

 お姉ちゃんなら、お説教されてるから、もう少しかかるよ」

ころころと表情を変えながら、ぽんぽんと言葉が飛び出してくる。

本当に、楽しそうに話すな。

「お姉ちゃんって、あのときに一緒にいた人だろ?」

記憶を手繰り寄せて、数回だけ言葉を交わした長身の女性を思い出す。

生真面目そうな表情と毅然とした振る舞いは、今でも印象に残っていた。

「そうそう、あれが私のお姉ちゃん、キシス・フランドールね」

外見から性格まで、見事に正反対なんだな。

さっきのマナの話と合わせると、どうやら、そのキシスがロアイスとの橋渡しのようだ。

「で、説教されてるから来れないのか?」

「そ。ああ見えて、お姉ちゃんってドジなの。いっつも、怒られてばっかりなんだから」

あの容貌や会った時の態度からすると信じられないが、妹がそういうからには、事実なのだろう。

しかし、あれでドジ…ねえ、何をしでかすのか、想像もつかないな。

「だったら、出直すから、都合のいい日程を教えてもらえると助かるんだが…姉妹なら、姉の予定を把握してないか?」

「んーまあ、だいたいの予想はできるけど…せっかく来たんだしさ、なんなら、わたしに話してみない?

 できることなら、協力するからさ」

思いがけない提案を受け、意見をうかがうように隣を見る。

アイシスは戸惑いながらも、首を縦に振った。

たしかに、このままでいるよりは、マシ…か。

「でも、いいのか? 面倒なことになるかもしれないぞ?」

「だって、変な奴らにさらわれそうになった私を助けてくれた、命の恩人のお願いだもん。

 恩には報いないとねー」

その無邪気な笑みには、どこからどう見ても、悪意が含まれているようには思えない。

素直に、甘えさせてもらうか。




【セレノア視点】


「やっと…か」

前で話しこんでいる三人に聞こえないように、小さく、そして短く愚痴をこぼす。

ようやく、この退屈な時間が終わってくれるわけね。

「ったく、アタシに内緒で行こうなんて、甘いのよ」

日が登る前に動いたくらいじゃ、アタシの眼は誤魔化せない。

あんな時間にこそこそ出ていくから、魔族に愛想を尽かして帰るのかと、余計な勘繰りまでしてしまった。

でも、まさか、精霊族に接触するなんて…ね。

本当に、この二人は、面白い。

アタシの予想を裏切り、アタシの期待を裏切らない。

二人とも会話に夢中になって、意識なんて、一欠けらもこちらへ向けていない。

ふふっ、ティストもアイシスも、アタシがここにいるなんて、夢にも思ってないみたいね。

気配の消し方や尾行の方法には、細心の注意を払った。

ここまで徹底したアタシのことを気取るのは、父上でも難しいだろうから、二人が気づかなくてもしょうがない。

「………」

今すぐにでも、後ろから声をかけて驚かせてやりたい気持ちを、なんとか我慢する。

せっかくだから、最後まで隠れて見守っていてあげよう。

ティストたちがせっかくアタシたちのことを気遣ってくれたんだから、その心意気は汲み取らなきゃいけない。

それに、何より、きっと、そのほうが面白いだろう。

「ま、何かあったら助ければいいだけだしね」

アタシがいれば、どんな敵が来たって、たちどころに片付けて見せる。

ティストとアイシスの安全は、このアタシが保証する。




【ティスト視点】


「そりゃまた、難題だねー」

ひとしきり俺の話に耳を傾けてから、にがりきった顔でマナがつぶやく。

「もうちょっと簡単なお願いはないの?

 目の前にいる可愛い女の子のことをもっと知りたいとか。

 じゃなかったら、最近疲れてて、癒やしが足りないとか」

指先に淡い光を灯しながら、可愛らしく微笑んでみせる。

この幼さでも癒しの魔法は習得済み…か、さすがは精霊族だな。

「魅力的な話だが、それは、また今度にさせてくれ」

「いつでも大歓迎だからね、お気軽にお申し付けくださいな」

気を悪くした様子もなく、笑って流してくれる。

どうやら、冗談を言わずにはいられない性分らしいな。

「でも、ほんとにいいの?

 そんな風に見せないように気を使ってるみたいだけど、かなり疲れてるでしょ?」

表情や仕草には出さないようにしていたつもりだが、逆にそれが不自然に見えた…ってところか。

癒しの魔法を使えるだけあって、さすがに、疲れや怪我には鋭いな。

たしかに、魔族と人間の領地を大荷物を抱えて行き来しているのだから、当然のように疲れている。

だけど、今日は、そんなことを話すために、こんなところまで来たわけじゃない。

「………」

マナの言葉を正しいと決めつけているのか、アイシスから俺へと向けられる非難の目が痛い。

ここは、話題を逸らすしかないな。

「心配してくれて、ありがとう。だが、大丈夫だ。

 それで、森の礎については、何か知ってるのか?」

「んーまあ、精霊族にとっては、常識だからね。ただ、おさが管理してるから…」

長…か。たしか、人間で言うところの王と同じ扱い…だったはずだ。

そう簡単に見られるとは思っていなかったが、こいつは厄介だな。

「出来る限りは、協力したいんだけどね。

 厳重に保管されてて、借りるどころか、おいそれとは見られないの。

 だから、わたしみたいな、したっぱが持ち出すのは、ちょーっと難しいかな」

「対価を払ったとしても、取り合ってもらえないか?

 たとえば、何か物や条件を提示してもらって、それを用意する…とか」

「あー、それ絶対無理。

 精霊族の掟の中に、異種族から物をもらったり、借りを作っちゃいけません…って書いてあるもん。

 わたし個人なら、それでも全然OKなんだけどね」

掟やしきたり、慣習を重んじる精霊族の台詞とは思えないな。

まあ、それが、この子の長所…というよりは、特徴なんだろう。

「あの、写本…っていうんでしたっけ? 同じ内容のものとかって、他にないんですか?」

「そんなの許すなら、門外不出になってないよ」

「だろうな」

精霊族は、年を経たものほど頑迷になり、異種族に対して心を閉ざすというのを聞いたことがある。

長と呼ばれるような身分なら、間違いなく高齢だろう。

頼み込んだところで、どうにかなるとは思えない。

「…!?」

俺とアイシス、二人がほぼ同時に顔を上げ、森の奥へと視線を投げる。

かすかに聞こえる足音は、真っ直ぐにこちらへと近づいてきていた。

「お待たせいたしました」

「お姉ちゃんが、よーやく来たみたい」

緑と茶が支配する森の中を、目を奪われるほどに綺麗な金の髪が踊る。

たしかにあのときに見た女性が、こちらへと向けて疾駆していた。

「こっちこっち」

「マナ!? なぜ、あなたがここに!?」

気楽に歩み寄るマナを見て、キシスが驚愕する。

慌ててマナの手を引いて距離を取ると、思いっきり声を張り上げた。

「また、あなたはこんな外れまで来て!!

 少しは反省しなさい、前回で充分に懲りたでしょ!?」

「はーい」

素直すぎる返事からは、とてもじゃないが、反省という単語を連想できない。

その気楽さと能天気さは、見ていて、ちょっとうらやましくなる。

俺以上にそれが分かっているからか、キシスは、あきらめたように大きく息をついた。

それから、ようやく俺たちにまで視線が回り、途端に目つきが剣呑になる。

「あなたたちは、ここで、なにを…しているの?」

殺気を含んだ低い声に、思わずダガーに手をかけてしまいそうになり、寸前で止まる。

ここには、戦いに来たわけじゃない。

『隣人の手を取り、相手を想う』

「…!」

俺の言葉に、キシスの目が見開かれる。

その反応だけでも、ファーナの取り付けてくれた約束が、しっかりと生きているのが証明された。

『その時を重ねて、世界は、永久とわの平和へと至る』

聞かされていたとおりの合言葉の最後に、儀礼的にキシスが頭を下げる。

おそらく、そこまでが一連のやりとりなのだろう。

「そう、あなたがロアイスからの使者なのね」

「ああ、よろしく頼む」

頭を下げて見せると、少しだけ表情が和らぐ。

さっきまでの形相を見ていただけに、その優しい微笑は、不意打ちだった。

「どうにか、一命を取り留めたようね。なによりだわ」

その言葉の真意を考え、すぐに思い当たる。

そういえば、ガイと戦った末に、瀕死の重症から救ってくれた秘薬の礼を、まだしていなかったな。

「その節は、大変世話になったな。ありがとう。あれのおかげで、命拾いした」

「気にしないで、こちらも妹がお世話になったから」

柔和な笑みを浮かべて、ゆっくりと首を横に振ってくれる。

それで貸し借りなしだというのなら、素直に甘えさせてもらおう。

「お待たせしてごめんなさい。では、用件を聞かせてもらおうかしら?」

「それなんだが、込み入った話で、少し長くなると思う。

 だから、ちょっと遅いけど、昼ごはんを食べながらでもいいか?」

ユイの手料理が詰め込まれたバスケットを、アイシスが、胸の前に掲げてみせる。

「それ、さっきから、ずっと気になってたんだよねー。手土産を持参とは、心得てるね。感心感心!」

「ちょ、ちょっと、マナ」

輝くような笑顔を浮かべて喜ぶマナと、困り顔で妹をたしなめるキシス。

同じ環境で育った姉妹だろうに、まったくといっていいほど正反対な反応だ。

用意したこちらが思うのもなんだが、妹のほうには、もう少し警戒心が欲しいところだな。

「私たちは、異種族から物をもらうようなことは、許されないのよ」

「だから、後に残らないものにしたんだ。

 食べ終わった後に、食器を俺たちが持って帰れば、それで済む話だからな」

最初は、魔族からの依頼でもあるし、何か綺麗な石でもあればと思ったが…。

出所を誰かに問われて困るような物よりも、食事のほうが無難だろうとファーナに指摘された。

食べた本人が黙っていたら、誰にも気づかれることはない。

堅苦しい規則に縛られている精霊族にとっては、そのほうが好都合だろう。

「………」

反論こそ出てこないものの、まだ迷っているようだ。

もう少し、後押しが必要らしいな。

「食材は、精霊族のほうが豊富かもしれないが、それだけで、料理の味は決まらない。

 たまには、普段と違うものを食べてみるのも、悪くないんじゃないか?」

表情の変化を見逃さないように注意を払いながら、会話の切り口を選ぶ。

味の違いに興味を示さないなら、味の良さを押してみるか。

「ちなみに、これは、ロアイスでも、最高と名高い店の料理だ。

 俺が味を保証しても、信用ならないかもしれないが…。

 俺が今までに食べてきた中で、一番美味いものを用意させてもらった」

結構な頻度で食べていることは、あえて伏せておく。

それでも、嘘は言ってないのだから、かまわないだろう。

「………」

分かりやすいほどに、キシスの目つきが変わる。

どうやら、俺の売り文句に、心を奪われてくれたらしいな。

「アイシスさん、バスケットの上にある布、外してくれる?」

「こうですか?」

意地悪く笑うマナに指示されたとおり、アイシスが、白い布を取り払う。

少し顔を背けたキシスの視線は、吸い寄せられるように、その中へと向けられていた。

なるほどな、心だけじゃなく、目まで奪うわけか。

こうなってしまったら、もう逃げられないな。

それぐらいに、ユイの料理は見た目も美味そうだ。

「ほら、食いしんぼなお姉ちゃんが我慢するなんて、身体に悪いよ」

「黙ってなさい」

「好意を無駄にするようで、申し訳ないけれど…」

「ここで帰ったら、職務放棄だからね。仕事を投げ出すなんて、お姉ちゃんらしくないんじゃないの?」

悪魔のようなマナからの誘惑に、キシスが、ぐっ…と息を詰まらせる。

見上げた自制心だな、陥落までに、こんなに時間がかかるとは。

「これは、あくまでも会食だ。何か言われたら、無理矢理につきあわされたと言えばいい」

仕事だという言い訳を用意してやれば、文句も言えないだろう。

こちらの意図が理解できているからだろう、諦めたようにため息をついた。

「まったく、見かけに寄らず強引なのね」

「せっかくだから、ご相伴に預かるわ。だけど、その前に…マナ。あなたは、ここで帰りなさい」

「えー、ひどいーなんでよー!?」

「マナは、別に精霊族の遣いというわけではないわ。本当なら、この場にいてはいけないのよ」

「そっちの都合は、分からないが…俺たちだけじゃ、とても食べきれないんだ。手伝ってくれないか?」

もし、余ったら持って帰ってくればいいから…と、たっぷりと量を持たせてくれた。

一人増えたところで、帰りの荷物が少し軽くなるくらいだろう。

「そういう問題じゃ…」

「だが、ここまできて、仲間外れにするのも可哀想だろう? 

 それに、さっきも俺たちの相談に耳を傾けてくれた。その御礼でもある」

「ほらほら、聞いた!? 御礼だって!!」

「分かったわ。あなたたちが同席を許してくれるなら、私は何も言わない」

身内にでも、いや、身内にだからこそ…甘い顔は見せられないのだろう。

どこまでも厳格で融通の利かない性格は、嫌いじゃないが…難儀だな。

「では、場所を変えましょうか。この先に、ちょっとしたテーブルとイスがあるから」

「ちょっと寒いけど、座り心地はなかなかだからね。期待しててね!」

歩き出すキシスとマナについて、森の奥へと歩き出す。

アイシスと小さく頷きあってから、二人の後を追った。

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