えすえふ
「あれ?」
「ここは?」状況がまったく把握できない。
「俺はたしか…そう!車に跳ねられたんだ!でも、痛いところもないし…。ベットの上?夢なのか?それとも助かったのか?包帯は巻いてないな。」そこへ白衣で初老の男性が現れ、
「ようこそ死後の世界へ。」は?このおっさんどっかいかれてる。と、思いつつ葵英は問う。
「あの~なんでこんなに暗い場所にベットがあり、俺は生きているのですか?」自分でも、何を言っているのかわからない。
「額になんかないかな?」と初老の男性が自分の額を指さし…
「ああ!死人のコントなどで使うアレだあ!!」笑いながらそっと額に手をやる。
そしてやっと自分の置かれた立場に気づいた。
「俺は…死んだ…」
「ここは【レイアンシツ】、この世とあの世の繋ぎ目。」と、初老の男性は告げた。
嘸、悪名高き魑魅魍魎がいるのか?と、思いきや初老の男性をみると清潔感あふれる医者…っぽさで恐怖心はなんとなく消え去った。
部屋の外に出ると、一変した!
死んだとは思えない元気な、子供の声、主に老人で溢れていた!!その誰もが【死人のコントなどで使うアレ】をつけていた。
しかし、三つ気になる事がある。街が生きていた頃となんら変化がない。ここで死んだらどうなるのか…。試す勇気はなかった。あと例えば子供の遊ぶような、時間の流れの停滞感があった。
とりあえず自宅に帰った。葵英、自分の名前に、自分のモノ、なんら変わらず残っていた。
腹を満たそうと、冷蔵庫をあさっていると、適当に食べ物を食べたが、どうやらこの体には食べ物は必用ないらしい。
「ここは天国だ!!」ヒャッホ~と浮かれる俺にとんでもない事実が突き立てられた!!
「宇宙人だ!」誰かが叫ぶ。(宇宙人かどうかは定かではない、向こう側からしたらこっちも宇宙人なわけであるからだ。)まさに天空を覆いかくさんと、のっぺりした顔が現れた。
ふと思い付く、ここは宇宙人達の虫かごのような、水風船を垂らしたような場所なんじゃないかと!皆の驚く姿、隠れようとする者、灰色の空模様だからだ。
「ちくしょう、いじめ、自殺、家畜だと!」俺、葵英は自分の人生を呪った。ところで、俺は中2で死んだからいいものの、初老の男性や病人はどうなるのか?恐ろしい想像をしてしまう、病人、子供、老人は食べられないのか?そしたら残るは成人!そういえば成人男女を見たことがない。
そう思った次の瞬間!街で隠れてる成人探しが始まった!俺は、目を【巨大宇宙人なのか俺らが小さいのかは別として】、合わせた。が、今回は見逃してもらったようだ。だが生憎予感は的中した。だから皆病院にいるのか?
何時間たったか巨大宇宙人は去り、夜を迎えた…と、言っても太陽も月もない虫かご…虫かごと言った方がいい。俺はここでも生きていけそうになかった…。