表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソールメイト  作者: 楓華
1/1

【第1話:出会い】

「また夜が来る。」

菜穂は夜が大嫌いだった。夜になると、原因不明の発作が起こる。

「ねぇ。お母さん。助けて。私死にたくない!」

「はぁ。またあんたって子は…。仮病ばっか使って!そんなにお母さんを困らせたいの?」

菜穂の発作は原因不明。それどころか、病院で検査してみても異常が見つからず今では親にまで「仮病」だと言われている。


“お母さんまで信じてくれない。私は独りぼっちなの?”

菜穂は誰も信じられなくなっていた。誰かに自分の苦しみを理解してもらいたい。でも、誰もい信じてはくれない。この悲しみは、菜穂にしか分からない。


そんな辛く、孤独な日々が続いたある日。いつものように発作を理由に学校を休んで部屋で独りで居たときだった。たまたまインターネットをしていて立ち寄った“チャット”で、運命とも言える出会いをした。



なー子:初めまして♪


ケイ:初めまして>なー子


ケイという男性は菜穂より6つ年上だという。菜穂は明るく優しい雰囲気のケイに心を許した。人間不信気味だった菜穂が心を許せたのは、ココが“チャット”というバーチャルの世界だったからかもしれない。

ケイと知り合ってから菜穂は、毎日のようにこのチャットに通った。

そして、いつしか仲良くなった二人はお互いの携帯のアドレスを交換するまでの仲になった。“もしかしたら、ケイは私のこと信じてくれるかもしれない!”

菜穂は日ごろ自分が思っていることを全部ケイに打ち明けた。

すると、すぐにケイからTELがきた。


「も・もしもし?」

「もしもし?なー子ちゃん?初めまして。けいです。」

「初めまして!なー子です。」

二人はそこからしばらく他愛も無い話に花を咲かせた。そして、20分くらい経った時ケイは菜穂を慰めるように優しい話で切り出した。

「なー子ちゃん。辛いこと沢山あったんだね。独りで絶えて偉かったね。」

「ケイ…。私の話信じてくれるの?」

「当たり前じゃないか!僕は、いつでもなー子ちゃんの味方だよ?」

「ケイ…。ありがとう。」

こうして、菜穂には強い味方が出来た。初めて自分の苦しみを理解してくれる人に出会い、菜穂はその夜は久しぶりに朝までぐっすり眠れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ