第54話 居酒屋
1: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:12:11.11 ID:izakaya
会社の先輩から聞いた話。
彼がさる田舎の町へ出張に行った時、仕事が早く済んだので飲みに繰り出したそうだ。
2軒ほどハシゴしてほろ酔い気分になった彼は、酔い覚ましにぶらぶらと散歩を始めた。
小さな町なので、中心部を少し外れると建物もまばらになり、明かりといえば、ぽつぽつと灯っている街灯と月明かりだけになった。
しかし、普段都会で仕事をしている彼にとってはこうゆう雰囲気も悪くなく、気持ちよく散歩を続けたそうだ。
あても無く歩き回っていると、前方に明かりが見えてきた。
どうやら居酒屋のようだ。
「こんな辺鄙なところに飲み屋があるのか。酔いもさめてきたし、もう一杯いくか。」と、彼は店に向かって歩き出した。
しかし、店に近づくにつれ、なんともいえない妙な気分になってきたという。
店の中では何人かの人影が動いているのが見え、その中には子供もいるようだ。
だが、なんというか活気というものがまるで感じられず、近づけば近づくほど重苦しい気分になってくる。
結局、酒好きの彼には珍しく、その店の手前で引き返し、そのまま宿泊先のホテルに帰ったそうだ。
翌日、彼は次の仕事先へ向かうため、タクシーでホテルを後にした。
そのタクシーが、偶然彼の昨日の散歩コースを通ったそうだ。
やがて、あの妙な店がある場所に差し掛かったとき、彼は自分の目を疑った。
そこには居酒屋など影も形も無かったのだ。
彼は思わず運転手に「ねえ、そこに居酒屋があったと思ったんだけど?」と聞いた。
すると、「ああ、半年くらい前まではあったんだけど火事で焼けちゃったよ」。
運転手の話によると、その居酒屋は中年の夫婦が経営していたが、この不景気に加えて、さらに質の悪い業者 に引っ掛かり、生活は相当苦しかったそうだ。
それで思い余った夫が店に火を放ち、妻と子を道ずれに心中したそうだ。
「子供はまだ小学生だったんだよ。かわいそうだよねえ」と運転手はため息混じりに呟いたが、彼はとても同情できる気分では無かった。
すると、自分が昨夜見た店は何だったのだ?
いや、もしあのまま店に入っていたら・・・
結局彼は、「酔っ払って幻覚でも見たのだろう」と無理やり思い込むことにしたそうだ。
3: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:17:10.88 ID:izakaya
子どもまで店内にいたのが一番怖い。
深夜営業どころじゃない。
5: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:22:01.55 ID:ghostbar
酒好きが引き返すって、
相当な“拒絶感”だったんだろうな。
6: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:24:22.77 ID:izakaya
タクシー運転手の説明が淡々としてるの、
逆にリアル。
7: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:26:55.33 ID:barless
半年で完全に更地って、
現実の方もスピード感ある。
8: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:29:33.11 ID:ghostbar
もし入ってたら“お客さん4人目”になってた説。
9: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:31:44.88 ID:izakaya
子どもが普通に店内にいるの、
心中現場の再現度が高すぎる。
10: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:34:12.77 ID:barless
田舎の夜って、
こういう“異界との境界”が薄い気がする。
11: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:36:33.55 ID:ghostbar
酔ってても危険察知できるのすごい。
本能が止めたんだろうな。
12: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:38:55.77 ID:izakaya
「幻覚だったことにした」
→一番賢い選択。
13: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:41:44.11 ID:barless
でも幻覚にしては“店内の人数”が細かすぎる。
15: 本当にあった怖い名無し:2026/11/27(金) 18:47:10.55 ID:izakaya
入らなくて本当に良かった。
あれは“呼ばれてた”やつ。




