第34話:死体洗いのバイト
1: 名無しさん@お腹いっぱい:2026/10/20(火) 00:12:44.11 ID:Body-Wash
歳がばれてしまうが、俺が大学2年のときだから、もう15年も前の話。
学校は埼玉だったんだが、その日は授業さぼって一人で新宿をふらふらしていた。
とくに行くあてはなかったんだけどね。
歩くにも疲れたんで、歩道の端にあるガードレールに腰掛けていたとき、男が声をかけてきた。「暇ですか?」ってね。
もちろん怪しいと思ったよ。で、とっさに「友達待ってるところだ」と言ったんだよ。
そしたら、その男は「ちょっとバイトやってくれないか?」と言ってきた。
はぁ?って感じだよね。そんなの絶対怪しいのは分かってたけど、気が弱い俺は即断るのをためらって、「何のバイトですか?」と聞いてしまった。
「大きな声じゃいえないんだけど・・・」と男は前置きした後、ゆっくり顔を近づけて「死体洗いって知ってるよね?」と聞いてきた。
はい、知っていますとも。だけど本当にあるわけ無いじゃない。誰だってそう思うよね。
でも気が弱い俺は「はぁ」と相槌を打ってしまったんだ。
「そのバイト、やってくれないかな?」
やばいのに捕まったな。心底俺はそう思ったよ。
「でも、友達待ってるんで」
「いや、今すぐじゃないんだよ。今週の土曜日だから」と言って、一枚の名刺を差し出した。
「でね、バイト料は2万円でるから。2~3時間で終わるからいい報酬でしょ。
じゃ、来れるかどうか今日中に連絡くださいね」
名刺の裏には地図が書いてあった。
怪しいのは十分に分かっていたが、懐具合が俺を決断させた。家に帰ると早速電話をした。
「もしもし・・・」出たのはあの男だった。
「あの、アルバイトのことで・・・」
「来る気になったんだね。場所は名刺の裏に書いてあるはずだから分かるよね」
「はい。履歴書とかはいいんですか?」
「長くやってもらうわけじゃないから要らないよ。名前だけ聞かせてね」
土曜日の昼下がり、俺はその場所に行った。6階建てのビルの3階だった。
ドアを開けると一人の男が出てきた。
あの男じゃなかったので躊躇していると、
「××さんでしょ?○○(例の男の名)から聞いてるよ」
「はい、そうです。よろしくお願いします」
俺の挨拶が終わるか終わらないうちに「じゃあ、ちょっとこっち来てよ」と男はエレベーターに向かって歩き出した。
着いたところはビルの地下室だった。
「これに着替えてね」男は白衣とエプロンを棚から取り出した。ゴム製のごっついエプロンだった。
着替え終わると「これもつけてね」と帽子とゴム手袋を渡された。
仕切りの向こうに「もの」はあった。
男は自分もゴム手をはめてシートをめくった。
・・・
見慣れてるのか平然としているものである。
「こうやるんだよ」と男はエタノールを脱脂綿に含ませて「もの」を拭き始めた。
俺も真似してやってみた。
「そうそう、それでいいんだ。じゃあ終ったら3階に来てね。今着ているものはここの
籠に入れておいてくれればいいから」男は手袋を外すと籠に入れ、そこから立ち去った。
確かに恐ろしかったよ。でもなんとかやった。「元人間」だと思わないように自分に言い聞かせてね。
でも傷の多い「もの」だったな。
俺は簡単に後片付けを済ませると急いで3階へと上った。
ドアを開けるとさっきの男が出てきて「終ったのか?」と聞いた。
「一応・・・」
「じゃあ、ちょっと待っててくれ」俺を椅子に座らせると男は出て行った。
戻ってきた男は「うん、上出来だ」と言って、机の引き出しから封筒を取り出した。
大学の近くで独り暮らしをしている友達のアパートに遊びに行ったとき、俺はその話をしたんだ。
すると、友達は「俺もやりたい、俺にも紹介しろ」といって聞かず、俺は財布にしまってあった名刺を取り出し、そこに電話してみた。
でも、電話は通じない。呼び出し音はしているのだが、全然出る気配がないんだ。
「じゃあ、そこに行ってみるか」というんで、俺と友達はのこのこと出かけていった。
そして、例のビルに着いて3階へ上がる。ドアを開けて「ごめんください」と挨拶した。
出てきたのは女性だった。
「あの、アルバイトのことで着たんですが」
「はぁ?」女性は合点が行かないようで「ちょっと待っててください」と奥に行った。
代わりに男が出てきて、開口一番「うちはアルバイトは募集してないよ」
俺は先週の土曜日にやったことを説明してみたが、男は憮然として
「あのね、うちはね、法律事務所なの。バカなこといっちゃいけないよ。土曜日は
原則として休みだしね」
そして、そっけなくドアを閉めた。確かにドアには「××行政書士」と書いてあった。
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2: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:17:33.11 ID:quiet-owl
新宿で「暇ですか?」は、だいたいロクなことにならない。
3: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:20:55.88 ID:thin-air
死体洗いって、都市伝説だと思ってたけど…
こういう“入り口”が一番怖い。
7: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:34:20.33 ID:lost-voice
電話が繋がらないの、
向こうが消えたんじゃなくて
“最初から存在してなかった”可能性はないか?
8: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:37:55.90 ID:old-room
行政書士事務所の地下に、
そんな設備あるわけないよな。
9: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:41:33.44 ID:thin-air
1
その地下室、
本当に“ビルの地下”だったのか?
10: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:45:12.77 ID:still-water
土曜日は休みって言われたの、
“その日だけ開いてた”ってことだよな。
11: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:48:44.33 ID:quiet-owl
封筒の中身、本当に“バイト代”だった?
14: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 00:59:33.44 ID:thin-air
名刺を渡した男、
最初から“人間じゃなかった”説ある。
15: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:03:12.77 ID:still-water
行政書士事務所の人、
本当に“知らなかった”のかね。
16: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:06:44.55 ID:quiet-owl
≫1
そのビル、今もある?
17: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:10:20.77 ID:lost-voice
俺、医学部だけど、解剖用の献体なら医学部の建物にあって、新宿のビルはありえないと思うんだよね。
東京医大や女子医大はそれぞれの建物内にあると思うぞ。
18: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:13:55.90 ID:old-room
傷だらけの“もの”、
あれ事故じゃなくて“処理前”だったんじゃ。
19: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:17:33.44 ID:thin-air
電話が繋がらないの、
“もう使われてない番号”だったんだろうな。
20: 本当にあった怖い名無し:2026/10/20(火) 01:21:12.77 ID:still-water
あの日だけ開いてた地下室、
あの日だけ現れた男、
あの日だけのバイト。
そういうの、あるよ。




