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第82話 証拠②

第82話です。

楽しんでいってください!

 調査開始から3日目。

今日は港に来ていた。

ちなみに、今日ラヴィは拠点で資料をあさっている。

目的のデータを探すために。


「まあ、きれいな海ね!」


「そうなんですよ!」


リリスは笑みを浮かべ、アリーと言葉を交わす。

その時、リリスは視界の端に、カラフルな衣装に身を包んだ集団をとらえていた。


「・・・もう少し近づいてみてみたいわ。」


「もちろんです。こちらへどうぞ!」


アリーはリリスの思惑を知らず、何の疑いもなく案内を続ける。

海に近づくにつれ、さらに潮の香りが強くなる。

リリスたちの服がふわりと揺れた直後、一段と強い風が巻き起こった。


「きゃっ。」


少々棒読みな悲鳴が上がり、リリスの帽子が集団の方に飛んでいく。


よし、いい感じね。


もちろん、リリスがわざとその方向に飛ばしたのだから、当然だ。

リリスは髪を抑えながら、その集団に駆け寄った。

あと少しで帽子の前につく、という寸前、集団の内の1人が帽子を拾い上げた。


「こちらは、あなたものですか?」


異国の者にもかかわらず、流ちょうな話しで声を掛けられる。


「ええ、そうです。ありがとうございます。」


リリスは下を向いていた視線を上に向け、微笑む。

相手はどこか照れたように頬を染めて帽子を差し出した。

それを受け取りながら、エルフと思われる男性を見上げた。


「見たことのない服ですね。どこのご出身なのですか?」


「セレストラです。」


セレストラ、ラヴィの予感は当たりかしらね。

あの国は自由な雰囲気で人間との対立に無関心。

――一部の者を除いて。


「まあ、そうなのですね!大陸の最も東に位置する国、でしたか。」


「その通りです。よくご存じですね、あまり有名な国ではないと思うのですが・・・。」


「そんなことはありませんわ。私、セレストラに一度だけですが、行ったことがあるのですよ。」


リリスたちの国、ヴァルグラディアは大陸の中央部に存在する。

それなのに、大陸の端にある国に行ったことがあるのはなぜか?

それは・・・。


「確か、境界融和派、という派閥がありましたよね。人間と関わるべきだという派閥だとか。素晴らしい考えだと思いますわ。」


リリスはそこまで一息に告げ、相手の様子をうかがう。

男性は嬉しそうに笑みを浮かべながら、うなずいた。


「そうでしょう!お嬢さんも境界融和派にご興味が?」


ニコニコと――はたから見ると、明らかに胡散臭い表情で身振り手振りを交えながら境界融和派のすばらしさを語る男性。

リリスはその話を聞きながら、ラヴィに念話をつないでいた。


『今の、聞こえてたかしら?』


『もちろん。録音、してるよね?』


『ええ。ばっちり。』


『じゃあ、データもそろったし、ひと段落したら戻ってきて。』


そう言ってプツリ、と念話が切れた。

リリスは相槌をうち、口を開く。


「そう言えば、私も、と言っていましたね。他にもどなたかいらっしゃるのですか?」


「ああ、そうですね。この領地の子爵様です。いろいろと戦況や情報を教えてくださるので、助かっているんですよ。」


思った以上にあっさりと男性は口を滑らす。


「あっ、言ってはいけないと言われているので、秘密ですよ?」


「はい、もちろんですわ。」


・・・もちろん、あなたのお仲間には言いませんよ。

これで、情報は出そろったかしら。


リリスはポケットの中の魔道具のボタンを押し、録音を停止する。

そして、ようやく追いついてきたアリーにちらりと視線を向けてから男性に向き直った。


「ごめんなさい。もっとお話を聞きたかったのだけど、そろそろ時間みたいです。」


「そうですか・・・。またお会いできるのを、楽しみにしています。」


どこか確信を孕んだその言葉に引っ掛かりながらも、リリスは軽くお辞儀をしてから彼に背を向けた。

これからものんびり投稿していきます!

ちょこちょこ覗きに来てください!

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