表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/88

第81話 証拠①

第81話です。

楽しんでいってください!

 リリスとアリーが拠点に向かっている頃、ラヴィは朝市が開かれていた場所に向かっていた。


その前に、服を変えないと。

手ごろな路地は・・・。


ラヴィはちらりと自分の服を見おろした。

王宮から派遣されたという建前上、上等な服に身を包んでいた。

このままでは身ぐるみはがされるか、子爵に情報を与えて終わりだ。

と言っても、現在も尾行されているのだが。


左斜め後ろに2人と右斜め前に1人。

ラヴィはそちらに視線を向けることなく確認し、迷わず左側の路地に足を踏み入れた。

尾行している者が路地をのぞき込む前にラヴィはある呪文を唱えた。


「『(フォルム)( イリュソワール)』」


瞬時にラヴィの髪色がくすんだ金色に、瞳の色がアーモンド色に変化する。

さらにラヴィは魔力を練り、服にも魔法をかけた。

服の色が青から赤に、デザインがわずかに変わる。

そして、何事もなかったかのように路地から歩み出て、目的地に足を向ける。


「そこのお嬢さん、路地で誰かとすれ違わなかったか?」


肩に手を置かれ、そう声を掛けられる。

ラヴィは髪を揺らして振り向き、リリスのようにふっと笑みをこぼした。


「いいえ。誰とも会っていませんわ。どうかなさいましたの?」


背後に立っていたエルフの男性はかすかに目を泳がせ、首を振る。


「いいや。あっていないならいい。すまなかったな。」


そしてラヴィに背を向けると、人ごみに紛れていった。

その背をしばらく眺め、ラヴィは再び目的の服屋に足を踏み入れた。

その顔に楽し気な笑みを浮かべながら。




 服を調達し、もう一度路地を通りながら髪と瞳の色を変化させ、目的地に到着した。

現在、ラヴィは暗い茶の髪に水色の瞳、地味な服を身にまとっている。


やっぱりね。


そんなラヴィが目にしたのは、朝とは少し違う光景。

にぎやかだ。

にぎやかだが、見覚えのない屋台が10件ほど増えていた。

ラヴィは一番手前にある屋台の前で足を止める。


「イラッシャーイ。」


明らかに異国の物を売っている店だ。

それだけならばよい。

しかし、彼らが扱っている品が問題だった。


「これはなに?」


「コウスイデース!タメシマースカ?」


ラヴィはカラフルな衣装に身を包み、つたない言葉でそう言う店主の申し出を頷いて受ける。

店主は嬉しそうにニッと笑い、紙を取り出してそこに香水を振りかける。

その紙をこれまた嬉しそうにラヴィに差し出した。

ラヴィはお礼を言ってそれを受け取り、においをかぐ。


・・・ビンゴ。

まさか、こんな堂々とやってるなんてね。


笑い出しそうになるのを懸命にこらえ、その香水を購入する。

そのままの足で拠点へと向かうのだった。




 「おかえりなさい。」

部屋の扉を開くと同時に、リリスから声を掛けられた。

もちろん、今はいつもと同じ服装、同じ姿だ。

彼女はラヴィの抱えている袋に視線を向けラヴィをじっと見つめる。


期待してる、って目。

まったく、人使いが荒いこと。


ラヴィは心の内で悪態をつきながらも、その顔に笑みを浮かべる。

思った以上に早く片が付きそうだ、ということをうれしく思ったから。


「これでしょ。」


そう言ってラヴィは購入した香水をリリスに見せるように袋から取り出す。


「これで、あとは書類の方かしらね。ありがとう、ラヴィ。」


「こんな簡単だ仕事で礼を言われてもね。」


ラヴィは首をすくめ、リリスは笑みを浮かべる。

2人はそのままの流れで、明日の打ち合わせを開始するのだった。

これからものんびり投稿していきます!

ちょこちょこ覗きに来てください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ