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第75話 朝市

第75話です。

楽しんでいってください!

 「今日は朝市と中央通りを巡っていただくことになります。」


「わかったわ。」


時刻は朝の7時。

リリスたちは朝市が開かれている場所へと向かう馬車の中でアリーの話を聞いていた。


ツン、と不服そうに外へ視線を向けるラヴィの横でリリスは頷く。

アリーは困ったように眉を寄せ、ちらちらとラヴィに視線を向けた。

そんな彼女を安心させるように微笑む裏で、考えを巡らせる。


ラヴィの気持ちはもっともね。

治安が良く、人通りのあるところを見せて何の問題もないと思わせたいのかしら?

ということは、1週間ずっとこんな調子?

でも、そこまでここに見て回る場所はなかったはず・・・。


「あ、あの、使者様・・・?」


少しの間、ぼんやりとしてしまっていたからだろう。

アリーが不安そうにこちらを見つめていた。


「ふふっ。大丈夫よ。」


リリスはいつも通りに微笑むのだった。




 朝市が開かれる広場が見えるところで馬車を下りる。

ラヴィは相変わらず不機嫌なままで、アリーはおろおろしていた。


「それじゃあ、アリーさん。案内お願いしてもいいかしら。」


「は、はい!こちらです。」


アリーは慌ててリリスたちを先導するように歩き出す。

そんな彼女の後ろでリリスは隣に立つ人物を肘で小突いた。


「ほら、アリーさんは関係ないんだから。」


「わかってる。ちゃんと調査はするよ。」


「お願いね?」


「はいはい。」


むすっとした顔はそのままだが、ラヴィは少し周囲を気にし始めた。

リリスは苦笑しつつもほっと胸をなでおろす。

そして、少し遠くで不思議そうにこちらを振り返るアリーに足早に近づく。


「大丈夫ですか?」


「ふふっ。大丈夫よ。ラヴィはお腹がすいているだけでしょう。」


いたずらっぽく笑い、少しおどけながらそう告げるとアリーの肩の力が抜ける。

彼女は天真爛漫な笑みを浮かべ、「こっちです!」とリリスの手を引いた。



 広場は多くの人でごった返していた。

しかし、どこか活気に欠けている。

そんな中をリリスたちは人々の間を縫うように進んでいく。


道の左右には野菜や肉、魚など新鮮な食材が並ぶ。

広場に近づくにつれ、肉の焼ける臭いや潮のにおいが強くなっていく。

ロズレ子爵領は海に面しているため、魚介類が豊富なのだ。

と言っても、あるのは小さな貿易港だけ。

貿易で栄えている、というわけではなかった。


「とりあえず、ここで朝食にしましょうか。おすすめはあるかしら?」


「は、はい!私が買ってきましょうか?」


「じゃあ、お願いしようかしら。やっぱり、地元の人のおすすめが一番だもの。」


「・・・。」


アリーは少しうれしそうに目を細め、屋台へと駆けだした。

リリスは無言のままのラヴィにちらりと視線を向け、近くにあったベンチに腰を下ろす。

ラヴィもリリスの隣に腰を下ろし、無詠唱で魔法を行使した。


「何かわかった?」


「時々、刺すような視線を感じる。あとは、住民たちの動きが規則的すぎるかな。」


「やっぱりそう?ずっと行ったり来たりしている人も何人か見かけたわね。」


「上からの指示か?店で商品を買っている者もかなり少なかった。」


「でも、重税を課していたわけじゃなかったわよね?」


2人で会話しているようなしぐさをしつつ、人々の様子を観察する。

リリスが屋台のさらに奥へと視線を向けると、いかにも怪しげな人物があたりを警戒しながら港のほうへ駆けていく。


「?」


「どうかした?」


リリスは少し沈黙し、首を振る。


「何もなかったわ。」

これからものんびり投稿していきます!

ちょこちょこ覗きに来てください!

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