第71話 気持ち
第70話です。
楽しんでいってください!
「それでは、これで会議は終了です。お疲れさまでした。」
会議室に、憂鬱な集まりの終了を告げる声が響く。
会議、とは名ばかりの集まり。
そこには自分の利益を求める高位貴族たちばかりがそろっていた。
リリスは疲れたようにため息をつき、ぼんやりと椅子に座っていた。
あ、任務、行かなきゃ・・・。
ふと我に返ったリリスは、カタリと音を立てて椅子から立ち上がる。
ゆっくりとした動作で扉に手を掛け、ドアノブを回した。
下を向いていたリリスの視線の先には、見覚えのある編み上げブーツ。
「まったく、リリス、遅いわよ。」
ラヴィはそう言ってリリスの手を取る。
そうでもしなければ、彼女が動かないのを知っていたから。
リリスはヴェーヴが人間側の軍――光の騎士団に連れていかれ、すぐに助けに行けないことを認識してからずっとこんな調子だ。
どこかぼんやりしている。
今行ってはいけないことを理解しているから、怒りを心の奥底にしまい込み、踏みとどまっている。
しかし、時々思い出したように殺気をまき散らすから大変だ。
その怒りの発散を適度にさせるため、毎日のように任務にいそしんでいる。
と、言うのは口実で、単に人手が足りないのだろう。
ラヴィも駆り出されている。
2人が基本的にペアとして動くように、とのお達しだ。
さらに、いつもは一緒にいるシャシャも、今は危険だから、と部屋に閉じ込められていた。
「まったく、こういう時だけ王女王女って・・・。」
とは本人の言葉だ。
ラヴィはひっそりと息を吐き出し、遠くを見つめるのだった。
「リリス、転移お願い。」
城の転移部屋に到着し、ラヴィはリリスの手を放す。
しかし、ぼんやりしたままのリリスは口を開こうとしなかった。
「リーリースー?」
ラヴィはリリスの視線を自分に向けさせ、頬を軽く引っ張る。
「今はヴェーヴを助けに行けないんだから、任務頑張って早く行けるようにするわよ!」
「い、いひゃい。」
ラヴィはリリスの頬から手を放し、ふんっとそっぽを向きながら続ける。
「私だって、何にも思ってないわけじゃないんだから。」
その言葉の通り、ラヴィは現状にかなりの不安を抱いている。
ヴェーヴを助けに行けない。
リリスは廃人に近く、シャシャも部屋に閉じ込められている。
・・・まあ、それはいっつも抜け出すのが悪いんだけど。
そして、何より、自分がその尻ぬぐいをさせらているのが、嫌!
少し頬を膨らませるラヴィに、リリスは思わず頬を緩めた。
「ふふっ。確かにそうね、頑張りましょうか。」
そう言って、魔法を行使したリリスの瞳にはヤル気がみなぎっていた。
その様子を見たラヴィは、「やり過ぎなきゃいいけど・・・。」とつぶやくのだった。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




