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第69話 引きずられる2人

 ガキン、という重い音が訓練場に響く。


ヴェーヴたちは、ローランと会ってから少しだけ屋台を巡り、駐屯所に戻ってきていた。

ノノとローランは対人戦想定の訓練を行っている。

ノノの得物は、彼女の身の丈もあろう両刃斧。

一方、ローランが手にしているのは猟銃と拳銃。


ノノの得物の迫力に劣るその銃を巧みに操り、ローランは応戦していた。


「全然来てなかったんだから、しばらく相手してもらうよ!」


そう言いながら、斧を軽々と振り回し、愉し気に笑みをこぼすノノ。

そんな彼女に動じることなく、黙々と攻撃を続けるローラン。

彼の表情は開始から一切変わっていなかった。




 ――数分後。

バンッという音とともに、扉が開かれた。

そこから訓練場に飛び込んできたのはアルマン。

アルマンへちらりと視線をやりながらも、訓練を続行する2人へ向けて、アルマンが声を張り上げた。


「ちょっと、お二人さん!書類がたまってるわよ!」


2人はびくりと肩を震わせ、一瞬動きを止める。

次の瞬間、アルマンが2人を確保していた。


「ラナちゃん!」


そんな声と同時に飛び込んできたのは、ラナ。

彼女は即座にノノを逃げられないように捕まえ、有無を言わさずに引きずっていった。

アルマンもローランの襟首をつかみ、引きずって来る。


「あら、ヴェーヴちゃんと双子ちゃん!ローランを借りていっても、いーい?」


疑問形にもかかわらず、なんとしてもつれていく、という圧を放つアルマン。


「「どーぞ!」」


「ありがと。」


そして、そのままローランを引きずっていった。

ご本人は、あきらめたように目をつぶり、引きずられていったのだった。




 「さて、これからどうしよっか!」


カミーユがジョルジュとヴェーヴを振り向き、首を傾げる。


「僕、図書館に行ってくるね!」


「りょーかい!」


「僕たちは、この訓練場にいるよ。」


「何かあったら、ここに戻ってきてね!」


ヴェーヴは、双子に見送られて訓練場を後にした。

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