第62話 図書館
第62話です。
楽しんでいってください!
――翌日。
ヴェーヴは図書館に来ていた。
「借りたい本があったらここに持ってきてくれ。」
「わかった!ありがとう司書さん!」
ヴェーヴは図書館の利用法を教えてくれた司書に礼を言う。
どんな本があるのかなぁ。
とりあえず、館内をまわることに決め、歩き始めた。
歴史、語学などの一般的な本。
体の構造、鍛錬方法などの騎士の人も読みそうな本。
他にも、図鑑とか小説も置いてあった。
だけど、魔法についての本はない。
「おや、君、どうしてこんなとこにいるんだ?迷子?」
司書とヴェーヴ以外、誰もいなかったはずの館内に知らない男性の声が響く。
「おーい。大丈夫か。」
驚きで固まっているヴェーヴをみて、その男性が顔をのぞき込んでくる。
全体的に特徴のない人だ。
中肉中背で黒髪をオールバックにしている。
そして、腰になんだか普通の物よりも薄い剣を下げていた。
ヴェーヴはきょとんとした顔で男性を見上げる。
男性は何を思ったのか、どこからか飴を取り出し「いる?」とヴェーヴに差し出した。
「・・・ありがとう。」
ヴェーヴはよくわからないまま飴を受け取る。
「それで、君はどうしてこんなところにいるんだ?ここは騎士団の駐屯地のはずなんだが。」
人のいい笑みを浮かべ、そう尋ねてくる。
ヴェーヴがどう答えたものか、と思って眉を寄せる。
「・・・質問を変えよう。君の名前は?」
「ジェルヴェーズ、ヴェーヴです。」
男性は「どこかで聞いたような・・・。」と考え始める。
数秒後、合点がいったように、ぽんと手を打った。
「アネモネ殿がさらってきた子か!それなら、誰か付き添いがいるはずなんだが。・・・どこに行ったんだ?」
「えっと、ノノさんが2時間後に迎えに来るって言ってどこかに行っちゃいました。」
男性は「彼女らしいな。」とつぶやき、苦笑する。
「それじゃ、俺が付き合おう。借りたい本はあるか?」
そうして、ヴェーヴは2人でノノが迎えに来るまでの時間いっぱい、図書館内をぐるぐるとめぐり続けたのだった。
――1時間後。
男性の手には数冊の本が抱えられていた。
身体の仕組みや図鑑。
見たことのない本の中から特に気になったものを選んだ結果だ。
そして、目の前にはノノとラナが立っていた。
ノノは逃げないよう、ラナに首根っこをつかまれている。
「すみません、ジョルジュ殿。」
「ラナ殿は悪くない。まあ、俺も楽しかったからな。」
そう言って、2人は顔を見合わせ、ノノに顔を向ける。
ノノはその冷たい視線も意に介さず、訓練場の方向を未練がましく見つめていた。
「ノノ?」
「アネモネ殿?」
2人は怒気をまとった声でノノのことを呼ぶ。
ノノはあきらめたように2人に視線を戻した。
「何か言うことは?」
「・・・申し訳ございませんでした。」
「ほかには?」
「ジョルジュおじさん、ありがとう。」
「おう。ちゃんと仕事もやるんだぞ。」
ノノの説教タイムが終了し、2人はようやくノノを開放した。
「それじゃ、ジェルヴェーズ殿。またな。」
「うん!ありがとう、ジョルジュさん!」
ジョルジュは3人に背を向け指揮棟へと歩いて行った。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




