第46話 金のドラゴン
第46話です。
楽しんでいってください!
リリスと並んで一緒に廊下を歩く。
ヴェーヴの左側には扉が並び、それぞれに違う模様や紋章が描かれている。
しばらくしてから、鐘の音が3回鳴り、生徒たちの声がどっと大きくなる。
「ねぇ、今からどこに行くの?」
「私の友達がいる教室に行くわ。」
そう言って、リリスは歩くペースを少し上げた。
ヴェーヴも置いて行かれないように、少し小走りについて行く。
魔法学校の中は石造りで、少しひんやりとしている。
もうすっかり夏らしくなり、窓から強い日差しが差し込んでいる。
しばらく歩き、金色のドラゴンが書かれた扉の前でリリスが立ち止まる。
ゆっくりと深呼吸をして扉に手を掛けようとした。
「リリスだわ!」
中から明るい声が聞こえ、扉が勢いよく開かれた。
それをきっかけに、部屋の中から次々に声がはじける。
「え、マジ?元気してたか~?」
「あれ?リリスって卒業したんじゃなかったっけ?」
ヴェーヴが扉を開いた人を見上げると、目が合った。
灰色の髪を眉毛の上で切りそろえられ、髪の一部を三つ編みにして前に垂らしている。
「あら?どなたですか?」
女性は目線を合わせるようにかがみ、リリスを見上げる。
「ジェルヴェーズです!」
「私はマルグリット・デシャンです。よろしくお願いしますね。」
そう言って、ニコニコと優しく笑った。
「ちびっこがいるじゃねーか!」
「ここで立ち話はなんだし、温室にでも行こうよ。授業も終わりだし。」
教室の扉からチャラそうな男性と三つ編みの女性が教室からひょこっと顔をのぞかせた。
こうして、よくわからないまま、3人の男女に背中をぐいぐいと押され、ヴェーヴたちは廊下を歩き始めた。
「それにしても、久しぶりですね。」
「ほんと、何年振り?」
「3年ぶりかしらね。」
「校長から戻って来るって聞いてびっくりしたわ~。」
状況を理解できていないヴェーヴ以外の4人が楽しそうに話している。
連れてこられた温室はいくつかの部屋に区切られていた。
今の季節は初夏。
しかし――ヴェーヴたちの座っている部屋には春の花々が咲き誇っている。
チューリップ、水仙、タンポポ・・・。
花だけでなく、木も植えられている。
その木から風に吹かれて薄いピンク色の花びらがひらひらと舞い落ちた。
「そうだ。改めて自己紹介しませんか?」
「いいんじゃね?そういや俺らはまだだったしなぁ。」
同じ制服を着た3人がヴェーヴをじっと見つめる。
ヴェーヴはどうしたらいいのかわからず、隣に座っているリリスを見上げると、かすかにうなずいた。
「ええっと・・・。僕はジェルヴェーズです。ヴェーヴって呼んでください!」
「さっき言った通り、私はマルグリット・デシャンです。マルゴと呼んでくださいね。」
「あたしはミレル・ルソー。平民よ。」
三つ編みの女の人がプイと外を向いてそれだけ言った。
「俺はキリアン・メルシア。よろしくなぁ。」
「よろしくお願いします!」
ヴェーヴは差し出された手を握り返し、そう言った。
「そう言えば、ヴェーヴちゃんって、」
マルゴが何かを言いかけたとき、背後の扉がバンッっと開き、すごく大きな声が部屋中に響いた。
「リリスせんぱああああああああああい!」
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




