第45話 校長と黒猫
第45話です。
楽しんでいってください!
ガチャリ
目の前の扉が開いた。
ヴェーヴたちは魔法学校の応接室に通され、校長が来るのを待っている。
応接室は鳶色の家具で揃えられ、落ち着いた雰囲気が漂っている。
「お待たせしましたねぇ。」
扉の向こうから、杖をついたお婆さんがゆっくり入ってきた。
「お久しぶりです。校長先生。」
「ほらほら。立ってないで座って頂戴な。・・・あら?貴方はどなたかしらねぇ?」
優しそうな目をヴェーヴに向け、ゆったりと首を傾げる。
「校長先生、この子がヴェーヴです。」
「あらあら。そうなのねぇ。可愛らしい子ねぇ。」
目を細めてふんわりと微笑む。
柔らかな、少し特徴的な話し方。
これが校長先生の優しさをより強調している。
可愛らしいと言われて、ヴェーヴは頬を緩ませた。
「魔法学校付近の防衛を担当することになりました。よろしくお願いします。」
ヴェーヴはリリスを真似て、頭を下げる。
すると、足元にいる猫と目があった。
黒い毛並みに金色と赤色のオッドアイ。
猫だ!かわいー!
ヴェーヴは面々の笑みを浮かべ、猫のことをじっと見つめた。
「ほらほら。顔を上げて頂戴な。こちらこそよろしくねぇ。」
校長がヴェーヴたちに声をかけると同時に、その猫がヴェーヴの足の間からするりと抜け出て部屋の中を自由気ままに歩き出す。
家具の間や机の上、狭いところでもスルスルと進んでいく。
猫を追いかけたい、そんな気持ちをこらえて、できるだけお行儀よくソファに腰掛けた。
しかし、猫がどうしても気になり、目で追ってしまう。
そんなヴェーヴを見ながら、リリスと校長は打ち合わせを始めた。
――10分後
「では、私は同級生達に会ってきます。」
2人の話し合いが終わる。
ヴェーヴは、ずっと猫を見ていたことをごまかすようにピシッと背筋を伸ばした。
「えぇえぇ。そうして頂戴な。皆、貴女達が来るのを楽しみに待っていたからねぇ。」
リリスが立ち上がり、部屋を出ていく後ろに続く。
「あぁ、ヴェーヴちゃん。」
その声に振り向くと、後ろに校長先生・・・ではなく、黒猫がちょこんと座っていた。
「『楽しんでね(ぇ)。』」
同じ声音で校長先生と黒猫の声が重なった気がした。
・・・?黒猫が話したように見えたけど・・・気のせいだよね!
校長先生と黒猫に手を振り返し、ヴェーヴは少し遠くに見えるリリスの背中を追いかけた。
「いい子そうねぇ。」
『そうね、ルナ。』
ヴェーヴたちがいなくなった応接室に、穏やかな声が残った。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




