第44話 赤レンガの学び舎
第44話です。
楽しんでいってください!
「寂しくなるね。」
「任務をしっかり果たしなさい。」
――1週間後。
今日で、王都ともお別れだ。
魔法学校へは、王都に来た時みたいに魔法で移動するらしい。
ヴェーヴとリリスは、シャシャに貰った髪飾りをつけて、セレストとガブリエル、屋敷の使用人たちの前に立っていた。
1週間前の夜。
部屋に戻って髪飾りをよく見ると、とっても細かくてきれいだった。
ヴェーヴのは土台が金色で、真ん中にオレンジの宝石で花が作られている。
その花を囲むように緑の蔦が彫られていた。
リリスは、デザインが同じで、宝石が白、土台が銀でできていた。
「バイバーイ!」
ヴェーヴはみんなに大きく手を振る。
「じゃ、また来るから。・・・『空間跳 』!」
光があふれ、目の前が真っ白になる前。
そのわずかな時間にヴェーヴが見たのは、快くヴェーヴたちを送り出すたくさんの人たちだった。
ヴェーヴはもう一度手を振り、満面の笑みを浮かべて目をつぶった。
ざわざわと木々が揺れる音。
土のにおい、花のかすかな甘い香り。
ヴェーヴはゆっくりと目を開ける。
「師匠、ここどこ?学校に行くんだよね?」
周りを見回しても、建物はない。
喫茶店の近くの森みたいな場所だ。
葉が青々と茂り、少しひんやりとした風が吹き抜ける。
「魔法学校は、目の前よ。」
リリスは何の目印もない森の中を、ただまっすぐに歩き出した。
しばらく歩くと、石の台座のようなものが現れた。
リリスはカバンから針を取り出し、人差し指をチクリと刺した。
「えっ・・・。」
刺した部分から血が滲み、台座に落ちて広がる。
「『学鍵』」
台座に落ちた血が溶けるように消え、目の前に蛍の光のように、ふわふわとしたものが集まる。
すると――
瞬きする間に目の前に巨大な建物が姿を現した。
赤レンガで作られた、重厚な建物。
さっきまでの静けさが嘘のように、中からにぎやかな声が聞こえてくる。
「ヴェーヴ、早く!校長先生に挨拶に行くわよ。」
いつの間にか、リリスが門をくぐり、ヴェーヴのことを振り向いていた。
「はーい!」
ヴェーヴは慌てて、再び歩き出したリリスの後ろに続いた。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




