第42話 毛布の中の迷子
第42話です。
楽しんでいってください!
ヴェーヴは自分の部屋に駆け込み、その勢いのままベッドに倒れこんだ。
「うぅ・・・。」
リリスの言葉が頭の中で何度も反響し、自然と涙があふれてくる。
「師匠にとって、僕は邪魔だったんだ。・・・お父さんとお母さんみたいに。」
冷たいまなざし。
突き放すような声。
いつものリリスとは全く違う態度。
「僕は、人間の国に帰らなきゃいけないの・・・?どうしたらいいの?でも・・・」
同じことがぐるぐると頭を回る。
そんなヴェーヴを、窓の外から青い目をしたカラスがじっと見つめていた。
コンコン
いつの間にか、泣いたまま眠ってしまっていたようだ。
瞼が熱を帯びて腫れている。
ヴェーヴ慌てて涙をぬぐい、毛布に潜り込んだ。
「ヴェーヴ、入るわよ。」
扉の外からはクレールの声が聞こえた。
細く扉が開かれ、真っ暗だった部屋の中に一筋の光が差し込む。
僕ヴェーヴ目をぎゅっと閉じ、猫みたいに身体を丸めた。
「ねぇ、ヴェーヴ。」
クレールがヴェーヴのベッドに腰掛け、落ち着かせるように、背中を優しくなでる。
「リリスに出て行けと言われたのでしょう?・・・なんでだと思う?」
師匠に出て行けって、言われた理由・・・。
「邪魔だから、でしょ・・・?」
そう言われた時のことを思い出し、胸が苦しくなる。
涙をこらえるために、唇をかみしめた。
「本当に、それだけだと思う?」
クレールの言っていることがよくわからなかったヴェーヴは毛布から目だけを出す。
――実際に、そう言われたんだから、答えは1つのはず。
「リリスは昔から、ああいうところがあるのよ。自分が最善だと判断したら、そのまま突っ走る。こっちの気持ちなんて、ちゃんと考えない――いや、見えなくなってしまうのよ。」
クレールは遠くに視線を向け、目を伏せる。
「しかも、聞かれないと、自分の本音を言わないんだから。・・・ほんと、どうしたものかしらね。」
苦笑してから、小さく「でもね、」と言葉を付け加える。
「いつだって、相手のことを一番に考えているのよ。相手のためなら、自分が悪役になることもいとわない人なの。」
そう言って、クレールはヴェーヴの顔をそっとのぞき込む。
ヴェーヴの胸がざわざわと揺れ始める。
もしかして、師匠は・・・。
「だから、リリスの気持ち、聞いてあげてくれない?きっと、今回もそうだから。」
「・・・うん。」
ヴェーヴは、毛布から完全に顔を出してクレールに、こっくりとうなずいた。
「僕、行ってくる!」
「リリスは2階のテラスにいるわよ。」
毛布をはねのけ、勢いのまま部屋を飛び出した。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




