第34話 ドレス探し
第34話です。
楽しんでいってください!
少し暗くなり始めたころ、屋敷の前に、一台の馬車が止まる。
師匠かな?
ヴェーヴは読んでいた本を閉じて、リリスを出迎えるためにクレールと一緒にロビーに向かう。
「ただいま。」
「師匠、おかえりなさい!」
ヴェーヴはいつものように、笑顔でリリスを出迎えた。
部屋に戻り、リリスとヴェーヴが話していると、クレールがトレーを持ってきた。
トレーの上には白地に金の縁取りが施されている封筒と、ペーパーナイフがのせられている。
「リリス、王家からのお手紙ですって。」
「ありがとう。」
リリスは封筒の上辺を切り、封を開いた。
「あら、シャシャとラヴィが帰って来るらしいわ。・・・お茶会のお誘いですって。」
「師匠、お茶会に行くの?」
ヴェーヴはリリスの真後ろに立って手紙をのぞき込む。
「ええ、明後日にするらしいわ。ヴェーヴも来てほしいそうよ。」
「ええっ!?僕、何にもわかんないよ!?」
お茶会のことはリリスに教わっていないのだ。
ヴェーヴはどうしたらいいのかわからず、アワアワする。
「あら、じゃあ私がドレスとかもろもろは明日、街へ買いに行けばいいわ!作法は、まだ子供だからそこまできちんとしなくてもいいわよ。」
クレールがきらきらした目で、そう言った。
「ドレスってホントに必要なの?」
「もちろん!ズボンで紅茶を飲んだら、すっごく目立つわよ?」
「うぅ・・・それはちょっとヤダ。」
クレールの有無を言わさぬ口調に押し負け、ヴェーヴはドレスを見に行くことを約束する。
いやいやながら、といった調子だが、ヴェーヴは少し楽しみだった。
ドレスを買う、なんて、初めてのことだったから。
翌日、ヴェーヴとリリス、クレールは一緒に馬車に乗り込み、街に向かった。
今日は3人とも、少し裕福な人が着るような服を着ている。
高価な服だとすりに遭ったり、事件に巻き込まれたりするらしい。
初めは大きな屋敷ばかりだったが、徐々に人通りが増え、にぎやかになってきた。
「わぁ!師匠と行った街よりも人がいっぱいいる!お店もいっぱい!」
窓を開けると、焼き菓子の甘いにおいが漂い、人々のにぎやかな声が聞こえる。
「ヴェーヴ、そろそろ降りるわよ。」
「はーい。」
馬車は1件の立派な店の前に停まった。
クレールに手伝ってもらって馬車を下りると、ショーウィンドウにきれいなドレスが飾られているのが目に入った。
「さあ、行きましょう。」
3人はリリスを先頭にして店の中に入った。
「いらっしゃいませ。」
店員が笑顔で出迎える。
店内には色とりどりのドレスが並べられている。
赤、青、黄、白、ピンク・・・。
ヴェーヴは初めての光景に、きょろきょろとあたりを見回した。
「本日は、どのようなものをお探しでしょうか。」
「この子のドレスを1着。お茶会用よ。」
店員は目線を合わせて、ニコリと笑う。
「どんなドレスがいいですか?」
「えっと・・・。」
正直、どんなのがいいのか、よくわからないのだ。
どれもヒラヒラしていてとても可愛いけれど・・・。
「お悩みでしたら、私がお客様にお似合いになりそうなものをいくつかご提案しましょうか?」
「うん!」
「わかりました。こちらで少々お待ちください。」
店員はそう言ってテーブルにヴェーヴたちを案内し、ドレスの方へ歩いていった。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




