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第33話 アイビーと夕焼け

第33話です。

楽しんでいってください!

 開戦の合図と同時にリリスの足元が輝き、アイビーが生えた。

アイビーは成長しながらリリスに巻き付くように周囲に浮かび、広がる。


「『(アシエ)( エテルネル)』」


リリスは慣れた調子で、素早く詠唱を終える。

その瞬間、新人たちの詠唱が終わった。

風の刃、火の玉、氷の針、すべてがまっすぐにリリスに向かって飛ぶ。

しかし、リリスに届く寸前でアイビーに叩き落された。


「は・・・?」


「えっ・・・?」


「いくら硬くしてるからって・・・。」


あっけにとられ、詠唱を止めた3人をリリスが操るアイビーが絡めとり、拘束する。


「集中しなきゃ、ダメでしょう?」


リリスは柔らかく微笑みながら、アイビーの先端を鋭くして突き刺した。


「終了!」


マノンの声と共に結界が解除され、リリスは魔法を解除した。

セレストがリリスに歩み寄る。


「余裕みたいね。次は5人相手をしてもらおうかしら。」


嬉しそうにそうつぶやくセレストに対し、マノンはずかずかと新人たちのほうに歩いて行く。


「戦闘中に動きを止めるやつがどこにいる!向こうで説教だ、このバカども!」


そう言いながら結界の範囲内から引きずり出し、他の隊員に魔法戦を始めるように告げる。




 その後、リリスは5人、8人、10人、と人数を少しずつ増やして魔法戦を繰り返した。

そのたびに新人たちがマノンに怒鳴られていたのは、言うまでもない。


「ありがとう、リリス。()()どもに違う属性との戦闘を経験させたかったんだよ。」


「リリス、先に帰っていなさい。私は片づけを手伝ってから帰るわ。」


「では、失礼します。」


リリスは微笑み、久しぶりに思いっきり魔法を使えたため、足取り軽く馬車へと向かった。





 「まったく、なんで軍に入らなかったんだか。あれだけの魔力量・・・すぐに出世できただろうに。」


「そうね。」


リリスはたった3つの魔法だけで、すべての魔法戦に勝利した。

新人たちの攻撃をことごとく防ぎ、反撃する。

リリスの戦い方には安定感がある。

そして、けた違いに強かった・・・。


セレストは夕暮れに染まった、美しい紅色の空を見上げる。


「あの子には、用意された道を進むのではなく、自分の思うまま、好きな道を進んでほしい。」


かすかに、苦しげな表情を浮かべ、そう告げた。


「・・・。」


マノンは親友の少し寂しそうな横顔を眺める。

何か言おうとし、開きかけた口から声が発せられることはなかった。

これからものんびり投稿していきます!

ちょこちょこ覗きに来てください!

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