第31話 女王陛下の素顔
第31話です。
しばらくリリス視点が続くかもしれないです。
楽しんでいってください!
「謁見の間で、陛下がお待ちです。」
リリスとセレストは侍従の後ろを静かに歩く。
白い石材の廊下に敷かれている濃紺の絨毯には金糸で刺繍が施され、光を浴びてきらりと光る。
窓が開け放たれた窓からは春の風が流れ込み、白百合を優しく揺らした。
久しぶりに通る道で緊張しつつ、荘厳な雰囲気の廊下を進んでいく。
10分弱歩くとひときわ大きく、荘厳な両扉が姿を現した。
私は姿勢を正し、息を整える。
扉が開く音が響き、玉座の前に進み出て淑女の礼をした。
「顔を、あげなさい。」
その声をきき、玉座を見上げる。
数年ぶりに見た、その姿は全く変わっていなかった。
シャシャにそっくりの銀髪を結い上げ、冷たく見える金色の瞳でこちらを見おろす。
「お久しぶりです。女王陛下。」
「久しぶりね。以前の任務、ご苦労でした。」
「報告書に記載することができないことがあり、ご報告に参上しました。」
「話しなさい。」
リリスは背筋を伸ばして告げる。
「近々、戦争が起きます。」
「ほう。」
陛下に促され、そのまま続けた。
「穀物や鉄を軍が大量に買い占め始めています。さらに、諸侯に協力要請が出されたそうです。」
「わかったわ。すぐに対処します。」
リリスは恭しく頭を下げ、次の言葉を待つ。
陛下は部屋にいる他の者たちを見回した。
「リリスとセレスト以外、下がりなさい。」
壁際に待機していた衛兵や書記、使用人が下がっていき、扉が閉められる。
「ほらほら、頭を上げて。」
さっきの冷静な声が嘘のように、柔らかく響く。
横を見ると、素の陛下がニコニコしながら立っていた。
「この後、3人でお茶会でもどう?」
軽く首を傾げながらそう言われた。
陛下の容姿はセレストよりも若い、20代くらいに見える。
軍に入ったときに知り合ったらしく、とても仲が良い。
「どうせまた愚痴ばかりでしょう。それに、仕事は?娘を動かしてるんだから、ヴィオも頑張りなさい。」
「セレストったら、また眉間にしわを寄せて。」
セレストが陛下をジト目で睨む。
「わかりましたよ・・・。仕事をすればいいんでしょう?珍しくリリスちゃんが帰ってきてるのに・・・。」
「陛下、頑張ってくださいね。」
「リリスちゃんまで・・・。それに、陛下はやめてって言っているでしょう!」
「わかりました。ヴィオレット様。」
「よろしい。」
陛下・・・ヴィオレットは満足そうに笑い、リリスとセレストは相変わらずな様子に苦笑する。
「そろそろ私は隊の様子でも見てくるわ。リリスも、行くわよ。」
「はい。お母様。それではヴィオレット様、ごきげんよう。」
「ええ。ごきげんよう。また遊びにいらっしゃい。」
リリスたちはヴィオレットに見送られ、謁見の間を後にした。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




