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昇級という名の死地直行

初心者が書いた小説だ、、、字面構えが違う(ダメな意味で)

 誰しも一度は「特別な力が欲しい」「他人とは違う何かになりたい」という思いを抱いた事はあるだろう。アニメ・漫画、スポーツ、勉強、見た目...違いはあれど全てにおいて良し悪しはあるし優劣もある。厨二病がその典型的な例だ。

 え?なに?さっきから何が言いたいのか分からないだって?話を最後まで聞くことぐらいできんのか君は。まあ時間も押してるし結論を言おう。


異世界転生すれば全て解決する


───────────

 空を見上げればどこまでも続く青い天井と遠くに白い積乱雲が上へと昇るかの如くそり立っており、街に目を向ければ舗装された道路は街を行き交う人々で見辛く、まるで虹色の河を見ているような気分になってしまう。その河を見れば様々な色の点が暑さから身を守るように薄着を着たり日陰に座りこんで休んでいたり、果実を営んでいる店には少しでも水分を取ろうとする者たちで混雑している。

 そんな平和な街を見下ろす白い城の中では対照的な日常が送られていた。


 「アリアさんこの書類、建築課のダマリさんに渡してきて!えーとほら、この前の昼飯のときに会った...」「ちょっとこの債務表作ったのだれ!?」

「すみません、ここってどうすれば...」「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」

様々な怒号、質問が飛び交う場所で事務作業をするにも集中なんてできっこない。それでもやらねば給料が貰えない、だからこその騒がしくなる。全員必死だ。

 もちろん俺ケイオス・バランハートもその内の1人、暑さに耐えきれずシャツの袖を膝まで捲り上げ書類本という名の仕事道具を読み漁りながら必要な情報を見つけ紙の上で羽ペンを走らせ、インクが無くなればインクにつけ、また羽ペンを走らせの繰り返し。腕死にそう。

 「えーと、前々回の山道舗装の予算がこれで実際に使った資金が...ゲッ、インク滲んでんじゃんなんでちゃんと乾燥させないんだよ」


 乾き切らずに他の書類とまとめたせいインクが滲んでいた。見たこともない前任者に舌打ちをしながら癖っ毛の頭をガシガシを掻く、なんの文字かを解読しようと試みが、中々分からず難航してしまい怒りは積もるばかりだ。

 マジでちゃんと乾燥したか確認してから提出しろよ、こっちじゃ業務に支障が出るんだよ。

 「ケイオス君、今大丈夫かしら?」


 突然の声に肩が跳ね上がる。来た。来てしまった。体が硬直するのを感じ、後ろを向きたくない本能を必死に抑え込んでぎこちない笑顔で声の主へと振り向く。

 「は、はい。なんでしょうマロンさん?」


 茶色の長髪にスタイルのいい体、容姿端麗な顔、肌荒れなんてしたことないと言わんばかりの綺麗な肌、そして鋭い目つき。

 俺の上司、というよりは先輩にあたる人物、マロンである。

仕事はできるし性格は真面目、そこにあの顔が付くんだからそりゃ男だけでなく女性陣からも人気出るのが納得できる人だ。実際俺なんかより圧倒的に優秀だし誤字脱字なんて数え切れないくらい指摘されてきている。

ただなんていうかその...


 「ここの文字が間違ってる、こっちの文字に関しては汚過ぎて読めないわよ」

 「あとこの数値はこっちに書きなさい、読みずらくて仕方がないわ。もっと読み手の事を考えて書いて」

 事実をそんなスパスパ言わないでくれます?

 いや別に悪い訳じゃない、どこがどう悪いか言わないとダメだもんね?でももうちょっとこう...オブラートに包んで欲しいですはい。

「そもそも参考にしている資料が最新じゃないわ。資料室ちゃんと調べた?」

やめろよ俺の心のハートは硝子どころか乾燥し切ってない泥団子なんだぞもっと丁寧に扱え丁寧に。


 そんな愚痴が口内まで出かかったところでギリギリ胸の中にしまい込みいつもの三種の謝罪神器を吐き出す。

 「すみません」「気をつけます」「残業してて集中力を欠いてました」

これ言って後はハイハイ連呼しとけばなんとかなるべ。

 「まったく...貴方は大きな失敗はしないのにどうしてこんな小さなミスを連発するのかしら」

 「アハハ...いやぁすみません笑」

 「笑い事じゃないわよ...仮にも国の事務員なんだから、もっとしっかりしてちょうだい」

 こっちだってミスしたくてしてるんじゃないんです。ただ前世のボールペンとかシャーペンとかが便利過ぎるのがいけないんです。


 「はあ...とにかく次からは気をつけてちょうだい、何度も言ってるけど書類確認だけでも時間はかかるのよ?」

 「全くもってその通りでございますはい」

 「あと、主任から呼び出されてたわよアンタ」

 「いやぁホントすみませ...ん?」

今なんて言ったこの人?呼び出し?俺が?俺なんかやっちゃいました?

眉を顰めたマロンが俺を見つめ心配1割、疑問2割、呆れ7割くらいの顔をしていた

 「アンタ今度は何したの?」

 「いや聞きたいのは俺なんですけど???」

思いあたる節なんてモノはないぞ。え?マジでなんだ?誤字脱字のしすぎぐらいしか思いつかんぞ。

主任なんて食堂で見たぐらいしか関連がないので失礼な事をしたからみたいな感じではないだろう。


 「俺もしかして死ぬんすかマロンさん...」

 「知らないわよ...そもそも呼び出したの主任なんだからさっさと行った方が良いんじゃない?」

 「助けt」

 「言っとくけど君に出す助け舟はないからね」

世知辛いッピ


───────

装飾が施された扉に軽く三回ノックをすると奥から

 「入っていいよ」

と、なんとも裏がありそうな声が返ってきた。

 目をつぶり深い呼吸し緊張しながら入る。

 「失礼します」


 「や、君がケイオス君だね?」

糸目に貼り付けたような逆への字の口、美しい金髪は後ろに纏められ一本の束になっていた。

 「はじめまして、ここの主任であり君の"上司"であるブラム・エイリッヒだよ。」

 うーんこれは裏切る顔してる。どこぞのブリーチのギンだよ。

 「まあ立ち話もなんだ、座りたまえ」

 「は、はあ」

 「コーヒーを淹れてくるよ、砂糖はないからミルクでいいかな?それともブラック?」

 「あ、ミルクで...」

あーダメですお客様、一つ一つの動作が全部裏切りの伏線に見えてしまう。なんで糸目ってあんな胡散臭いんだよこれなんかの学名みたいなのつけれるだろ、ほら三つの点があったら顔に見えるやつみたいな。

 エイリッヒ、もといブラムは鼻歌を歌いながらミルク入りのコーヒーとそうでないコーヒーをテーブルの上に置きソファに腰掛ける。

少しの沈黙、それを破るのはブラムだった。

 「さて、私は君とは違って"主任"だからね時間が押してるんだ。手短に話そう」

、、、初めて話したけど第一印象はウザいで決定だな。チラチラと懐中時計見やがって割ったろかその時計。

 「君の昇級が決定した」

 「...はい?」

 「君の次の仕事は外交官だよ。ただの事務員から外交官。大出世だ、おめでとう」

 「...い」

 「い?」

 「いやだぁぁぁぁあ!!!」

 「...やっぱりこうなっちゃうかぁ」

絶対いやだ!!外交官だけはいやだ!!

なぜ俺がここまで拒否するか、ただ駄々をこねている訳ではないこれにはれっきとした理由があるのだ。

 まずこの世界での外交官は現代のような安全な職ではない。王国や街の外を出ればも得体の知れない魔物やどこに行ってもいる海賊山賊、さらには途中通るであろう町村に蔓延る泥棒に詐欺師。

 この世界には危険が多すぎる、ギルドマンとか普通に街中で剣やら弓やら持ってるからな。人襲っちゃダメみたいな法律はあるがこの世界にカメラなんてハイテクなもの勿論ない。それを良いことに一部のやつらは旅人だったり行商人だったりを殺して身包みを剥がした後その辺に死骸を捨てるなんて事もするらしい。

そんな危険を自ら飛び込む奴なんていない。そういう事だ。

 「大丈夫だよ。もちろん腕の立つギルドマンも派遣するし、専用の馬車だって支給される。そう心配しなくても...」

 「それ以前に外交官の死亡率が高いから嫌なんですよ!死亡率27%ですよ!?今の仕事より死亡率が高くなる仕事なんて誰がやるんですか!」

 「っち、知ってたか」

 「今舌打ちしましたよね」

 「でも前の外交官が事故って再起できそうにないのよね〜。だから君にやって欲しいわけ」

 「前任者が再起不能になるような事が起きたって事ですよね」

 「おっと、こんな時間か。まあそういう事だから頑張ってね〜」

 言葉を遮るように部屋から放り投げられた。

 「...マロンさん...俺マジで死ぬかも」

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