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第74話 デューク オブ ドーセット号(自援絵有り)


「いやぁ、笑いが止まらん。越美北線さまさまだな!」

「陳情した甲斐がありましたなぁ!」


 福井県庁の会議室。

 煙草の煙が充満する室内には、知事を筆頭に主だった役人たちが勢ぞろいしていた。


(実際に陳情したのは平成会福井県人会(うちら)なんだがな……)


 末席に座らされた県人会会長は、内心面白くなかった。

 しかし、空気は読める男であったため黙っていた。


 この世界の福井県では、越美北線が既に全線開通していた。

 その立役者となったのが、平成会福井県人会だったのである。


 地場産業振興を掲げる福井県人会にとって、越美北線の開通は悲願であった。

 その持てるコネと能力の全てを使って、開通にこぎ着けたのである。


「おいおい、実際に尽力してくれたのは彼らだろう? なに好き勝手なことを言っておるんだ!……すまんな、彼らには悪気は無いんだ。少々浮かれていただけなので、勘弁してもらえまいか?」


 福井県知事の市村慶三(いちむら けいぞう)が、行き過ぎた行為を叱責する。

 そして、県人会会長にも頭を下げる。


「あ、いえ、お気になさらず……」


 逆に恐縮してしまう県人会会長。

 この時代の知事は高級官僚であり、さまざまな要職を歴任しているエリート中のエリートである。身にまとう雰囲気からして、そこらの木っ端役人とは比較にならない。


「越美北線の開通までこぎ着けた君たちの力を、わたしは高く評価している。君たちさえ良ければ、我々と共に働かないかね?」


 市村の発言に、列席している役人の何人かは露骨に顔をしかめる。

 得体の知れない新参者と捉えているが故の反応であろう。


「……お言葉はありがたいのですが、わたしたちは政治はどうも苦手でして。市井のほうが力を振るえます」


 空気が読める故に、速攻でお断りする県人会長。

 県政へ参画出来れば村おこしも捗るのであろうが、それ以上にめんどくさい人間を相手にするのは御免被りたいというのが、率直な心情であった。


「その代わりと言ってはなんですが、例の特別列車の扱いを全面的に任せてもらって良いでしょうか?」

「此処にあの列車が来るというのかね?」

「あくまでも、来ればという仮定の話です」


 市村は、予想外の懇願に困惑する。

 特別列車とは、言うまでも無くエスケーピングコリアン号のことである。


 福井県人会は各地の県人会や平成トラベルからの情報を総合して、一両日中には福井県へ到達すると見込んでいた。しかし、その情報をお偉方に公表するつもりは無かった。


「正直、大人数の外人の接待とかめんどくさいんだが……」

「そもそも、傭兵如きを盛大に歓待したら後々問題になるのでは?」


 打算する木っ端役人たち。

 小声で話してはいるが、耳の良い県人会長には丸聞こえである。


「あの英国大使が歓迎してたと言うぞ。我らも何かしないと拙いのでは?」

「しかし、お偉いさんが乗車しているわけでも無いしな……」


 英国大使が密かに同行していることを知るのは、平成会とごく一部の関係者のみである。テッドが乗っていると事前に知っていたら、木っ端役人ズは全てを投げ出してでも歓待したであろう。


「相手は慰安旅行なのですから下手に政治色を出すと拙い。そういう意味では、民間の我々が適任でしょう」

「分かった。君らに対応は一任しよう」


 この言葉が決定打となった。

 ウォッチガードセキュリティへは平成会福井県人会が全面的に対応することになったのである。


(貴重な金づるは確保出来た。あとは……)


 県庁の廊下を歩きながら不敵な笑みを浮かべる県人会長。

 会議の際に見せた、気弱で凡庸な面影は何処にも無い。


(どれだけ稼げるか、だな。なんせドーセット公は大富豪。さぞかし金払いも良い事だろうよ。あぁ、楽しみだ……!)


 じつに悪役な笑みを浮かべる。

 生前の彼は、とんでもない銭ゲバであった。


「……!?」

「どうしたの?」

「急に寒気が……」


 奇しくも同時刻。

 テッドは突然の寒気に身震いしていたが、銭ゲバ県人会長にロックオンされていることなど知る由も無いのであった。







『先日、建国宣言が成されたスペイン共和国なる国家を大英帝国は承認しない。正当なる政府はアルフォンソ13世陛下を国主とするスペイン王国亡命政府である……』


 食堂車に備え付けられたラジオから、何処かで聞いたような声が聞こえてくる。

 しかし、その場に居る人間たちはスルーする。それどころでは無かったのである。


「……食材が尽きたってマジ?」

「こんなこと冗談で言えませんや」


 テッドの質問に、コック長(食堂車の主)はそっけない。

 不機嫌そうに見えるのは、鍋を振るうことが出来ないからである。


 車中泊の際は、食堂車で食事が提供される。

 停車駅でコック長自らが食材を買い出ししているのであるが、連日の車中泊で食材が尽きてしまったのである。


「じゃあ、今日の晩御飯はどうするのさ!?」


 真昼間から、マルヴィナとのプロレスで体力を消耗してしまったテッドに食事抜きは拷問である。思わず悲鳴をあげてしまうのも止む無しであろう。


「ご心配なく。こいつがありますぜ」


 そう言って、コック長は大ぶりなダンボール箱を取り出す。

 蓋を開けると、中には缶詰が入っていた。


「こんなこともあろうかと、非常用に積んでおきました。次の駅までは、こいつで凌いでもらいます」

「この際、食えるなら何でも良いよ。こっちは空腹で死にそうだし」


 どこぞの技師長みたいなセリフをのたまうコック長。

 しかし、テッドにはツッコミを入れる余裕は無かった。それくらい飢えていたのである。


「ハムッハフハフ、ハフッ!」


 猛然と腹を満たさんとするテッド。

 なんといっても、空腹は最上のソースなのである。


「うちのレーションって死ぬほどマズいって聞いたぞ!?」

「実際、フィンランドでお偉いさんが死んだらしい」

「そんなの罰ゲーム……いや、デスゲームじゃねーかっ!?」


 レーションと聞いて、ウォッチガードセキュリティの隊員たちは騒ぎ始める。

 彼らは、世間に広まる噂を信じ切っていたのである。


「えぇい、喧しい! 黙って喰え!」


 限界まで消耗した肉体は、カロリーを欲していた。

 その邪魔をする者は全て敵であるから、当然ながらブチ切れ案件である。


「というか、君ら前線に居たんだからレーションくらい食ってるだろ。なんで騒ぐんだよ?」

「食ってないから、噂にビビるんだよ!」

「フィンランドの内戦で反乱軍の首魁が死んだのはマジだぞ。俺は新聞読んだんだから間違ってない!」


 意外なことであるが、第1次大戦に従軍していたウォッチガードセキュリティの面々でレーションを食した者は皆無であった。


 この世界の第1次大戦では、早い段階で戦線は固定化していた。

 円卓主導によるトンネル作戦実施のためには、塹壕で睨み合ってるほうが都合が良かったのである。


 史実よりも人的損耗が抑えられたことにより、ローテーションに余裕が出来た。

 最前線に張り付く時間は数時間、長くても半日程度だったのでレーションを携行する必要が無かったのである。


 西部戦線の英軍兵士たちの腹を満たしたのはフィールドキッチンであった。

 常に暖かい食事が提供されており、士気の維持に大いに貢献したのである。


「……つまり、食ったことも無いくせに騒いでいたと。単なる食わず嫌いじゃないか」


 テッドは呆れていた。

 よくもまぁ、噂だけでここまで騒げるものである。


「レーション開発に関わった者としては、兵士がレーション嫌いなのは捨て置けない。というわけで、これから全員にレーションの食べ方を教示してあげよう」

「「「えええええええ!?」」」


 悲鳴をあげるウォッチガードセキュリティの面々。

 ちなみに、テッドが15年前にレーション開発に関わり、英軍レーションの基礎を作りあげたのは事実である。


「うおおっ!? なんだこれ、なんだこれ!?」

「袋に水を入れたら湯気が出てきたぞ!」


 加熱剤入りの袋に水を注ぐと、化学反応を起こして沸騰する。

 そこに缶詰を投入して待つこと20分。


「うわっ、熱いっ!?」

「あぁ、結構な高熱になるから触るのに注意……って、もう遅いか」


 このヒーターは、テッドが召喚したサ〇イバルヒー〇ーを元に開発されたものである。本来はレトルト食品用なのであるが、缶詰は熱伝導に優れているので十分過ぎるほど加熱されていた。


「えぇいっ! 缶切りの使い方が分からんとは!?」

「いや、だって使ったこと無いし……」

「なんでだよ!? 本国にも缶詰はあっただろ!?」


 本国で流通している缶詰の大半は巻き取り鍵缶であった。

 それ故に、缶切りの使用法を知らないの者が大半だったのである。


「「「……ごくり」」」


 缶詰を開封して出て来たのは、湯気を立てる熱々なコンビーフハッシュであった。食欲をそそる匂いが周辺にただよう。


「美味すぎるっ!」

「ビーフとジャガイモの相性が最高!」

「誰だよ、レーション喰ったら死ぬって言ったのは!?」


 テッドたちが苦労して開発したレーションは大好評であった。

 それを見たコック長が対抗心を燃やしたことは言うまでも無い。


 おかげで、車中泊の食事が大幅にグレードアップすることになった。

 コック長が駅に着く度に食材を買い漁った結果、食費が激増したのである。


 そのツケは、当然ながらテッドに回されることになった。

 彼のデスクには、請求書が積み上がっていったのである。







「おいっ!? ちょっと良いか!」

「なんです旦那ぁ?!」


 福井県上空。

 朝日新聞所有のオートジャイロは快調に飛行を続けていた。


「此処に寄りたいんだが?」

「越前大野ですかい……まぁ、燃料ギリギリだけど何とかなるでしょう」

「じゃあ頼んだ」


 尾崎秀実(おざき ほつみ)の頼みをパイロットは快諾する。

 機体は進路を北東へ向けたのである。


「ホツミ、なんで進路を変更したの?」


 突然の行先変更に戸惑うのは、尾崎の後ろに乗っているアグネス・スメドレーである。


「なに、あそこは観光地だから寄っている可能性が高いと思っただけさ」

「だからと言って……」


 越前大野城は、天空の城として全国的に有名な観光名所である。

 史実では昭和43年に再建されたのであるが、史実に基づいた復元とは言い難かった。


 この世界の大野城は、天守閣だけでなく細部まで史実に基づいた再現がなされていた。史実同様に、観光名所として活用しようと考えた平成会福井県人会の尽力によるものである。


 史実のノウハウを活かした結果、大野城は既に全国的な知名度を獲得していた。

 慰安旅行が目的ならば寄る可能性が高いと、尾崎は踏んだのである。


「ただ追うだけならともかく、これは企画なんだ。きっちり写真に撮って掲載しないと意味が無いんだよ」


 尾崎の企画『ミステリー列車を探せ』の真の目的は、エスケーピングコリアン号の位置を晒し上げることであった。撮影した写真は、最寄りの支局から電送されて翌日の新聞に掲載されることになるのである。


 この方法ならば、危険を冒さずにエスケーピングコリアン号の位置を暗殺実行犯に伝えられる。法律を侵しているわけではないので、官憲に怯える必要も無い。


 国民の関心事なので、エスケーピングコリアン号の所在を掲載すれば記事が売れる。新聞社側としてもおいしい話であり、尾崎の行動を全面的に支援していたのである。


「……旦那」

「どうした?」

「悪い、やっぱり燃料持たなかったわ」

「なにぃぃぃぃぃぃぃっ!?」


 パイロットの計算では燃料に余裕はあったが、向かい風を長時間飛行したことで余分に燃料を消費してしまったのである。


「おい、エンジンが止まったぞ!?」

「きゃぁぁぁぁぁぁっ!?」


 エンジンが停止したのを見て、二人は悲鳴をあげる。


「プロペラ、フルフェザー!」

「クラッチオフ! オートローテーション!」


 しかし、パイロットは慌てない。

 このような状況でも適切な操縦を行う。


 機体はゆっくりと降下を始める。

 その挙動は安定しており、不時着しようとしているとは思えない。


「お、どうにか持ちそうだな!」

「「……」」


 心臓に毛が生えているのか、パイロットはこの状況でも余裕綽々であった。

 後ろの二人は、完全に無言になっていたが。


「よーし、着陸するぞ。適当なものに、しがみついとけ!」


 やがて、機体は農閑期の水田に不時着する。

 思っていたよりも衝撃は少なく、不時着というよりもちょっと荒めな着陸といった感じであった。


 尾崎の推測は正しかった。

 越前大野駅に停車したエスケーピングコリアン号を捉えることに成功したのである。しかし、その記事は新聞の売り上げに貢献したとは言い難かった。


 翌日の新聞一面を飾ったのは、オートジャイロの不時着の記事であった。

 本来ならば始末書案件であるが、記事が売れたので最終的に有耶無耶にされたのである。







「ここが天空の城として有名な越前大野城かぁ……」


 越美北線越前大野駅から徒歩10分。

 テッドとウォッチガードセキュリティの面々は、観光目的で越前大野城を訪れていた。


「……なんか想像と違うのだけど。なんなんだこれ?」


 目の前の光景に、テッドは困惑する。

 彼の目の前に広がるのは、縁日の如き光景であった。


「らっしゃい、らっしゃい!」

「甘いよ~、りんご飴食べってってーっ!」

「揚げたてのから揚げだよーっ!」


 さながら、城下町ならぬ城下屋台街とでも言うべきであろうか。

 真昼間だと言うのに、越前大野城へ至る道にはたくさんの屋台が並んでいたのである。


「すみません、焼きそば全部ください」

「なっ、全部ですかい!?」


 大量注文に驚愕した店主であるが、ツアコン(声の主)の後ろを見て納得する。

 彼の後ろには、欠食児童が如き外国人が大勢いたのである。


「綿あめ全部ください」

「から揚げも全部」

「リンゴ飴もねこそぎください」


 その後も、青い服を着た集団は屋台を制覇していく。

 この日、越前大野城に出店していた全ての屋台は空前の売り上げを記録した。平日の午前中にも関わらず、全ての屋台が食い尽くされたのである。


「んー、こうやって縁日の屋台を眺めるだけでも楽しいねぇ」

「日本のお祭りは初めてだけど、こういう雰囲気は悪くないわね」


 ウォッチガードセキュリティの面々が屋台を制覇している最中(さなか)、テッドとマルヴィナは別行動をとっていた。二人とも日本語は話せるので、ツアコンの世話になる必要は無いのである。


「ねぇ、テッド。あれが欲しいわ!」

「ひょっとして、あのうさぎの人形のこと?」


 マルヴィナにせがまれて、テッドは射的に挑戦することになった。

 彼女のお目当ては、デカくてかわいいうさぎの人形である。しかし……。


(欠けているコルクばかりじゃないか。これじゃ威力が出るかどうか……)


 不安を感じながらも、コルク銃を撃つ。

 ど真ん中に命中したものの、うさぎ人形は微動だにしなかった。


 続けて2発目、3発目と撃ち込むが、人形をわずかに動かすので精一杯であった。


「おー、惜しいねぇ。もう一度やるかい?」


 にやにや笑いの店主。

 落ちないことを確信しているのか、余裕の笑みである。


(コルクを逆詰めして……と)


 2回目の挑戦では、全弾同じ場所を狙う。

 わずかながらであるが、人形の立ち位置がずれたが、それでも落とすには至らなかった。


「惜しい惜しい。もう一度やるかい?」


やや焦りが見える店主。

ここまでやるとは思わなかったのであろう。


「おっちゃん、3回分の料金払うからコルク銃を3丁使わせてよ」

「えっ、そりゃ構わないが……」


 屋台には3丁のコルク銃が置かれていた。

 テッドの宣言に戸惑う店主であるが、最終的に了承した。この期に及んでも、落ちるはずがないと確信していたからである。


(まずは1発目!)


 流れるような動作で、初弾を放つ。

 撃ったコルク銃を放り出し、次のコルク銃を引っ掴む。


(2発目ぇ!)


 1発目と同じ個所に命中。

 放り出して次のコルク銃へ。


(ラストぉ!)


 ラストショットは、ややズレた位置に命中。

 そして……。


挿絵(By みてみん)


「だらっしゃぁぁぁぁぁ! どんなもんじゃいっ!」

「馬鹿な、落ちただとぉぉぉぉぉ!?」

「ふはは、どうせ落ちないだろうと棚の端に置いたのが運の尽きだったなぁ!」


 勝どきをあげるテッドに、突っ伏す店主。

 絵に描いたような勝者と敗者の構図であった。


「素敵よテッド! ありがとうっ!」


 うさぎ人形を抱えて小躍りするマルヴィナ。

 特大サイズの人形だというのに、彼女の体躯のせいで相対的に小さく見えてしまう。


(……ん?)


 勝利の余韻に浸っていたテッドの目線に映る一人の老人。

 気のせいじゃなく、こちらに手を振っている。


(まさか……)


 老人は越前大野城への道を登っていく。

 未だに突っ伏す店主と小躍りするマルヴィナを放置して、テッドも城への道を登るのであった。







「やっぱり貴方でしたか……」

「ははっ、久しぶりやのぅテッドはん」


 越前大野城天守近くのお福池。

 かつての正室の名前が所以となっている池のほとりで、テッドと老人は密談を交わしていた。


「というか、なんで僕だって分かったんです?」

「あの影武者は大したもんだが、儂の眼はごまかせへんで。まぁ、一見さんならあれで十分じゃろうが」


 老人――金子直吉(かねこ なおきち)は、からからと笑う。

 鈴木商店の大番頭として、辣腕を振るっているのは伊達では無いのである。


 テッドと金子の縁は、世界恐慌勃発時にまで遡る。

 大英連邦特恵関税制度(スターリングブロック)に日本が組み込まれたことで恐慌の影響は最低限に抑えられた。結果として、鈴木商店は倒産の危機を回避出来たのである。


 スターリングブロックへの日本加入は、テッドの尽力によるものであった。

 そのことを知った金子は、礼を言うべく直接大使館におしかけたのである。


『あんさんのおかげで、鈴木商店は救われた。ホンマにありがとう!』

『いや、ちょっと、土下座はやめて!?』


 後に後藤新平(ごとう しんぺい)から平成会のことを聞かされ、その平成会がテッドと懇意にしていることを知ると、ますます金子はテッドとの関係を重要視するようになったのである。


「……大使館に詰めているのが影武者なら、本物の居場所は特別列車以外にありえへん。あとは列車を探し出して張ってればええ。最近は新聞で居場所が分かるしな」

「別に隠していたわけじゃないけど、こうも露骨にされると取材攻勢とか受けそうでやだなぁ……」


 金子から新聞を見せられて渋面となるテッド。

 諸所諸々の理由でミステリートレインと化したエスケーピングコリアン号であったが、そのおかげで煩わしい取材を避けることが出来ていた。


 しかし、最近連載が始まった大阪朝日新聞(大朝)の『ミステリートレインを探せ』コーナーには、エスケーピングコリアン号の最新の位置と予想経路が詳細に掲載されていたのである。


(取材は徹底的に避ければ問題無いし、影武者がいるから撮影されても他人の空似で済まされると思うけどめんどうだな……)


 方々に無理を言って慰安旅行に参加している手前、問題を引き起こすわけにはいかない。身バレしない程度の変装を考慮するテッドであった。


「で、ご用件は何です? わざわざ僕の顔を拝みに来たわけではないでしょう?」

「そうそう。こっからが本題なんやが……フィリピンが独立するで。儂の見立てでは、おそらく年内じゃろうなぁ」

「ふーん」

「ふーん、て。驚かんのかい?」

「フィリピン暫定政府の特使と後藤さんの極秘会談に、僕も出席してたんですよ。あの時、はっきりと独立を宣言していましたからね」


 フィリピン暫定政府特使セルヒオ・オスメニャと、後藤新平との間で極秘会談が行われたのは今年の5月のことであった。スターリングブロックに所属する日本がフィリピンと独自貿易をするには、英国の許可が必要となるため代理としてテッドが出席したのである。


「と、いうか裏で金子さんが糸を引いてたんでしょ? ロイド・ジョージが二つ返事してくれたから良かったものの、そうじゃなかったら余計な仕事が増えてましたよ」

「なんや、バレとったんかい」


 ジト目のテッドに対して、金子は悪びれる様子が無い。

 まったくもって、喰えない老人である。


「フィリピンの独立は周辺地域の安定化に繋がりますし、触発されてうちの植民地も独立してくれれば言うこと無しなんですけどね」

「なんでや? 植民地を手放して痛くはないのか?」

「植民地経営というのは初期の収奪で暴利を貪れますが、最終的に赤字になるんです。そうなる前に、ひも付きで独立させる必要があるんですよ」


 植民地が発展していくと、それに比例して統治コストも上昇する。

 特に負担が大きいのが防衛費である。本国から遠く離れた植民地に軍隊を派遣するだけでも大変なのに、維持するとなると倍プッシュとなる。世界中に植民地を持つ大英帝国の負担は大変なものなのである。


「それにしても解せませんね。なんでそこまでフィリピンの肩を持つんです?」

「お国のために決まっておるやろう」


 テッドの疑問に即答する金子。

 史実では政商と言われていたが、公私にわたり無欲で私利私欲は微塵もない人物であった。今回の件も、最終的に日本の益になると判断して突っ走ったのである。


「……テッドはんは、これからどうするつもりなんや?」

「あと1ヵ月くらいは慰安旅行を楽しみますよ。ようやくもぎ取った長期休暇なんですからね」


 断固たる決意を表明するテッド。

 休暇くらいで大げさなと言われそうであるが、全権大使の長期休暇は簡単に取得出来るものでは無いのである。


「そうかそうか。じゃあ、その頃に大使館に挨拶に出向こうか」

「挨拶だけにしてくださいよ? トラブルは御免です」

「人を疫病神みたいに言うのやめてくれんか?」


 文句を言いつつも、顔は笑っている金子。

 テッドからすれば、嫌な予感しかしない。


「さて、そろそろお暇させてもらうわ。こんなところじゃ、安心して長話は出来んからなぁ」

「やっぱり面倒ごとを持ち込む気じゃないですか!?」


 暖簾に腕押し、柳に風。

 憤慨するテッドを、事もなくいなして金子は去っていくのであった。


 しかし、両者は知らなかった。

 二人の密会を捉えるレンズがあったことを。







「おや、外人さんかい?」

「どこから来なさったの?」

「あぁ、あの特別列車の!? 遠いところからよぅ来なすったのぅ」


 ウォッチガードセキュリティの面々に対して一歩も引かないどころか、逆に質問攻めする商店街の住人たち。その様子は、外国人相手の商売に慣れた観光地の商売そのものである。


「ほら、コロッケどうだい?」

「デリーシャス!」

「つぶ貝もあるよ。食べていきなっ!」

「オカワリクダサイ!」


 商魂たくましく、どんどん売り込みをかけていく。

 たちまちのうちに、メニューが食い尽くされていく。


「車内で駅弁食べたじゃん。まだ食べ足りんの?」


 そんな光景を、テッドは呆れた目で見ていた。


 越美北線から三国芦原線に乗り継いで3時間。

 テッドと愉快な仲間たちは東尋坊に到着していた。


 正確には、その手前の東尋坊商店街だったりするが。

 潮風を感じながら食べ歩きが出来る商店街として、史実では有名な観光名所である。


 この世界では、観光資源として着目した平成会福井県人会の手によって早期に整備されていた。史実以上の規模で、東尋坊に立ち寄る観光客のお財布を直撃する充実ぶりとなっていたのである。


「まぁ、こっちの財布が痛むわけじゃないから構わないけど」


 隊員たちは、今回の慰安旅行で相当な金額を日本円に両替していた。

 物価の差もあって、大量に飲み食いしてもバーゲンプライスだったのである。


「おぉ、凄い景色だなぁ」


 潮風を感じながら商店街を抜けると、荒々しい岩肌の柱状節理が延々と続く。

 史実では国の名勝・天然記念物に指定された勇壮な景観は、この世界でも健在であった。


(あいつら何に並んでいるんだ……?)


 景観を楽しむテッドであったが、青い服の行列に気付く。

 その行列の先を視線で追う。


(あれは……遊覧船か)


 行列の先には遊覧船が停泊していた。

 定員に達したのか、テッドの目の前で遊覧船は出航していく。


(うーん、遊覧船は乗りたいけど時間がかかりそうだな。どうしたものか……)


 悩むテッド。

 悩み過ぎたせいで、彼は背後から近づくマルヴィナに気付けなかった。


「テッド!」

「おわっ!?」


 突然後ろから抱き着かれて混乱する。

 声で気付けたから良いものの、そうでなければ当身を喰らわせたところである。もっとも、マルヴィナ相手にそんなことしても徒労に終わってしまうであろうが。


「テッド、遊覧船に乗りたいんでしょう? この人が良い話を持ってきてくれたわ!」

「どうも、平成会福井県人会の者です。こんな成りですが会長をやらせてもらっています」


 深々と頭を下げる県人会長。

 無難な服装に、凡庸なイメージ。ぱっと見では、何処にでも居そうな兄さん(あんちゃん)であった。


「……ヨット?」

「そうです。遊覧船だとルートも限られますが、ご自分でヨットを操船すれば自由なルートを取ることが可能です」

「それは良いな。あの程度なら問題無く操船出来るし」


 魚釣りの趣味が高じて自領に大型漁船を保有しているテッドからすれば、ヨットの操船は朝飯前である。県人会長の提案は非常に魅力的であった。


「じゃあ、ヨットにしようか。レンタル代金はどれくらいかな?」

「いえいえ、この際だから購入しましょうよ」

「はい?」


 目を丸くするテッド。

 しかし、県人会長は考える時間などやらぬとばかりに、怒涛のセールストークを展開する。


「いや、しかし買ったとしても後の維持がめんどうだし……」

「維持そのものは、信用できる業者に任せることが出来ます。今なら格安ですよ!」


 実際、日本の物価は英国に比べて安い。

 小型ヨットくらいなら大した出費にはならないであろう。


「そもそも、東尋坊に次来るのは何時になるか分からないし……」

「必要なら東京のマリーナまで回航しますよ。その場合は、管理は東京の連中に任すことになりますが」


 帝都まで回航してくれるなら、東京湾で魚釣り出来るかなと思ってしまう。

 この時点で、テッドの心はヨット購入に傾きかけていた。


「それに、ヨットがあれば洋上で秘め事も捗りますよ?」

「!? テッド、ヨットを買いましょう!」


 県人会長の言葉に反応したのは何故かマルヴィナであった。

 表情からして、ロクなことを考えていないのは明白である。


「しょうがない。買うか……」

「お買い上げありがとうございます!」


 署名済みの契約書を見て笑みを浮かべる県人会長。

 その姿は、契約が成立して喜ぶエリートサラリーマンの如しである。


(よっしゃあ! がっつり稼がせてもらったぜぇ!)


 内心でガッツポーズする。

 もちろん、おくびにも出さない。どこまでも誠実な人柄を演じ続ける県人会長であった。


「すぐに乗れるように準備は整えております。こちらへどうぞ……」


 県人会長に案内されるテッドとマルヴィナ。

 その行先は、遊覧船の停泊場所から離れた岩場であった。







「……海側から見る東尋坊も凄い景観ですなぁ」

「わたしは海とは無縁な生活を送っていましたから、遊覧船に乗るだけでも興奮していますよ」


 東尋坊名物遊覧船。

 その船内で、シドニー・ライリーとトマス・エドワード・ロレンスは海側から見える東尋坊の景色に興奮していた。


「そういえば、ボスとマルヴィナ婦人が見当たりませんが?」

「あぁ、ボーヤとメイドは別の船で合流すると言ってましたよ」

「別の船……ですか?」


 怪訝な表情となるロレンス。

 船着き場の遊覧船は全て出払っていたはずである。


「おい、なんだあれは!?」


 窓際に座っていた隊員が声をあげる。

 何事かと、近寄る他のモブ隊員たち。彼らの眼に映ったのは、巨大な船影であった。


「素敵ねテッド!」

「そ、ソウデスネ……」


 白亜のヨットの舵輪を握るテッド。

 顔色が悪いように見えるのは、多分気のせいでは無いであろう。


 つい先ほど、県人会長の勧めで購入した船である。

 ヨットと言えばヨットである。それは間違っていない。


(これは一般的なヨットじゃねーだろ!? いや、ヨットなんだけど、なんてもん売りつけやがるっ!?)


 心の中で絶叫する。

 セールストークに乗せられて購入してしまったヨットは、史実ではメガヨットに分類されるサイズであった。


 このヨットは平成会傘下の造船所で建造されたのであるが、売り先が見つからずに放置されていた。そこにカモネギなテッドがやってきたわけである。


 ヨットの全長は120mに迫り、そのサイズは駆逐艦に匹敵する。

 オートジャイロが着艦出来る広大な甲板、最大10名の宿泊施設に加えて、スパ、サウナ、ジムなどの施設も充実しており、大富豪に相応しいメガヨットであった。


「……この船は嫌いじゃないけど、なんとか手放せないかなぁ?」


 舵輪を回して帰投進路を取る。

 このサイズにも関わらず舵輪は軽く回る。回頭性も見切りも良い。


 流麗なデザインと操る楽しさを両立した船である。

 だからこそ、なおさら腹立たしいのであるが。


「テッド、こっちに来て」


 マルヴィナの声が聞こえてきたのは、テッドが接岸作業を終えてからのことである。

 声のする場所へ赴くと、そこは寝室であった。


「なんじゃこりゃあ!?」

「素敵よねぇ……」


 うっとりとするマルヴィナ。

 その部屋は、彼女の趣味を具現化したシロモノであった。


 寝室の壁や天井のクロスはピンク色で統一されていた。

 照明やベッドもシャンデリア&天蓋付きでファンシーな雰囲気をこれでもかと放っていたのである。


「気に入ったわ!」


 そう言って、キングサイズの天蓋付きベッドへダイブする。

 ゴロゴロと転がる様子は猫のようである。


 マルヴィナがここまで気に入っているのに、手放すと言えるわけがない。

 購入が確定した瞬間である。


 銭ゲバな県人会長はマルヴィナの趣味嗜好をしっかりと調べ上げていた。

 全ては金儲けのためである。


 最終的に、史実21世紀の価格に換算して1億ドルを超える船を売りつけることに成功した。彼の努力は見事に実を結んだのである。


「ねぇ、テッド……」


 ベッドに横たわったまま、手招きをするマルヴィナ。


「な、なにかな……?」


 激烈に嫌な予感に襲われるテッド。

 すでに腰が引けている。


「この船は処女航海なのでしょう?」

「……だとしたら?」

「つまり、このベッドも処女。よって、使われなければならないわっ!」


 力説するマルヴィナを無視して、テッドは身を(ひるがえ)す。

 全ての筋肉を動員し、最短距離で出口を目指す。


「何処へ行くの?」


 しかし、回り込まれてしまった。

 マルヴィナの超人的な身体能力の前に逃走は不可能である。


「ちょ、ヤメテ!? 合流まで時間が無いよ!?」

「一発だけだからすぐ済むわ。安心して」

「ナニを安心しろと!?」


 借りてきた猫の如く、軽々とベッドに放り出されるテッド。

 間髪入れずに、上から組み付かれる。完全に詰みである。


「なにか聞こえないか?」

「そう言われれば聞こえたような……でも、気のせいじゃないか?」


 やたらとデカい船で、しかも船の最深部。

 テッドの絶叫は、船外の人間には聞こえなかったのである。


 ちなみに、この船――『デューク オブ ドーセット号』は要人の歓待に用いられた。テッドに接待された政財界の有力者たちは、その快適性に惚れ込んで同種の船を欲しがったのである。


 しかし、この手の船を建造しているのは平成会傘下の造船所だけであった。

 当然ながら注文が殺到して、嬉しい悲鳴をあげることになるのである。


『も、もう無理ーっ!?』

『あ、お姉さま、逃げ出しましたわよ?』

『ふふふ、ここは東京湾のど真ん中。逃げ場は無いわ』

『それもそうですわね』


 しかし、本来の目的は隠れ家としての運用であった。

 主に愛人と密会するために用いられたのである。身も蓋も無い言い方をすれば、やり部屋ならぬやり船だったのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


デューク オブ ドーセット号


総トン数:1200t

全長:117.0m 

全幅:16.5m

機関:三毘式ディーゼル4基2軸推進

最大出力:6000馬力

最大速力:25ノット(巡航15ノット)

旅客定員:10名

乗員:10名(最大)

  

平成会傘下の造船所が試験的に建造した、この世界初のメガヨット。

国内外のVIPに高値で売りつけることを目論んでいたが、見向きもされずにドックで放置されていた。


銭ゲバな平成会福井県人会会長のセールストークと、ファンシーな寝室を気に入ったマルヴィナによって返品不可能となった。現在の価値に換算して1億ドルはくだらないシロモノであり、それに恥じない設備を備えている。


外見的な特徴としては、全体的に曲面を多用した流麗なシルエットである。

船首付近にオートジャイロが着艦出来る甲板を備えており、洋上でゲストを迎えることが可能になっている。


操船そのものは、大型船舶の操船スキルを持つテッド自らが行う。

船体の維持は平成会傘下の企業が受け持っているが、実際に航行する際は直属のメイド部隊が派遣されている。



※作者の個人的意見

男の夢であるメガヨットです。

今回はなし崩し的に購入するハメになってしまいましたが、テッド君は石油王なんでこれくらい持っていてもおかしくないのです。


洋上ならば取材攻勢も無いので、隠れ家には最適です。

逃げ場が無いので、腹上死フラグ立ちまくりですけどね(酷

どうにかこうにか、今年中に更新することが出来ました。

拙い作品ではありますが、皆様来年もよろしくお願いいたしますm(__)m


>平成会福井県人会

銭ゲバ会長を筆頭に、とにかく金儲けに腐心する人たち。

とはいえ、稼いだ金はしっかりと村おこしに使っています。


>越美北線

この世界では史実よりも早期に完成しています。


>市村慶三

後においらの地元である鹿児島県知事になるので、ちょい役で出演してもらいましたw


>スペイン共和国

自援SS『変態スペイン国内事情―第2次共和制編―』参照。


>レーション

史実のMCIレーションを参考にしているので、缶切りが必須です。

英国らしく、ウナギのゼリー寄せの缶詰もあります(白目


>「実際、フィンランドでお偉いさんが死んだらしい」

第33話の『フィンランド内戦』を参照。

赤軍の首謀者アリ・アールトネンが死亡したのは、メシマズではなくリフィーディング症候群が原因です。多分。


>英軍レーションの基礎を作りあげたのは事実である。

自援SS『変態英国グルメ事情―WW1レーション編―』参照。

未来のレーションを試食したり、貞操の危機にあったり大変です(酷


>巻き取り鍵缶

コンビーフの開け方として有名。

史実では生産設備の老朽化により、今後は減っていくと思われます。


>コンビーフハッシュ

作者は、沖縄ホーメル製のコンビーフハッシュ大好きだったり。

でも、最近は小さなレトルトばかりで、がっつり喰える缶が見当たらないんだよなぁ…


>オートローテーション

ヘリとオートジャイロが動力を喪失した際の最終手段。

1万m越えの高度からでも、安全に着陸出来ます。


>(コルクを逆詰めして……と)

コルクが緩いと空気が抜けて威力が落ちるので、逆方向に詰めて威力を上げる裏技?です。


>金子直吉

『変態フィリピン国内事情―独立準備編―』参照。

土佐出身なのに、似非関西弁を用いているのは商人っぽさを出すためです。


>三国芦原線

越美北線と同様に、この世界では早期に完成しています。


>メガヨット

全長100mを越える大型ヨットのことを指します。

メガヨットよりも大きくなるとギガヨットと呼びます。


>しかし、回り込まれてしまった。

逃げるのに失敗したときのセリフですね。

逃げるよりも戦闘したほうがダメージが少ないなんてことはよくある話(白目

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― 新着の感想 ―
[一言] オートジャイロが着艦できるメガヨットすげえ。 またテッド君の生命ゲージが削られそうだ。 三毘式ディーゼルとはなんぞや? デルティックのこと? このヨットを魔改造したら哨戒に使えそうだ。
[一言] この時代としてはオーパーツ級の船ですね。人数的にメンテナンスレス+M0化とかしてそう。
[一言] オキハムのコンビーフハッシュ…… 出来りゃ居酒屋の要望で食べ切りで使いたいからと小分けしたレトルトパックばかりになってます 決して原材料費が高騰してる訳では(滝のような汗(笑)) なお輸入肉…
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