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第48話 ヒトラー牧場防衛戦


「「「……」」」


 深夜の牧場で蠢く黒ずくめの集団。

 この怪しさ爆発な不審者の集団は、フランス人民軍の精鋭『イデアル部隊』の面々である。


 未明に上陸してドーチェスター周辺に潜伏していたイデアル部隊は、日が暮れるのを待ってから再集結し、ドーセット公爵邸とヒトラー牧場を目指した。彼らは、その片割れである。


「……!?」

「どうした?」

「今、一瞬ビリってきたような気がするが。すまん、気のせいだ……」


 牧場の有刺鉄線を手際よく切断していく様は、流石は精鋭部隊である。

 しかし、彼らは有刺鉄線を切断したときに感じた違和感に気付けなかった。


「……来たか。北西方向から侵入してきているな」


 苦虫を嚙み潰したような表情で呟くヒトラー。

 彼と、その護衛である武装メイド達は牧場の事務所に詰めていた。


 事務所内の明かりは完全に落とされ、光源は懐中電灯のみ。

 まさに潜んでいるといった表現がぴったりである。


「何処から侵入したのか分かるのですか?」

「牧場の有刺鉄線には、弱い電流を流してある。触れるか切断すると電流の変動で場所が分かる」


 武装メイドの疑問に、そっけなく答える。

 名馬を揃えることに奔走したヒトラーであったが、牧場の防犯にも力を入れていた。高価で貴重な名馬が馬泥棒に盗まれたら元も子もないのである。


「ぐわっ!?」

「どうした!?」

「足が……足が!?」


 有刺鉄線を抜けた先は一見すると何もない牧草地であるが、丈の高い草に隠れるようにトラバサミが多数設置されていた。当然ながら、踏んだらタダでは済まない。


 ちなみに、当初の計画では炸薬をギリギリまで減らした対人地雷を埋設するはずであったが、馬が間違って踏んでしまう危険性を鑑みてトラバサミに変更された経緯がある。ヒトラーからすれば、あくまでもサラブレッド>馬泥棒の命なのである。


「……よし、外れたぞ。足は動くな?」

「大丈夫であります」

「止血とモルヒネで問題無いだろう。処置を急げ」


 大型獣用だと人間が誤って踏むと脚の骨を粉砕するほどの威力があるが、さすがに手加減はされていた。とはいえ、普通の人間ならば、しばらくはまともに歩くことが難しくなる程度の威力はあった。


 問題は襲撃者が普通でないことであった。

 地雷を筆頭とする、この手の設置型トラップの肝は疑心暗鬼による時間稼ぎであるが、ドーピングで強化された頑強な肉体を持つイデアル部隊の兵士は、これを力づくで突破したのである。







「……突破されたか」


 トラバサミ地帯が突破されたことをヒトラーは察知していた。

 牧場内に設置された大量の収音マイクの一つが、彼らの足音を捉えていたのである。


 このシステムは、戦前に英国海軍が整備した潜水艦探知システムを参考にしており、複数の収音マイクが拾った音をパラメトロン・コンピュータが処理することで、牧場のマップに大まかな位置を示すことが可能な最新鋭の防犯システムになるはずであった。


 しかし、パラメトロン・コンピュータは未だ機密指定を受けていた。

 人間よりも圧倒的に速く正確な演算能力によって、あらゆる分野を底上げした陰の立役者なのである。大英帝国が受けた恩恵は数知れないし、現在進行形で大活躍しているので機密指定は当然のことであろう。


 オリジナルが召喚されて既に10年が経ち、円卓によるリバースエンジニアリングによって、それなり以上の数が生産されていたのであるが、設置には政府による厳重な審査が必要であった。幸い、テッドの名前によって審査そのものは通過したのであるが、運搬・組立が今回の事態に間に合わなかっのである。


(……この鳴き声はヴィクトリーギャロップ。とすると第3厩舎のほうか)


 システムが不完全にもかかわらず、ヒトラーは侵入者の位置を把握していた。

 馬に並々ならぬ愛情を注ぐ彼は、鳴き声で個体の識別が可能であった。飼育場所も知悉しているので、侵入者の場所を計算することは容易い(たやすい)ことなのである。


(この子は、カンタベリーピルグリムか。とすると位置関係は……)


 牧場の全体図に移動経路を書き込んでいく。


「間違い無いな。賊は牧場の中央部へ向かっている」

「音だけで位置を把握するなんて……」

「さすが、ヒトラー様!」


 武装メイド達の賞賛に、ちょっとだけ気を良くしたヒトラーであったが、すぐに厳しい表情に戻る。小声ながらも何故か聞き取れる、まるで地獄から聞こえてくるような声音で呟く。


「誠に不本意ではあるが、不時着機の破壊のみが目標ならば見逃してやろう。だが……!」


 怒り心頭なヒトラー。

 その表情は、まさに史実の某総統閣下シリーズのアレであった。


「わたしの大事な大事な馬に手を出してみろ!? そのときは貴様らの命日だと思えっ!」

「ちょ、ヒトラー様声を抑えて!?」

「やめてください!? 賊にバレてしまいます!?」


 下手に物音を立てて居場所がバレては元も子もないので、彼女(武装メイド)らは必死になってヒトラーを宥めるのであった。







「隊長、機内に荒らされた形跡はありません。隠された暗号ブックもそのままでした」

「所詮はド田舎の官憲といったところか。処分しておけ」


 イデアル部隊は、不時着機の破壊と暗号ブックの処分を命じられていた。

 目的が果たせそうで安堵する隊長であるが、勿論そんなに事は甘くなかった。


 先日の調査で機体は徹底的に調べ上げられており、一見すると見えない場所に隠された鍵付きボックスに入った暗号ブックも発見されていた。調査チームは、暗号ブックの中身を全て撮影して元の場所へ戻していたのである。


 戦中のドイツ軍の暗号を、パラメトロン・コンピュータで力技で解読したMI6である。暗号ブックがあれば、リアルタイムで解読することなど朝飯前であった。以後、フランス人民空軍の暗号通信はドーバー越しに傍受されて丸裸にされることになる。


 暗号ブックだけでなく、エンジンやその他の機内設備も分解調査したうえで組み立てられていた。指紋や足跡は全て消しているため、事情を知らない人間が違和感に気付くことは不可能であった。


「よし、爆薬の設置を急げ」

「「「はっ!」」」


 証拠隠滅を図るために爆薬を機体の内外に取り付けていく。

 機体の原型を残さず破壊する必要があるために、ありったけの爆薬が設置された。


「設置完了しました」

「タイマーは30分後にセットしろ。20分で牧場内を掃討、残り10分で離脱する」

「「「了解!」」」


 一見すると無人の牧場であるが、厩舎に馬がいるのに人がいないわけがない。

 万が一、目撃されると後々面倒なことになるので、牧場に居る人間は皆殺しであった。


(何か話しているようだが……フランス語は良く分からんな)


 近くの収音マイクが、彼らの会話を拾っていた。

 当然、ヒトラーも耳にするわけであるが、彼はフランス語が苦手であった。


「……機体だけでなく、牧場内の人間を始末する気か!?」


 言葉は分からずともこちらを目指しているのは足音で分かる。

 それが意味することは明白であった。


「ヒトラー様!? どうしましょう!?」

「慌てるな! わたしに良い考えがあるっ!」


 とびきりの笑顔になるヒトラー。

 その手には、鍵らしきものが握られていた。


(((嫌な予感しかしないです……)))


 史実の某司令のフラグを知る由も無かったが、武装メイド達は猛烈な不安に襲われるのであった。







「隊長、ドアに鍵がかかっています」

「かまわん、蹴破れっ!」


 言うが早いか蹴破られるドア。

 無遠慮な軍靴が事務所内を蹂躙する。


「……やはり、最初から無人だったのでは?」

「そんなはずはない。この規模の牧場ならば住み込みの職員がいるはずだ」

「詳しいですね隊長」

「実家が牧場なんでな。とはいえ、タイムリミットが近い。脱出を優先する」

「「「了解!」」」


 この広い牧場を隈なく探すのは時間的に不可能である。

 それ故に人が居そうな事務所に絞ったのであるが、ヒトラーと武装メイド達は既に脱出した後であった。


「あの……狭いんですけど」

「ちょ、ちょっと詰めてください……」

「その無駄にデカい胸をなんとかしなさいよ!?」

「元々3人乗りらしいからな。諦めろ」


 事務所に隣接している車庫。

 飼葉運搬用のトラックや作業用トラクターが整然と並んでいるが、その中でもひと際強烈な存在感を放つ車両にヒトラー達は乗り込んでいた。


「よし、出すぞ。捕まっていろ!」


 ギアをローレンジに入れ、アクセルを吹かす。

 車庫のシャッターを吹き飛ばして、一気に外へ躍り出る。


「なんだ今の音は!?」


 慌てて事務所から飛び出すイデアル部隊の面々。

 そして、彼らは絶句する。


(((なんで牧場にそんなのがあるんだよ!?)))


 共通する思いを心の中で絶叫する。

 彼らの眼前に存在するのは、牧場には不似合い過ぎる戦闘車両(ロールスロイス装甲車)であった。







「いかん、散開しろっ!」


 我に返った隊長の叫びで散開する。

 科学的なトレーニングと、ドーピングによる肉体強化によってその動きは恐ろしく速い。


「くらいやがれ!」


 物陰に隠れた隊員がベルティエ小銃を発砲。

 しかし、放たれた8mmルベル弾は装甲の表面で火花を散らしただけであった。


「これならどうだ!?」


 別の物陰からショーシャ軽機関銃を連射。

 バチバチと激しい火花が連続で発生するが、所詮はベルティエ小銃と同じ弾薬なのでこちらも効果無しであった。


 お返しとばかりに、銃塔に搭載されたブローニングM2重機関銃が火を噴く。

 しかし、発射された12.7mm弾は狙いを大きく外して厩舎の壁に命中する。


「こら、しっかり狙え!」

「いやその、ヒトラー様? こんな大口径を撃ちまくったら牧場の被害がとんでもないことになりませんか!?」


 重機関銃ともなると、その威力は恐ろしいものとなる。

 武装メイドが射撃を躊躇うのも当然のことであろう。


「こいつに積んでいるのは特注のゴム弾だ。当たっても被害は出ないから遠慮はいらんぞ!」

「なるほどっ!」


 かつて戦場で重機関銃(M2)の威力を肌身で体験しているだけに、さすがのヒトラーも実弾は積まなかった。キャリバー50を牧場で撃とうものなら、厩舎の壁を抜いて馬を殺傷しかねないのである。


 代わりに装填していたのは、特注で作らせたゴム弾であった。

 ゴム製の弾頭の先端部分にくぼみがあり、発射されると空気抵抗によって弾頭が切り開かれて十字型となる。増大する空気抵抗によって弾速が急減して殺傷力が抑えられる仕組みであった。


「ぐわぁっ!?」

「おいっ!? しっかりしろ!?」


 M2の容赦ない制圧射撃がイデアル部隊に降り注ぐ。

 被弾した隊員を、必死になって建物の影に引っ張り込む。


 ゴム弾とはいえ、人間に当たるとタダでは済まない。

 その威力はヘビー級プロボクサーのパンチ以上の破壊力があった。常人ならば、喰らっただけで戦闘不能であろう。


 しかし、彼らは薬漬けな超人兵士である。

 被弾しても応急処置で復活して、しぶとく抵抗を続けたのである。







(くそっ、残りは俺一人か……!)


 背後から迫るヘッドライトの光芒。

 ゆっくりと近づいてくる様は勝者の余裕すら感じられる。必死に逃げる隊長からすれば、それがまた腹立たしい。


「えぇいっ、さっきまで当たっていたのに何故当たらん!?」


 追う側も決して余裕があるわけでは無かった。

 賊が最後の一人になってからは時間ばかりが過ぎていき、ヒトラーも相当に焦れていたのである。


(やはり、ある程度距離を取ると安全なようだな)


 打ち倒されていった隊員たちの犠牲によって、隊長はこの弾丸の欠陥を見抜いていた。カタログスペックでは有効射程は100m前後なのであるが、実際はその半分以下だったのである。


 原因は弾頭の強度不足であった。

 ベースとなったキャリバー50は、初速が音速の3倍という高初速弾なのであるが、その衝撃と速度にゴム弾頭が耐えきれなかったのである。


 衝撃に耐えきれずに四散したゴム弾頭は散弾のような作用をした。

 その結果、至近距離に限っていえば凶悪な威力を有しており、ヘビー級ボクサーのパンチ以上の威力の散弾を全身に喰らうハメになった隊員たちは軒並みノックアウトされたのである。


(あと少し……あと少しだ)


 ちらりと腕時計を見ながらタイミングを計る。

 距離を取っているから比較的安全とはいえ、時折流れ弾で至近弾が飛んでくるので必死である。相手が完全にこちらに喰いついたと判断した隊長は、ダメ押しでホルスターからルベルリボルバーを抜いて連射する。


「上等だこらぁ! 当たらないなら轢いてやるっ!」

「ちょ、ヒトラー様落ち着いてください!?」


 発射された8mm弾は奇跡的に全弾が命中した。

 小銃弾でも傷つかない装甲に拳銃弾でどうこうできるわけもない。しかし、狙い通りにヒトラーの神経を逆撫でした。アクセルを吹かして一気に距離を詰めていく。


(んなっ!?)


 計算通りに誘導し、ギリギリまで引き付けて離脱しようとした瞬間に誤算が生じた。誘導することに集中し過ぎたせいか、足元の確認を怠ってすっ転んでしまったのである。背後から急接近するロールスロイス装甲車。絶体絶命であった。







「……で、気が付いたらここにぶち込まれていたと?」

「うむ。そういうわけで早く出してほしいのだが」

「却下。しばらくそこで反省していてください」

「何故だっ!?」


 付近の住民の通報で駆け付けたドーセット警察の署員が目にしたものは、牧場のあちこちで倒れている黒ずくめ達と、牧場中央部での盛大なキャンプファイヤーと、その傍で横転している装甲車であった。


 ヒトラーが勝利を確信した瞬間、タイマーが作動して不時着機の爆薬が炸裂。

 その威力は、近くにいたロールスロイス装甲車を横転させた。身体を張った隊長の執念は、見事に実を結んだのである。


 肝心の隊長は最後の最後でしくじり、至近で爆圧を喰らって重体であった。

 ヒトラー達は横転の衝撃で気絶したのみであったが、今回の事件の重要参考人として気絶したまま署に連行された。


 ヒトラーが、ドーセット公テッド・ハーグリーヴスの配下であることは周知の事実であった。相手が相手なだけに、署長直々に身元引受の電話をしたのであるが……。


『すみません。こちらも取り込み中なので、とりあえずぶち込んでおいてください』

『は、はぁ……。よろしいのですか?』

『後で引き取りにいきますので。それでは』


 電話越しから聞こえる喧騒。

 気のせいか、銃声も聞こえる。どう考えても厄介ごとの真っ最中である。触らぬ神になんとやら。署長はそれ以上の詮索はやめたのであった。


「というか、こっちにも襲撃があったんですよ。誰かさんが牧場に拘らなければ、戦力を集中して迎撃出来たんですけどね」

「うぐっ!?」


 テッドの恨みがましい視線から目をそらすヒトラー。

 ちなみに、邸内への侵入こそ許したものの、最終的にマルヴィナ無双で撃退に成功していた。


 襲撃こそ退けたものの、これだけの事件を世間一般に隠し通すことは不可能であった。この事件を無難な形に落とし込むために、それこそ不眠不休でテッドは関係各所への根回しに奔走していたのである。


 最終的に、襲撃者はドーセットに駐屯していた陸軍部隊と激しい銃撃戦の末に全員死亡と公式に発表された。不時着機の爆破と公爵邸襲撃事件は別件として扱われ、メディアによる報道もそれに沿ったものとなった。


 信ぴょう性を上げるために不時着機のクルーの死体をでっち上げたり、それっぽい情報をダブルスパイを通して流した結果、フランス・コミューン側はイデアル部隊が全滅と引き換えに任務を遂行したと判断したのである。


 イデアル部隊は死傷者が出たものの身柄は確保されており、貴重なモルモットとして医学の発展に役立たれた。協力的な一部の隊員は、新たな名前と経歴を得て(使い捨て前提な)エージェントとして活動することになる。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


ロールス・ロイス装甲車


全長:4.93m

全幅:1.93m

全高:2.54m

重量:4.7t

速度:72km/h

行動距離:240km

主砲:ブローニングM2重機関銃(ゴム弾頭)

装甲:12mm

エンジン:水冷6気筒ガソリンエンジン 80馬力

乗員:3名


円卓の技術陣が再現したオリジナルのロールスロイス装甲車。

テッドの召喚スキルで入手したM2重機関銃を円卓技術陣が解析して量産したモデルを砲塔に装備。


戦後になって払い下げられたのをヒトラーが防犯目的で購入した。

武装はそのままであるが、弾薬は特注したゴム弾頭を使用する。


ゴム弾頭は切れ目の有る円筒状で先端にくぼみがあり、発射されると先端のくぼみが受ける風圧で切れ目に沿って十字形に開いて飛翔する。空気抵抗を受けやすい形状のため有効射程は極めて短く牧場へ不必要な被害を与えないように配慮されている。


発射時の衝撃と空気抵抗に弾頭が耐えられずに分解してしまうため、有効射程は50mがせいぜいである。しかし、弾頭が分解する際に散弾となるために、近距離における殺傷力は逆に増している。


牧場内を巡回する際に、馬を不必要に警戒させないように塗装は明るいクリーム色に変更されている。同様の理由で、遮音材がエンジンルームやボディ内に大量に入れられており、ベースとなったシルヴァーゴースト並みの静粛性を実現している。



※作者の個人的意見

ただの警備用なので何も問題はありません、はい。

12.7mm用のゴム弾はオリジナル設定です。少なくても、おいらが知る範囲では無かったはず。


30年くらい使い倒したら、装甲車のボディを取っ払ってオリジナルに戻すのも良いですね。フレーム構造だから割と簡単に出来るし、史実でも中古のシルヴァーゴーストが霊きゅう車になったり、ピックアップトラックになるのは良くあることですしw



Berthier M1916 Carbine(イデアル部隊仕様)


種別:カービン

口径:8mm

銃身長:450mm

使用弾薬:8mmルベル弾(8mm×50R)

装弾数:5発(外付け拡張マガジン込み)

全長:890mm

重量:2900g(弾薬除く)

発射速度:単発

銃口初速:630m/s

有効射程:400m


史実でも配備されたルベル小銃の後継銃。

カービンタイプをベースにイデアル部隊用にカスタマイズされたモデル。


さらなる短縮化が図られており、敵地へ潜入する際に便利なようにストックが分解出来るようになっているのが最大の特徴である。



※作者の個人的意見

ルベル小銃でも良かったのですが、チューブ弾倉を採用しているので短縮化が難しいので没になりました。当時としては斬新な銃ですし、見た目もかっこいいのでおいら好みだったんですけどね。



FM Mle 1915E軽機関銃


種別:軽機関銃

口径:8mm

銃身長:470mm

使用弾薬:8mmルベル弾(8mm×50R)

装弾数:30発(バナナ弾倉)

全長:1143mm

重量:9070g(弾薬除く)

発射速度:毎分250発前後

銃口初速:700m/s

有効射程:200m


史実では第一次世界大戦勃発直後の大敗を受け、攻撃戦術を転換したフランス軍の要請で急遽開発されて実戦投入された軽機関銃。一般的な呼び名はショーシャ軽機関銃。


軽機関銃としては驚異的な軽さが特徴であるが、それ以上に不具合が多かった。

ドイツ軍が鹵獲したルイス軽機関銃を愛用したのにも関わらず、本銃に見向きもしなかったことが全てであろう。


この世界ではフランス軍が最後まで脳筋思考だったために、本格的な生産は戦後までずれ込んでいる。少数の試作品が戦争末期に実戦投入されており、そのときに発生しまくった不具合を潰すだけの開発期間があったために、それなりに使える銃となっている。



※作者の個人的意見

見た目と名前でインパクト抜群な軽機関銃ですね。

おフランスだからショーシャ(瀟洒)なんて感じで覚えていましたw


改良したとはいえ、ロングリコイルで加熱しやすく連続射撃は400発が限界。

弾薬のテーパーがきつ過ぎてベルト給弾は難しいし、箱型マガジンにしてもバナナマガジン化不可避だから、まぁ、なんというか頑張れ(酷



MAS M1892


種別:リボルバー

口径:8mm

使用弾薬:8mm(8mm×27)

装弾数:6発

全長:286mm

重量:850g(弾薬除く)


フランス軍のサービスリボルバー。

当時フランス軍の制式銃だったルベル小銃の弾薬を設計したニコラス・ルベル中佐は関わっていないのに、何故かルベルリボルバーと呼ばれる不思議なリボルバー。


士官用として設計されており、この世界でも大戦中の標準サイドアームになっている。

給弾はサイドスイング式であるが、右側にスイングアウトするのが特徴である。8mm口径の弾薬は32ACPか、それ以下の威力であり軍用としては威力不足であった。



※作者の個人的意見

ヨーロッパで最も遅くに採用された軍用リボルバーにして、世界初のスイングアウト式シリンダーを採用した珍銃です。銃自体の完成度は高かったので、弾薬さえなんとか出来れば名銃になったのでしょうけどね。

鳴り物入りで登場したイデアル部隊があっさり壊滅しました。

まぁ、こればかりは相手が悪かったとしか言いようが無いです。片やガチモードのマルヴィナさんに、片や装甲車ですし。彼らの(モルモット的な意味で)今後のご活躍をお祈り申し上げます(酷


久々に登場したパラメトロン・コンピュータですが、この時点でNC制御やライン工程管理などにも使われだしています。技術的なことに関しては、いずれ自援SSで書いてみたいと思います。


次回は平成会の動きを書いてみましょうかね。

彼らの暗躍でドーセットに超大物VIPが来訪することになって、テッド君が七転八倒することになるでしょうw

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[気になる点] 特殊作戦に自国の武器を持っていくのは 相手に自分の所属を白状してるようなものでは?
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