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第46話 帰郷


「ご領主様に奥方様ではありませんか!? お帰りになられたのですね……!」

「わぁ、公爵さまだー!」

「も、申し訳ありません。うちの子が粗相を……」


 ロンドン中心部。

 臨時の円卓会議(国王陛下の圧迫面接)をこなした二人は、街角で物売りとその家族に声をかけられていた。


「えーと、あなた方は……」

「お忘れですか? ほら、これですよ」


 物売りが差し出したのは瓶詰のジャムであった。

 その瓶に貼られたラベルにテッドは見覚えがあった。


 公爵となったテッド・ハーグリーヴスの最初の仕事は、目安箱の設置であった。

 大多数が農民であるドーセットでは陳情の大半が農業振興であり、彼の頭を悩ますことになったのである。


 元が日本人であるからか、加工食品にして高値で売ることを思いつくのに時間はかからなかった。彼はポケットマネーで食品加工工場を作り、ジャムやピクルスの生産を始めたのである。


 今まで野菜単体では買い叩かれていたのが、ジャムやピクルスに加工すると数倍の値段を付けても売れた。最初は半信半疑だった農民たちもこれに飛びつき、生産量は右肩上がりに増大していた。


「あーっ!? あのときの!?」

「その節は大変お世話になりました。おかげ様で売れ行きも好調です」


 加工食品にして付加価値を高めることに成功したテッドであるが、それだけでは満足しなかった。何れ他所も真似するであろうし、そうなると競争過多で潰しあいになってしまう。そこで考え付いたのが他所との差別化であった。


『本当にこんなことで売れるのですか?』

『大丈夫。いけるって!』


 当時の物売り――人柱もとい実験台、いやさ顧客第一号となった農民は半信半疑であった。


 テッドが他所との差別化として選択した手段はブランド化であった。そのジャム瓶には、テッド自らがデザインした萌え絵なラベルが貼られていたのである。


 テッド謹製のラベルを貼ると同等品の3倍の値を付けても飛ぶように売れていった。当然ながらこちらも依頼が殺到して、イスラエルに島流しされる直前までラベルや箱絵のデザインをし続けるハメになった。どこまでも自分の首を絞めることが好きな男である。


 この仕事でテッドは直接金を取らなかった。

 ラベルのデザインにロイヤリティを設定しており、商品が売れるごとに手数料が入るようになっていたのである。


『もうダメだ……休ませてくれ……』

『寝るな! 寝たら〆切がー!?』


 ちなみに、ラベルのキャラデザインはテッドが行っていたが、背景絵のデザインはヒトラーが担当していた。キャラが得意なテッドと、背景が得意なヒトラーが分業した結果であるが、二人とも〆切が迫った漫画家の如くド修羅進行をこなしていたのである。







「ところで、わざわざロンドンまで商売しに来たのですか?」

「今回は買い出しも兼ねているんです。あれからずいぶん便利になりましたけど、ロンドンでしか手に入らないものはありますし」


 わずか3年であるが、ドーセットは劇的に変化していた。

 ハーグリーヴス財団によって領内に学校や図書館が次々と建てられただけでなく、油田の発見によって大量の労働者が必要となったために、それを受け容れるインフラの整備が進められたためである。


「……ちなみに、どれくらい時間がかかるんです?」

「往復すると半日以上かかりますけど大丈夫です。なんたって、これがありますし!」


 そう言って彼がテッドに見せたのは傍に停めてある自動車であった。

 これまたテッドには見覚えのあるシロモノであった。


「これって、バスだったはずでは……?」

「バス会社が売りに出していたのを思い切って買ったんです。安い買い物じゃなかったけど大満足ですよ!」


 この自動車は、ドーセットのバス会社(ドーチェスター交通)で使用されていた。

 テッドがバス会社を立ち上げる際に、円卓から便宜を図ってもらって手に入れた軍用トラックの成れの果てである。


 荷台に雨除けの屋根とベンチを後付けしただけの簡素なものであったが、ドーチェスター交通黎明期には大いに活躍した。小型なので集落の奥まで入れるし、元々が軍用で足回りが強化されていたために酷道での運用にも適していた。この点で、テッドは先見の明があったといえる。


 小型バスを大量に運用するとなるとドライバーを大量に雇う必要があった。

 この点も抜け目なく考えてられており、戦後の軍縮で除隊した輸送部隊所属の兵士を囲い込むことで、当時としては貴重な運転技能持ちの人材を大量に確保したのである。


 しかし、この行為は同業他社の恨みを買うことになった。

 貴重な運転技能を持つ人材を独占していると思われたのである。実際、その通りなのであるから反論しようがなかった。


 恨み骨髄なライバル会社の熾烈な引き抜き合戦によって、大半の運転手が流出したドーチェスター交通は抜本的な事業見直しを迫られた。元より採算度外視の高コスト体質であったため、改善の余地があった――と、いうより何をやっても改善に繋がる入れ食い状態であった。


 運航ダイヤを採算を取れるように減便し、ドーチェスター・ロンドン間の長距離路線には大型バスを導入するなどの大鉈を振るった結果、最終的に黒字を出せるまでに回復したのであるが、問題は使い道の無くなった大量の小型バスである。放置するにしても場所を取るし、処分するにはそれなりの出費が必要。だったら、捨て値で放出してしまえというわけである。


「たくさん商品は積めるし、家族も乗せられるしで本当に買って良かったです」

「確かに自動車があれば、いろいろ便利ですからね。僕も買おうかなぁ……」


 満面の笑顔でテッドに語る物売り。

 現在のドーセットでは、彼のような車持ちの農民が激増していた。


 自動車があれば商売は出来るし、移動範囲が広がって物見遊山も出来る。

 気になるガソリン代も油田があるので格安だし、ド田舎なので駐車する場所にも事欠かないから維持費にも困らない。テッドが島流しにされている間に、ドーセットではモータリゼーションが急激に進行していたのである。







「これはこれはドーセット公ご夫妻。ようこそおいで下さいました!」


 テッドとマルヴィナの前に整列する制服姿の男たち。

 駅に入ろうとするやいなや、二人は盛大な歓迎を受けていた。


「ど、どうも……って、この扱いは何なんです?」

「それはもう、改めてお礼をと思いまして……」

「お礼?」

「お忘れですか? これですよ、これっ!」


 制服組で一番偉そうな男が差し出したのは、一枚のポスターであった。

 そのポスターには、4連ガラス屋根で構成された巨大なホームと、そこから力強く走り出る4073形蒸気機関車(キャッスル級)、さらに制服を着た美女が描かれていた。


 燃えなキャッスル級と萌えな美女に加えて、『Cornish Riviera Express』と『Paddington station』の文字が大きく踊る。要するに観光案内のポスターである。


「このポスターが大好評でしてな。集客に多大な貢献をしております」

「それは良かった」

「ポスターが持ち去られることが多いのが悩みの種ですがね……」

「ご愁傷様です。僕からすればデザイナー冥利に尽きますけど」


 テッドはグレート・ウェスタン鉄道(GWR)の依頼で、コーニッシュ・リヴィエラ・エクスプレスの観光ポスターを製作していた。それも一枚ではなく、始発のロンドン・パディントンから終点のペンザンスまでの18駅全てに燃え萌えなポスターを描いたのである。


 風光明媚な駅周辺を疾走するキャッスル級と、制服美女の組み合わせによる注目度は絶大であった。ちなみに、制服美女はティーンからアダルトまで抜かりなく取り揃えており、現在ではご当地キャラに独自のファンクラブまで存在していた。


「そこで、GWR(うち)の他の駅にも同様にポスターを作ろうという話になりまして」

「あぁ、なるほど」

「正式にご依頼しようと思っていたところで、ちょうどお見受けしたのでお声をかけさせていただいた次第です」

「良いですよ。しばらくは領内に引き籠る予定で暇でしたし」


 何も考えずに引き受けてしまうテッド。

 しかし、ここで彼は重大なことに気付いてしまった。


「え? ちょっと待って。具体的に何処の駅を描けば良いの? まさか全部とは言わないよね?」

「……」


 制服男は無言のまま手に持っていた路線図を拡げる。

 そこには、英国南西部を網羅したGWRの路線網があった。ざっと見ても数百の駅が描き込まれていた。


「いや、さすがにこれは無理!?」

「まぁ、そう言わず。さっき暇って言ったじゃないですか」

「物事には限度ってものがあるんだよ!」


 当然の如く猛反対するテッドであるが、GWRにドーチェスターまで鉄道を敷いてもらったので無下には出来なかった。とはいえ、一人でやれる仕事量でも無いので、戦利品(?)として連れてきた元平成会過激派に丸投げすることになる。


 意外なことであるが、元過激派は嬉々としてこの仕事を引き受けた。

 生前の史実21世紀において、フェミどもに萌えポスターを撤去された苦い体験を持つ彼らからすれば、萌えを追求したポスターを心置きなく描ける素晴らしい仕事だったのである。







「旦那様、お迎えに上がりました」


 ドーチェスター駅に到着した二人を出迎えたのは家令(ハウス・スチュアード)のセバスチャン・ウッズフォードであった。挨拶もそこそこに、シルヴァーゴーストは静かに走り出す。


「それにしても、駅周辺は3年前に比べると見違えたね……」

「テッドがイスラエルへ行ったころから開発が始まったわ。もっとも、あのころはここまで急速に開発が進むとは思っていなかったけど」


 感嘆するテッドに同調するマルヴィナ。

 島流しされていたテッドと違って、間近でその経過を見ているだけになおさらであろう。


「そこらへんは、ヒトラー殿の手腕ですな。あの御仁はすこぶる有能です。さすが、旦那様がお連れになっただけのことはありますな」


 ハンドルを握りつつテッドの疑問に応えるセバスチャン。

 今や、ハーグリーブス財団の代表理事代行となったアドルフ・ヒトラーは、ドーチェスター市内の再開発に精力的に取り組んでいた。


 ドーセットの州都ドーチェスターは、古くから市場都市として栄えてきた歴史がある。再開発計画自体は以前から存在していたのであるが、古き良きを愛する市民や、既得権益が損なわれることに危機感を抱いた地元有力者の強い反対によって、半ば頓挫した形となっていた。


『強さは防衛ではなく攻撃にある!』

『このまま座視ていては、いずれ諸君らの愛する古都は北部の油臭い連中に浸食されるであろう!』

『そうなる前に立ち上がる必要があるのだっ!』


 そんな膠着した状況を打破したのがヒトラーであった。

 史実でも発揮したチート級な演説力をもって市民を説得すると同時に、市議会や地元有力者とも接触して天下り先や利権の確保までやってのけたのである。


 ヒトラーは建築に関してならともかく、都市計画はずぶの素人であった。

 一から都市を作るというのならまだしも、既存の都市を再開発となると専門の知識が必要になる。しかし、幸いにして英国には都市計画家という職業が存在し、その手の人材には事欠かなかった。


 金に糸目を付けずにパトリック・アバークロンビーやレイモンド・アンウィンといった当時一流の都市計画家を招聘し、さらに気鋭の若手都市計画家も大勢参加させたことで、ドーチェスターの再開発計画は洗練されていったのである。


 市民の賛同が得られ、都市計画も最適化済み。

 さらに予算も潤沢とあっては、再開発が進まないほうがおかしかったのである。







「「「おかえりなさいませ。旦那様!」」」

「……なんか、凄く人数増えてない?」


 玄関前に勢ぞろいするメイド達。

 この手の映画やドラマではよくある光景ではあるが、実際やられると小市民なテッドは気後れしてしまう。


「我が一族の者なので、忠誠に関しては問題ありません。ただ、荒事の経験は無いので旦那様と奥方様のご指導が必要ですが……」

「任せて。わたしの手にかかれば、そこらの町娘だって立派なアサシンになるわ」

「あー、護身術(バーティツ)は僕が教えないといけないのかぁ」


 セバスチャンの頼みを二つ返事で引き受けるマルヴィナ。

 柔道着姿のメイドさんとの、くんずほぐれつを想像して頬を赤らめるテッド。


 何のかんの言っても、この二人はマスタークラスの使い手であるので、教官としては適任であった。実際、3年前の円卓過激派の襲撃を二人の訓練(しごき)を受けたメイド達があっさり撃退している。


「……何か間違いが起こるといけないので、やはり旦那様の指導は無しということで」

「そんなぁぁぁぁ!? じゃあ、誰がバーティツを教えるのさ!?」

「市内にバーティツ・クラブが出来たので、そちらから人員を派遣してもらいましょう」


 史実では廃れてしまったバーティツであるが、この世界ではテッドの宣伝によって全国にバーティツ・クラブが設立されていた。その勢いは留まるところを知らず、自治領や植民地にも広まっていた。


「……テッド」

「!?」


 絶対零度の冷たさを伴った声にビクつくテッド。

 言うまでも無く声の主はマルヴィナであった。


「今日は徹底的に絞ってあげるわ」

「ちょ!? いや、待って!? ほんの出来心というか……」

「日本を発ってから3ヵ月はご無沙汰だもの。溜め過ぎておかしくなっちゃったのよ。テッドは悪くないわ」


 穏やかな表情で酷いことを口走る。

 口元には笑みが浮かんでいるものの、目が笑っていなかった。このままではバッドエンド確定であろう。


「助けてセバスチャン!?」

「旦那様、ファイトですぞ! お世継ぎは早めに作るに限ります」


 サムズアップするセバスチャン。

 御家至上主義な彼にしてみれば、夜の営みはむしろ推奨するべきことであった。ドーセット公爵家の存続を第一に考える家令(ハウス・スチュアード)の鏡であり、利害が一致したマルヴィナと結託して、さらにテッドを追い詰めていくのである。







「あれ? こんな彫刻あったっけ?」

「新しく取り寄せました。ドーセット公爵家の家格に相応しいものと自負しております」


 屋内をキョロキョロしながら歩く不審者(テッド)に、鼻高々なセバスチャン。

 美術品の充実は家格の向上に繋がると考える彼は、その鍛えられた審美眼をもって積極的に購入していた。その分、室内が高級感溢れまくりになって、落ち着かない人間がそこに居たりするのであるが。


(よし、3年前と間取りは変わっていない。いざというときは……)


 もっとも、テッドには逃走経路の確保という別の目的があった。

 今のマルヴィナは、血に飢えた虎よりも危険であった。帰って来て早々に逆レ〇プされるのは御免こうむりたかったのである。


「……セバスチャン、窓を変えた? 少ししか開かないんだけど」

「窓は防弾ガラスに変えましたので、空気採りする最低限しか開きませんぞ」

「なぬっ!?」


 いざというときの逃走経路を潰されて焦るテッド。

 そんな彼の思いを知ってか知らずか話を続けるセバスチャン。


「……以前、屋敷が襲撃されたことがありましたな」

「そ、そういえばそんなこともあったね」

「これを機に館の防衛力の強化をと思い立ちまして。専門家を呼んで大々的に手を入れたのです」


 テッドが島流しにされている間に、白亜の洋館ドーチェスター・ハウスは変貌を遂げていた。要塞並みの強度を持つ建物を一から作るのはそこまで難しいことではない。問題は、既存の建物を改修する場合である。ましてや、セバスチャンの『外観、内装に違和感を生じさせないこと』という注文は無茶ぶりにもほどがあった。


 壁の内部に装甲板を仕込めば十分な強度が出せるが、どうしても壁が分厚くなってしまう。その分内部容積が減るわけで、中の人間が息苦しさを感じてしまうのである。これを防ぐには、壁を厚くした分、外側に空間を広げる必要があった。


 装甲版と鉄筋コンクリートで構成される壁の厚さは1mほどになった。

 なお、天井にも同様に装甲板を仕込んだのであるが、施工時に重量に耐えられないことが発覚したために、建物内の柱は全て重量鉄骨に置換された。


 これらをドーチェスター・ハウスの全ての部屋に適応させた結果、前後左右に10m程サイズが拡大することになった。当然ながら生じる違和感は、拡大した部分に既存の壁デザインを延長したうえでダミーの窓を追加することで対応していた。建物を良く知る人間でない限りは違和感に気付けない仕上がりになったのである。







「……いない。逃げたわね」


 晩餐後に肉食獣(マルヴィナ)がテッドの部屋を訪れると、既にもぬけの殻であった。

 彼女は慌てず部屋の内線でセバスチャンをコールする。


「セバスチャン。テッドが逃げたわ」

『では?』

「想定通りよ。コードXXを承認するわ」

『了解しました。早速取り掛かります』


 受話器を置くと獰猛な笑みが口元に浮かぶ。

 狩りの時間である。


『コードXX発動! 繰り返す。コードXX発動。各員は最優先で任にあたれ』


 館内スピーカーからセバスチャンの声が響き渡る。

 その声を聴くや否や、メイド達は仕事を放棄して館内の捜索を開始する。もちろん、ターゲットはテッドである。


 腐ってもオリ主チート枠なテッドである。

 マルヴィナの技量をもってしても、本気で逃げるテッドを捕縛するのはかなりの難事であった。搾り取る前に消耗しては本末転倒と考えた彼女が、セバスチャンと一計を案じた結果がテッド捕縛指令『コードXX』であった。


「旦那様、お覚悟を」

「たわっ!?」


 メイドの鋭い蹴りを軽くいなすテッド。

 その一撃は一流レベルであったが、彼を捉えるには至らない。しかし……。


「旦那様発見!」

「応援を呼んでっ!」

「げぇっ!?」


 テッドを発見したメイド達が殺到する。

 これが(ヤロー)だったら問答無用で無力化するのであるが、女性に手を挙げることを極力避ける性分な彼には、逃げるしか選択肢が無かったのである。


(撒いたか……!?)


 後ろからメイド達が追ってこないことを確認したテッドは、手近な一室に飛び込む。すぐさま施錠しようとして――勝手に施錠された。


(しまった!? 罠か!?)


 愕然とするテッド。

 恐る恐る後ろを振り向こうとして、背中に柔らかい大きな二つの感触が走る。


「捕まえた」


 言うまでもなくマルヴィナである。

 既に全裸になっており、完全に臨戦態勢である。


「ふふふ……」


 既に発情しているのか、呼吸が荒い。  

 そのまま背後から強く抱きしめる。彼女の膂力で締め上げられるとテッドは逃げられない。完全に詰みであった。


「ま、マルヴィナ……」

「なぁに?」

「そ、その……優しくしてね?」

「ダ・メ」

「っあーっ!?」


 分厚い壁のおかげで、テッドの悲鳴は外には漏れなかった。

 (けだもの)のような交わりは一昼夜に渡って繰り広げられたのである。


 貴族にとって、世継ぎは至上命題である。

 マルヴィナの肉欲と、セバスチャンの御家至上主義が相まって、今後もテッドは搾り取られることになる。改装されたドーチェスター・ハウスは彼を守る盾であると共に、拘束する檻でもあったのである。

というわけで、テッド君が帰郷しました。

初日から酷い目にあってますが、テッド君故に致し方なしです。


今後はしばらく内政チートになります。

なにせ予算は有り余っているので、やりたい放題出来ます。

テッド君やヒトラーの趣味嗜好が爆発しますので乞うご期待?w


合間に他国の情勢も書いていこうかと思っています。

フランス・コミューンやポーランド辺りも気にされている人も多いでしょうし。

ラスボスの準備も始めないといけないので、そっちも描写しないと。

書くこと多いなぁ…(汗

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― 新着の感想 ―
[一言] ドン底から世界最強クラスの国家までのし上げた政治家が一地方の政治家崩れ如き赤子のようなものやろなぁ。予算の確保をする必要がなければ史実の偉業より高速化されたさまざまな文化の進歩を実現してくれ…
[一言] 数百におよぶ駅娘デザインかぁ……差別化が大変そう ああでも絵師複数用意できたみたいだし画風で差をつけて路線ごとに制服を変えて……いける、かな? いやまず各駅の駅名由来や特色・出身有名人を把握…
[一言] >ポスターが持ち去られることが多いのが悩みの種ですがね 盗り鉄は今のうちから物理で制裁しといたほうがいい・・・(ハイライトが消えた目)
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