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第38話 ロイヤルツアーという名の世界放浪の始まり


「ドーセット公、レナウンへようこそ」

「お世話になります。艦長」

「貴賓室へご案内します。先客がお待ちですので」

「先客?」


 出迎えた艦長の言葉に首をかしげるテッド・ハーグリーヴス。

 しかし、彼の疑問に応える者はその場には存在しなかった。


 1921年5月11日。

 イスラエル北方の港湾都市ハイファから、戦艦『レナウン』が出航した。テッド一人をピックアップするためだけに、円卓は戦艦を1隻派遣したのである。如何に彼が重要視されているか分かろうというものであるが、この艦はもう一つの重大な任務を帯びていた。


「テッドっ!」

「うわっ!? マルヴィナ、どうして此処に!?」


 貴賓室の扉を開けた瞬間、彼の胸に飛び込んで来たのは英国に残してきたはずのマルヴィナであった。胸元で形を変える肉の感触に、驚愕と喜びが入り混じった複雑な表情となる。


「……先生、僕もいるんですけど?」

「ぐぬぬ、あの腐れメイドめ。僕のテッドさんに何てことを…!」


 視界の端に、エドワード皇太子とマウントバッテン卿が写ったが、気のせいだと思いたかった。もちろん、この世界は残酷であるので気のせいなどでは無かったのであるが。


 いつまでも立ち話をするわけにはいかないので、貴賓室の中へ移動する4人。

 さほど広くは無いものの、ソファとテーブルが備え付けられており、ティータイムをするには必要十分であった。テッドとマルヴィナ、反対側にはエドワードとマウントバッテンが座る。


「……それで、どうして此処に?」

「話せば長いのだけど……」


 マルヴィナの話に、テッドは自分の考えが甘かったことを盛大に後悔するのであった。







「……で、襲撃した馬鹿どもはどうした?」

「地元の病院に収容されています。回復を待ってからロンドンへ護送する予定です」

「それで、どれほどの被害が出たのかね?」

「被害甚大です。主に襲撃者側が、ですが」


 首相官邸の執務室。

 ロイド・ジョージとチャーチルは、MI6長官のカミング中将より先日の襲撃の報告を受けていた。


 時系列は遡り、1921年2月某日。

 主人不在のドーセット公爵邸が襲撃された。ヒトラーを保護したことを知った円卓の過激派が、テッドに翻意を促すべく手勢を連れて乗り込んだのである。


「やはり、ヒトラーの件は伏せておくべきだったか……」

「過激派の連中は、円卓会議に参加出来ない下っ端ですが独自の情報網を持っているようです。隠してもいずれバレたと思われます」


 ロイド・ジョージの後悔に、フォローを入れるカミング。

 ヒトラーを保護した件を円卓で公開し、そのうえで過激派に対する工作を進めたのであるが、彼の手腕をもってしても過激派の激発を止めることが出来なかったのである。


 円卓過激派は、実質ヤクザやマフィアと大差無い連中である。

 彼らは、テッドに対して脅迫文を送付していたのであるが、一向に返事が無いことに業を煮やし、遂に実力行使に打って出た。


 円卓という組織内部では有名人であったが、本当のテッド・ハーグリーヴスを知る者は円卓会議に参加出来る幹部クラスのみである。不幸なことに、過激派は彼を成金の田舎貴族程度にしか考えていなかった。


 襲撃は深夜に実行された。

 動きを気取られぬように子飼いの私兵のみで襲撃したのであるが、その結果は悲惨を通り越して凄惨なものであった。領内に入った時点で察知され、逆に待ち伏せされて壊滅したのである。


「死者が出なかったのは、不幸中の幸いだったな」

「いえ、あちら側が手加減しただけです。公爵夫人の指示のようです」


 下っ端とはいえ、領内で大量殺人をしようものなら、将来の禍根になりかねないと判断したマルヴィナによって、死亡ENDこそ避けられたものの、逆に言えば死ななければ容赦する必要は無かった。


 裏社会で伝説的なエージェントだった彼女にとって、人間の生殺与奪など児戯に等しい。本職が見てもドン引きするほどの拷問の前に、私兵どもはあっさりと襲撃計画の全容を白状した。


 そこから先はワンサイドゲームであった。

 単騎で突入したマルヴィナは、後方で待機していた襲撃のリーダー格と側近を死なない程度に蹂躙した。護衛に一切気取られずに離脱する姿は、現役時代の彼女の異名の通り、まさに黒豹であった。







「……カミング長官、今回の襲撃に君らは関わっているのかね?」


 今まで執務室のソファで沈黙していたチャーチルが口を開く。


「セバスチャン殿に警告はしました。公爵邸の警備も申し出たのですが、無用と……」

「つまりは、あそこには私兵程度ならどうにでも出来るだけの戦力と、襲撃を察知出来るだけの諜報網があったというわけか」

「報告によると、武装したメイドと使用人たちが撃退したとのことです」

「戦力は……まぁ分からないでもない。二人ともマスタークラスの実力の持ち主だ。ここ数年で鍛え上げたのだろう」


 彼らが知る由は無かったのであるが、チャーチルの予想は的中していた。

 マルヴィナからエージェントとしてのスキルと体術、テッドからバーティツを伝授されたメイドと使用人は、特殊部隊並みの戦闘力を保持していたのである。


「問題は、諜報網です。さほど広く無いとはいえ、領内に諜報網を張り巡らせるにはそれなりの人材と時間、資金が必要となります」

「回りくどいな。とっくに結論は出ているのだろう?」

「……ドーセット領内には、現在に至るまで独自の諜報網が存続しており、ドーセット公がそれを引き継いだのではないかと」


 カミングの結論は、あまりにも荒唐無稽であった。

 少なくても素面で言えるセリフでは無い。気が触れたと思われても仕方がないことであろう。


「彼の非常識ぶりは今に始まったことでは無いしな」

「正直、テッド君なら何でもありのような気がしますな」


 意外と普通に信じてしまうロイド・ジョージとチャーチル。

 いや、信じたというよりも諦観であろう。これまで、散々やらかしてくれたテッド・ハーグリーヴスである。そのくらいやってのけるであろうという、ある種の信頼でもあった。


「MI6で、彼の組織とコンタクトは取れるかね?」

「閣下、それは……!?」

「何も仲良くしろとは言わん。ただ、敵対しない程度に最低限の接点は持っておきたい」

「閣下が、直接ドーセット公に頼めば良いのでは?」

「無論、頼むつもりだ。しかし、彼がどこまで組織を把握しているのか分からない。ひょっとしたら全く関わっていない可能性すらある」

「……分かりました。少々お時間を頂きますが何とかしましょう。出来そうな人材にも心当たりはありますし」


 この決定により、テッドの知己にしてMI6最高のエージェントのシドニー・ライリーがドーセットに送り込まれることになる。周囲は皆敵という完全アウェー状態で孤軍奮闘するのであるが、その活躍はまた別の話である。







「ドーセット公に危害が及ばなかったのは、不幸中の幸いであるが……」

「これを機に過激派を締め付けるべきでは?」

「しかし、過激派と言えども円卓のメンバーだ。下手なことをすると円卓そのものが揺らぐことになりかねん」

「そもそも、ヒトラーという特大の爆弾をドーセット公が保護したことに端を発している以上、自業自得とも言えますし……」


 緊急招集された円卓会議の議題は、当然ながら過激派に対する扱いであった。

 しかし、ロイド・ジョージの思惑とは異なり、過激派を擁護する意見は根強かった。過激派が状況を憂いて行動を起こしたことは明白であり、一方的に処罰することは円卓という組織を割ることにもなりかねなかったのである。


「お互いに理がある以上、これ以上議論しても結論は出まい。冷却期間を置くべきだろう」


 円卓議長であるロイド・ジョージの結論は、テッド・ハーグリーヴスをしばらく円卓から遠ざけることであった。


「具体的にはどのような措置を?」

「皇太子殿下の巡幸に同道させようと思う。というか、直接ピックアップしてくれ。本人もさっさと帰国させろと煩いし」

「それは……予定を大幅に変更する必要が出てくるのだが……」


 ロイド・ジョージの提案に、外務大臣のアーサー・バルフォアが真っ青になる。

 現在、外務省の主導で皇太子殿下の世界巡幸ロイヤルツアーの準備が進められていた。


 植民地を繋ぎとめるための慰撫工作だった史実とは異なり、こちらは純粋に英国王室の歓迎イベントである。第1次大戦を最初から最後まで主導して勝利に導いた英国の威光は戦前と同等か、それ以上に強くなった。これにより、英国の凋落を阻止するという円卓の目的は達成されたのであるが、同時に弊害も生まれていた。


 自治領を独立させたい円卓にとって、現状は歓迎出来るものではなかった。

 ウェストミンスター憲章を早期に制定して、自治領を独立させて大英連邦を作る計画が進められていたのであるが、史実とは逆に自治領側が難色を示していたのである。


 世界最強の金看板を下ろしてポッと出の独立国になるくらいなら、自治領のほうがマシである。今回の世界巡幸ロイヤルツアーも、自治領と植民地からの強い要望であった。何とかして、本国のご機嫌を取ろうと必死だったのである。


「……ドーセット公は、現在パレスチナ地区で公務中だ。あそこに寄るとなると、周辺の植民地や自治領も我も我もと騒ぐだろう」

「そこは何とか調整してもらうしかない」

「ジョージ。おまえ、他人事だと思って……!?」


 史実以上の規模となった世界巡幸ロイヤルツアーに、新たな予定を組み入れるのは相当に難儀なことであった。寄港地が増えれば、その分手配する物資や人員も増えるのである。すり合わせのために、外務省と関連当局の人員は不眠不休で駆けずり回ることになる。






 そして時系列は現在へ戻る。

 貴賓室でマルヴィナの話を聞いたテッドは、自らの軽挙で愛する人を危機に陥れたことに衝撃を受けていた。


「ごめん。本当にごめんマルヴィナ……」

「気にしないで。何も考えずにターゲットを抹殺するのって、あの無味乾燥な青春時代を思い出せて懐かしかったわぁ」

「お、おぅ……」


 不気味な笑みを浮かべるマルヴィナにドン引きするテッド。

 彼女が気にしていないのに、自分が気にしていては失礼であろう。同時に、自分のやらかしも気にしないことにした。後悔したところで、結果は変わらないのである。開き直りともいう。


(あれ? この話題って表に出して良いものだったっけ?)


 さも当然のように、円卓の話題を出していたことに今更ながらに青ざめる。

 

「あ、先生。僕も円卓入りしたので遠慮は無用ですよ?」

「いつの間に!?」

「去年です。いや~、あのときは二人揃って寝込んで大変でしたよ」

「か、軽いなぁ……」


 謎の熱病で皇太子が長期間療養を余儀なくされたことは、一時期大きな話題であった。兄弟揃って発症したために、まことしやかに陰謀論がささやかれ、新聞もゴシップ記事を盛大に書き立てた。事態の収拾に、円卓が多大な苦労をしたのは言うまでもない。


「……と、するとここに居るメンツは全員円卓メンバーになるのか」


 話題に遠慮する必要が無いことに気付いて安堵するテッド。

 円卓でない人間と会話するときには、そこらへんを気を付ける必要があるので、けっこう気苦労があるのである。


「そうですよ、遠慮は一切不要! さぁ、テッドさん。僕とめくるめく時間を……ぎゃぁぁぁぁ!?」

「やはり、あのとき始末しておくべきだったわ。今すぐ死ね……!」

「先生っ! 色紙持って来たのでサインしてください。ハリー!ハリー!ハリーッ!」

「いい加減にしろおまえらぁぁぁぁっ!」


 貴賓室の外にまで漏れ聞こえる怒号と悲鳴。

 今後の予定を伝えに来たレナウン艦長ハーバート・ミード大佐は、どうしたものかと扉の前で真剣に悩むのであった。




  



「……世界巡幸ロイヤルツアー?」


 艦長が持参した書面を見て、テッドは首をかしげる。

 史実で該当するイベントがあったか必死に脳内検索をかける。


「戦勝記念として、世界中の自治領や植民地を巡るんです」

「現地では盛大な歓迎会が予定されているとか。僕たちVIPですよ先生!」

「あぁ、そういえば史実だと日本にも寄ってたなぁ。とすると、二人のコスプレが見れるのか」

「「コスプレ!?」」


 マウントバッテンとエドワードの説明でようやく合点がいったテッド。

 ちなみに、史実では皇太子裕仁親王の欧州訪問の返礼として、二人とも日本に1ヵ月ほど滞在しているのであるが、その際に鎧を着たり人力車の車夫に扮したりと結構日本を満喫していたりする。


「思わぬ形で里帰り出来そうで楽しみだなぁ」

「そういえば、先生の前世は日本人なのでしたっけ」

「そこの伯爵様は日本人嫌いらしいけどね」

「それ史実だし!? この世界の僕はマリアとテッドさん一筋だから!」

「いや、二股かけてる時点で一筋じゃないし……」

「今度マリア様にチクっておくわ」

「止めて、マジ止めて!?」


 これからの世界巡幸ロイヤルツアーの行く末に悲喜こもごもな4人であるが、テッドとしても日本行きは楽しみであった。なんといっても、生前?の故郷なのである。当然、書面に記してある日程を確認したのであるが……。


「……なんで、日程が書いてないの?」

「先生、艦長の説明を聞いて無かったんですか? ただでさえ寄港地が多いのに加えて要望が殺到してそちらにも寄ることなったので、現状では予定は未定だって」

「ええええええええ!?」

「ひょっとしたら、1年くらいは本国に帰れないかも。あ、でもテッドさんといっしょなら全然苦じゃ、ぐぇっ!?」

「やはり殺す。今すぐ殺すっ!」


 かくして、前代未聞の予定は未定、全部周るまで本国への帰還は不可能な世界巡幸ロイヤルツアーが開幕した。再び本国の土を踏むことになるのは、いったい何時になるのかは、この時点では誰にも分からなかったのである。







「……今頃テッド君たちはどこら辺だろうな」

「最新の情報だと、スエズ運河を通過してアフリカ大陸東岸の植民地を周っているところです」


 首相官邸の執務室でチャーチルから報告を受けるロイド・ジョージ。

 円卓チートとテッドの召喚やらかしのおかげで、英国の無線技術は世界よりも10年以上先行しており、海軍大臣であるチャーチルには、レナウンの位置が1時間単位で届けられていた。


「そうか。無事で何よりだが……」

「帰国までの道のりは長そうですな」


 執務室に貼りだされた世界地図を見て、ため息をつく二人。

 その地図には、担当者が血反吐を吐きながら調整した航路と日程がびっしり書き込まれていた。


「失礼します。突然の来訪申し訳ありませんが、緊急の案件です」


 ドアをノックして急ぎ足で入室してくるMI6長官のカミング。


「構わんよ。それよりも緊急案件のほうが気がかりだ」

「日本のエージェントが、ドーセット公を調査した形跡があります」

「遂に来たか……!」


 カミングの報告に呻くロイド・ジョージ。


「元より隠していませんでしたからな。平成会の存在が確認された以上、いずれ露見するとは思っていましたが……」


 チャーチルもため息をつく。


「コミケだったか? あれはこの時代には、明らかに異質なものだ。それを追えば彼に辿り着くのは簡単だろう」

「ロンドンの日本大使館が暗号文を国際電報で本国へ送っています。解読したところ、内容はドーセット公に関するものでした」

「日本は寄港予定地です。とすれば、平成会が動く可能性は高いですな……」


 テッドが円卓入りして、唯一無二の召喚スキル持ちであることが判明した時点で、彼の過去を改変することは検討されていた。しかし、彼はこの時点で若手実業家のホープとして既に有名人であった。下手なことをするとかえって怪しまれる恐れがあったために、結局そのままにされたのである。


「……閣下、世界巡幸ロイヤルツアーの日本行きは中止されたほうがよろしいのでは?」

「そのようなことをすれば、英日同盟にひびが入りかねん。万が一、アメリカが蘇ったための抑えとして日本は必須の駒だ」

「元より、平成会との交渉は、テッド君にやってもらうつもりだったから、かえって好都合とも言えますな」

「そういうことだ。彼には、日本で平成会からのコンタクトがある可能性を伝えてほしい」

「分かりました。念には念を入れて、直接文書で手渡しましょう」

「頼む。それと、日本におけるMI6の拠点の拡充を急いでくれ。こちらから指示するには日本は遠すぎる。ある程度独自の判断で動けるようにしてくれ」

「了解しました。直ちに取り掛かります」


 寸暇も惜しいとばかりに急ぎ足で退室するカミング。

 目の前で閉じられた重厚な扉を見て、しばし二人は沈黙する。


「……彼の行く手には常に困難が付きまとうな」

「元よりトラブルメーカーではありますが、それに加えてトラブルが寄ってくるというか……物語の主人公らしくはありますな」

「確かに。しかし、ヒロイックファンタジーのように、最後は凱旋して欲しい。悲劇の主人公は御免こうむる」


 テッドの身を案じる二人。

 彼が無事に凱旋出来るかは、神のみぞ知ることであった。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


HMS レナウン


排水量:33500t(常備)

全長:211.2m 

全幅:27.6m

吃水:8.8m

機関:バブコック・アンド・ウィルコックス式重油専焼缶24基+パーソンズ式直結型タービン(低速・高速)2組4軸推進

最大出力:83000馬力

最大速力:28.5ノット

航続距離:14ノット/7000浬 

乗員:940名

兵装:42口径38.1cm連装砲4基

   45口径15.2cm単装砲16基

   45口径7.6cm単装高角砲6基 

   12.7mm4連装機銃4基

装甲:舷側330mm(水線部主装甲) 152mm(艦首尾部)

   甲板76mm

   主砲塔330mm(前盾) 279mm(側盾) 114mm(天蓋)

   主砲バーベット部330mm(砲塔前盾) 254mm(甲板上部・前盾) 178mm(甲板上部・後盾) 152mm(甲板下部・前盾) 101mm(甲板下部・後盾)

   副砲ケースメイト部152mm(最厚部)

   司令塔279mm(側盾) 76mm(天蓋) 

レーダー:試作79型1基


戦後に建造された改QE型。

元より、改装して使い倒すことが確定していたQE型であるが、実際に建造してみないと分からない部分も多々あるために、技術実証艦として2隻建造された。


QE型との違いは、艦首をブロックごと新しい形状に変更して艦首延長による高速化を図っている点である。艦首にはバルバスバウが採用されており、高速化と燃費の向上に貢献している。


バルバスバウは、巡航速力と最大速力を両立出来るように、装備位置と形状が設計段階で考慮されており、最適解を出すために、パラメトロン・コンピューターで何度もシミュレーションが実施されている。


砲塔はSHSスーパーヘビーシェルの運用が前提の新型砲塔に変更されている。

ただし、新型砲塔自体が重量増になったことに加えて、SHSの重量とサイズ拡大によって、1門辺りの砲弾の定数が大幅に削減されている。この問題は、機関換装やバルジ増設など大規模な第2次改装が完了するまで続くことになる。


機関は構造に変化は無いものの、より高圧化が図られており、速力と燃費の向上を達成している。


世界で初めて艦船用レーダーが搭載された。

史実79型レーダーの試作版であり、性能は不安定であったが航空機の探知に成功している。ただし、このレーダーはあくまでも対空用であり、水上レーダーは開発が間に合わずに後日搭載されている。



※作者の個人的意見

ア〇レンの嫁艦であるレナウンを意地でも登場させるべく理屈をこねてみました(オイ


ぶっちゃけてしまえば、艦首延長して高速化したQE型以外の何物でもないです。

全長は史実金剛型から逆算して決定しています。高出力化と艦首延長、これにバルバスバウも加えれば問題無いはず。


バルバスバウは、貨物船や客船など運行速力に変化が少ない船舶に有効なのですが、史実日本海軍は軍艦に適用出来るように巡行と最大速力の間の最適解を導き出しています。レナウンにもこれと同じタイプが採用されたということで。


大雑把な推測ですが、バルジを付けて太っても15万馬力くらい確保出来れば30ノットをギリギリ超えられるかと。そこらへんのスペックは、2次改装時に出す予定です。

というわけで、円卓最大の敵は身内ということでした。

さすがにヒトラーはねぇ……ってことです。これもある意味歴史の修正力なのでしょう。


この他にも、史実同様にジョージ6世にするために、エドワード皇太子を亡き者にせんと画策する一派もいたりするので、円卓の内部って意外とドロドロしてたりします。平成会に比べて円卓が安定している?安定していたの間違いです。テッド君が派手にやってくれたおかげで、今まで表立ってこなかった円卓の負の部分も顕現してきたわけです。


平成会にも過激派は存在するので、日本にテッド君が到着したら一波乱あるのは確定です。この分だと、何時日本に辿り着けるかは作者にも分かりませんけどねw

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― 新着の感想 ―
[一言] おー。日本行くんですね 平成会との接触は規定路線として 英国における逆行転生者の事実をどこまで明かすかですね いっそ「全部平成会を名乗る日本人に教わった」とかブチかまして逃げるとかいやそんな…
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