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第28話 ブラックウィドウ


「よく来てくれた。カートン少佐」

「……自分は大尉ですが?」

「今回の作戦にあたって昇進となった。これは作戦上の一時的なものではなく、正式な昇進となる」

「つまり今回の作戦は、それだけの難事ということですな」


 ロンドンの中心部に所在する陸軍省の一室。

 部屋の主である陸軍大臣ホレイショ・ハーバート・キッチナー元帥が対面しているのは、隻眼の軍人であった。


「ボーア戦争での活躍は聞いている。君の性分もな」


 キッチナーは、ボーア戦争時代は英軍の総指揮官であった。

 一方で、隻眼の軍人-エイドリアン・カートン・デ・ウィアートは、ボーア戦争では常に最前線で戦っていた。立場的に両者の接点は無かったのであるが、彼の『活躍』が後方にまで噂として広まったために、キッチナーはカートンのことを知っていた。


「率直に言って私は先の戦争を楽しんでいました。そして思うのです。戦争はこんなにも楽しいのに、なぜ人々は平和を望むのだろうか、と」


 笑みを浮かべるカートン。


「そういう君だからこそ、今回の作戦に抜擢した」

「光栄であります閣下。これでまた戦争が出来る」

「良い意味でも悪い意味でも噂通り。いや、噂以上の男なのだな……」


 ため息をつくキッチナー。

 しかし、彼以上の適任者がいないのも事実であった。


「言うまでもなく極秘作戦だ。MI6との共同作戦となる」

「どんな作戦であろうとも関係ありません。ただ一つだけお願いがあるのですが」

「……なにかね?」

「ボーア戦争時代のわたしの部下を使いたいのです」

「許可しよう。こちらで手配しておく」

「ありがとうございます。これで心置きなく戦争が出来るというものです」


 物騒極まりない発言に、黒眼帯というカートンの風体は海賊を連想させた。

 しかし、そのふるまいは優雅で洗練されており、周囲を引き付ける不思議な魅力を醸し出していたのである。






 1917年7月。

 カートン少佐率いるニコライ2世救出部隊は、サンクトペテルブルク近郊の貴族の別荘に潜伏していた。皇帝の退位に伴う騒動で持ち主が逃げ出したために、現在は空き家であったところをセーフハウスとして活用していたのである。


「状況はどうだ?」

「武器弾薬の備蓄は完了しています」


 カートンの問いに、いかにも歴戦の兵士といった風体の部下が簡潔に答える。


「ふむ、タクシーの組み立ても順調のようだな」


 地下室の片隅では、整備班が車輛を組み上げていた。

 彼らの移動手段は、バラバラに分解して他の荷物に偽装されてセーフハウスに持ち込まれていた。


「今戻った」


 音も無くセーフハウスに入ってきたのは、シドニー・ライリーである。

 テッド・ハーグリーヴスの帰還によって手が空いた彼は、過去のロシアでの諜報活動の実績を買われて今回の作戦に参加していた。


 史実と同じく、英国海軍武官補としてロシア国内で活動していた時期があり、ロシアの名士録『全ペテルブルク』に古物愛好家にして蒐集家と記されているくらいに有名人であった。これに加えて、地元のサンクトペテルブルク飛行クラブの会員でもあるため、怪しまれることなく、市内を動き回ることが出来たのである。


「これは中佐殿。宮殿はいかがでしたかな?」

「特に変わりは無いな。事前の情報通りだ」


 シドニー・ライリーはテーブルに広げられたアレクサンドロフスキー宮殿の詳細な地図の一点を指差す。


「皇帝とその家族は、従者も含めて『真紅の間』に今も軟禁されている」

「想定に変更無しということですか。ありがたいことですな」

「そして、現状での兵士の配置はこうなっている」


 懐からメモを取り出すシドニー・ライリー。

 メモに記した兵士の配置、歩哨の周回パターンを地図に書き込んでいく。


「Xデイの前日に宮殿内に工作をしかける。あんたらはそれに乗じて救出作戦を実行してくれ」

「了解した」


 カートン率いるボーア帰りの歴戦の強者たちと、バックアップに回るシドニー・ライリー率いるMI6のエージェントたち。最悪な連中がタッグを組んだ結果、ロシア側は散々に翻弄されることになるのである。







「す、すまんが後を頼む!」


 救出作戦当日。

 深夜のアレクサンドロフスキー宮殿の正門を守る兵士は、相棒に声をかけると最寄のトイレへ駈け込んでいった。


「おいおい。またかよ……」


 それを呆れた様子で見送る片割れ。

 とはいえ、彼もそこまで余裕があったわけではない。前日から、宮殿を守備する兵士たちは軽い腹痛と便意に悩まされていたのである。


 これはMI6の工作であった。

 宮殿のコックを買収して、兵士たちの食事にひまし油を混入させたのである。


 ひまし油は、各種工業用の原料として広い用途がある。

 その優れた性状と潤滑性から、古くは機械油一般に用いられた。初期の航空機用エンジンの潤滑油としても使用される事が多かったのであるが、今回は別の目的で使用されていた。ぶっちゃけると下剤である。


 せこいと思われがちであるが、これが馬鹿に出来ない脅威である。

 やられると確実に士気は下がるうえに、明白な怪我や症状が出るわけではないので上に報告を上げづらい。下手に報告しようものならば、サボタージュ扱いで処罰もあり得るのである。


(うぅ、俺も腹が痛くなってきた)


 早く戻って来ないかと相棒が向かったトイレの方向を眺めた瞬間。

 闇から伸びてきた腕に口をふさがれ、喉を切り裂かれて片割れは絶命した。


 闇から抜け出たのは、真っ黒な装束に身を固めた男であった。

 黒いブーツに、黒の上下。ご丁寧に、黒の目出し帽まで着用していた。


『こちらアップル。門番の片割れを処理した。オーヴァー』


 左肩にベルトで固定された金属の箱を取り外して話しかける男。

 先の大戦で、BEF(英国海外派遣軍)で試験運用されていた無線電話である。史実米軍が『ハンディートーキー』と呼称していたSCR-536を、この世界の英軍は世界に先駆けて制式採用していたのである。


『……こちらベイカー。トイレに来たやつを始末した』


 トイレに行った片割れも、すっきりした瞬間に始末されていた。

 こちらも悲鳴を上げさせないように、喉を切り裂いて殺しており、まさにプロの仕事であった。


 あっさりと殺られた門番二人であるが、彼らとて決して弱兵では無かった。

 ベストコンディションならば、勝てないにしても一太刀入れるくらいの技量はあったのである。それが出来なかったのは、便意と腹痛によって、周囲の警戒が出来なかったことに尽きる。こんなことを考え付くのは、相当に底意地の悪い人間であろう。


「へっくしっ!」

「……テッドさま風邪ですか?」

「んー、そんなことはないはずだけど。誰か噂でもしてるのかなぁ?」


 テッドがスパイ同人誌で描いたアイデアを、MI6の担当者がこれは良いと嬉々として採用したとか、決して本人が知らなくて良いことなのである。






 黒い軍団は、瞬く間にアレクサンドロフスキー宮殿を制圧していった。


「なんだ貴様ら!? ぐぁっ!?」


 くもぐったような音の後に倒れ伏す兵士。

 ドアを守っていた兵士は、問答無用で射殺された。その銃声は拳銃とは思えないくらいに小さかった。


 この銃は、史実英国の特殊作戦執行部で使用されたウェルロッドである。

 例によって例の如く、絶賛リア充中の某同人作家が召喚したモノを、MI6の技術部がリバースエンジニアリングしたものであった。


「おい、何の音だ? がっ……!?」


 銃身にサプレッサーを内蔵した特殊な銃であり、特に今回使用されたのは口径が32ACPのMk2仕様である。ドア越しだと銃声とは意識出来ないレベルにまで静粛性が向上していた。物音に気付いて確認しようとした兵は、ドアを開けた瞬間に死角から奇襲されて喉を切り裂かれた。


 今回のために編成された皇帝救出部隊『ブラックウィドウ』の兵士には、一切の容赦や躊躇が存在しなかった。ボーア戦争帰りの実戦経験豊富な兵士たちが、最新装備で身を固めて問答無用で襲い掛かってくるのである。宮殿の守備兵にとっては、死神以外の何物でもなかった。


 皇帝救出作戦にあたって、MI6はアレクサンドロフスキー宮殿の間取りと皇帝の軟禁場所を完璧に把握することに成功していた。映画の撮影スタジオを貸し切って再現した宮殿のセットで、ブラックウィドウの兵士たちは訓練を重ねたのである。必要最低限の動きで、最大限の戦果を出せるのは当然のことであった。


 ブラックウィドウのやり方は、史実の特殊部隊そのものであった。

 今回の作戦で、この世界でも特殊部隊が有用であることを実感した円卓は、SASやSBSといった史実でも大活躍した特殊部隊の創設を前倒しで行うことになるのである。


「真紅の間までの道を確保しました!」

「うむ、陛下はわたしがお連れしよう。引き続き退路の維持を頼む」

「イエッサー!」


 真紅の間へ通じる大廊下を歩むカートン。

 その姿は、戦場には場違いなほどに気品あふれるものであった。


「陛下。お迎えにあがりました」

「……シドニー・ライリー殿より話は聞いている。家族だけでなく従者も連れて行きたいが頼めるか?」

「無論。そのために来たのです。万事お任せください」


 多少の悶着があると思われたが、皇帝とその家族の脱出は速やかに進められた。

 先んじて宮殿に潜入していたシドニー・ライリーの根回しによるものであるが、カートンの存在も大きかった。


『眼帯をしていることを除けば、彼がどこぞの大貴族であることは疑いなかった』


 ニコライ2世は、後にカートンについてこのように述懐している。


 彼は、同世代の人間からはベルギー王レオポルト2世の非嫡出子であると広く信じられていた。その溢れる気品と優雅なふるまいは、皇帝の信用を勝ち取ったのである。






 皇帝一家を伴った救出部隊は、抵抗を受けることなくサンクトペテルブルク港へ到着した。


「時間だな」


 カートンは懐中電灯で合図を送る。

 やがて合図を確認したのか、1隻のM級潜水艦が浮上して姿を現す。今回の作戦のために、サンクトペテルブルク港の入口に潜望鏡深度で待機していたのである。


 ここまでは完全に事前の想定どおりであった。

 しかし、想定通りに事が運ばないのが戦場の習いである。ハンディートーキーで連絡を取っていた兵士が、緊急事態が発生したことをカートンに報告する。


「隊長、バックアップ班からの緊急連絡です。郊外の陸軍駐屯地に動きがあったと」

「……思ったよりも早かったな。戦力は?」

「カーデンロイドが5輛、後続でトラックが確認出来ただけで3台。もっと増えるでしょう」

「おそらくトラックは兵員輸送用だろう。郊外から港までは20分足らずといったところか……」


 思案するカートン。

 当初の計画では、ブラックウィドウの隊員も潜水艦で撤収することになっていた。しかし、出港間際に攻撃を仕掛けられるとまずいことになる。それに、何よりも自分も部下たちも戦い足りなかった。であるならば、取るべき手段は一つであった。


「総員、聞け! 敵が接近している。これよりプランBへ移行する」

「「「イエッサー!」」」


 プランBは出港までの時間を稼ぎ、その後は別方向に撤退する作戦案である。

 隊員たちが嬉々としているように見えるのは、気のせいではなかった。戦争狂の部下は皆戦闘狂であった。


「……本当に良いのか? 今ならまだ間に合うが」


 艦橋のハッチから身を乗り出した艦長がカートンに声をかける。


「構わない。皇帝陛下を無事にお連れしてくれ」

「……了解した。武運を祈る」


 ハッチが閉じられ、潜水艦は港外への移動を開始する。

 映画ならば、悲壮なシーンのはずなのであるが、カートンの口には笑みが浮かんでいた。暗闇で表情がよく見えなかったのは、艦長にとって幸いであった。







『ポイントA6の通過を確認。警戒されたし』

『了解した。引き続き偵察を頼む』


 ロシア軍が刻一刻と迫っているせいか、無線電話のやりとりにも緊張がにじむ。

 無線電話自体は既に実用化されていたのであるが、当時の無線電話は送受信機が登山用のバックパック並みの大きさであり、戦闘に耐えられるものではなかった。


 ブラックウィドウの兵士が装備しているハンディートーキー(SCR-536)が如何にチートであるかよくわかる事例である。本来は30年近く先の技術なので当たり前なのであるが。


 史実で画期的だったこの通信機の欠点は、通信距離の短さであった。

 欠点を解消するために、MI6はサンクトペテルブルク市内にアンテナ中継器を増設しまくった。まるで、史実日本のPHSの如しである。


 アンテナには番号が割り振られ、さらに見張りも兼ねたエージェントを配置することによって、ブラックウィドウ側は敵の動きが手に取るように分かるようになっていた。


「……来るぞっ! 対戦車戦闘用意っ!」


 ブラックウィドウが布陣する港周辺には、既に戦車の移動音と思われる騒音が響き渡っていた。隊員たちは、両手持ちのリボルバーの化け物-エクスカリバーMk2を構える。


「ファイアっ!」


 正面から突入してきたロシア軍のカーデンロイド戦車に対して、グレネードが炸裂する。着弾と同時に装甲表面で爆発が発生すると車体が大きく変形して擱座した。この分だと『中身』は悲惨なことになっていることであろう。


 発射されたグレネードはHESH(粘着榴弾)であった。

 HESHは、弾頭にプラスチック爆薬を充填して弾底に無延期信管を取り付けたものであり、ホプキンソン効果で装甲裏側を剥離飛散させて乗員を殺傷する砲弾である。


 このグレネードは、IRAのシージャック事件でテッドが召喚したものを、円卓技術陣がリバースエンジニアリングする過程で開発された。50mm程度の装甲厚にまで有効なことが既に確認されており、今回の作戦に持ち込まれていたのである。







「敵戦車群沈黙!」

「うむ、よくやった。後続は来ているか?」


 雨あられとHESHを喰らって原形を留めぬほど変形した5輛のカーデンロイド戦車。装甲が薄すぎてひしゃげてしまったので、HESHによるポプキンソン効果は意味が無かった。爆発の衝撃波と装甲の変形による圧迫でオーバーキルであることに違いは無いのであるが。


「バックアップ班より報告。兵員輸送用と思われるトラックが接近中とのことです」

「長居は無用だな。総員乗車せよ」


 カートンの命令に迅速に行動する隊員たち。

 彼らは乗ってきたカーデンロイド戦車と、牽引してきた装軌式のトレーラーに分乗する。ちなみに、このカーデンロイド戦車はロシア軍仕様に偽装されていた。当然ながら欺瞞のためである。


 第1次大戦中に戦車の活躍を目撃した国々は、戦後になってから戦車を欲した。

 しかし、TOG2は価格的にも運用的にも普通の国には手に余るシロモノであり、代わりに注目されたのがカーデンロイド戦車であった。武装をオリジナルに戻したモンキーモデルは大量に輸出されており、この世界のロシアでも史実以上に大量に導入されていた。


「後ろにつかれました!」


 いくらカーデンロイド戦車が快速といっても、路上でトラックに勝てるほどの速度は出ない。必死に逃げるのを嘲笑うようにトラックは距離を詰めていく。


「遠慮はいらんぞ。撃ちまくれっ!」


 隊員たちはトレーラーに隠していたバトルライフル(Rifle No.4 Mk 3)をぶっ放す。303ブリティッシュの猛打によって、トラックはコントロールを失って建物に突っ込んだ。


「くたばれっ!」


 荷台から小銃を持った兵士が、おぼつかない足取りで小銃を構えるが、頭を撃ち抜かれて即死する。


「ふむ、腕はなまっていなかったか」

「……お見事であります!」


 傍の隊員から銃を奪い取って、指切りバーストでヘッドショットしたのはカートンであった。本来ならば、安全のために戦車に乗るべきところを、隊員たちに同じトレーラーに乗っていたのである。


 皇帝を奪われたことを知ったためか、ロシア軍の追撃は執拗であった。

 深夜のサンクトペテルブルクのいたるところで騒音が撒き散らされ、建物が破壊されることになる。市民にとっては甚だ迷惑な話であった。






 サンクトペテルブルク市より10kmほど南に広大な土地が存在する。

 史実では、プルコヴォ空港が建設されるはずの場所が、サンクトペテルブルク飛行クラブの私有地であった。


「よぅ、遅かったじゃないか」

「意外と連中がしつこくてな」

「まぁ、無事で何よりだ。怪しまれないうちに全員乗せてくれ」

「了解した」


 真っ白に塗装された巨大な4発機の前で、カートンたちブラックウィドウの面々を出迎えたのは、飛行服を粋に着こなしたシドニー・ライリーであった。


 この日は、英国の巨人機のお披露目ということで、一大イベントとなっていた。

 軍の払い下げ品を改装し、民間機として運用しているという触れ込みで、ハンドレページ V/1500をサンクトペテルブルクに持ち込んだのである。シドニー・ライリーが地元の名士でサンクトペテルブルク飛行クラブに所属していたからこそ可能な荒業であった。


「さて、そろそろ時間だな」


 乗り組みを確認したシドニー・ライリーは、操縦席に足を運ぶ。

 ほどなくエンジンが始動。機体がタキシングを開始する。


「1番から4番エンジン異常無しです」

「水温は?」

「やや高めですが、許容範囲です」

「よし、離陸するぞ!」


 副操縦士の報告を聞いてスロットルを開くシドニー・ライリー。

 機体は最初はゆっくりと、そして徐々に加速していき、その巨体を空に浮かべたのである。


 地上のギャラリーの歓声を受けて機体は一路南西を目指す。

 最短距離で目指すのは、ベルリンのヨハニスタール飛行場であった。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


SCR-536


種別:携帯無線電話機

通信距離:地上1.5km 水上5km

チャンネル数:50

周波数:HF(3.5~6.0MHz)

送信出力:360ミリワット

構成真空管: 5本(送受信兼用)

電源:乾電池(低圧用1.5V 高圧用103.5V)

アンテナ:1.1m(伸縮式)

使用時間:約一日


史実米軍が第2次大戦に生産した無線電話機。

当時としては驚異的な小型サイズで『ハンディートーキー』と呼ばれていた。


この世界では、戦前にテッド・ハーグリーヴスが召喚したものを円卓技術陣が解析して量産化している。戦後になってから、本格的に配備が進められているが、高価なため配備はスローペースである。


※作者の個人的意見

荒野のコトブキ飛行隊でもそれらしいのが出てました。

少女がゴツい無線電話を持つギャップがたまらないというかなんというか。


ちなみに、史実の日本でも生産されています。

しかも、アメリカ公認のデッドコピー品です。多分、オリジナルよりも希少かも?



ウェルロッドMk2


種別:サプレッサー内蔵拳銃

口径:7.65mm

銃身長:95mm

使用弾薬:32ACP

装弾数:6発

全長:310mm

重量:1090g

有効射程:23m


史実の英軍特殊部隊ご用達の特殊作戦用の消音拳銃。

9mmパラベラムを使用するMk1と32ACPを使用するMk2が存在する。銃身にサプレッサーを内蔵することで、発射音が低減されており、さらに銃本体の銃口付近を凹ませることで、標的に密着させることで銃声の漏れを最小限に抑えることが出来るようになっている。


※作者の個人的意見

サイレンサー内蔵ピストルはスパイ御用達ですね。実用性はともかくとして、中国の微声拳銃や旧東側のSP-4弾とか個人的に大好きだったりします。何かに使えないか考え中だったり。



M級潜水艦


排水量:1594t(水上) 1722t(水中)

全長:90.14m

全幅:7.52m

吃水:4.8m

機関:ヴィッカーズ式12気筒ディーゼル機関2基+電動機2基2軸推進

最大出力:2500馬力(水上) 1600馬力(水中)

最大速力:16ノット(水上) 10ノット(水中:シュノーケル使用時) 9.5ノット(水中:モーター使用時)

航続距離:8ノット/2500浬(水上) 5ノット/9浬(水中:モーター使用時)

乗員:64名(+皇帝一家と従者)

兵装:76.2mm単装砲1基

   533mm艦首魚雷発射管4基

   魚雷8発


史実では第1次大戦後に建造されたモニター潜水艦。

この世界では、MI6の特殊作戦のために史実よりも早く建造された。オリジナルと比べて若干主機が強化され、シュノーケルも追加されている。


※作者の個人的意見

再び登場のM級潜水艦ですが、こちらは史実のM3仕様を改装したものです。皇帝一家と従者用のスペースを確保したら、居住性が最悪になって乗員からの評判は最悪だったりします。



エクスカリバーMk2 マルチショット・ライオットガン


種別:グレネードランチャー

口径:37/38mmスタンダード弾

使用弾薬:非致死性の催涙弾、ゴム弾、照明弾、殺傷性の炸裂弾、HESHなど

全長:780mm

重量:4235g

有効射程:使用弾薬によって異なる


史実英国のワロップ・インダストリー開発のリボルビング・グレネード・ランチャー。


ライオットの名前が意味するとおり、暴徒鎮圧などに使用される治安機関向けのグレネードランチャーである。一般的な37/38mmスタンダード弾を用いるため、特大サイズのリボルバーのような、シリンダー型の大型弾倉を備えている。撃発・発射はダブルアクション式だが、かなりトリガープルが重いので、指を二本かけて引けるようにトリガーの形が工夫されている。


弾薬は、非致死性の催涙弾、ゴム弾、照明弾から、殺傷性の炸裂弾まで数多くの種類が用意されているが、発射後は一発ずつ手で排莢・再装填しなければならない欠点もあった。


※作者の個人的意見

第25話でテッド君が己が身を犠牲にして(笑)召喚したものを円卓がリバースエンジニアリングして量産化したものです。HESHは口径の1.5倍程度の装甲厚に有効なので、50mm程度なら殺傷可能です。No.68AT擲弾より扱いやすいので、順次更新されていくことでしょう。



カーデン・ロイド戦車


全長:2.46m  

全幅:1.75m  

全高:1.22m  

重量:1.5t  

速度:40km/h

行動距離:144km

主砲:ヴィッカース重機関銃

装甲:6~9mm

エンジン:フォード社製T型4気筒ガソリンエンジン 40馬力

乗員:2名


円卓の技術陣が再現したオリジナルのカーデン・ロイド豆戦車。性能はMk6準拠。史実同様にヴィッカース重機を装備した輸出用のモンキーモデル。なお、豆戦車の呼称は英国本国のみであり、輸出モデルは普通に戦車扱いとなっている。


※作者の個人的意見

この世界では、TOG2が大活躍しちゃってますが、あんな化け物をまとまった数で運用出来る国なんぞ英国を除いたらアメリカくらいのものです。でも戦車は欲しいわけで、そうなると必然的に注目されるのがこの戦車なわけです。ここまでは史実と同じ流れなのですが、ロシアではニコライ二世が強力に配備を推し進めた結果、軍の守旧派を敵に回して革命の遠因になっていたりします。


今回の作戦では、装軌式のトレーラーをけん引しています。

完全武装の兵士たちが乗っているのを想像すると、ちょっと笑えてしまいますw

なお、描写は省きましたが皇帝一家と従者は、現地調達したトラックの荷台に乗っていました。



Rifle No.4 Mk 3


種別:バトルライフル

口径:0.303インチ(7.7mm)

銃身長:25.2インチ(640mm)

使用弾薬:.303ブリティッシュ(7.7mm×56R)

装弾数:15発

全長:44.5インチ(1130mm)

重量:4600g(弾薬除く)

発射速度:毎分700発前後

銃口初速:744m/s

有効射程:1000ヤード (約918m)


自動小銃化したリーエンフィールド小銃。

円卓が再現したRifle No.4 Mk2を、テッドが召喚したM14を参考にして自動小銃化したモデル。後のアサルトライフルに比べると重く、威力も過大であったが、塹壕越しに撃ち合いする際には、その威力と火力が重宝された。


※作者の個人的意見

この世界では世界初のバトルライフルと化していたりますが、今回のような市街戦では明らかに火力過剰です。第2次大戦までには小口径化したニューモデルを出したいところなのですが、弾薬のことを考え始めると泥沼化するし、ストレンジな外見を持つあの銃を採用したいけど、あれは射手が難聴になるという欠点があるし、本当にどうしたものか……(悩



ハンドレページ V/1500


全長:19.51m   

全幅:38.41m    

全高:7.01m     

重量:8000kg(空虚重量)

  :14000kg(最大離陸重量)    

翼面積:260.0㎡

最大速度:159km/h

実用上省限度:3350m

飛行可能時間:17時間

武装:無し

エンジン:ロールスロイス イーグル8 水冷エンジン 375馬力 × 4

乗員:8~9名

乗客:30名


第1次大戦末期にベルリン空襲に投入された4発爆撃機。

この世界では円卓技術陣の努力により大戦序盤から量産配備。

オリジナルとの相違点は、ルイス機関銃の代わりにヴィッカース重機を装備していること。


※作者の個人的意見

民間機仕様っつても武装を取っ払って、機内に椅子を置いただけだったります。

サンクトペテルブルクからドイツまでの長距離飛行をやらかしていますが、この機体に長時間座っているのは苦痛でしょうねぇ。でもまぁ、軍用機ってそんなものだしブラックウィドウの面々にはご愁傷様としか言えませんね(オイ

ニコライ2世と家族が救出されました。

これで将来的にソ連との敵対は確定ですが、テッド君は後ろの心配をしなくてすむ・・・と良いなぁ?(オイ


ロマノフ家には数々の逸話があるので、今後の展開に絡めていくつもりです。

wikiで確認しましたが、なかなかに『濃い』一家なので、キャラが暴走して勝手に絡んでくるかもしれませんw


今回の話の主役であるエイドリアン・カートン・デ・ウィアートは、史実では隻眼隻腕の軍人です。この世界では、第1次大戦で西部戦線の激戦に巻き込まれていないので左手は健在です。前線指揮官としては間違いなく有能なのですが、言動と性格がヤバいです。立場的に、今後も戦場での出番が多くなることでしょう。

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