第25話 IRA
大西洋上でタイタニック号がシージャックされたことは、船を占拠したIRA(Irish Republican Army:アイルランド共和軍)によって、世界中に発信された。
「IRAからの要求は?」
「アイルランド全土の無条件の独立です」
「アイルランドの自治が始まったばかりだというのに、何を考えているんだ?」
円卓の間で緊急招集された英国紳士たちは困惑していた。
自治が開始されたばかりのタイミングで、何故このような暴挙に出たのか、円卓のメンバーには理解出来なかったのである。
19世紀に英国へと併合されて以来、アイルランドでは英国との連合維持を主張するユニオニストと、独立を主張するナショナリストの対立が続いていた。しかし、円卓による世論工作に加えて、第1次大戦に英国が完勝したことにより、現在ではユニオリストが多数派となっていた。
史実とは違い、この世界では予定通りアイルランド自治法が施行されたため、イースター蜂起は起こらなかった。なお、アイルランド自治法の主な内容は以下の通りである。
英陸軍のアイルランド島からの撤退。
アイルランド島に、大英帝国統治下のアイルランド自由国(以下自由国)を建国。
自由国の元首は英国国王をあて、総督により代表される。
議会の議員は、自由国および英国国王ならびにその後継者に忠誠を誓う。
アイルランド北部については期限付きの租借地とする。
英国はその安全保障の一環として、自由国の幾つかの港を英国海軍統治下におく。
自由国は大英帝国の一員としての責務を負う。
この条約はアイルランドの法に超越する。
史実の英愛条約の内容を一部修正したものであり、カナダや南アフリカ連邦などと同様の扱いであった。
何処の馬の骨ともしれない国家として独立するよりも、『偉大な』大英帝国の一員であったほうが享受出来るメリットは多いため、独立運動のスポンサーたちも軒並み鞍替えした。独立運動家たちは歯噛みしたが、先立つものが無ければ何も出来なかったのである。
アイルランド自治法の受け入れを巡っては、当時の与党であったシン・フェイン党内部で激しい対立が生じたのであるが、英国の軍事的影響力に加え、ユニオリストが多数派を占める現状では法案の拒否は事実上不可能であった。
その結果、党代表のエイモン・デ・ヴァレラは辞任。
後任のアーサー・グリフィスが中心となってアイルランド自治法が議会で承認されたのであるが、この法案を不服とする関係者も多く、彼らはIRAを名乗って独自路線で独立運動を継続していたのである。
「あいつは何をやっているのだ!?」
アイルランド自由国の首都ダブリン。
『レンスター・ハウス』(アイルランド自由国議会)の一室で、アーサー・グリフィス首相は激怒していた。
「事件を起こしたのは、あの男で間違い無いのか?」
「はい。誠に残念ながら……」
彼の問いに答えたのは、国防大臣のマイケル・コリンズである。
グリフィスとは違い、元来コリンズはアイルランド自治法には反対の立場であった。しかし、現状ではこれが最適解であることを理解出来る程度には有能であった。
第1次大戦中、コリンズはアイルランド独立のためにあらゆる手段を駆使した。
しかし、その結果は全て失敗という無残なものであった。武器密輸も資金調達も、起死回生の一手であった要人暗殺部隊『12使徒』も悉くMI6に返り討ちにされてしまった。これに追い討ちをかけるように、世論はユニオリストが優勢であり、熱烈なナショナリストな彼であってもどうにもならない状況であった。
アイルランド独立後は政治家となったコリンズであるが、目に見えて憔悴していった。その姿は、史実で絶大な人気を誇ったカリスマ溢れる姿とは程遠いものであった。
(こちらの苦労もしらないで……!)
コリンズは、平和時特有の複雑な問題に対処するために連日の激務に晒されていた。それに加えて、今回の騒動である。彼のIRAに対する思いは憎悪のレベルにまで達していた。もっとも、これはコリンズだけでなくアイルランド政府関係者の総意でもあったが。
英国からの援助によって、経済は好転しつつあった。
しかし、アイルランドでは国家運営が出来る人材が著しく不足していた。そのため、独立後も政治家と官僚の苦しみが長らく続くことになるのである。
「スミス船長。この船はどうなってしまうのですか!?」
「ご安心ください。この船が沈むことはありませんよ」
「船長……わたし、不安で不安で……」
「大丈夫ですよマダム。こう見えてもわたしは世界一経験豊富な船長です。こういった事態にも慣れております」
シージャックされたタイタニック号であるが、船内各所にIRAの兵士が立っていることを除けば平穏であった。船長のエドワード・ジョン・スミスは、世界で最も経験豊かな船長の一人という名声を築き上げており、彼ならばこの事態にも対応してくれるのではないかという乗客の信頼感が無用な混乱を抑えていたのである。
「船長。お疲れのようですな」
「あなたは一等特別室の……」
「世界一の船長に顔を覚えていただけるとは光栄の至りです。よろしければ、いろいろとお話を伺いたいのですが?」
スミス船長に声をかけたのはシドニー・ライリーであった。
「それで、お話とはいったい何ですかな?」
「今回の事態を収拾するためにご協力いただきたい」
「ほぅ……」
閑散としたプロムナードデッキを歩く二人。
盗み聞きされるのを防ぐために歩きながら小声で話す。
「わたしは軍の人間です。生憎と公的な身分証は所持していませんが」
「それを信じろと?」
「そこは信じてもらうしかありませんね」
「……」
「スミス船長、あなたも分かっているはずだ。残された時間はそう多くない」
「……何をしろと?」
「とにかく情報が欲しい。兵士の配置や交渉の進捗具合。あなたなら出来るはずだ」
乗船客の不安を払拭すべく、スミスは積極的に船内各所を回っていた。
無用な混乱を避けたいIRA側も黙認していたため、彼は船内を自由に動くことが出来た。そこにシドニー・ライリーは目を付けたのである。
(いつまで続くんだ……せっかくの豪華客船の旅が……)
ニューヨークを出港して4日目。
豪華客船の優雅な旅に水を差されたテッドは、イライラと室内を歩き回っていた。彼はIRAに顔バレのリスクを避けるために部屋から出ることが出来なかった。もっとも、外に出ても銃を持った兵士があちこちにいて、とても楽しめる状態では無いのであるが。
トイレ・バス付の一等特別室なので部屋から出なくても問題無いし、食事もルームサービスを頼めば良いわけで、引き籠りが捗るのは皮肉であった。
ルームサービスで夕食を頼む時間帯であるが、今日は頼むよりも前にやってきた。配膳のワゴンを置いてそそくさと立ち去る従業員。
「マルヴィナさん、ルームサービス頼んだんですか?」
「いえ、わたしは頼んでいませんよ」
「俺が頼んだ。ちょいと訳ありでな」
シドニー・ライリーは、ワゴンの料理にかけられたディッシュカバーを取り去る。そこには、アツアツのピザが置かれていたのであるが、本命はディッシュカバーの裏側に貼り付けられた封書であった。
「んん~、この時代のピザもなかなかイケる。テリヤキピザが食べたいけど、さすがに無いものねだりだよなぁ」
「イタリアの庶民的な料理と聞いていますが、なかなか馬鹿に出来ませんね……!」
「あー、おまえら食べながらでも良いから聞いてくれ」
「「?」」
ピザにがっつく二人を横目に、封書の中身を確認していたシドニー・ライリーはニヤリと笑う。
「これよりタイタニック号奪還作戦を開始する!」
「「えぇー!?」」
お互いに噴出したピザがかからないように、飲み込んでから驚愕する。
変なところで器用で、仲睦まじいテッド・ハーグリーヴスとマルヴィナ・ハーディングであった。
「たった3人で奪還作戦とか無理だよ?!」
「同感です。気でも触れたのですか?」
「落ち着け。この封書に書かれていたが、テロリストと政府の交渉は芳しくないらしい」
「それはまぁ、テロリストの要求なんて軽々しく受け入れたらロクなことにならないし……」
「長期化したところで、特に問題があるのですか?」
3人でテロリスト鎮圧とか正気の沙汰では無い。
さすがに反対する二人であるが、構わずに続けるシドニー・ライリー。
「俺らはともかく、他の乗船客が暴発したらこの船はどうなると思う?」
「?!」
絶句するテッド。
「それにだな……」
シドニー・ライリーは、マルヴィナに耳打ちする。
彼女の訝し気な表情が、次第に喜色満面となっていく。
「なるほど、それは是が非でもテロリストを鎮圧しなければいけませんね。それも早急に!」
かくして、3人の意思は一つとなり、テロリスト鎮圧作戦がスタートしたのである。
「まったく、いつまで俺たちゃこんなところにいなきゃならないんだ?」
「ボヤくなよ。交渉が上手くいけば、俺たちは英雄だぜ」
「そうそう。凱旋帰国して周りを見返せるってもんよ……って、なんだこりゃ?」
IRA兵たちは、足元に転がってきた物体に注目する。
その瞬間、物体は破裂して粉末がまき散らされた。
「ぐわっ!?」
「目が……目がぁっ!?」
「痛い痛い痛い!?」
粉末を吸って七転八倒する兵士たち。
彼らが喰らったのは、カプサイシン系の粉末であり、猛烈な痛みで苦しむことになった。
「こいつは便利だな」
感心するのはガスマスクを着用したシドニー・ライリーである。
彼が手にしているのは、史実英国のワロップ・インダストリー製の『エクスカリバーMk2 マルチショット・ライオットガン』であった。こんなものをどうやって入手したのかは、言うまでも無い。
「おっと、感心してる場合じゃないな」
未だ七転八倒しているIRA兵たちを後ろ手にして縛り上げる。
「こいつも便利だな。簡単に縛れる」
感心する彼が使っているのは、メイド・イン・ジャパンなインシュロックである。固く結ぶ必要なく、ワンタッチで縛れるので無力化が大いに捗ることになった。
全員を縛り上げたシドニー・ライリーは無線機を取り出す。
この世界の英国は、無線技術においては世界の10年先を行っており、既に携帯無線機の試験的な配備に漕ぎつけていた。しかし、彼が手にする無線機はそれよりもはるかに小型軽量であり、防水防塵機能も完備した『アイコム IC-4300 防水トランシーバー』であった。
『機関室の制圧は完了した。そちらはどうだ?』
シドニー・ライリーが、機関室の制圧を試みているのと同時刻。
マルヴィナは、タイタニック号のデッキに陣取るIRA兵の駆除に乗り出していた。
「よぅ、ねーちゃん俺と良いことしないか?」
「……」
マルヴィナは、乗船時に着用したピンク色のワンピースドレスとピンヒールを履いていた。彼女に目を付けたIRA兵が下卑た笑みを浮かべて手を伸ばすが、バチっという音と共にIRA兵は崩れ落ちる。
「ふむ、これはなかなかに使えますね……」
彼女が手にしているのは、『TMM マグナムXバトン』である。
バトンタイプのスタンガンであり、電圧は驚異の150万ボルトを誇る。
こんなのを喰らったら、どんな大男でも一瞬で無力化である。
マルヴィナは、痙攣するIRA兵をインシュロックで完全に無力化した。
「では、お願いしますね」
「分かりました!」
彼女の声によって、どこからとなく現れたタイタニック号のクルーが、IRA兵を引きずっていく。今回の奪還作戦は、スミス船長によって事前にクルーには伝えられており、全面的なバックアップが成されていた。おかげで、マルヴィナは面倒な隠ぺい工作をすることなく、IRA兵狩りに専念出来たのである。
銃を持っているという優位さから、マルヴィナに油断したIRA兵は次々に狩られていった。
彼女が使用しているマグナムXバトンはSサイズであり、その全長は30センチ以下である。彼女の技量でスカートに隠して不意打ちされると、IRA兵は抵抗すら出来ずに無力化された。
『機関室の制圧は完了した。そちらはどうだ?』
『予定通りA,B,Cデッキ制圧完了。無力化した分はクルーに引き渡した』
『了解した。残りは内部だな』
IRAは二人によって次々と無力化されていった。
頭数は多くても通信手段が無いために、各所で分断されて殲滅された。無論、タイタニック号のクルーの全面協力があったからこそ可能な荒業であった。
アーミー(陸軍)という名前が付いていても、IRAは所詮テロリストである。
新兵に毛が生えたような連中が、この時代では太刀打ち不可能な装備に身を固めたシドニー・ライリーとマルヴィナに勝てるはずもなかったのである。
タイタニック号をシージャックしたのは、パトリック・ピアースが主導する一派であった。
ピアースは、史実では場当たり的にイースター蜂起を起こして最終的に処刑された脳筋である。この世界では、アイルランド自治法受け入れに反発してIRAとして独立運動を継続しており、『自分らが立ち上がれば後に続く者が現れる』との信念のもと、タイタニック号のシージャックを決行した。世界線を違えても彼は脳筋であった。
「えぇいっ、まだ返事は来ないのか!?」
そんな彼は、シージャック決行から電信室に陣取り、英国政府からの回答を待っていた。なかなか来ない返事にイライラしながら待つこと数日。彼は気付けなかった。いつの間にかに人がいなくなっていることに。
「すみません。パトリック・ピアースさんですか?」
電信室のドアを開けて入ってくる金髪碧眼の少年。
声変わり前のボーイソプラノが耳に心地よい。
「いかにもそうだが、君は誰かね? ここは君のような少年が来るところではない。早くパパとママの元へ帰りなさい」
「そうか……あんたが……」
目の前の『少年』に違和感を覚えるピアース。
純粋そうな少年の見た目に反して、その内側ではヤバいものが渦巻いている。ピアースはそう感じた。
「もはや問答無用っ!」
「!?」
言うが早いか少年は、ピアースの右襟と右袖を掴み、上半身は背負い投げしながら、下半身は払腰してぶん投げる。要は柔道の『山嵐』である。背が低い者が高い相手を投げる際に有利な投げ技であり、この場合には最適な投げ技であった。
一回転する勢いで背中から叩きつけられたピアースは気絶した。
電信室の床に絨毯が敷かれていなかったら、気絶だけでは済まなかったであろう。
「ビクトリィィィィィィィィィッ!」
気絶したピアースを足蹴にして、少年-テッド・ハーグリーヴスは高オクターブな雄たけびをあげたのであった。
「うわ、酷い絵面だなこれは……」
「テッドさま素敵!」
テッドが電信室の制圧に成功した直後に、シドニー・ライリーとマルヴィナがやってきた。後ろにはタイタニック号のクルーを引き連れている。気絶したピアースは、クルーによってロープで雁字搦めにされてからお持ち帰りされた。
「二人とも疲れただろう。後処理はこっちでやっとくから少し休んだらどうだ?」
「え、良いの?」
「本国に報告を入れたり、捕縛した連中の扱いとか、そういったのは俺じゃないと出来ないからな」
「ラッキー!」
「さぁ、テッドさま参りましょう……」
二人は電信室を後にする。
おそらくこの後は……。
(許せ、ぼーや。あのメイドを扱き使うには、これしか手が無かったんだ)
絶望に打ちひしがれるであろうテッドに、シドニー・ライリーは心の中で詫びつつも、本国へ通信を送るのであった。
『ふふふ……』
『止めて!? もう出ないよ!?』
『ふむ……そういえば、厨房からくすねてきたニンジンがありましたね……』
『ちょ、一体何を――ッアーッ!?』
シドニー・ライリーの予想通り、召喚スキルでショタ化してしまったテッドは、暴走したメイドによって容赦なく搾られていた。タイタニック号奪還の影には、彼の尊い犠牲があったのである。
「タイタニック号の奪還に成功したとのことです」
「やってくれたか!」
「テッド殿が乗った船がシージャックされたときは、どうしたものかと思ったが……」
「まさか事件を解決してしまうとは」
「とにかく、このことを首相と海軍大臣に伝えてくれ。あの二人が何をしでかすかわからないからな」
円卓では、タイタニック号奪還の知らせに沸き返っていた。
英国政府も円卓も、テロには妥協しないことは交渉の最低条件であったが、なんといってもテッド・ハーグリーヴスという超VIPが乗船している状況であったために難しい舵取りを迫られたのである。
IRAとの交渉において、ロイド・ジョージとチャーチルは強硬な姿勢を崩さなかった。
首相となったロイド・ジョージは、来年度のアイルランド自由国への振興予算を大幅に削ることを示唆して、アイルランド政府関係者を震え上がらせた。
海軍大臣に留任していたチャーチルは、QE型戦艦の全てを投入してタイタニック号を包囲して圧力をかけようと海軍内部で根回しの真っ最中であった。タイタニック号の奪還が少しでも遅れていれば、両国政府関係者にとって阿鼻叫喚な事態になったことは間違いない。
シージャック事件のその後であるが、たまたま乗船していた英軍の関係者とタイタニック号のクルーが協力して解決したと発表された。当然ながら、テッド、マルヴィナ、シドニー・ライリーの名前はどこにも出てこなかった。
事件の首謀者のピアースとIRAの兵士は、英国の刑務所に収監された。
アイルランド自由国が望めば、身柄を引き受けて自国での裁判も可能であったが、アイルランド側はこれを拒否。彼らは塀の中で英国の不味い飯を食い続ける運命となったのである。
以下、今回登場させた兵器のスペックです。
RMS タイタニック
排水量:46000t
全長:269.1m
全幅:28.2m
高さ:53.0m
吃水:10.5m
機関:重油専焼式スコッチ式ボイラー24基(+補助5基)+4気筒蒸気レシプロエンジン2基+蒸気タービン1基3軸推進
最大出力:52000馬力
最大速力:24ノット
乗組員:850人
旅客定員:1等旅客833人
:2等旅客614人
:3等旅客1006人
この世界におけるタイタニック号。
史実との違いは、史実の事故を憂慮した円卓の横やりによって、燃料が石炭から重油に切り替えられていることである。実際採用してみると燃費が改善され、さらに出力もアップして結果的に巡航速度も向上した。QE型戦艦の機関を流用する計画もあったが、大規模な設計変更を必要とするため、ボイラーの重油専焼化のみに留められた。
燃料の重油化により、燃料供給はボイラーに配管するだけで済むようになった。
石炭をくべる大量の火夫が不要になるので人件費が浮き、時間がかかる石炭積み込みも不要になったために、運用効率が大幅に改善された。この成功に気を良くしたホワイト・スター・ラインでは、計画中の客船全てのボイラーを重油専焼タイプに改めることになった。
円卓チートによって英国の粗鋼生産量が増大した結果、船体には設計通りのグレードの鋼材とリベットが使用された。その結果、頑丈な船体と多重のフェイルセーフが合わさって極めて安全な船となり、長らく大西洋航路で活躍することになった。
※作者の個人的意見
wikiとかを見てみると、タイタニックの構造は機関部は保守的だけどその分信頼性は高いし、フェイルセーフも当時としては充実しているわけで、史実のような劣悪な素材を使わずに設計通りの素材を用いていれば、長らく活躍出来ると思うのです。なので、この世界のタイタニックはこれからも作品に登場するかもしれませんw
エクスカリバーMk2 マルチショット・ライオットガン
種別:グレネードランチャー
口径:37/38mmスタンダード弾
使用弾薬:非致死性の催涙弾、ゴム弾、照明弾、殺傷性の炸裂弾など
全長:780mm
重量:4235g
有効射程:使用弾薬によって異なる
史実英国のワロップ・インダストリー開発のリボルビング・グレネード・ランチャー。
ライオットの名前が意味するとおり、暴徒鎮圧などに使用される治安機関向けのグレネードランチャーである。一般的な37/38mmスタンダード弾を用いるため、特大サイズのリボルバーのような、シリンダー型の大型弾倉を備えている。撃発・発射はダブルアクション式だが、かなりトリガープルが重いので、指を二本かけて引けるようにトリガーの形が工夫されている。
弾薬は、非致死性の催涙弾、ゴム弾、照明弾から、殺傷性の炸裂弾まで数多くの種類が用意されているが、発射後は一発ずつ手で排莢・再装填しなければならない欠点もあった。
※作者の個人的意見
リボルビンググレネードといったら、パイナップルアーミーのアーウェン37でしょ…って言ったら年がバレますね(汗
どちらも英国産なので、アーウェン37をシドニー・ライリーに持たせても良かったのですが、機械的信頼性とこちらの世界で早期に配備することを鑑みてこちらを採用しました。この時代に生産出来れば、対戦車戦でも役に立ちますし。
インシュロックタイ AB300
英国発祥のナイロン製結束バンドを、ヘラマンタイトン株式会社が日本の自社工場で製造したもの。つまりは、れっきとしたメイド・イン・ジャパンである。数字は長さを意味しており、この場合は300mmとなる。
今回の奪還作戦では、シドニー・ライリーとマルヴィナは、AB300を100本ずつ携行しており、IRA兵を縛り上げるのに使用している。その軽量さと簡便さからMI6では、大いに注目されて開発が早まることになった。
※作者の個人的意見
インシュロックとタイラップって知名度どちらが上なんでしょうね?
上でも書いてますが、インシュロックの発祥は英国ですが、その後日本で生産されるようになりました。おいらは純粋に日本製って思ってました(汗
TMM マグナムXバトン Sサイズ
種別:バトン型スタンガン
直径:40mm
全長:280mm
最大幅:55mm
重量:220g
21世紀の史実で市販されている世界最強クラスのスタンガン。
150万ボルトの電圧で、どんな大男でも即座に無力化可能。
本体周辺にも密かに電極が配置されており、スタンガン本体を奪い取ろうと握った瞬間に感電させることが出来るようになっている。なお、マルヴィナが所持していたのはSサイズで、太もものホルスターに隠して所持していた。
※作者の個人的意見
紹介動画見ましたが、スパーク強くて喰らったらめっさ痛そうです(白目
150万ボルトという大出力の割にサイズはとってもコンパクト。日本でこんなん所持してたら即逮捕されても文句は言えないかも。
この世界の英国の国号は、『グレートブリテン及びアイルランド連合王国』のままです。
北アイルランドについては、所属はアイルランドですが、一時的に租借という形で英国がアイルランド自由国に賃料を支払っています。北アイルランドを影響下に置きたい英国と、アイルランド全土の自治を求めるアイルランド自由国側との妥協点がこの形だったわけです。
この世界のアイルランド自由国は、租借地の賃料に加えて、期間限定ではありますが英国本国からの振興予算もあるので、国内開発が捗ることでしょう。史実と同じく農業と鉱業で食っていくことになるけど、史実よりはだいぶマシになるかと。
ご無沙汰しております。
別部署に飛ばされたり、バイク修理に時間を取られたりして小説の更新が遅れ気味です。落ち着いたら更新ペースを上げていきますので、気長にお待ちください(汗