表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/112

第110話 踊る黒い蜘蛛


「うわっ、なんじゃこりゃあ!?」


 執務室に入ってくるなり、テッドは絶句する。

 大量の郵便小包にって、デスクの上は不法占拠の真っ最中であった。


「誰が送ってきたんだよ? 迷惑過ぎるだろ……んんっ!?」


 送り主を確認したテッドは驚愕したが、慌てず騒がず転送の手筈を取る。

 1人で読むのはめんどくさい――もとい、餅は餅屋とばかりに専門家へ送り飛ばしたのであった。


「……というわけで、ドーセット公がうちに回してきた。最優先で分析してもらいたい」


 ドーセット中央情報局(DCIA)の会議室。

 局長ジョン・エドガー・フーヴァーは大量の小包――尾崎レポートの分析を命じていた。


「ただの現地レポートに見えますが……」


 中身を確認した副局長補が困惑する。

 極一部を読んだだけであるが、符丁や特殊な言い回しなどは見受けられない。普通の文書であった。


「ひょっとしたら、検閲対策なのかもしれません。今のステイツは物騒なことになっておりますからな」


 フーヴァーの腹心であるクライド・トルソンは別の観点から分析していた。

 特殊なルートを使わずに普通の郵便を使ったのであれば、あり得ることではある。


「我々DCIAは、この領内で誰よりもステイツについて詳しい集団だ。だからこそ、このレポートの違和感に気付くことが出来ると信じる」

「了解です。ただちに分析に取り掛かります!」

「頼むぞ」


 DCIAは職員を総動員して尾崎レポートの分析に取り掛かった。

 その結論は恐るべきものだったのである。


「確か君は……フーヴァーの部下だよね?」


 1943年2月上旬。

 大使館で執務をしていたテッドは珍客に目を丸くしていた。


「はい。長官から直接持って行けと命じられまして」

「直接来たってことはあのレポートはヤバイシロモノだったわけ?」


 DCIAの副局長補の目的は、尾崎レポートの解読結果の報告であった。

 内容が内容だけに、調査結果を駐日英国大使館に直接持参したのである。


「単刀直入に結論から申し上げますと、アメリカ連邦はカナダ侵攻を企図しています」

「はぁっ!?」


 椅子から転げ落ちんばかりに驚愕するテッド。

 それは、アメリカ連邦が大英帝国に戦争を仕掛けることに他ならない。


「我々はあのレポートを全て精査しました。すると違和感が浮かび上がってきたのです」

「それはいったい……?」


 尾崎レポートは、現地レポートとしては良く出来ていた。

 それこそ、出来過ぎているくらいに。


 知識を持たない人間ならば、完全に騙されるだけのクォリティが尾崎レポートにはあった。海外向けの記事ならば、これで充分に金を取れるだろう。


『この場所にそんなものは無いはず』

『この記述はおかしいぞ? 全然数が合わない』


 しかし、DCIAの職員は元FBIであった。

 実際に現地に住んでいた者も多数おり、そんな彼らが尾崎レポートを見れば違和感を感じざるを得なかったのである。


 尾崎がこんな回りくどいことをしたのは、検閲回避のためであった。

 現地の警戒は厳重なものになっており、兵士に見つかればその場でフィルムを没収されてしまう。


 そのような状況で情報を送るためには無関係な記事を(よそお)うしか無かった。

 革命軍の兵士たちは写真には異様に気を使っていたが、文字の羅列には無関心だったことも大きい。


「違和感を繋げていった結果、アメリカ連邦のカナダ侵攻の意図が浮かび上がってきたわけです」

「その割には納得いかない顔をしてるね?」


 理解はしたが納得はしてない。

 副局長補の微妙な表情は、まさにそれであった。


「それはそうです。イギリスとの全面戦争不可避じゃないですか? あまりにもリスキー過ぎます」


 事実上独立したとはいえ、カナダは大英連邦の一員である。

 戦争を仕掛けようものなら、旧宗主国である大英帝国が出てこないわけがない。


「世界革命を叫ぶ連中がそんなこと考えてるわけないじゃないか。あいつらは理性じゃなくて思想で戦争してるんだよ?」


 対するテッドは、悟ったような表情であった。

 共産主義者に理屈は通用しない。


(どっちが宗教なんだか分かったもんじゃない)


 赤い左巻きな連中の異常さは、生前に嫌と言うほど経験している。

 カール・マルクスの言葉に『宗教はアヘン』という言葉があるが、共産主義と宗教にどこに違いがあるというのかテッドには分からなかった。


「問題は国境が広すぎることです。カナダに侵攻するルートが多すぎて絞り切れませんよ……」


 カナダとアメリカ連邦の国境は9000km近い。

 国境全てに貼り付けられる戦力をカナダ軍は保持していない。もちろん、英軍も保持していない。


「いや、連中が攻めてくる場所は分かってる」

「えっ!?」


 広大な土地と資源に恵まれるカナダには爆弾が存在していた。

 副局長補が驚愕したのは言うまでも無いが、史実知識を持つテッドからすれば自明の理に過ぎない。


「連中はケベックを獲りにくる。間違いない」


 カナダの爆弾――ケベック州は歴史的な経緯でフランス系が多い場所であった。

 文化的にもフランスの影響が強く、史実でも幾度となく独立運動が繰り広げられた。


 そのような場所であるので、独立を(ほの)めかれたら呼応する可能性が高い。

 特に州内のセントローレンス川沿いは肥沃な農地となっており、水力発電も盛んで工場増設の余地も大いにある。米連からすれば、ケベック州は最優先で攻略するべき場所だったのである。


「僕はこれから政府に警告を入れる。事は重大だ。急ぐ必要がある」

「分かりました。こちらでもさらなる調査を進めます」


 急ぎ退室していく副局長補。

 その背中を眺めながら、テッドはロンドンに国際電話をかけるのであった。


『……テッド君の懸念は分かった。カナダ政府には警告を出しておこう』

「いや、これはもう警告どころの話じゃないんだってば!?」


 受話器越しに聞こえてくる英国宰相ウィンストン・チャーチルの声。

 しかし、その反応は芳しいものでは無かった。


『君の言っていることを信じないわけじゃないが、他の連中を説得するには弱すぎる』

「あー……確かにそりゃそうか」


 MI6北米支部からの報告ならば、円卓も政府も事態を重要視したに違いない。

 しかし、テッド子飼いの情報機関からの報告など一部の人間しか信じないだろう。


『だが、これでMI6を牛耳る無能を駆逐出来るだろう』

「うわ、黒いなぁ」


 現在のMI6長官であるスチュワート・メンジーズ陸軍少将は順調に失点を重ねていた。シドニー・ライリーとテッドの追い落としに執着するあまりに、肝心の仕事を失敗するとか本末転倒である。


『そうなったら、今度こそあの男を長官に据えるつもりだ。さすがにこの状況で拒否はさせんよ』

「ついに年貢の納め時か……」


 あの自由奔放男が、デスクワークをする姿をテッドは想像できなかった。

 とはいえ、機能不全に陥りかけているMI6を立て直すには適材適所な人材であることは間違いない。


『しかし、実際に事が起こるとなると亡命政府が煩いだろうな』


 テッドには、受話器越しにチャーチルの渋面が見えたような気がした。

 グリーンランドに樹立された『アメリカ合衆国亡命政府』は、チャーチルの頭痛の種だったのである。


 亡命政府の関係者は現地民と激しい軋轢を生んでいた。

 元大国のエリートだったという意識が、グリーンランドの住民を自然に見下してしまうのであろう。悪気が無いのが実に質が悪い。


 仮にカナダ侵攻が現実化しようもなら、亡命政府が何かやらかす可能性は非常に高かった。事が起きれば後手後手の対応に終始せざるを得ないのに、これ以上余計な面倒ごとを増やしたいとは誰も思わない。


「これを機会に本土奪還を叫ぶのが目に見えるようですね。ところで、亡命政府を骨抜きに出来るアイデアがあるんですけど?」

『本当かね!?』


 テッドとチャーチルの国際電話は2時間以上に及んだ。

 大英帝国がアメリカ連邦との戦争を意識したのは、まさにこの瞬間であった。


『今こそアメリカ大陸は一つになるべきだ! 我々はカナダを開放する!』


 1943年3月14日。

 アメリカ連邦総書記レフ・トロツキーの宣言は世界中を震撼させることになった。


『くそっ!? 何処にあんな戦力を隠していやがった!?』

『このままでは国境を突破されます。至急応援を!? うわぁっ!?』


 トロツキーの宣言とほぼ同時刻。

 カナダ国境守備隊は侵攻してきた米連軍による猛攻にさらされることになった。


 圧倒的な兵力と火力を前にカナダ国境守備隊は壊滅した。

 テッドの予想通り、ケベック州はアメリカ連邦の手に落ちたのである。







「新しくMI6長官になったシドニー・ライリーだ。短い間だろうが、よろしく頼む」


 不承不承、それはもう嫌々ながらといった様子で就任の挨拶をするシドニー・ライリー海軍大将。


 なお、前任者は米連の動きを察知出来なかったとして問答無用で更迭されていた。


「マスタースパイが長官になってくれるとは心強い!」

「前任者は陰湿で無能だったからなぁ」

「これで現場も一安心だな!」


 さまざまな理由はあれど、円卓のメンバーは新たなMI6長官を歓迎していた。

 それだけ前任者が酷かったというのもあるし、シドニー・ライリーの力量への期待とも言えた。


 しかし、今回の円卓会議はMI6長官の就任式ではない。

 カナダ救援という喫緊の議題が存在していたのである。


「……あらゆるチャンネルを使ってアメリカ連邦に呼びかけていますが、反応は芳しくありません」


 外務大臣のアンソニー・イーデンが苦々しい表情で報告する。

 外務省は持てるコネを総動員してアメリカ連邦との接触を図っていたが、有力な政府関係者に接触すら出来ていないという体たらくであった。


「前政権なら中立国を介した交渉も有り得たのでしょうが、今のアメリカにそういった国は皆無です」


 内戦でデイビス政権を打倒したことでアメリカ連邦は誕生した。

 史実の中華人民共和国の建国と同様のケースと言える。


 しかし、両国には決定的な違いが存在した。

 それは独立を承認した国家の有無である。


 史実の中華人民共和国は、ソ連を筆頭にした東側陣営からの承認を早期に取り付けることが出来た。最終的にアメリカも承認に至り、国際社会に認められることになった。


 アメリカ連邦を現状で承認している国家は皆無であった。

 世界から嫌われているソ連からも嫌われている現状では、残当と言えようが。


「植民地人の国に端から期待などしていなかったが、外交でどうにか出来ないことを再確認出来たことは悪いことではない。そう思いたいな……」


 ため息と共に盛大に葉巻の煙を吐き出すチャーチル。

 今回の騒動の対応に追われているせいか、その表情には疲労の色が色濃く見える。


「残された手段は軍事力の行使しかあるまい。スマートな紳士らしからぬ手段ではあるがな。マーゲソン君、英国海外派遣軍(BEF)の編成はどうなっているのかね?」

「可能な限り急がせています。最低でも2か月は欲しいところですが……」


 陸軍大臣デイヴィッド・マーゲソンは、内心でヒヤヒヤものであった。

 目の前の上司がとんでもないことを言い出さないか、気が気でなかったのである。


「2か月待っていたら、カナダ全土が連中の手に落ちてしまうぞ!? 1か月で編成してくれたまえ!」

「そんな無茶苦茶な!?」


 マーゲソンの危惧は的中してしまったが、状況が状況だけに表立った反対が出来るわけも無い。不幸な彼は、時間が惜しいとばかりに陸軍省にとんぼ返りしたのであった。


「……さて、カナダへの戦力派遣は1か月後となった。が、これでは遅い。遅すぎる。少なくとも数日中に、何らかの具体的な行動を起こす必要がある。何か意見は無いかね?」


 チャーチルは周囲を睥睨(へいげい)する。

 怒れる上司を前に閣僚たちは萎縮してしまうが、一人だけ例外が存在した。


「あー、閣下。よろしいかな?」


 それはMI6長官に就任したばかりのシドニー・ライリーであった。

 先ほどまでの不機嫌さとは打って変わって、じつに良い笑顔をしていた。


「聞かせてもらおうか」


 シドニー・ライリーの態度に、チャーチルは特大級に嫌な予感を感じ得ない。

 ロクなことにならないから止めておけと、どこからか心の声すら聞こえてくるような気がする。


 しかし、他に選択肢は存在しなかった。

 この状況では何よりも時間と決断が優先されるべきなのであるから。


「ブラックウィドウを使いましょう」

「あの円卓直轄の特殊部隊か! 確かに現状では最適解かもしれんな……!」


 チャーチルの表情が目に見えて明るくなる。

 それは暗闇の中に生じた一筋の光明であった。


 ブラックウィドウは、エイドリアン・カートン・デ・ウィアート陸軍中将率いる円卓直轄の特殊部隊である。その初陣は1917年のニコライ2世(現ロマノフ公)と家族の救出であり、以後もアブド・アルカリームの拉致や黒歴史の消去など歴史の闇に関わっていた。


「連中は空挺部隊です。即座に投入することが出来るでしょう」

「だが、距離があり過ぎる。さすがに大西洋をひとっ飛びというわけにもいかんだろう」


 チャーチルの懸念は当然のことであった。

 大西洋を挟んだ両国の距離はおよそ6000kmにもなる。フェリー状態ならともかく、空挺部隊を積んで飛ぶには遠すぎた。


「そこはグリーンランドを中継すれば問題無いでしょう。物資などもそちらに集めてしまえば良い」

「その手があったか! というか、その手しかないな。うむ! 早速実行するとしよう!」


 こういう時のチャーチルはじつに動きが早い。

 ただちに関係各所へ通達していく。


「ところで閣下。敵勢力下での作戦となるので、現地での事前工作は必要不可欠と判断します。MI6から腕利きのエージェントを派遣してもかまいませんかな?」


 シドニー・ライリーがこのような質問をするのは、曲りなりにもカナダが独立国であるからに他ならない。少し前まではそんなことを気にする必要は無かったのであるが。対等な立場を強調するための儀式みたいなものである。


「もちろんだ。存分にやりたまえ! カナダ政府にはこちらから話しておこう」


 シドニー・ライリーは、我が意を得たりとニヤリと笑う。

 首相のお墨付きをもらったので後はなんとでもなる。きちんと録音もしているから、知らぬ存ぜぬは通させはしない。


 困難な状況が想定されるので熟練のエージェントであることは必須。

 ブラックウィドウと協調するためにも、部隊司令と面識があれば望ましい。となれば、候補は一人しかいない。前線を飛び回るMI6長官が爆誕した瞬間であった。


『カナダは大英連邦の一員である。我々はいかなる代償を払おうとも、カナダを守る!』


 1943年3月17日。

 英国宰相ウィンストン・チャーチルはカナダの救援を宣言した。


 その日のうちにブラックウィドウは、グリーンランドに派遣された。

 無視される形となった現地のアメリカ合衆国亡命政府は抗議したものの、英国側は完全にスルーした。雑魚を相手にしている暇など無い。


 ちなみに、雑魚――もとい、亡命政府は機能不全に陥っていた。

 その原因は戦力を根こそぎヘッドハンティングされてしまったからに他ならない。


 アメリカ合衆国亡命政府の戦力の根幹は元合衆国海兵隊であった。

 その装備と練度は世界の軍隊の中でも屈指であり、亡命政府の発言力増大に一役買っていたのは間違いない。


 しかし、その士気はお世辞にも高いとは言えなかった。

 率直に言ってしまえば、士気は完全に崩壊していた。彼らは、革命軍に処刑される恐れを感じて亡命政府に同道したに過ぎなかったのである。


『あぁ、ラッセル閣下……』

『くそぅ、ふざけやがって……』

『あんな政権に忠誠を誓う必要があるのか……?』


 士気崩壊の直接的な原因は、ジョン・H・ラッセル・ジュニア海兵隊大将が戦死した噂であった。情報の出どころは不明であったが、状況証拠があまりにもそろい過ぎていた。


『亡命者の中に海兵隊の方いませんかー!?』

『今ならラッセル閣下とお仕事出来ますよ!』

『給料は弾むよ! 休みもたっぷりあるよ! うちはホワイト企業だからね!』


 グリーンランドの片隅で腐っていた元海兵隊員たちへの一筋の光明。

 それはウォッチガードセキュリティの人材募集(リクルート)であった。


 ちなみに、ラッセルが戦死した噂を流したのはテッドであった。

 マッチポンプも良いところであるが、ウォッチガードセキュリティは喉から手が出るほどに元海兵隊員を欲していた。


 現在のウォッチガードセキュリティは高齢化問題を抱えており、若手の補充が至上命題と化していた。師団規模で精鋭を丸抱え出来るというならば、多少ダーティな手段を用いてでも確保したいと思うのは当然であろう。


『俺は生きているぞボーイズども! おまえらも俺のところへ来いっ!』


 敬愛する上司が生きていることを知った元海兵隊員らの心境は如何ほどのものであろうか。亡命政府に対する義理も忠義も無い彼らは、全員が例外なく寝返ったのである。


 実働戦力のいない亡命政府など、ごく潰しの集団以外の何物でもない。

 事実上、ここにアメリカ合衆国の命運は尽きたのであった。







「隊長、やっぱりそれを持って行くんですか?」

「思いっきり降下の邪魔になると思うですが!?」

「そんなデカブツを背中に背負うつもりじゃないですよね!? パラシュート開きませんよ!?」


 それを見た瞬間、部下たちは声をあげていた。

 これから降下作戦に臨むとは思えない姿だったからである。


「士官たるもの、剣を持たずして戦場に赴くべきではないからな」


 隊長――ジャック・チャーチル陸軍大佐は、呆れたような部下の態度を気にも留めない。思わず部下がつっこんでしまうほどに、彼が持つ大剣(クレイモア)と身に着けた降下装備との見た目の相性は最悪であった。


『まもなく作戦予定空域! 繰り返す! 作戦予定空域! 機内減圧を開始する!』


 高回転型遠心コンプレッサ特有の鋭い高音、ジェットブラストの低音にギアの唸り。これに4()プロペラの風切り音とが混ざった音まで機内に進入してくるが、機長からの内線はそれに負けじと大音量であった。


 ジャック・チャーチル(マッドジャック)と愉快な仲間たちを乗せたアブロ ランカスターの編隊は、深夜のカナダ上空にあった。降下作戦の先遣隊として、ブラックウィドウの中でも最精鋭の第1降下大隊が派遣されていたのである。


『外気温はマイナス40度。尾部扉を開放する!』


 機長の命令で機体の最後尾にある扉が開け放たれる。

 たちまちのうちに、機内に冷たい外気が進入してくる。


『降下3分前。総員起立(スタンダップ)!』


 着席していた隊員たちが立ち上がる。

 そして次の命令を待つ。


『降下1分前! 機体後部へ移動しろ!』


 機内に吹き荒れる寒風は、降下装備越しでも肌を突き刺すほどに痛い。

 顔をしかめながら、隊員たちは機体後部を目指す。


酸素装置(ベイルアウトボトル)作動。降下10秒前! スタンバイ!』


 先頭にいる隊員が射出扉の手すりに掴まって風圧に耐える。

 その後ろにいる隊員も同様である。


『9、8、7、6……』


 なお、マッドジャックは最後尾に回されていた。

 本人としては大変に不本意であったが、あんなデカブツを持っているのが悪い。狭い扉で引っかかってしまったら目も当てられない大惨事となってしまう。


『3、2、1、ゼロ! 投下(ジャンプ)! 投下(ジャンプ)! 投下(ジャンプ) 投下(ジャンプ)!』


 その瞬間、先頭を切った隊員が鳥となった。

 後続の隊員も続いて飛び出していく。


 18機のアブロ ランカスターから飛び出す隊員たちの光景は、さぞかし見ものだったことだろう。生憎と真っ暗闇で視認することは叶わなかったのであるが……。


「……異常無しだな。それにしても早く交代が来てくれないものかね?」


 モントリオールの西約40kmにあるボーアルノワ水力発電所。

 懐中電灯を片手にする職員は、ぼやくことしきりであった。


「ぼやくな相棒。もうすぐさ……」


 そうは言うものの、彼の表情は明るくない。

 深夜でクソ寒い中での巡回業務は誰だってやりたくない。貧乏くじを引いてしまったと、彼もまた己が不運を呪っていたのである。


「動くなっ!」


 目の前の相棒が押し倒されたのは、その瞬間であった。

 何事かと反応する前に、彼もまた視界が反転してしまう。


「がはっ!?」


 背中から叩きつけられたせいで、激痛で息が出来ない。

 しかし、襲撃者はそんなことはお構いなしに声をかけてくる。


「質問に答えろ。お前らはコミュストか?」

「……!?」


 必死になって首を振る。

 声が出せないので、これしか意思を表現する手段がない。


「俺らはここの職員だよ!? あんたらは何なんだよ!?」


 幸いと言うべきか、相棒はまだ声が出せた。

 それを聞いた襲撃者たちは、拘束を緩めてくれた。


「ここにコミュストどもはやって来たか?」

「いや、ここには来ていない。本当だ! 誓って嘘じゃない!」


 目の前で武器をちらつかせられたせいか、相棒の口は滑らかであった。

 それこそ、聞かれていないことまで喋りそうな勢いである。


「……市内はどうなっている?」

「ヤンキーの軍隊がやってきて騒動になってる。独立に思ったよりも賛同が得られなくて苦労しているみたいだった」


 この世界のケベック州には、二つの勢力が存在していた。

 英国との関係維持を主張するユニオニストと独立を主張するナショナリスト。彼らは事あるごとに争い、対立してきた。


 しかし、現状ではユニオリストが圧倒的に優勢であった。

 宗主国の隆盛に比例していると言えなくも無い。


『ヤンキーどもは出ていけーっ!』

『俺らは独立なんて望んでないぞっ!?』

『押しつけがましいんだよ!』


 米連軍は都市圏の住民への慰撫(いぶ)工作に専念せざるを得ない状況に追い込まれていた。これはトロツキーだけでなく、関係者全ての誤算であった。


 さらに言うならば、米連側は事前調査が足りていなかった。

 ちょっと調べれば、カナダの電力の大半が水力発電で賄われているくらい分かりそうなものであるが。利益を度外視した思想のみで世界革命をやってしまうトロツキズムこそが諸悪の根源と言えよう。


 第1降下大隊は、ボーアルノワ水力発電所一帯を無血占領することに成功した。

 これは空挺作戦としては未曾有の大成功であったが、彼らの任務はそれだけにはとどまらなかった。


 空挺部隊の任務は、正規軍が到着するまで時間を稼ぐことに尽きる。

 最低でも1か月は占領を継続する必要があった。


 基本的に空挺部隊は軽装なので、長期間の作戦行動に適していない。

 これは最精鋭の第1降下大隊も例外では無かった。


 作戦を継続するためには、必ず補給が必要となる。

 この至上命題に対して、ブラックウィドウ側が取った手段はシンプルかつ効果的なものであった。


「よーし、こっち来い! こっち来い! キャッチだ!」

「周囲の警戒を緩めるな! 今、この瞬間こそ奴らのねらい目だぞ!」


 ボーアルノワ水力発電所に投下されるパラシュート付きのコンテナたち。

 これこそが第1降下大隊の命綱であった。


 ブラックウィドウは空軍に全面的に協力を依頼。

 アブロ ランカスターは爆弾の代わりに物資を投下しまくることになった。


 もちろん、そんなことを目の前でされた米連側は黙ってはいなかった。

 直ちに兵力を差し向けたのは言うまでも無い。しかし……。


『火力支援要請あり! 目標は下方300mの丘陵地帯!』

『了解した! 全弾持っていけ!』


 この世界のランカスターは、主翼にも兵装を搭載可能であった。

 爆弾倉に物資を満載しつつ、ロケット弾で地面を耕すお仕事に就いていたのである。


 ランカスターの存在に、米連側が手を打たなかったわけではない。

 護衛も付けない爆撃機など戦闘機にとってはカモに過ぎない。


『なんだこの火力は!? 近づけない!?』

『喰らったら一発でバラバラになったぞ!? 連中は20mmキャノンを積んでやがる!』


 しかし、相手が悪すぎた。

 史実では7.7mm(豆鉄砲)だったランカスターは、某リアルタイムストラテジー・シミュレーションの最終面の如く20mmの鬼武装であった。


 豆鉄砲なツータタタタな発砲音ではなく、ドゥドゥドゥドゥドゥと重い発砲音を響かせて撃ちまくってくる。米連側のパイロットからすれば、たまったものではなかった。


 時間が経てば経つほどに、籠城する第1降下大隊側はダムを要塞化してしまう。

 これを黙って見ているわけにはいかないが、空飛ぶ災厄をどうにかしないことには手が出せない。


 となれば、残る手段は一つしかない。

 しかし、それは史実ではファンタジーから迷いこんできたかも知れないと言われた男にとっては理想的な展開だったのである。







「「「……」」」


 セントローレンス川下流域。

 米連軍の兵士たちは、周囲を警戒しながら川沿いを進んでいた。


 時刻は午前2時。

 周囲に建物は無く、完全に闇に包まれていた。


「がっ!?」


 唐突な短い悲鳴らしき声。

 そして、何かが倒れるような大きな音。


 押し殺した声が周囲に広がるが、すぐに静かになる。

 そして静かに動き出す。


(なかなかに手練れだな。だからこそ狩り甲斐もある)


 ボーアルノワ発電所の監視塔。

 周囲を一望出来る場所には、マッドジャックが陣取っていた。


(さて、次はどいつにするか)


 ロングボウに矢をつがえ、弓を引き、そして放つ。

 ひゅうっと飛んでいった弓矢は、またしても兵士を屠った。


 マッドジャックがロングボウを放つ度に、遠くから悲鳴が上がる。

 指呼の距離に近づくまでに彼は20本以上の矢を消費していた。


「いったいどうなっているんだ!?」


 悲鳴をあげる米連軍の小隊長。

 気が付けば小隊の半数以上が脱落していた。


 途中まで作戦は上手くいっていた。

 このままいけば不意をつける。そうすれば、英雄になれるはずであった。


 しかし、現実はどこまでも非情であった。

 よりにもよって、マッドジャックに見つかってしまったのであるから。


 史実の第2次大戦で弓矢によるスコアを記録した唯一の男がマッドジャック――ジャック・チャーチルである。この記録は未だに破られていないというか、破ろうとする者は今後出て来ないだろう。


「なんだこの音は!? 近いぞ!?」

「ふざけやがって!?」


 他にも敵前でバグパイプを演奏して敵を混乱させたり……。


「ひぃっ、く、首がっ……!?」

「来るなっ!? 来るなぁ!?」


 クレイモアで近接戦闘を敢行したり……。


「剣を落としたぞっ!? チャンスだぐわぁっ!?」

「なんで素手なのに、こんなに強いんだよ!?」

「馬鹿!? 撃つな! この暗闇で発砲したら同士討ちにぐはぁっ!?」


 戦闘中にクレイモアを紛失した際には、徒手空拳で敵兵を圧倒していた。

 史実における空の魔王と同レベルで、この男もリアルチートの類と断言出来よう。


「急がないと隊長が美味しいところを全部持っていってしまうぞ!?」

「でも、この距離だと隊長を誤射してしまうのでは?」

「隊長が俺らの弾に当たるわけないだろ!?」

「それもそうか!」


 いくら深夜であっても、これだけ騒げば馬鹿でも気付く。

 発電所の方角からは容赦のない火線が浴びせられる。


「奴ら同士討ちが怖くないのか!?」

「どいつもこいつも狂ってやがる!」


 リアルチートの戦闘狂の部下もまた戦闘狂と言える。

 その戦闘ぶりは味方への誤射など知ったことかと言わんばかりであった。


「くそっ、てっ……」


 『撤退』という言葉を、小隊長は最後まで言う事が出来なかった。

 クレイモアを再び手にしたマッドジャックによって、首を刎ねられたからである。


「来るなっ!? 来るなぁ!?」


 絶叫しながら、フェドロフ M1938(アサルトライフル)をめくら撃ちする兵士。その表情は恐怖に凝り固まっていた。


 兵士は、マッドジャックが小隊長の首を()ねる瞬間を目撃してしまった。

 自分もああなるのかと思ってしまった瞬間、その身からはアンモニア臭が漂ってくる。


「生き残りたいなら余計な声を出さんことだ。それと臭いもな」


 幸いなことに、兵士が恐怖することは未来永劫無くなった。

 彼もまた小隊長の後追いをしたからである。


「うへぇ、なかなかにヘビーな光景だな」

「なかなかお目にかかれない惨状なのは確かだな」

「死体は見慣れているが、これはちょっとなぁ……」


 川沿いに転がる多数の死体。

 一夜明けた後の現場は凄惨なものであった。


「そもそも隊長が頑張り過ぎたのが悪いんだ。俺らは悪くない」

「それはそうかもしれんが。俺らも人のこと言えなくないか?」

「俺らは普通に戦争しただけだろ」


 そのいくつもが首無し死体であった。

 誰の仕業であるかは言うまでも無い。


「穴掘れたぞ! 放り込んでくれ」

「埋めるぞーって、もう何人目だよ? いい加減疲れたぜ……」

「しょうがないだろ。目の前で腐乱死体が大量発生したら精神衛生上よろしくないぜ?」

「夏場ならともかく、今の時期なら普通に凍るだろ!?」


 敵前にもかかわらず、ブラックウィドウの兵士たちは戦死者を埋葬していた。

 衛生上よろしくないと言うのが表向きの理由だったのであるが……。


「おまえら、さっさと埋葬しちまえ。このまま放置したらゾンビになりかねんぞ?」

「そんなまさか……」

「いや、隊長は現代人じゃなくて中世ファンタジーから迷い込んで来たお人だろ? ひょっとすると、ひょっとするかもしれんぞ?」

「おい、止めてくれ。怖くなってきた……」


 埋葬しないとゾンビ化するのではないかと部隊内で半ば以上信じられていたことのほうが理由としては大きかった。なにせ、隊長が隊長である。


「「「……」」」


 呑気(?)に敵前で埋葬しているブラックウィドウの面々を、米連軍側は見守るしか出来なかった。味方を丁重に埋葬してくれるのに手を出そうものなら、味方の士気に影響が出かねない。


 さらには、上空にはガンシップよろしくランカスターが貼りついていた。

 主翼にはロケット弾が満載されており、ちょっとでも変な動きをしようものなら地面ごと耕されるのは分かり切っていた。


『あの悪魔を叩き落す機体を作れ! それも早急にだっ!』


 トロツキーの厳命で、対大型機用攻撃機の開発が促進されたのは言うまでも無い。しかし、そう簡単に開発出来れば苦労はしない。仮に開発出来たとしても、実戦化にはさらに時間がかかる。


『奴らを誘引することには成功したが、現状は手詰まりだな。ここで侵攻を食い止めることがせいぜいで、ヤンキーどもを叩き出すのは不可能だ』


 ブラックウィドウ側も手詰まりであった。

 当初の目的こそ達成したものの、それ以上の計画の進展は望めぬものと化していた。


 そもそも、米連側は師団規模なのにブラックウィドウは大隊レベルでしかない。

 地の利と制空権があったとしても、凌ぐのが精いっぱいであった。


 発電所を破壊すると脅して撤退させる作戦プランもあったが、実行することは事実上不可能であった。現地住民を確実に敵に回すことになるし、カナダ救援という大義名分が有名無実化してしまう。


 米連側としても、発電所を壊したくないから攻撃を手控えているのである。

 破壊しても良いのなら、それこそなりふり構わず人海戦術で攻めてくるだろう。逆に考えれば、大隊規模で数個師団を誘引しているとも言えるのであるが。


 双方の勢力は、セントローレンス川を挟んで対峙することになった。

 しかし、それは戦争が膠着化することを意味していなかったのである。







『諸君、わたしは戦争が好きだ』


 グリーンランド南端部に位置するナルサルスアーク飛行場。

 ブラックウィドウ本隊の出撃にあたって、総司令エイドリアン・カートン・デ・ウィアート陸軍中将の訓示の第一声がこれであった。


『諸君、わたしは戦争が大好きだ』


 内容はとんでもないが、居並ぶ精兵たちは黙って聞いていた。

 カートンには、それが許される不思議な魅力があった。


『この地上で行わる、ありとあらゆる戦争。それこそがわたしの居場所であり、君たちの居場所でもある』


 演説の内容は過激であったが、その所作はあくまでも優雅。

 その様子は王の演説に聞き入る騎士たちの如し。流石はベルギー王の私生児と噂されるだけのことはある。


 史実とは異なり、この世界のナルサルスアーク飛行場は合衆国亡命政府の連絡用として整備されていた。テッドの暗躍で無力化したのを幸いに、ブラックウィドウの専用飛行場に転用されたのである。


 しかし、所詮は田舎空港レベル。

 師団クラスの兵力を維持するには何もかもが不足していた。


 効率を考えれば船便であるが、悠長に到着を待つ時間など存在しない。

 ならば、どうするか?


『ナルサルスアークコントロール! こちらC21。着陸誘導を頼む』

『ラジャー! 第3滑走路へ着陸されたし』

『C101離陸するぞ。コントロール、誘導してくれ』

『1番滑走路がまもなく空きますので待機してください』


 答えは『史実のベルリン大空輸を再現する』である。

 現在のナルサルスアーク飛行場は、山手線の3分間隔運転のような離発着が完全に常習化していた。


 管制官が過労死するレベルの離発着を延々とやっていれば、事故が起きないわけがない。史実のベルリン大空輸では101人もの人間が亡くなっている。ナルサルスアーク飛行場でも同様に事故が起こらないと、むしろおかしい。


『メイデイ! メイデイ! こちらC72。エンジントラブルが発生した』

『こちらナルサルスアークコントロール。飛行場まで持ちそうか?』

『無理だ。海に落とすから拾いに来てくれ』

『ラジャー!』


 しかし、ベルリン・テンペルホーフ国際空港とナルサルスアーク飛行場には決定的な違いがあった。それは周囲の地形である。


 市街地のど真ん中にあるテンペルホーフ空港と違い、ナルサルスアーク飛行場はフィヨルドに隣接していた。離着陸に失敗した場合に海面に不時着が出来る分、安全性は高いと言えた。


『寒い! 早く迎えに来てくれぇぇぇ!?』

『このままだと凍死してしまうぞ!?』

『機体が沈む前に来てくれぇぇぇぇ!?』


 それでも3月のグリーンランドは寒い。

 機体が沈む前に救助されたのは運が良いと言えた。


『発見した! これより救助に入る!』

『梯子を下せーっ!』

『キャッチした! 引き揚げるぞ!』


 数日後に配備された救難用のオートジャイロによって、救助までの時間は大幅に短縮された。その威力は絶大であり、機体が水没するまでにクルーは救助される目算が立ったのである。


『荷物にグリスがあっただろ? ありったけ持ってこい!』

『そんなん何に使うんですか!?』

『全身に塗りたくるんだよ。おぅ、早くしな!』


 それでも、不運なクルーは寒中水泳を強いられた。

 大概は問題無く救助されたのであるが、ごく少数であるが心臓麻痺でポックリ逝ってしまうケースもあった。


『お、浮いてきたぞ! 臨時報酬ゲットだぜ!』

『まったくもってボロい商売だぜ!』

『チャーチル給与さまさまだぜ!』


 なお、機体が不時着した際には現地民がどこからとなく押し寄せた。

 彼らのお目当ては機体の積荷であった。


 水深1000mを超えることが珍しくないグリーンランドのフィヨルドでは、沈没した機体が水圧で圧壊することが多かった。機体が圧壊したことで、積み込んでいた荷物が海面に浮かび上がってくる。


 現地民は浮遊物を珍重していた。

 彼らからすれば美味しい臨時収入に他ならない。


『イギリス人は美味しいもの食ってやがるな!』

『マーマイト? 美味いのかこれ?』

『年代物のスコッチがあったぞ!? 飲みたいが転売すれば高値で……嗚呼、いったいどうすれば!?』


 特に人気なのは食糧であった。

 自分たちで食べるも良し。高値で転売するも良し。


『なんだこれ? 部品じゃないか!? 大外れだ!?』

『ベアリングなんぞ、こんな僻地じゃ使わねーよ……』


 反対に人気が無いのは機械部品であった。

 高値で売れることは分かっていても、引き取ってくれる者がいなければどうしようもない。


 史実のベルリン大空輸に比べれば、ブラックウィドウへの補給作戦は事故率は低かった。しかし、分母が大きくなれば分子もそれなりに増えてしまう。


 事故が増えれば、現地民が群がる。

 挙句の果てには、不時着はチャーチル給与と呼ばれるに至ってしまった。これには当のチャーチルの苦笑いしたと言う。


『……諸君、わたしは戦争を、それも大戦争を望んでいる。君たちは何を望む?』


 カートンは、隊員たちに静かに問いかける。

 四方八方から声があがり、やがて……。


『『『war(ウォア)! war(ウォア)! war(ウォア)!』』』


 war(戦争)の大合唱となった。

 その反応にカートンは満足気な笑みを浮かべる。


『よろしい、ならば戦争だ。しかし、歴史の裏で燻っていた我らとしては普通の戦争では物足りぬ』

『我らが求めるのは大戦争だ! ただひたすらに敵を求め、屠る。それこそがブラックウィドウの存在意義である!』


 隻眼が不気味に輝く。

 まるで人ではない超常的な存在がカートンを乗っ取ったかのようであった。


『現時刻をもって、オペレーションメテオを開始する。総員、為すべきことを果たせ。以上だ』


 兵士たちが一斉に敬礼する。

 それに対して、カートンも見事な敬礼を返したのである。


『よぅし! 電源をぶちこめぇ!』

『1番エンジン始動確認。2番エンジンスタート!』

『滑走路クリア。先頭の機体から順次、発進してください!』


 全力出撃となったことで、関係者たちは多忙を極めた。

 ナルサルスアーク飛行場には燃え尽きた管制官と地上クルーが残されたのであった。







『3、2、1、ゼロ! ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!』


 深夜のモントリオール上空。

 ブラックウィドウ第2、第3降下大隊の隊員は、続々と飛び出していた。


「て、敵襲!? ぐわぁっ!?」


 歩哨をしていた米連軍の兵士は、上空からの銃撃に打ち倒された。

 不安定な空中からの射撃なのに、吸い込まれるように命中していく。


(お、始まったな)


 その様子を陰で見ていたのは、海軍大将にしてMI6長官であるシドニー・ライリーであった。闇夜にもかかわらず、ブラックウィドウの隊員たちは正確に落下してくる。


 ちなみに、ホテルの屋上では巨大なかがり火が炊かれていた。

 闇夜の中ではこれは目立つ。目立ち過ぎる。もちろん、シドニー・ライリーの仕業である。


「貴様っ!? なにもっ」


 『何者』と最後まで言う事は出来なかった。

 哀れな兵士は、シドニー・ライリーの抜く手も見せぬ早撃ちで射殺された。


「それ、ポチっとな」


 リモコンのスイッチを押した途端に聞こえてくる爆発音。

 建物内に仕掛けた爆弾が炸裂したのであろう。


 マスタースパイの名は伊達では無い。

 もはや、完全にやりたい放題であった。


 地面が迫ると隊員たちは次々とパラシュートを切り離した。

 見事な五点設置で衝撃を殺して着地。そのまま闇に紛れる。


「「「……」」」


 闇に同化した黒づくめの集団が、音もたてずに進撃する。

 その様子はまさに黒蜘蛛であった。


『くそっ!? こんなの相手に出来るか!?』

『畜生!? 味方はどこだ!?』

『なんであの距離から当てられるんだよ!?』


 耳を澄ませば、聞こえてくるのは敵方の悲鳴ばかりである。

 ブラックウィドウは、米連軍をほとんど一方的に蹂躙していったのである。


「よぅ。お出ましかい?」


 米連軍総司令部入り口付近。

 元はホテルのロビーだった場所で、シドニー・ライリーはとある人物を待ち受けていた。


「お久しぶりですな。MI6長官殿とお呼びしたほうが良いかな?」


 敵兵の血と死体で舗装されたカーペットを悠々と歩んでくる隻眼の男。

 ブラックウィドウ総司令エイドリアン・カートン・デ・ウィアート陸軍中将その人であった。


「止めてくれ。その呼び方は鳥肌が立っちまう」


 シドニー・ライリーは渋い表情となる。

 誰よりも自由を愛する男は、誰よりも肩書を嫌う男でもあった。


「……米連の連中が引き下がったのは、一時的なものに過ぎん。態勢を整えたら、またやってくるだろう」

「下手に死守を命じてくる指揮官よりもやっかいですな。防衛線の構築を急ぐ必要がある」


 元司令部だった部屋で紅茶を啜りつつ、カートンは現状をぼやく。

 傍から見れば少ない犠牲で敵司令部を確保するという大金星であったが、その実態はだいぶ異なるものであった。


「せめてもの救いは、ここの住民たちが共産主義に身売りするつもりが皆無ということだな」


 そう言いつつ、シドニー・ライリーはコーヒーを啜る。

 こちらも表情は芳しくない。


 米連軍が簡単に撤退したのは、現地住民の慰撫工作に失敗したことが大きかった。住民の協力が得られないと占領統治は難しい。後ろから撃たれかねない状況では、下手に守るよりも撤退したほうがマシと言える。


 そう考えれば、米連軍の動きは極めて理に適っていた。

 ブラックウィドウが仕掛けてきた短時間に、ロクな情報も無い状態でそれだけの判断をやってのける。相当に有能なのは確定的に明らかであった。


「しかし、こうなると連中がどこに仕掛けてくるか分からなくなったな……」


 ケベック州はカナダのウィークポイントであるから分かりやすい。

 しかし、それ以外の場所となるとシドニー・ライリーには何処を攻撃するのか皆目見当もつかなかった。


「我らは水力発電所と、この場所に貼りつくのが精一杯ですよ。別の場所まで守れと言われても困りますな」

「だよなぁ……」


 水力発電所も、モントリオールの元米連軍総司令部も重要拠点である。

 ここからブラックウィドウを動かすのは、よほどのことがないと無理であろう。


「本国はなんと言ってるんです?」

「正規軍が到着するまで1か月かかるそうだ」

「つまり、1か月はここで籠城する必要があるわけですな。幸い、空輸による補給の目途は立っているのでなんとでもなるでしょう」


 制空権は完全にこちら側で補給は保証されている。

 この状況で負けることなどあり得ないと、カートンは信じ切っていた。


「閣下。お預かりした戦力をいたずらに消耗してしまいました……」

「そんなことはない。よくぞ生きて帰ってきてくれた!」


 奇しくも同時刻。

 バーモント州プラッツバーグ・キャンプに引き揚げて来た米連軍の指揮官を、軍事最高責任者ミハイル・ニコラエヴィチ・トハチェフスキー陸軍元帥が直々に出迎えていた。


「疲れているところを悪いが、戦った感想を聞きたい。連中はどうだった?」

「恐ろしく訓練されています。悔しいですが、装備も練度も別次元です」


 米連軍の指揮官は、トハチェフスキーの子飼いの部下であった。

 一方的に負けてもただでは転ばず、しっかりと情報を持ち帰っていたのである。


「3倍の戦力をぶつけても無理かね?」

「正直、5倍の戦力は欲しいです。それだけやっても辛勝が関の山でしょう」

「ふむ……」


 部下の率直な感想に、トハチェフスキーは考え込む仕草をする。

 なるべく犠牲を出さない戦い方を模索しているのであろう。


「……兵糧攻めはどうかね?」

「同志トハチェフスキー、それは悪手です。我々は連中の爆撃機に散々に痛めつけられました」


 古来より兵糧攻めの有効性は伝えられてきた。

 無駄な犠牲を減らせるという意味では、最も適した戦法と言えなくもない。


 しかし、兵糧攻めは敵の補給を遮断することが前提となる。

 それが出来なければ、最悪千日手になりかねない。


「爆撃機の本拠地は分かるかね?」

「距離と方角から見てグリーンランド南端であることは間違いありません」

「なるほど……」


 トハチェフスキーは考え込む仕草をするが、既に脳内で結論は出ていた。

 今こそ、あの作戦プランを実現するべきであろう。


「同志トロツキーに作戦の裁可をもらう必要がある。君も同道したまえ」

「了解しました。同志トハチェフスキー」


 英軍と同様に米連軍にとっても時間は貴重であった。

 トハチェフスキーと子飼いの部下は、特別急行に乗ってホワイトハウスまで急いだのである。







「今日の便はこれで終わりか?」

「はい。今出発したのが最終便になります」

「やーれやれ、やっと終わったなぁ」


 1943年4月1日。

 ナルサルスアーク飛行場のコントロールタワーでは、管制官たちが一息ついたところであった。


「これからちょっくら酒場に繰り出さないか?」

「あまり飲み過ぎないでくださいよ? 明日も早いんですから」

「冗談抜きで早いからな。朝3時起きとか勘弁して欲しいだろ……」


 現地時間は19時過ぎであったが、周囲はようやく暗くなり始めていた。

 これが5月下旬にもなれば、日が沈まない白夜となる。


「ちっ、しょうがねーな。軽く済ませておくか」

「ウォッカは軽くないですよ先輩?」

「分かった、分かった。カクテルくらいにしとくよ……」


 いつもの日常。

 今日も問題無く終わり、明日が始まるはずであった。


 しかし、彼らは知らなかった。

 破滅の時は目前に迫っていたのである。


「……司令。まもなく視認距離に入ります」

「腹黒紳士たちに気取られてはいないな?」


 戦艦『アイダホ』の艦橋(ブリッジ)

 夕暮れの逆光で、話しかけてくる艦隊参謀の表情は読み取りづらい。


「大丈夫です。発見されていたら、なんらかの動きがないとおかしい距離ですからね」

「それもそうか」


 安堵の表情を浮かべる艦隊司令。

 その表情は艦隊参謀からは丸わかりであった。


「射程に入り次第、各艦の判断で砲撃開始! 腹黒紳士の寝床を更地にしてしまえ!」

「「「アイアイサー!」」」


 長駆5000km。

 大西洋を大胆に迂回して英軍の哨戒網を潜り抜けたサウスダコタ級戦艦10隻は砲撃を開始した。


 16インチ砲120門の砲撃に耐えられるモノなど、この世界には存在しない。

 炎上を目印に日没後も継続された砲撃によって、ナルサルスアーク飛行場は地上から消滅したのであった。


 この世界のトハチェフスキーは、戦艦を機動砲台として運用することを考えていた。持論である縦深戦術理論を補強するためにはフリーハンドの火力が必要であり、その役目には戦艦が最適であった。


 グレート・レッド・フリートの航海の際に、大西洋におけるロイヤルネイビーの哨戒網の薄い場所は調査済み。この降って湧いたチャンスを逃すまいと、手持ちの戦艦を全部突っ込んだのである。


「……参ったな。植民地人が、あんなに上手く戦艦を使えるとは想定外だった」


 接収したモントリオールのホテルの一室。

 報告を受けたカートンは頭を抱えたい気分であった。


 ブラックウィドウにとって、ナルサルスアーク飛行場は文字通りの命綱。

 それが消滅したらどうなるかなんて言うまでも無い。


「飛行場も物資も全部灰になっちまった。周囲はクレーターだらけだったし、もう別の場所に新しく作ったほうが早いぜ」


 報告するシドニー・ライリーの表情も険しい。

 直接視察してきたが、現地の状況は地獄という言葉でも生温い状況であった。


「草木を()み、泥水を啜るのも戦争の醍醐味ではあるが。好き好んでやろうとは思わんな」


 カートンの発言は、必要ならやるという意味にも取れなくもない。

 実際、その時が来たら躊躇なく実行するつもりではいたが。


「BEFを乗せた船団は既に出航している。1週間もすればハドソン湾に上陸するだろう。今のうちに撤退するのはどうだ?」


 チャーチルの厳命と陸軍大臣の死に物狂いの手配によって、本命のBEFを乗せた船団がカナダを目指していた。BEFが到着するまでの時間稼ぎがブラックウィドウの任務なのであるから、ここで撤退しても問題無いはずである。


「被害も受けていないのに撤退出来るわけないだろう。我々はまだまだ戦える」


 しかし、度を越えた戦争狂であるカートンは撤退するつもりは無かった。

 これまで一方的に米連軍を撃破し続けていたが、まだまだ食い足りない。まだ腹八分にすらなっていない。


「それに現状で撤退すれば、逃げ帰ったと風評が立ちかねん。いや、プロパガンダ大好きなコミュストならやりかねんだろうな」


 カートンの危惧も一応の理があった。

 世界革命を叫んで一方的にカナダに侵攻しておいて、逆にボコボコにされましたなどと言えるわけがない。失態を糊塗(こと)するべく、米連側はプロパガンダ映画を大量に制作していた。


 ちなみに、米連でプロパガンダ映画の製作を一手に引き受けているのがカポネ・ピクチャーズであった。何をどう取り入ったのか、現在はトロツキーのお気に入りとして周囲へ影響力を及ぼし始めていた。


「……ならば、予定通りBEFのモントリオール進駐に合わせての交代で問題ないな?」

「問題無い。それまでは何が何でも持たせてみせよう」


 カートンの言葉に嘘偽りは無かった。

 この後、(かさ)()かって侵攻してきた米連軍を悉く返り討ちにしたのであるから。


『ハッチ開け! 上陸するぞ!』

『GO! GO! GO!』

『MOVE! MOVE!』


 1943年4月某日。

 ハドソン湾にBEFを乗せた船団が進入。オンタリオ州に上陸を果たした。


 派遣されたBEFは2個師団であった。

 1個師団を後詰に残し、残る1個師団がモントリオールへ進駐することになった。


『大見えを切ったが、今回は不完全燃焼だったな』

『まぁまぁ。次がありますぜ』

『お前は良いよなぁ。クレイモアでばっさばっさぶった切って、ロングボウも撃ちまくれたのだから。はぁ、つまらん。わたしも銃が撃ちたかった』


 BEFのモントリオール進駐を見届けたブラックウィドウは、ニューファンドランド・ラブラドール州へ撤退した。ここに新たな基地を建設し、部隊の再編と補充を行うことになる。


『こんなデカブツ塹壕に隠しきれないだろ!?』

『多少頭が出ていても問題無いんだとよ。それくらいの重装甲らしい』

『そんなもんかねぇ……』


 モントリオールに進駐したBEFは、セント・ローレンス川沿いに塹壕を建築することに専念することになった。大量の建機が投入されて、みるみるうちに塹壕が生やされていくのはちょっとした恐怖であった。


『今の戦力で侵攻しても返り討ちに遭うだけだ』

『特に航空戦力の劣勢はどうにもならん』

『連中の大型機を駆逐出来る機体を早急に開発せねばなるまい』


 米連側としては座視しているわけにはいかなかったが、攻撃は実施されることはなかった。理不尽なまでのブラックウィドウの強さに尻込みしてしまったのである。


 1943年4月を最後にカナダから砲声は消えることになった。

 しかし、それは次の戦争の前準備に過ぎなかったのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


アヴロ ランカスター


全長:21.18m   

全幅:31.09m      

全高:5.97m     

重量:16783kg(空虚重量)

  :28576kg(全備重量)    

翼面積:120.0㎡

最大速度:490km/h(最大) 

実用上昇限度:9000m

航続距離:4650km(最小爆弾搭載時)

飛行可能時間:10時間

武装:イスパノ MK.5 20mm機関砲×8(機首・連装1基、背部・連装1基、尾部・4連装1基)

  :爆弾最大15t(機内爆弾庫+主翼兵装架) RP-3ロケット弾30発(主翼兵装架) 

  :完全武装の兵士1個分隊(空挺用) 

  :グランドスラム(10t)

  :セントジョージ(15t)

エンジン:ロールス・ロイス ダート RDa.10/1 軸出力2750馬力+排気推力350kgf×4

乗員:7名(パイロット・航法士・機関士・爆撃手・無線士兼機首銃手・背部銃手・尾部銃手)


この世界におけるアブロ ランカスター。

オーバーテクノロジー(OT)の採用によって、見た目以上に性能が別物と化している。


オリジナルの倍以上のエンジン出力を手に入れたことにより、有り余るペイロードを手に入れることになった。


その恩恵は武装にも反映されている。

ただし、機体形状が災いしてか最高速度はあまり向上していない。


一部の機体は史実と同様に超大型爆弾グランドスラムの運用が可能になるよう改造された。この世界では、さらに大型の超々大型爆弾セントジョージの運用も可能になっている。


空挺用に改造されたタイプは、尾部銃座が撤去されて降下用の扉が新設されている。機内が与圧キャビン化されたことで爆弾の投下は出来なくなったが、主翼兵装架に武装を搭載することは可能である。そのためか、空挺向けランカスターはガンシップ的な運用をされることが多かった。



※作者の個人的意見

他の爆撃機を魔改造しても良かったのですが、やっぱりランカスターは外せません。早くグランドスラムを投下するところ描写したいですねぇ(´∀`*)ウフフ






ブルースター F2A(F2A-1)


全長:7.92m   

全幅:10.67m    

全高:3.56m     

重量:1717kg    

翼面積:19.4㎡

最大速度:485km/h 

実用上昇限度:9296m

航続距離:2486km 

武装:ブローニング AN/M2 12.7mm機関銃×3(機首1 翼内2)

エンジン:ライト サイクロン 空冷星型9気筒 950馬力

乗員:1名


1943年時における米連陸軍の主力戦闘機。

見た目も中身と史実のオリジナルと大差ない。


ブラックウィドウ所属のアブロ ランカスター(空挺仕様)にちょっかいを出して返り討ちにされている。



※作者の個人的意見

この世界だとグラマンとチャンスボートが下手をやらかして、見た目も性能も別物なF2A-4仕様が実戦化されるかも?






サウスダコタ


排水量:43200t(常備) 

全長:208m 

全幅:32m

吃水:10.1m

機関:蒸気ターボ電気推進4軸推進

最大出力:60000馬力

最大速力:23ノット

航続距離:12ノット/7000浬 

乗員:1120名

兵装:50口径41cm3連装砲4基

   53口径15.2cm単装砲16基

   50口径7.62cm対空砲8基  

   53cm水中魚雷発射管単装2基

装甲:水線345mm

   甲板64~89mm

   主砲塔457mm(前盾) 127mm(天蓋)

   司令塔406mm


アメリカ海軍が建造したサウスダコタ級戦艦の1番艦。

同型艦は『インディアナ』『モンタナ』『ノースカロライナ』『アイオワ』『マサチューセッツ』『イリノイ』『ロードアイランド』『ネバダ』『アイダホ』


ヴィンソン計画によって追加で建造されたサウスダコタ級戦艦。

これまでの運用実績により、7番艦『イリノイ』以降は小改良が施されているためサウスダコタ改級と呼称されることもある。


1943年4月1日のナルサルスアーク飛行場砲撃作戦においては、サウスダコタ級10隻が投入された。3時間に渡る砲撃によって、3000発以上の16インチ砲弾を叩きこまれたナルサルスアーク飛行場は文字通り地上から消滅している。



※作者の個人的意見

今回の作戦でトハチェフスキーが味を占めてしまったので、米連では戦艦が活用されまくることになるでしょう。機動砲台としての活用ならば、速力と砲力を優先して防御スカスカなんて戦艦を作りかねませんねw


今年最後の更新になりました。

来年も拙作をよろしくお願い致しますm(__)m


>スチュワート・メンジーズ陸軍少将

史実だと無能ってわけじゃないけど、ケンブリッジ5絡みの失点がデカすぎんだよなぁ。


>「これで現場も一安心だな!」

ワンピじゃあるまいし、現場に海軍大将が出張るとか悪夢でしかないわけで。

MI6長官になれば、現場には出れないので安心安全なはず。多分、きっと、めいびー。


>エイドリアン・カートン・デ・ウィアート陸軍中将

英国ではジャック・チャーチルと並ぶ傑物との評価です。

つまりは、ご同類というわけでいろいろヤバイ人だったり(白目


>アブド・アルカリームの拉致

自援SS『変態スペイン国内事情―第2次共和制編―』参照。


>黒歴史の消去

本編第93話『黒歴史』参照。


>きちんと録音もしているから、知らぬ存ぜぬは通させはしない。

自援SS『変態日本御遊戯事情―カラオケ編―』参照。

この世界では既にウォークマンサイズの録音再生機器が実用化されてたりします。


>高回転型遠心コンプレッサ特有の鋭い高音、ジェットブラストの低音にギアの唸り…

いわゆるダートサウンドですね。

おいらは大好きだったんですが、もう聞けないんですよね…(´・ω・`)


>機内減圧を開始する!

ここらへんのやり取りはMGS3のを参考にしています。


>機長の命令で機体の最後尾にある扉が開け放たれる。

オリジナルのランカスターだと尾部銃座がある位置です。

銃座を取っ払って小型なドアを設置しています。


>某リアルタイムストラテジー・シミュレーション

難しすぎて離陸すら出来る気がしません(´;ω;`)

↓なので、おいらは動画で楽しんでいました(*´ω`)

https://www.youtube.com/watch?v=Gq_2Av0HuIY


>米連側のパイロットからすれば、たまったものではなかった。

敵大型機から20mmを撃ち込まれたら、パイロットからすれば恐怖以外の何物でもないです。意外なことですが、史実で防御機銃に20mmを搭載している機体ってかなりのレアケースだったり。おいらが知ってる限りだと一式陸攻くらいじゃないかなぁ?


>気が付けば小隊の半数以上が脱落していた。

米連軍の小隊編成は史実WW2期の米陸軍の小隊(30~50名)に準じています。


>「夏場ならともかく、今の時期なら普通に凍るだろ!?」

3月のカナダは普通に氷点下になることも珍しくなかったりします。


>ナルサルスアーク飛行場

史実ではWW2時に輸送船の護送及びドイツ潜水艦破壊のためにアメリカが建設しています。


>流石はベルギー王の私生児と噂されるだけのことはある。

史実では具体的な証拠は一切ないのに、広く信じられてたそうです。


>ベルリン大空輸

陸の孤島と化した大都市の必要物資を空輸だけで賄おうという頭のおかしい作戦。

3分ごとに輸送機が飛来するという管制官殺し。


>フィヨルド

氷河が長年かけて山を深く削り、その谷に海水が流れ込んでできた細長く複雑な地形の湾のことです。


>チャーチル給与

内容はだいぶ違うけど、史実でも存在していたり。


>「ウォッカは軽くないですよ先輩?」

じつはグリーンランドはお酒造りが盛んな場所だったりします。

元々は現地民が飲むのではなく、ヨーロッパへの輸出メインでした。現在は現地産のビールやジン、ウォッカなどがあります。グリーンランドの水、というより氷は酒造りに適していたわけです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
20mm防御機銃搭載機、意外と居るんですよ。深山・連山、Il-10やPe-8にJu188・He177・BV222などなど。 ジャック氏はルーデルとは別方向でおかしい。
>機動砲台としての活用ならば、速力と砲力を優先して防御スカスカなんて戦艦を作りかねませんねw 赤いハッシュハッシュクルーザーが爆誕するんですね。 一式陸攻のケツの20ミリはガダルカナルの米海兵隊のパ…
>前線を飛び回るMI6長官 まあそうなるよねw 楽勝で60過ぎてるのに、お前はレンズマンの銀河調整官か! ※銀河系一つを差配してるのにこいつ同様しょっちゅう逃げ出して自分にエージェント任務を命じる人 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ