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第101話 きな臭い新大陸


「ドーセット公。あいつらを助けてやってくれないか?」


 1939年2月下旬。

 ドーセット公爵邸(ドーチェスターハウス)を訪れたフランク・コステロは、テッド・ハーグリーヴスにFBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーとその腹心クライド・トルソンの救出を懇願(こんがん)していた。


「相も変わらず義理堅いことで。まぁ、うちの警察のアドバイザーとしての雇用なら問題ないかな? なんだかんだ言っても有能だし」


 テッドは、コステロの願いを引き受けるつもりであった。

 現在のドーセット領で移民がトラブルを起こすことなく労働に従事しているのは、彼の尽力のおかげなのである。


 移民が現地でトラブルを起こす話は枚挙にいとまがない。

 犯罪の増加と社会福祉のリソースの食い潰しは、移民が起こす必須の社会問題と言える。


 何処の国とは言わないが、21世紀に移民たちが大晦日に集団レイプを引き起こした事例もある。移民は安価な労働力であると同時に潜在的な反社会勢力に他ならない。それを考慮すれば、コステロの願いの一つや二つなんでもない。


(コステロを怒らせたら後々に悪影響が出るからなぁ)


 もう一つの問題として、選挙の問題があった。

 移民票がドーセット州議会に悪影響を与えかねないのである。


 ドーセット領は5つの選挙区で構成されていた。

 州議会は20名の議員で構成されており、議員の任期は5年となる。


 最近は発展目覚ましい新市街(ニュードーチェスター)を新たな選挙区として独立させる動きが出ていた。テッドも州議会もそのこと自体には反対はしていない。


 問題は、その地域の住民の大半がコステロの息がかかった移民ということである。家族を含めて2万人近くの移民が住んでおり、そのうち有権者は1万人を超えていた。


 まとめたほうがバラバラに配置するより管理しやすいし、同郷同士のほうが気心も知れる。当時のテッドはその程度の考えであった。それが今になって問題化してきたのである。


 新たな選挙区では、コステロの匙加減一つで選挙結果が左右されかねない。

 それどころか、コステロ自身が出馬して当選してしまうことも有り得る。


(ゲリマンダーしようにも、区割りで間違いなく揉める。議会を敵に回すとめんどいから却下だな)


 この問題を回避するためには選挙区の大規模な調整が必要となる。

 地元議員のみならず有権者の反発は必至であり、テッドは好き好んで面倒ごとを抱えるつもりも無かった。


 テッドが危惧したとおり、新設されたニュードーチェスター選挙区でフランク・コステロはトップ当選を果たすことになる。しかし、義理堅いコステロは表立って対立しようとはしなかった。


 むしろ移民たちの意見のまとめ役として協調することに専念した。

 テッドとコステロの協力関係は長らく続くことになるのである。


「……で、二人は何処にいるわけ?」


 この時点では、テッドは問題を軽くみていた。

 カナダ自治領まで逃げ込める移動手段を用意すれば事足りると考えていたのである。


「アルカトラズだ」

「ぶふぅーっ!?」


 口にした紅茶を吹き出すテッド。

 コステロが顔をしかめたが気にしている場合ではない。


「アルカトラズって、あの最強刑務所かよ!? そんなの無理だ!」


 テッドが血相を変えたのも無理はない。

 アルカトラズは史実では脱獄不可能とまで言われた刑務所なのである。


「待ってくれドーセット公。何を聞いたかは知らんが、今のアルカトラズは裏社会の保養所だぞ?」


 そんなテッドを見て、コステロは微妙な表情となる。

 何を焦っているのか分からなかったのである。


「えー? アルカトラズって言ったら、ザ・ロックとか、監獄島とか言われてたんじゃないの?」

「昔はそういうこともあったかもしれないがな。フーヴァーが改装したんだ」


 この世界のアルカトラズは他の連邦刑務所とは一線を画す刑務所になっていた。

 表向きは脱獄不可能と盛んに喧伝されてはいたものの、その内情を知る者は裏社会の住民のみであった。


『おぅ。入るまでは不安だったが、此処は煩いのもいないし、メシも美味くて良いところだぞ!』

『さらに言っておくと、ここでは仕事は無いから一日中ゴロゴロしていても良いし、必要なものは外から幾らでも取り寄せられるぞ』


 実際の待遇については、アル・カポネの言葉が全てを言い表している。

 犯罪者からすれば夢のような監獄と化していたのである。


「だったら、急いで出る必要無いじゃないか」

「そうもいかん。東洋の諺に地獄の沙汰も金次第という言葉があるそうだが、あそこは金が無い人間には地獄なんだ」


 この世界のアルカトラズは、外部からなんでも取り寄せ出来た。

 美食どころか酒や女も自由自在なので、この世界のアルカトラズは金持ちにとっては天国と言える。


 逆に言えば、貧乏人には臭い飯と硬いベッドしか無い。

 FBI長官がいかに高級取りとはいえど、マフィアのボスのような待遇は望めないのである。


「それに今すぐというわけではなかろうが、最悪処刑される恐れもある。自らを法の番人と自称しているが、(わし)はデイビスを信用していない」


 デイビス――ジョン・ウィリアム・デイビス現アメリカ大統領の名前を口にして表情を歪める。コステロからすれば、自分たちの後押しで大統領に当選しておきながら面従腹背で不意打ちする卑劣漢以外の何物でもない。飼い犬に手を嚙まれるとは、まさにこのことであろう。


「まぁ、気持ちは分かるけどね……」


 この件に関してテッドも同意であった。

 内戦で介入するなと言っておきながら、難民救出にケチをつけてきたのは納得出来なかったのである。


「あ、そうだ。デイビス大統領と言えば、こんなものもあったな」


 そう言って、テッドはデスクの引き出しから大統領親書を取り出す。


「……奴らしいな」

「えっ、何その反応。怖いんだけど」


 予想外の反応にテッドは困惑する。

 てっきり親書を見て激怒すると思っていたのであるが。


「裏社会でもヤツの面従腹背(めんじゅうふくはい)ぶりは有名だったからな」

「なんで、そんなのを大統領にしたのさ?」


 テッドの疑問は当然であろう。

 寝首を掻かれるために大統領にしたとしか思えない。


「処断したくても証拠が無かった。それに民衆受けが良くて裏社会に従順なんて人材は滅多にいないからな」

「うわぁ……」


 アメリカの政治の暗部を見せられて絶句するテッド。

 史実でも暗殺のオンパレードなので今更ではあるが。


「救出を急いだほうが良いのは分かった。でも、刑務所なんでしょ? 可能な限り情報が欲しい。そうじゃないと確約出来ない」

「今でもアルカトラズには息がかかった者がいる。早急にコンタクトを取ろう」


 かくして、アルカトラズ刑務所からの救出作戦という前代未聞のミッションが開始された。しかし、その実現には様々な困難と追加要素がてんこ盛りだったのである。







「提督、現地時間午前6時50分。まもなく夜明けです」


 サンフランシスコより西方の海域。

 水深30mに1隻のR級潜水艦が潜んでいた。


「ASDICに反応は?」

「今のところありません」


 艦長の報告に提督――シドニー・ライリー海軍大将はすぐさま決断する。


「よし、シュノーケル深度まで浮上する」

「アイアイサー! メインタンクブロー! アップトリム10!」


 薄闇の海面にシュノーケルが海上に突き出す。

 最初は様子を見るように、やがて一気にシュノーケルが海面に露出する。


「逆探に反応ありません。周囲はクリアです」

「よし、浮上する。現在地の照合を急げ」

「アイアイサー!」


 水上排水量900tの艦体が海面に飛び出す。

 ほとんど間を置かず、艦外に出たクルーが六分儀(ろくぶんぎ)で天測を開始する。


「提督、天測の結果が出ました。北緯37度46分、西経122度37分。サンフランシスコ湾近海です」

「予定通りだな。作戦開始は深夜になる。今のうちにクルーを休息させておけ」


 ニヤリと笑うシドニー・ライリー。

 これからの冒険に心を躍らせていたのである。付き合わされる人間からすれば、たまったものではないが。


「!? ビーコンを捉えました!」


 現地時間午前0時。

 潜航したままサンフランシスコ湾に突入したR級潜水艦は海中のビーコン音を捉えていた。


 この世界のR級は艦体の各所に高性能ハイドロフォンを多数搭載しており、各ハイドロフォンに伝わる音の強弱で音源の方位を自動的に測定することが出来た。そのため、浮上することなく航行することが出来たのである。


「ツー、トン、トン……ビーコンFです」

「Fか。ゴールデンゲートブリッジから3000ヤード手前だな。潮流が速くなるぞ。艦の安定を保つことを優先しろ」


 ASDIC班の報告を聞いたシドニー・ライリーは海図を睨む。

 提供された海図には、湾の入口からF~Aまでアルファベットとバツ印が記されていた。


「トン……トン……ビーコンEを通過!」

「ゴールデンゲートブリッジを抜けたか。いいぞ。その調子だ!」


 サンフランシスコ湾の海中にはモールス音響ビーコンが敷設されていた。

 今回の作戦にあたって、裏社会の住民からビーコンの位置を記した海図を譲り受けていたのである。


「ツー、トン、トン、トン……ビーコンBを通過!」

「方位を再確認しろ! 前進極微速デッド・スロー・アヘッド!」

「アイアイサー!」


 ちなみに、ビーコンを敷設したのは裏社会の住民たちである。

 その目的は潜水艦によるアルカトラズ島への往来であった。


 アルカトラズ島周辺は潮流は早く、天候次第では護送用の小型船が危険な場合があった。


 この場合の危険というのは文字通りの意味ではあるが、それだけではない。

 敵対しているマフィアなりギャングに攻撃を受けやすいという意味もある。


 アルカトラズに入ってしまえば、手出しは出来ない。

 ならば、入る前に始末するしかない。


 そんなわけで、アルカトラズ島の周辺で襲撃が激化することになった。

 犯罪シンジケートが成立してからも名を上げたい馬鹿が後先考えずに襲撃することがあり、裏社会の重鎮たちは頭を痛めていたのである。


『潜水艦ならば襲撃に怯える必要は無く海中を安全に移動出来るのではないか?』


 普通に考えれば一笑に付してしまうような考えであったが、裏社会の住民たちは飛びついた。それほどに彼らは襲撃に怯えていたし、それを実行出来るだけの財力と権力を併せ持っていた。


 アルカトラズ島周辺海域の浚渫(しゅんせつ)、海中ビーコンの設置、地下ドックの建設など工事は困難を極めたが1923年に完工。アル・カポネが最初の利用者となったのである。


「トン、ツー……ビーコンAをキャッチしました!」

「潜望鏡深度へ浮上。ゆっくりとだ」

「アイアイサー!」


 シドニー・ライリーは素早く潜望鏡を旋回させて周囲を索敵する。

 レンズ越しに映るのは無人の岸壁であった。


「よし、浮上しろ」

「アイアイサー! メインタンクブロー! 浮上する!」


 R級が浮上したのは、アルカトラズ島内の地下深くに建設された秘密秘密ドックであった。空気が(よど)み、(こけ)むしているのは長らく使われていないからであろう。


「よし、いくぞおまえら準備は良いか?」


 シドニー・ライリーは突入部隊に声をかける

 艦外にはウォッチガードセキュリティの隊員たちが既に集合していた。


「いつでもOKですぜ!」


 傷だらけの容貌(スカーフェイス)獰猛(どうもう)な笑みを作る部長。

 彼の後ろの部下たちもステキな笑顔を浮かべていた。


「艦長、あとは頼む。予定時間までに戻らなかったら俺らに構わず帰還してくれ」

「アイアイサー!」


 シドニー・ライリーは隊員たちと潜入を開始する。

 R級の艦長は無事の作戦成功を祈り、彼らが見えなくなるまで敬礼を続けたのであった。


「……って、あっさり終わったな」

「ホントにここは脱獄不可能な刑務所なんですかい!?」


 拍子抜けしたような表情のシドニー・ライリーと、憤懣やるかたない様子の部長。ほとんど抵抗されることなく、1時間足らずで突入部隊は二人を救出することに成功していた。


「あー、なんか済まん」

「予算がカットされて、真っ先にここの維持費が削られたので……」


 申し訳なさそうなフーヴァーとトルソン。

 二人が謝る筋合いは無いのであるが、わざわざ救出に来てくれたので頭を下げずにはいられなかったのである。


 1936年以降、FBIの予算は大幅に削減された。

 わずか3年で予算8割削減とか有り得ないことをされていたのであるが、それだけ聖域化して手が出せなかったことを恨んでいた財務官僚が多かったとも言える。


 予算削減の影響でアルカトラズは閉鎖が予定されていた。

 そんな場所に二人が放り込まれていたのは、支援者に面会されると面倒というのがあった。FBI自体は現政権に(にら)まれてはいたが、フーヴァーを支持する人間は未だに多かったのである。


 潜水艦を使わないのであれば、アルカトラズへ向かうには船を使わざるを得ない。船着き場を見張っていれば事足りる。それはつまり、極秘の面会は不可能ということであった。


 裏社会の住民たちは海軍に頼らず独自に潜水艦を建造した。

 海軍を抱き込まなかったのは情報漏れを恐れていたからである。ボートなら襲撃されても飛び込んで命が助かるかもしれないが、潜水艦が襲撃されたら100%命が無い。


 裏社会の徹底した情報秘匿のため、現政権はアルカトラズに潜水艦で出入り出来ることを知らなかった。知っていれば二人をぶち込みはしなかったであろう。おかげで救出作戦が(はかど)ったのであるから、世の中何が幸いするか分からない。


「……ん? この音は……おい、敵が来るぞ!?」


 最初に異変に気付いたのは、スカーフェイスな部長であった。

 数々の戦場を生き抜いてきた彼の聴覚は、物理的な音よりも早く迫り来る危機を察知したのである。


「ちっ、長居し過ぎたか。脱出するぞ」

「アイアイサー! 機関始動。メインタンク注水。急速潜航ダウントリム30!」


 収容を完了したR級が地下ドック内を微速で進む。

 艦体が急速に水面下に没していく。


「あそこだ! 逃がすなぁぁぁぁっ!」

「撃ちまくれっ! ファイアー!」


 完全武装の刑務官たちが突入してきたのは、まさにその時であった。

 しかし、彼らの銃撃はむなしく海面に吸い込まれたのである。







「推進音急速接近中! 進路1-4-5!」


 ASDIC班が緊張した声で報告する。

 潜航したままサンフランシスコ湾を抜けたR級は、接近するスクリュー音を探知していた。


「艦種は分かるか?」

「推進音は2軸です。おそらく駆逐艦。隻数は5」


 ASDIC班は方位だけでなく接近する艦種と隻数まで分析する。

 艦の性能だけでなく、クルーの技量も折り紙付きであった。


「……進路は変わっていないか?」

「依然そのままです。このままだと本艦の前方を通過します」

「よし、モーター停止。この場に留まる。総員、音を立てるな!」


 R級の前方100mの海面を複数の駆逐艦が通過していく。

 駆逐艦は潜水艦の天敵である。生きた心地がしないとはこのことであろう。


「てっきり、アルカトラズから逃げ出したのを沈めにきたかと思ったぜ。いくらなんでも出来過ぎだな」


 緊張から解放されたのか、シドニー・ライリーが軽口をたたく。

 司令塔内にも安堵の空気が広がったのであるが、それも新たな報告が上がるまでであった。


「駆逐艦が進路を変更! これは……まるで海域を捜索するようにバラバラに動いています!」

「おいおい、まさか本当に沈めにきたのかよ」


 軽口から一転、(うめ)いてしまうシドニー・ライリー。

 まさに口は(わざわい)の元であった。


『二人がアルカトラズから脱獄した? 何をやっていた貴様ら!?』

『も、申し訳ありません。まさか潜水艦で乗り込んでくるとは想定外で……』


 フーヴァーとトルソンの脱獄は4000km離れたホワイトハウスに急報されていた。デイビスが激怒したのは言うまでも無い。


『海軍長官。サンフランシスコ周辺で動かせる戦力はあるか!?』

『サンフランシスコ周辺ですか。それなら演習から帰投中の駆逐艦隊がいますが』


 サンフランシスコ近海では、新鋭駆逐艦ポーター級で構成される小艦隊が演習からの帰投中であった。デイビスにとっては幸運なことに、逃亡中のR級潜水艦にとっては不幸なことにハンターが近所をうろついていたのである。


『アルカトラズからの脱獄囚が乗った潜水艦が逃走している。ただちに撃沈しろ!』

『ちょ、ちょっと待ってください大統領。戦時でもないのに国籍不明潜水艦を撃沈しようものなら後々問題になりかねません。せめて浮上させて拿捕を……』


 デイビスの無茶ぶりに海軍長官は説得を試みる。

 しかし、怒れる上司の暴走は止められないし止まらない。


『アルカトラズに潜水艦で乗り込めることを知っているのは社会のダニどもだけだ。だから撃沈しても問題無い。つべこべ言わずに撃沈しろ!』

『りょ、了解しました……』


 逃走中のR級潜水艦に撃沈命令が下されたのは30分後のことであった。

 サンフランシスコ湾へ進入中だった駆逐艦隊は、ただちに潜水艦狩りを始めたのである。


「……着水音複数。爆雷です!」


 サンフランシスコ湾入口近辺は駆逐艦による狩場と化した。

 ASDIC班の報告から、さほど時間を置かずにR級の艦体が爆圧で揺さぶられる。


「まだ発見はされていない。モーター始動。水中騒音に紛れて脱出する!」


 見当違いの場所でさく裂する爆雷をBGMにR級は密かに海域を離脱しようとする。このままいけば、パーフェクトゲームだったのであるが……。


「なんだこの音は!?」


 突如、カーンと大きな音が艦内に響き渡る。

 巨大なピンガー音はR級にとっては死刑宣告であった。


「ソナーコンタクト! 距離3500ヤード!」

「いくらなんでも誤探知じゃないのか? そんなところにいるはずないだろう」


 駆逐艦『セルフリッジ』の艦長は、ソナーマンの報告に半信半疑であった。

 彼の常識では潜航した潜水艦はドン亀である。そのような場所に潜水艦が到達出来るはずが無い。


 しかし、この世界のR級潜水艦は対潜水艦戦に特化したハンター/キラー潜水艦として建造されていた。突起物の少ない艦体は水中抵抗を減少させ、大出力モーターの組み合わせと相まって従来の潜水艦の常識を超えた水中速度を発揮可能であった。


「2軸推進音近づきます!」

「隻数は?」

「この音は単艦です!」

「……半信半疑と言ったところか」


 確実に探知したと判断したならば、周辺に展開している僚艦を呼び寄せたはずである。それをしないのは確証が無いからであろう。R級の艦長は、セルフリッジの動きを見切っていた。


 しかし、このまま距離を詰められてアクティブソナーを打たれれば確実に発見される。その前に行動を起こす必要があった。


「艦首を敵艦へ向けろ。SBT用意!」

「アイアイサー! 発射管にSBTを装填します!」


 艦首魚雷発射管室で、通常魚雷とは違う小型魚雷が装填される。

 この世界のロイヤルネイビーの潜水艦で使用されている防御兵器『SBT』である。


 史実のUボートはボールド(Bold)と呼ばれる防御兵器を多用した。

 ボールドはロイヤルネイビーでは、潜水艦泡標的(SBT)(Submarine Bubble Target)と呼称されていたが、この世界のSBTは完全な別物と化していたのである。


「SBT装填終わり! 艦長、パターンはどうしますか?」

「パターンもタイミングも一任する。逃げるのが最優先だ」

「アイアイサー!」


 やがてR級の艦首魚雷発射管からSBTが射出される。

 通常の魚雷とは違って非常に遅い。おそらく10kt(ノット)も出ていないであろう。


 突如SBTは進路を変更する。

 故障ではなく、これは事前に組み込まれたパターン航走である。大きく迂回するようにセルフリッジの背後に回る。


「艦長! 後方に気泡を発見しました!」

「逃げきれないと自棄になったか!? 艦首を回せ! 爆雷で仕留める!」


 ソナーが誤探知で無かったことをセルフリッジの艦長はこの瞬間に確信した。

 しかし、存在を暴露した潜水艦など止めを刺されるのを待つだけの存在に過ぎない。


「ひ、左前方に気泡発見! 正面にも! まだまだ増えます!? 艦の周囲で気泡が発生しています!」

「はぁ!?」


 事前の情報では潜水艦は1隻だけのはずであった。

 突如もたらされた報告に艦長だけでなくクルー達も混乱する。


 直径約10cmの金属製円筒容器に水素化カルシウムを充填したものが史実のボールドである。この世界のSBTは魚雷の弾頭に多数のボールドを搭載しており、時間差で放出することが可能になっていた。


 事前に組み込まれた航走パターンで、セルフリッジの周辺を回りつつ時間差でボールドを放出すればどうなるか?その結果が、先ほどの報告となったのである。


「本艦は多数の潜水艦に包囲されつつあると打電しろ。平文で良いから急げ!」

「あ、アイアイサー!」


 セルフリッジからの緊急電に駆逐艦隊が大混乱に陥ったのは言うまでも無い。

 その隙にR級は海域を離脱することに成功したのである。







「すまん、迷惑をかけてしまった」

「兄弟! よくぞ生きていたな!」


 1939年3月某日。

 ドーチェスターハウスの応接室では、フーヴァーとコステロの対面が実現していた。


 二人の再開を見届けたテッドは安堵していた。

 とにもかくにも、コステロからの依頼は果たされたのである。


「ドーセット公、手を差し伸べていただき感謝する。礼をしたいのだが、生憎と持ち合わせがなくてな……」

「いやいや、僕は大したことはしてない。礼ならコステロに言ってよ」


 フーヴァーはテッドにも頭を下げる。

 彼からすれば、命の恩人であるから当然であろう。


「そうもいかん。生涯の相棒(トルソン)まで救ってもらって、何もしないのは心苦しい。そこでだが……」


 しかし、話はここで終わらなかった。

 フーヴァーからとんでもない爆弾発言が飛び出したのである。


「ファイルのコピーがあるだと!?」


 同席していたシドニー・ライリーが絶句する。

 それほどまでにフーヴァーの発言は衝撃的であった。


 史実のフーヴァーは、FBIの記録とは別に非公式に政治家達の情報を収集していた。アメリカ大統領を筆頭にした政権の閣僚のスキャンダルも収録していたので、歴代の大統領さえも彼に手を出せなかった。それこそが史実で有名な『公式かつ機密』(Official and Confidential)、通称『フーヴァー・ファイル』である。


 この世界のフーヴァー・ファイルの内容も相当にヤバかった。

 かつての大統領選挙の『デイビスジャンプ』の真相や、テッドの暗殺計画に関わった裏社会の住民リストと資金の流れなどなど。公になったら政権がひっくり返るだけでは済まない内容がてんこもりであった。


「良いのか? あれはあんたが生涯をかけて集めたものだろう?」

「国を捨てたわたしたちには不要なものだ。報酬として受け取って欲しい。とはいえ、受け取りはセルフサービスになるがね」


 そう言って、肩をすくめるフーヴァー。

 まるで憑き物が落ちたようなサバサバとした表情であった。


「ぼーや! これは何が何でも手に入れる必要があるぞ!」

「いやまぁ、確かに重要そうではあるけど……」


 普段は飄々(ひょうひょう)としているシドニー・ライリーが、異常なほどの熱の入れようであった。あまりの入れ込みように、テッドが心配してしまったくらいである。


(でもまぁ、史実通りなら価値は計り知れない。シドニー・ライリーが食い気味なのも分からないでもないな)


 テッドもフーヴァー・ファイルの中身が気になっていた。

 陰謀論者では無いが、(たしな)む程度には興味がある。アメリカの歴史の真相を収めたファイルは金のリンゴの如しであった。


「ファイルは何処にあるんだ!?」

「コピーはニューヨーク公共図書館に置いてある」


 19世紀末に創設されたニューヨーク公共図書館は、図書館としては世界屈指の規模を誇る。もしもの時に備えて、フーヴァーはファイルのコピーを紛れ込ませていたのである。


「木を隠すには森の中というわけか。でも、どうやって探せば良いんだ?」

「ストップ、ストップ。気持ちは分かるけど本題はそこじゃないでしょ」

「ぐぬぬ……!」


 暴走気味なシドニー・ライリーを止めにかかるテッド。

 テッドとしても気にはなるが今すぐどうこう出来るものではないし、本題でもない。


「……で、今のアメリカの国内はどうなってるわけ? 特に政治事情が気になるんだけど」


 フーヴァーを召喚したのはアメリカの最新の国内事情を聞くためであった。

 1935年の内戦ぼっ発以降、情報が入りにくくなっていたのである。


「端的に言わせてもらえばデイビスの独裁状態だ。今の彼に逆らえるヤツは誰もいない」


 現在のアメリカはデイビスの独裁状態であった。

 解放軍を率いた英雄として、さらには10年間の完全無税化(画期的な政策)で民衆から圧倒的な支持を得ていたのである。


「自由の国アメリカで独裁という言葉を聞くとは思わなかったなぁ。でも、議会が(うるさ)いんじゃないの? 民主党はともかく、共和党はイエスマンにはならないでしょ?」


 アメリカの政治は二大政党制である。

 史実日本の某野党のように与党のやることに全て反対とはいかないまでも、激しく抵抗することは目に見えていた。テッドの疑問も当然のことであろう。


「ステイツの議会政治は20年前から形骸化している。全ての議員はマフィアやギャングの飼い犬だからな」

「なにそれ怖い!?」


 1921年にウォレン・ハーティングが大統領に就任して以降、裏社会は議会への影響力を強めた。この世界の『オハイオ・ギャング』のやり過ぎによる反省からである。


 史実とは異なり、この世界のオハイオ・ギャングは文字通りのギャングであった。中身ギャングな彼らが大統領の威光を笠に着たらどうなるか?その結果は言うまでも無い。


 裏社会の住民たちが欲したのは、自分たちのシノギを邪魔しない大統領であり政治であった。


 自分たちで政治をやる気など毛頭ない。

 結果として、議員を飼うのが最も手っ取り早い手段となるわけである。


「まぁ、どういう形であれ政権が安定しているなら問題は無いか。国内が不安定化して対外戦争に走られるよりはマシだし」


 そうは言うものの、テッドの脳裏には生前の民主党政権のやらかしが思い浮かんでいた。


 過去の世界大戦もベトナム戦争も民主党政権であった。

 湾岸戦争は例外的に共和党政権だったが、それ以外にもスノーデン事件やウィキリークス事件など民主党政権の失策を挙げたらきりがない。


(この世界では世界情勢が違い過ぎるから大丈夫だとは思うけど……)


 この世界では史実とは世界情勢が異なるので単純比較は出来ない。

 それでも何かやらかすのではないかと、テッドは不安視していたのである。


 基本的にアメリカの民主党政権は大きな政府と言える。

 何かにつけてバラマキや補助金を行う。オバマケアなどはその典型例であろう。


 民主党政権は軍事に対する理解力も低い。

 オバマ政権時代には当時の国防長官から『軍隊の使い方を知らない人間には仕えることができない』として辞表を叩きつけられたほどである。


 結局のところ、テッドは民主党を欠片も信用していなかった。

 史実21世紀のアメリカ国内の混乱や、ロシアウクライナ戦争の原因も結局は当時の民主党政権が原因なのだから当然であろう。


(史実のリベラルは腐ったけど、この世界のリベラルは大丈夫だと信じたい。いや、信じないと……!)


 テッドは無理矢理にでも自分を納得させようとする。

 現実逃避以外の何物でも無いが、今の彼にはそれくらいしか出来なかった。


「……ドーセット公、じつはステイツにも不安要素があります。革命軍です」


 無理やり信じようとするテッドに冷や水を浴びせたのが、フーヴァーの隣に座っていた腹心のクライド・トルソンであった。


「革命軍? 派手に世界に宣言はしたけど、鳴かず飛ばずだったはずじゃ?」


 1935年3月の革命軍の決起宣言は世界中に放送された。

 しかし、その後の活動は低迷して世間からは忘れ去られていたのである。


「表向きはそうです。しかし、革命軍は着々と力を蓄えているようです」

「ようです……って、なんで疑問形? それこそFBIなら調査出来るでしょう?」


 最盛期には外事課まで設置されて国外の情報収集まで担当するなど、この世界のFBIの規模と能力は史実のそれを凌駕(りょうが)していた。国内の情報収集を出来ないはずは無いのであるが……。


「我々FBIは10年以上前からテキサス州を中心に南部を調査していた。それでも革命軍の尻尾を掴むことが出来なかった」


 フーヴァーの言葉に苦いものが混じる。

 テキサス州にあるFBIダラス支局の人員は革命軍に洗脳――もとい、買収されていたためにロクな報告を寄越さなかった。


「……直接送り込んだ捜査官は誰一人帰って来なかった。今思えば、あの時にはダラス支局は革命軍の手に落ちていたのだろう」


 業を煮やしたフーヴァーは、テキサスに腕利きの連邦捜査官を送り込んだが誰一人として帰って来なかった。史実の薩摩飛脚よろしく、当時のFBI本部では『テキサス行き』が忌避される有様だったのである。


(潜入しても訛りや発音でバレたんだろうなぁ……)


 英語は世界中で使用されているが、国や場所によって相当な訛りがある。

 それはアメリカ国内であっても例外ではない。


 南部英語はテンポもゆっくりで、母音を長く伸ばして発音するなどの特徴がある。一例を挙げれば、『サンキュー』が南部英語では『タンキュー』になる。


 生粋のニューヨーカーが早口で語ろうものなら、いくら取り繕っても一発でバレる。大阪で標準語を話せば周囲から浮きまくるのと同じと言えよう。


「話を戻しますが、革命軍はテキサス州を中心に周辺の州と密約を結んでいます」

「密約?」

「はい。アメリカ諸州連邦というのですが、現在は南部だけでなく中西部や西海岸の州も加盟しているようです」


 諸州連邦は東海岸にしか目を向けていないデイビス政権に対する反作用と言える。アメリカ南部と西部の諸州では、ホワイトハウスの施策に不満が高まっていたのである。


「つまりは、革命軍は決起に向けて力を蓄えていると?」

「我々FBIはそう判断しています。大統領に警告を送っても無視されましたけどね」


 無念そうな表情のトルソン。

 しかし、テッドは別のことを考えていた。


(革命軍が決起すれば内戦が再開する。そうなれば対外戦争どころじゃないからまだマシなような気がする)


 未来のテッドがこの場に居たら、全力で諸手刈からマウントポジションでぶん殴ったに違いない。史上最悪の国家が誕生するのを防げたのは、まさしくこの瞬間のみだったのであるから。







「それにしても大したものだな。歓楽街なのにこれほどまでに治安が維持されているとは」

「ここでは女性子供が夜間外出しても問題ないとの話を聞いています。ステイツでは考えられませんね……」


 テッドの計らいで、ドーセット警察本部の特別顧問に就任した二人は娼館街を視察中であった。史実日本を参考に構築された警察システムは、二人の興味を引くには十分過ぎた。


 ドーセット領は警察本部を頂点とした治安維持機構が整備されている。

 領内は10箇所の管区に分かれてそれぞれに警察署が置かれており、警察署の下には60ヵ所の交番(ポリスボックス)が設置されて常駐する警官たちによる巡回や職務質問で高度な治安が維持されていたのである。


「……ここまで治安が維持されていると仕事があるのか心配になってしまうな」


 軽口をたたくフーヴァー。

 しかし、それが軽口でないことがトルソンには分かる。伊達に長らく腹心はやっていない。


(同居していた母上殿が亡くなったうえに、今回の一件が重なって相当に無理をしておられる。なんとかせねば……)


 トルソンはフーヴァーと40年来の付き合いがあった。

 彼の哀しみは自らの哀しみと言える。


「いらっしゃいませー! 新刊入ってますよーっ!」


 そんなトルソンの耳に威勢の良い声が突き刺さる。

 気分転換になるだろうと、フーヴァーを引っ張っていく。


「なんだここは?」


 声につられて来たトルソンは困惑する。

 よりにもよって、即売会の会場に足を踏み入れてしまったのである。


 娼館街の即売会には他のコミケや即売会には無い特徴がある。

 年中無休の24時間営業であり、ブースが空いていれば予約無しで同人誌の頒布が出来た。


 娼館街で働く平成会の元過激派たちによって即売会は始まっている。

 彼らは休みが不規則でコミケに行く暇が無かったので、規模は小さくても自前で同人誌を頒布する場所を欲した。その結果が、前代未聞のコンビニ即売会(過激派モブ命名)だったのである。


「あれ? まぁまぁまぁ! あなたたちにピッタリな1冊がありますよ!」


 何を勘違いしたのか、ブースに座っていた女性モブが二人に声をかける。

 BLを描いてる彼女の目にはそういう関係に見えてしまったのである。実際にそういう関係なので間違ってはいないのであるが……。


「こ、これは……!?」

「な、なななな……!?」


 BL同人誌を手渡された二人に電流が走ったのは言うまでも無い。

 良い歳したおっさんが、食い入るように表紙を見つめている。


「お買い上げありがとうございましたーっ! 今後もごひいきにーっ!」


 女性モブの声をバックに帰路を急ぐ。

 二人は警察本部の近くに一軒家を借りて同居していたのである。


「はぁ、売れないなぁ……この間みたいな人来てくれないかなぁ……」


 (くだん)の女性モブ(女流BL同人作家)は、その日もブースに座っていた。

 内容が腐向けだけあって、根強い需要はあっても数が出ない。そろそろ店じまいと思っていたのであるが……。


「観賞用と保管用と布教用で各3冊ずつもらおうか」


 サングラスをかけたコート姿のおっさん二人がやってきたのは、その時であった。


「貴方がたはこの前の……ふふっ、わたしの目は腐っていなかったようですね」


 どんよりと腐った目を二人に向ける女性モブ。

 新たに二人の同志を得た喜びに震えていたのである。


「……で、一応申し開きは聞くけど?」


 1ヵ月後。

 怒り心頭のテッドの前には、亀甲縛りにされた女性モブが転がされていた。


「すみません! でもあれは事故というか避けようがありませんでしたよ!?」


 はぁはぁ言いながら弁明する女性モブ。

 それを見たテッドは頭痛を倍加させた。


 史実でも疑惑があったが、この世界のフーヴァーは重度の同性愛者であった。

 特にトルソンとは共に休暇を取り、毎日いっしょに昼食を摂るほど親密な関係となっていた。そんな二人にBL同人誌を渡すなど、火事場にガソリンをばら撒くが如き所業と言える。


 ましてや、史実21世紀の過激描写てんこもりなBL同人誌である。

 その効き目は高純度なヘロインよりも強烈であった。


 二人はコンビニ即売会に出没してBL同人誌を買い漁った。

 少々お高いといっても、同人誌であるから価格は高が知れている。高級取りな二人には大した金額では無かった。


 それだけならば、まだ笑って――いや、笑えないが趣味の範疇で済ませることも出来た。テッドとしては、有能であるなら多少の性癖は気にしない。あきらめたとも言うが。


 問題は二人がBL同人誌の布教を始めたことであった。

 警察本部の汚染はゆっくりと、しかし確実に広まっていたのである。


 これでパワハラ紛いに布教していたら処罰も出来たのであるが、二人はそっちの気がある署員を狙い撃ちしていた。変態は変態を見極めるとでも言うのであろうか。


 布教された署員も口を噤むので証拠がいっさい残らない。

 事態が発覚したときには、警察本部のみならず管区の警察署にまで汚染が広まっていた。特別顧問の立場を悪用して視察した際に布教したのであろう。じつに(たち)が悪い。


「……どうしてくれよう? も〇も〇室送りは……ご褒美になるから却下だな」

「そんなぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


 どうしたものかと、テッドは思案する。

 署内胸毛ランキングBEST10が集う部屋に腐った女性モブを叩き込んでも罰にはならない。むしろ喜ぶだけであろう。


「しょうがない。ラスプーチンのところにでも送るか。もしもーし?」


 件の女性モブはラスプーチンへ引き渡されることになった。

 レズ向け尋問係に引き渡されて、あぁ~んな目やこぉ~んな目に遭うことになる。


 そこまでやっても、腐りっぷりは矯正されなかったのであるが。

 むしろ貴重な体験を得たとばかりに、インスピレーションが刺激された女性モブ同人作家はさらに過激なBL同人を描きまくったのである。







「降りた後はばらばらに動け。あくまでも一般人を装え」

「きっちりし過ぎるな、ちょっとだらけた格好をしとけ」

「ミノックスのフィルムを再確認しとけ。予備のフィルムも忘れるな」


 ニューヨーク公共図書館の駐車場に駐車する1台のバス。

 その内部では最後の打ち合わせが行われていた。


 バスはMI6北米支部が用意した偽装車両であった。

 当然ながら、中にいるのも客ではなくエージェントである。


「……ファイル自体に警備装置は無いが無理はするな。FBIはいないだろうが、シークレットサービスが常駐している可能性がある。不審な動きをすれば目を付けられるぞ」


 エージェントたちに指示を出しているのはシドニー・ライリーであった。

 今回の作戦では元部下の北米支局長を差し置いて陣頭指揮を執っていたのである。


『……ちょっと気になったんだけど。これってどれくらいの分量があるの? 1冊や2冊じゃないよね?』

『100冊や200冊では無いのは確かだが、正確な数は覚えてないな』


 事の発端は3ヵ月前に遡る。

 フーヴァー本人によって、悪名高いフーヴァー・ファイルのコピーの存在が示唆(しさ)された。


 ファイルのコピーはニューヨーク公共図書館に保管されていた。

 事態を重要視したシドニー・ライリーは、自らファイルの回収に乗り出したというわけである。


 ちなみに、オリジナルはフーヴァーの海外逃亡直後に現政権によって処分されていた。その量は膨大で処分に1週間かかるほどであった。


「判別ポイントは分類ラベル以外に無いのですか?」

「装丁やサイズはありふれたもので統一はしていないとのことだった。ラベルのアルファベットのみに気を付ければ良い」


 図書館の書籍には分類ラベルが付いていることが多い。

 この時代のアメリカの図書館では、デューイ十進分類法が一般的であった。


 デューイ十進分類法は、その名の如く0から9までのアラビア数字のみを用いた分類法である。何も知らない一般客はラベルにアルファベットが記されていても気にしないので、上手いやり方と言える。


 書籍に偽装したファイル自体も人が立ち寄らない場所や、手の届かない棚の上段に紛れ込ませていた。それでも手にする利用者が皆無とは限らないのであるが、中身は暗号化されているので知識が無い人間が見ても無意味だったのである。


「……!?」


 館内で本を探すふりをしてファイルを探すエージェント。

 隠し持ったミノックスでこっそりと撮影する。本が置いてある場所をメモるのも忘れない。


 同様の光景はあちこちで見受けられた。

 今回の作戦にはMI6北米支部のエージェントが大量に動員されていたのである。


「「「……」」」


 日中は大勢の人間で賑わう超巨大図書館といえど、深夜になると人っ子一人もいない――はずであった。


「……ここだ。あったぞ」

「急いで入れ替えよう」


 小声で呟く男たち。

 昼間のエージェントたちである。


 彼らが深夜の図書館に侵入したのは、ファイルのコピーと入れ替えるためであった。昼間にファイルのコピーの外観を撮影した後、中身を差し替えた偽本を作っていたのである。


 偽本の見た目はファイルのコピーと見た目は同一にされた。

 違和感が出ると困るので、背表紙の色や傷まで再現されていた。


 偽本の中身は適当かつ無難なものに変えられた。

 もちろん、分類ラベルも完璧に再現されていた。


「……これで300冊目か。これだけやっても終わりが見えないのはどういうことだろうな」


 ニューヨークのパーク・ロウに所在するMI6北米支部。

 シドニー・ライリーは、終わりの見えない作業に愚痴をこぼしていた。


 この世界のオリジナルファイルは処分に1週間かかった。

 それと同量のコピーが存在するならば、とんでもない分量になることは想像に難くない。


 しかも、捜索する場所がとてつもなく広い。

 最初こそ異常な熱意をもって任務に取り掛かったシドニー・ライリーであったが、この時点で心が折れかけていた。


 ニューヨーク公共図書館は単一の図書館ではない。

 ブルックリン区のブルックリン公共図書館および、クイーンズ区のクイーンズ公共図書館の図書館システムを合わせ、ニューヨーク市全体では200以上の分館が存在していたのである。


 史実21世紀においては、蔵書・収蔵品は5300万点を超える。

 その中からフーヴァーファイルを探し出すのは、大海の海水をコップですくうが如しであった。


「ボス。準備が出来ました」


 報告を持ってきた元部下で北米支局長のボブ・エバンズも憔悴気味であった。

 シドニー・ライリーと北米支部のスタッフは、ここ1ヵ月は休み無しで働きづめだったのである。


「いつもの手段でモントリオールへ送れ。官憲に気取られるなよ?」

「イエッサー!」


 差し替えたファイルはニューヨークから鉄道でカナダ自治領のモントリオールへ輸送された。鉄道だと国境越えの審査も緩いので比較的簡単に持ち出せたのである。


 いつしか、北米支部はファイルの捜索と差し替えがメイン業務になってしまった。アメリカ内部の異変に気付くのが遅れた英国は、後に手痛い代償を支払うことになる。


『キャップ。北米支部からの荷物がたまってきましたが……』

『コンテナごと本国へ送ってくれ。正直うちで管理したくない』

『了解です』


 国境を越えたファイルは、MI6カナダ支部で一時的に管理されることになった。止む得ない措置ではあったし、北米支部からの依頼を断ることは出来なかったのである。


 しかし、ファイルの存在は現地では歓迎されなかった。

 隣国の政治の暗部を記したファイルを手元に置いていたらどんな災厄が起こるか分かったものではない。


 ファイルの存在に気付いた現政権が奪還を試みる可能性すらある。

 コピーとはいえ厄介なシロモノには違いない。


『だからといって、こっちに送られても困るんだが』

『提督にも困ったものだな』

『こんなに持ち込まれても、本部には置く場所が無いぞ』


 大量のフーヴァー・ファイル(のコピー)は英国本国でも持て余してしまうことになった。貴重な情報源なのは確かなのであるが、暗号化されているのでそのままでは役に立たない。


 現在のMI6はソ連とウクライナにリソースを集中していた。

 アメリカの情報を分析出来る専門家もいないこともなかったが、別件に駆り出されていた。


 現時点で重要度は高くなく、分析できる専門家もいない。

 それ以前に暗号専門家も必要になるのでフーヴァーファイルはMI6本部でも厄介者扱いされることになった。最終的に流れ着く先は一つしか無かったのである。







「シドニー・ライリーさぁ、ちょっと頑張り過ぎたんじゃないの?」

「言うな。まさか、ここまでとは思わなかったんだよ……」


 ドーチェスターハウスの広大な敷地の一角。

 庭師の手入れが行き届いた自然豊かな場所には場違いなコンテナが置かれていた。


 たらい回しにされたフーヴァー・ファイルの行きついた先はドーセット領であった。テッドがコステロの依頼でフーヴァーを救出したことが発端なので、自分でなんとかしろというわけである。


「このまま置いていくわけにはいかないし。まだまだ送ってくるんでしょ?」

「あぁ。ボブからの報告だと、捜索の進捗は1割程度とのことだった」


 ジト目のテッドに、目を逸らすシドニー・ライリー。

 さすがに自分が悪いという自覚はあるらしい。


「それって、最悪ここに置いてるコンテナの10倍の量が来るかもしれないってことじゃないか!?」

「確率論に従えばそうなるな」


 目の前の10倍のコンテナが来たとしても置く場所には困らないが、コンテナに入れたまま放置すると ファイルが湿気ってしまう。最悪カビてしまうかもしれない。


「はぁ、しょうがない。保管庫を作るか」


 歴史的遺産をこのまま野ざらしにするのは、テッドの美意識が許さなかった。

 どちらかというと負の遺産なのであるが、それでもこのまま朽ちさせるわけにはいかなかった。


「おっ、やってくれるか?」

「ちったぁ反省しろ!」


 テッドには保管庫を作るしか選択肢は存在しなかった。

 そんなわけで、ドーチェスターハウスの敷地の地下にフーヴァーファイルの秘密書庫を作ることにしたのであるが……。


「ドーセット公、なんでわたしに声をかけてくれなかったのだ!?」

「ちょっ、なんでヒトラーが出てくるの!?」

「こういった浪漫溢れるモノを設計したいからに決まっているではないか! というか、既に設計案はあるぞ! 以前からこういうものを作りたいと思っていたからな!」


 何処で聴きつけたのか、設計コンペの段階で財団理事代行のアドルフ・ヒトラーがしゃしゃり出てきた。ここ最近は建築にご無沙汰だったせいか、異常な熱意で自薦(じせん)してきたのである。


「いやまぁ、下手な人間には頼めないから好都合ではあるけど……」

「そうだろうそうだろう! 万事任せてくれたまえ!」


 テッドとしても、ヒトラーの提案は渡りに船であった。

 設計者の身元照会と監視が必要と考えていたからである。


 フーヴァー・ファイルを奪還しようとする勢力が、秘密書庫の設計者を買収するなり拉致監禁する可能性は否定出来ない。大げさなようであるが、アメリカの歴史の闇を収容することを考慮すると用心に用心し過ぎることは無い。


 その点、ヒトラーであれば身元は保証出来る。

 絶対に買収されることは無いし、強力な護衛も付いているので拉致監禁は不可能。秘密書庫の設計者としてはこれ以上無いくらいに適任であった。


 しかし、テッドはこの時のヒトラーの狂気に気付くべきであった。

 史実の彼を知っていれば、設計を頼むべきでは無かったのである。


「おいおい、ビルディングでも作る気かよ?」


 ショベルカーが盛大に地面を掘り返す様子を見て呆れるシドニー・ライリー。

 目の前では盛大な自然破壊が進行中であった。


「しょうがないでしょ。ファイルの機密性を考えると書庫は地下に作るしかないし。はぁ……」


 呆れるシドニー・ライリーに対して、テッドはあきらめの境地であった。

 ここまで大事になるとは思ってもいなかったのである。


『ちょっとぉ!? 天井の厚さが鉄筋コンクリで10mとか要塞でも作る気かよ!?』

『何を言っているのだドーセット公。機密を保つにはこれくらいは必要だぞ!』

『しかも地下100mってやり過ぎでしょうが!? 核シェルターじゃ無いんだぞ!?』

『地下秘密書庫だぞ? 浪漫ではないか!』

『限度ってものがあるんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!?』


 ヒトラーとのやり取りを思い出してしまい、テッドはこめかみを押さえてしまう。


 面倒でも設計コンペをやっていれば、この悲劇は回避出来た。

 全てはヒトラーの設計案をロクに確認せずに認めてしまったのが悪い。


 史実のヒトラーは、廃墟価値理論の熱烈な信奉者であった。

 史実よりも好き勝手出来る立場のせいか、この世界のヒトラーは信奉を通り越して信仰のレベルに達していた。そんな彼が予算を度外視して設計したらどうなるか?その結果が目の前の環境破壊行為だったのである。


 廃墟価値理論は、数千年先の未来に美学的に優れた廃墟となるよう建築されるべきという考え方である。古代ギリシア・古代ローマの廃墟がその文明の偉大さを現代に伝えているように、これから建築される建物を数千年先に美しい廃墟として残そうと当時の建築家たちによって試みられた。


 史実においては、ナチスドイツが残す廃墟は第三帝国の偉大さを未来にまで伝えるべきものとされた。この理論によって鉄骨や鉄筋コンクリートによる建築よりも記念碑的な石造建築が多く生み出され、戦争によって廃墟と化した。


 結果として、ヒトラーの設計による地下秘密書庫は核シェルターになってしまった。史実ではトールボーイすら弾き返したUボートブンカー以上の壁厚と強度、さらに地下100mという立地は核兵器すらものともしない。そのため、有事の際には防空壕としての使用が検討されることになる。


「……そうそう。周辺の巡回を増やしておいて。不審者は職質で追っ払う方向で頼むよ」


 警察本部長に電話をかけるテッド。

 工事が進むにしたがって、彼の危惧が現実化していたのである。


 秘密書庫の建設が本格化すると嫌でも人目につくことになった。

 ドーチェスターハウス周辺で不審人物の目撃が増えていたのである。


 頻繁に出入りする人員と作業機械はドーチェスターハウスへ進入することを容易(たやす)くする。特ダネ狙いの記者からすれば、またとない機会であった。


 侵入を試みるのは記者だけでは無かった。

 テッドが危惧した通り、フーヴァー・ファイルを狙う勢力が動いていたのである。


「申し訳ありませんが、ここから先は関係者以外は立ち入り禁止です。お引き取り下さいませ」

「なんだぁ? メイドさんかよ。驚かせやがって。悪いが通してくんな。仕事なんだ」


 とある日のドーチェスターハウスの敷地内。

 真昼間だというのに、あきらかに作業員ではない不審者が工事現場に侵入しようとしてメイドに止められていた。


「……警告はしましたよ?」

「はっ、女だてらに何がぐぇっ!?」


 男はメイドを無視して強引に突破しようとする。

 その瞬間、メイドの当身で気絶させられた。


 マルヴィナ・ブートキャンプの『町娘を立派なアサシンに』という物騒なスローガンは伊達ではない。卒業者はメイド姿の殺戮機械(キリングマシーン)と化す。一騎当千のメイドが相手では、多少腕に覚えがあっても瞬殺されるだけであった。


「……お掃除完了です」


 気絶させた男を正門前に投げ捨てるメイド。

 ちなみに、本日で3人目のゴミ掃除である。


「またかよ。懲りねぇなぁ」

「何も知らないとはいえ、あの物騒なメイドさんに喧嘩を売るのは馬鹿の極みだな」

「メイドさんに冷たい表情で叱られたい……はぁはぁ……」

「お巡りさん、こいつですって、俺らがお巡りさんだった!?」


 ぶちのめされた不審者は、ドーチェスターハウスの正門前に放置された。

 巡回する警官たちが回収するまでがワンセットであった。


『おー! 凄いじゃないか! これだけ立派な書庫ならば保管されるフーヴァー・ファイルも本望だろうぜ!』


 地下秘密書庫が完成したのは3年後のことであった。

 収集したフーヴァーファイルのコピーは全て保管されることになったのである。


 テッドとしては使うつもりは無かったのであるが、アメリカの動きがヤバくなると嫌でも活用せざるを得なくなった。対米戦においては、MI6のスタッフが常駐して情報解析に励むことになるのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


R級潜水艦


排水量:900t(水上) 1010t(水中)

全長:64.9m

全幅:6.24m

吃水:4.5m

機関:潜水艦用デルティック1基+電動機2基1軸推進

最大出力:1500馬力(水上) 7500馬力(水中)

最大速力:10ノット(水上) 15ノット(水中:シュノーケル使用時) 18ノット(水中:モーター使用時)

航続距離:8.5ノット/3606浬(水上) 18ノット/65浬(水中:モーター使用時)

乗員:38名

兵装:533mm艦首魚雷発射管6基

   魚雷12発


現在のロイヤルネイビーの主力潜水艦。

L級潜水艦の艦体をベースに史実のR級潜水艦のコンセプトを移植したものである。


史実のR級潜水艦は対潜水艦に特化したハンター/キラー潜水艦であったが、艦体が小型で運用は沿岸海域に限定されていた。この世界のR級は艦体が大型化して行動範囲が拡大している。


L級と比べてモーターは大出力化してバッテリーも新型で大容量のものが採用された。その反面で主機は減じられて出力も低下しているが、潜水艦用のデルティックの採用によってエンジン単体の出力は向上している。


水中抵抗を徹底的に排した艦の形状も相まって水中速力は大幅に向上している。

代わりに水上速力は低下しており、この時代の航洋型潜水艦とは一線を画する存在となっている。


L級では水中魚雷発射能力は限定的であったが、R級では進化したASDICと射撃方位盤、艦体に装備された多数のハイドロフォンによって、深深度からパッシブのみでの水中雷撃能力を獲得している。


防御兵器として潜水艦泡標的(SBT)(Submarine Bubble Target)が採用されている。

史実Uボートが採用していた防御兵器ボールドを複数搭載した短魚雷であり、電気モーター推進である。


SBTは事前に航走パターンとボールドの放出タイミングを設定することが可能であった。熟練の艦長は攻撃や逃走の手段として用いており、敵艦相手に猛威を振るっている。



※作者の個人的意見

過去コメントで1918年に竣工したR級対潜潜水艦というオーパーツが出て来てないという意見がありまして、今回は採用させてもらいました。とはいっても、オリジナルのスペックでは沿岸でしか運用出来ないので大型化させましたが。


このまま大型化させていけば史実戦後の潜水艦になりますし、半島で研究が進んでいる原子力技術と組み合わせれば原潜の開発もスムーズにいくことでしょう。やっぱり名前は『ドレッドノート』かなぁ?


SBTの元ネタは、言わずと知れた艦隊シリーズです。

だからといって、戦術G7をやるつもりはありませんがw






セルフリッジ


排水量:1850t(基準) 2597t(満載)

全長:116.15m

全幅:11.28m

吃水:3.96m

機関:水管ボイラー4基+蒸気タービン2基2軸推進

最大出力:50000馬力

最大速力:35ノット

航続距離:12ノット/6500浬

乗員:194名

兵装:38口径5インチ連装砲4門

   56口径40mm連装機銃1基

   70口径20mm機銃6基 

   投下軌道2条

 

同型艦は『ポーター』『マクダガル』『ウィンスロー』『フェルプス』『クラーク』『モフェット』『バルチ』他         


ヴィンソン計画によって建造されたポーター級駆逐艦の2番艦。

これまでの旧式駆逐艦を一気に入れ替えるべく、60隻という異例の数が建造されている。


ポーター級の大量建造を脅威と見た日本海軍は、特型駆逐艦の高性能化を促進することになった。特型改3型(バッチ3)の建造と魚雷の高性能化に着手することになる。



※作者の個人的意見

60隻も作ると艦名に困るというのは贅沢な悩みなんでしょうねぇ。

史実だとフレッチャー級が175隻建造してるけど、艦名に苦労したんだろうなぁ。かといって、無味乾燥な番号にしてしまうと士気に影響が出てしまいますし、難しい問題ですよね。

アメリカ内戦が再戦しそうな雰囲気がひしひしと。

ついでに、フーヴァーと腹心トルソンが染まってしまいました(酷


>ゲリマンダー

選挙において特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすることです。

当時のマサチューセッツ州のエルブリッジ・ゲリー知事が自分が所属する政党に有利なように選挙区割りをしたら選挙区がサラマンダーのような不自然な形になってしまい、ゲリーとサラマンダーを合わせてゲリマンダーと呼ばれました。


>アルカトラズ

『監獄島』や『ザ・ロック』とも呼ばれる最強刑務所。

今回はルパン三世のOVA『アルカトラズ・コネクション』の設定をパクってます。原作でアルカトラズの地下で潜水艦を使う場面がありましたよね。


>「昔はそういうこともあったかもしれないがな。フーヴァーが改装したんだ」

自援SS『変態アメリカ国内事情―ギャング・マフィアに非ずんば人に非ず編―』参照。


>シドニー・ライリー海軍大将

未だに現場で頑張るマスタースパイ。

某拳骨の中将よりも質が悪いとか言っちゃダメ。


>艦外にはウォッチガードセキュリティの隊員たちが集合していた。

報酬はもちろん日本への慰安旅行です。

ブラックウィドウの面々を動かしても良かったのですが、彼らが出張ると戦争になるのでボツにしています。


潜水艦泡標的(SBT)(Submarine Bubble Target)

じつは開発にはテッド君が関わっています。

コミケで頒布した某艦隊シリーズをパクった同人誌のアイデアを多種兵器研究開発部(DMWD)が実現したものだったりします。


>フーヴァー・ファイル

史実だと政治家のプライベート&スキャンダルの塊。

この世界だと陰謀論者も大満足なヤバイ内容てんこもりなシロモノだったりします。


>薩摩飛脚

江戸時代、薩摩藩が国情の漏れるのを恐れて領内に入った他国の者の出国を許さなかったことから行ったきりで帰らないという意味で使われます。同名で映画化もされているのですが、おいらは見たこと無いです。


>南部英語

昔はガターイングリッシュって、言ってたような気がします。


>「……どうしてくれよう? も〇も〇室送りは……ご褒美になるから却下だな」

スレイヤーズも復活したし、オーフェンもと思ったけど第4部のノリにはついていかないんですよね…(´・ω・`)


>ボブ・エバンズ

じつはオリキャラだったりします。

立場的には重要なポジションにいるのですが、出番がほとんどありません。おチヨさんや、合コンに負ける度に出世して再登場するアーチーに比べて扱いが不憫です(哀


>現在のMI6はソ連とウクライナにリソースを集中していた。

最近まで独ソ戦やってたので、さして重要ではないと判断したアメリカ向けの人材を転用していました。アメリカ風邪で壊滅した北米支部の復興が遅れる原因でもあります。


>『ちょっとぉ!? 天井の厚さが鉄筋コンクリで10mとか要塞でも作る気かよ!?』

巨大爆弾トールボーイを弾き返したUボートブンカーでさえ、鉄筋コンクリで8m程度でした。地下100mと相まって、グランドスラムでさえ貫徹は不可能でしょう。なんつーもんを作ったんだ……(滝汗


>「メイドさんに冷たい表情で叱られたい……はぁはぁ……」

なんだ俺らかよ(`・ω・´)

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― 新着の感想 ―
>ゲリマンダー 日本でも、ハトマンダーやりかけた御仁がいましたなぁ。子孫共々迷惑な奴らだw >薩摩飛脚 そこから生還した間宮林蔵さん。襖職人として仕事しつつ、城の襖に【俺様参上(超意訳)】と証拠まで…
1939年ならブリストルのセントーラスが開発されているので、是非使って欲しい。川西の飛行艇を強化できるし、陸上機化もできるかもね。 18気筒エンジンは誉だけでは足りない。ジュピター由来の中島ハ44や三…
へー、R級潜水艦時代を先取りしてて凄いな。 とは言え、誘導魚雷でも無い通常魚雷で対潜水艦戦闘はちと無理が有り過ぎやしませんか。発想はいいけど技術が追いついて無さ過ぎる感。
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