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6

ステファニーは、12歳の誕生日を向かえた。あいもかわらず、家族や使用人と屋敷で過ごす日々だった。しかし、アルフレッドが作った温室もあり、ステファニーは花に囲まれた生活に満足していた。


ある日、リッチモンド候爵家にミルハント候爵が訪ねてきた。

ミルハント候爵のカーティスはアルフレッドの幼なじみであり、気のおけない友人だ。今日は、息子のブラッドリーとともにやって来た。

「久しぶりだな、カーティス。」

「本当だな。お前の顔を忘れるところだったよ。マリアンヌ様もお久しぶりです。相変わらずお美しいですね。そうだ、今日は息子を連れてきたんだ。」

黄色の瞳をしたカーティスは、陽気な笑顔を浮かべながら息子のブラッドリーを紹介した。

「ブラッドリー・ミルハントです。初めてお目にかかります。」

ブラッドリーは黄色の瞳の少年だった。

「ブラッドリー殿はカーティスの小さい頃によく似ているな。」

「そうか?俺の方がかっこ良かったぞ。」

そういうと、カーティスはブラッドリーの頭をがしがしと撫でた。

「旦那さま、お話はのちほどといたしませんか。美味しいお茶を用意させますわ。」

マリアンヌはそんな光景に微笑みをうかべながら、アルフレッドに話しかけた。

「そうだな。では、サロンへと移動するとしよう。」


「セドリック殿やステファニー嬢は元気にしているか?」

「二人とも元気にしているよ。あいにく、セドリックは外出しているが。」

「では、ステファニー嬢は屋敷内にいるんだろ。久しぶりに会わせてくれよ。お前がなかなか会わせてくれないから顔を忘れそうだよ。」

「それは…。分かるだろう。」

辛そうにアルフレッドは呟いた。

「大丈夫だ。息子のブラッドリーにはちゃんと話はしてある。ステファニー嬢には友人が必要だ。いつまでも屋敷に囲っているわけにはいかないだろう。」

カーティスはアルフレッドの目をまっすぐ見つめ諭すように言った。

アルフレッドがマリアンヌに視線をやると、マリアンヌは深く頷いた。すると、アルフレッドは意を決したように執事のハンスに声をかけた。

「ハンス、ステファニーにここに来るように伝えてくれ。」

「かしこまりました。」

「それと、瞳を隠さずくるように。」

「よろしいのですか。」

「かまわん。」

「かしこまりました。」


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