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「どうして、何も効かないの…。」

「ますます大きくなっている。どうすればいいんだ。」

アイリッシュとブラッドリーは、途方にくれていた。

「だから、言ったでしょ。何をしても無駄よ。何も効かない。」

女の子は、二人から離れたところから言った。

「ブラッド、あの女の子が闇の元凶なんじゃないの?だったらあの子をやっつければいいんじゃないの。」

アイリッシュは、女の子を睨み付けながら言った。

「駄目だ。あの子とステフは二人で一つだと言っていた。あの子に何かしたら、ステフにも何か影響があるかもしれない。」

ブラッドリーは、必死にアイリッシュをなだめた。

「さすが、ブラッド。頭がいいわね。私とステフは繋がってるの。私への攻撃はステファニーへの攻撃と同じ。どうなるかわかるでしょ。」

女の子は嬉しそうに笑った。それを見て、アイリッシュは、唇を強く噛んだ。

「でも、それならどうすればいいの。ステフには、球体が邪魔で声が届かない。球体を壊したくても攻撃が効かない。もう方法がないわ。時間がないのよ。」

「くそ…。どうしたら。ステフに声が届けば…。僕達の気持ちがステフに届けば…。」

ブラッドリーは、一生懸命に考えた。そして、ある考えが浮かびアイリッシュに耳打ちした。

そして、二人は女の子に近づくと、膝をついて女の子の手を片方ずつ握った。

「何をするの?」

女の子は、いぶかしげにブラッドリーを見た。

「何もしないさ。君たちは繋がってるんだろう。傷つけたりしないよ。ただ君達と話をするだけさ。」

「そうよ。お話しましょう。」

二人は優しく微笑んだ。そして、まずはブラッドリーが話始めた。

「ステフ、僕と初めて会った時の事覚えている?」

ブラッドリーは、女の子を通してステファニーに話かけた。

「僕が友達になって欲しいって、お願いした時すごい驚いていたね。そして、黒い瞳が怖くないかって聞いたよね。実はね、君に会うまでは噂だけを信じて、正直不安だったんだ。でも、実際に会ったステフはどこか怯えていて、儚げな女の子だった。その時、僕は自分を恥じたんだ。僕は彼女の事を何も知らないのに、どうして恐れる対象だと決めつけていたんだろうって。そして、僕のような考えを持った人に君は意味なくたくさん傷つけられたんだろうって思ったら、助けてあげたいって思ったんだ。最初は、同情だったのかも知れない。でも、本当に君を助けたかったんだ。ずっとそばで守ってあげたいって思った。それなのに、君を救ってあげられなかった。こんなに傷ついていたのに。ごめんね、ステフ。」

ブラッドリーの言葉に、女の子は一筋の涙を流した。

「ステフ、私と会った日のことも覚えている?」

今度は、アイリッシュが話始めた。

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