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ステファニーが先に図書館を読んでいると、エドワードは挨拶をすると近くの席に座ると本を読み始める。二人はただ挨拶をする関係、ただそれだけだった。しかし、まわりはそのようには受け取ってくれなかった。
「最近、エドワード様のお妃候補が変わったって知ってらっしゃる?」
「え!だれですの?」
「ステファニー様よ。図書館で密会しているらしいですわよ。」
「本当ですの?」
「見て。ステファニー様が来たわよ。」
いつの間にか学園は、ステファニーの話題で持ちきりだった。
ステファニーは、どうしていいかわからず自分の席に座った。すると、クラスメイトがよってきた。
「エドワード様のお妃候補になったというのは本当なんですの?」
「違いますわ。たまたま図書館でお会いしただけです。お妃候補になどなっておりません。」
ステファニーは、はっきりと否定した。しかし、クラスメイトは納得しなかった。
「図書館で待ち合わせして、密会がばれないようにわざと離れた席に座られるって聞きましたわよ。」
「今までキャロライン様が一番目の候補者だったのが、ステファニー様に変わったと私は聞きましてよ。うらやましい。」
ステファニーは、事の重大さに驚いた。まさかそんな噂までたっているとは思わなかった。この誤解を早く解かねばと、キャロラインを探しに教室を飛び出した。
学園をしばらく探し回りやっと見つけたステファニーは、キャロラインを呼び止めた。
「キャロライン様、ちょっとよろしいでしょうか。」
「ステファニー様、何かご用ですか。」
キャロラインは、優しげな笑みをステファニーに向けた。
「あの…噂のことなのですが、あれは、まったくのデタラメなのです。私とエドワード様は、ただ挨拶をするだけでそれ以外何もないのです。どうか、信じてください。」
その言葉を聞いた、キャロラインは、明らかに嫌悪感を表した。
「もしかして、私がエドワード様のお妃候補だと聞いたのですか?それなら、そっちの方がデタラメですわ。私は、関係ありません。エドワード様と仲良くされることを私に気を使わず、ご自由になさってください。」
そういうとキャロラインは、歩き始めた。そして、ふと立ち止まるともう一度ステファニーを見て言った。
「余計なお世話かと思いますが、エドワード様は、あなたにはふさわしくないと私は思います。よく考えてからお決めになって下さいね。」
ステファニーは、キャロラインの言葉に何も返せずただ固まっていた。誤解は解けないどころか、身分をわきまえろと言われたように感じ、一体どうしたらよいか分からなかった。
(すべて誤解なのに…。どうして誰も信じてくれないのかしら。)




