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ステファニーは、自分の気持ちを隠し、偽物の笑顔の仮面をつけて学園生活を送っていた。

入学当初、ステファニーは互いに意見をいい合えるそんな学園生活に感動した。しかし今は、そんな光景はステファニーの周りでは見られない。ステファニーの周りにいる人はみんな同じ考えを持つことに安心を覚え、違う意見を持つことを嫌悪する人ばかりだった。

それは、想像以上にステファニーにはとても辛いものだった。つねに友達の機嫌を伺い、嫌われないようにする生活は心を痛めつけ苦しめた。しかし、アイリッシュやブラッドリーと決別してまで選んだこの道を今さら捨てることは出来なかった。

そんなステファニーにとって心を休める事が出来るのは、空き時間に図書館で過ごすことだった。その時間だけが誰にも気を使わず出来る大切な時間だった。

(あの時、アイルやブラッドの話をちゃんと聞いていたら違ったのかしら。でも、今さらどうしようもないわ。頑張るしかない。)

しかし今は、図書館で今の状況を悔やんでもどうしようもない状態にますます落ち込むばかりだ。

そのたび黒いもやが自分の中にひろがっていくように感じた。そして、そのもやはステファニーの力にも影響を及ぼしていた。


学園の休みの日、ステファニーはいつものように花の世話をしようと花壇にやってくると庭師のシリルが何かやっていた。

「シリル、どうしたの?」

「ステファニー様。申し訳ありません。私の管理が悪く花が枯れてしまいました。」

シリルはステファニーに深く頭を下げた。ステファニーは、あわてて花壇を見ると昨日まできれいに咲いていた花達が枯れ果てていた。

「そんな、昨日は私が水をあげた時にはあんなにきれいに花を咲かせていたのに。」

ステファニーは、枯れてしまった花壇に座り込むと呆然とした。

そして、あることに気がついた。

(昨日、私は水をあげた…。)

ステファニーは、あわてて温室に走った。昨日は温室の花達にも水をあげていた。ステファニーは、温室の扉を開け花に駆け寄ると座り込んでしまった。

「枯れてる…。」

ステファニーが大切に育てていたバラの花がすべて枯れていた。座り込んでは呆然と花を見ていた。そして、ゆっくりと立ち上がると温室の外へと歩き出した。

「ステファニー様、どうしました?大丈夫でございますか。」

エイミーがステファニーの元へと走ってきた。しかし、その声が届かないのかふらふらとステファニーは歩くとふいと草花が目にとまり、微笑むとその花を摘んだ。しかし、自分の手を見ると先ほどの笑みが消え、大きな悲鳴をあげた。摘んだばかりの花が一瞬にして枯れたのだった。

ステファニーの悲鳴に驚き、屋敷のものが庭へと集まってきた。

「ステファニー、どうしたんだ。」

セドリックが走ってやってきた。そして、後からアルフレッドやマリアンヌも庭へとやってきた。

エイミーがステファニーに近づき触れようとすると、ステファニーは、大きな声を出した。

「私に触れては駄目。すぐに魔法師を呼んで。」

その間にもステファニーのまわりの草が枯れはじめていた。


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